【咲−Saki−】照「春期限定マンゴーパフェ事件」菫「白糸台・春の陣」 (35レス)
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12: [saga] 2019/09/28(土)02:00 ID:y2kfcPur0(12/29) AAS
私が小説を再度読み進めて、十五分ほど経った頃二人目の来訪者が訪れた。
「おはようございます。弘世先輩も来ていたんですね」
扉を開けて第一声、少し驚きながらも律義にそう告げたのは渋谷尭深。肩からトートバッグをかけて、手には大きめの紙袋を持っている。
「二時間ほど前にな。尭深も見舞いか」
「はい、私も監督から聞いていましたから」
私が照の一報を聞いた場には尭深もいた。それは覚えていたがわざわざ見舞いに来るとまでは考えていなかった。少しばかり感心を覚える。
「体調のほうはどうなんですか?」
「頭痛と吐き気があるそうだ。胃腸風邪かもしれないが……今はちゃんと寝てるし回復に向かってるとは思う。会っていくか?」
「いえ、眠りに付かれてるならお暇させてもらおうかと。騒がしくしても申し訳ないですからね。宮永先輩にお大事にと、宜しくお伝えください」
「そうか……。伝えておくよ」
「あと、これお見舞いの品です」
尭深が紙袋を両手で差し出す。中を見ると複数のフルーツ、正確には林檎とメロン、その上に乗る形でバナナと葡萄が入っていた。
「林檎とデラウェアは家から持ってきました。メロンとバナナは来る途中に買ってきたんですが……チョイスが悪かったですね。熟すのが早くなってしまうので林檎とバナナは離しておいてもらえると嬉しいです」
「了解した。確かに受けとったよ」
「はい、それでは」
浅くお辞儀をして尭深が去っていく。少し話し相手が欲しい気分だったが、見舞いの相手が寝ているのだから仕方ないか。
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