高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「のんびり勝負のカフェで」 (36レス)
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17: [sage saga] 2019/06/24(月)19:40 ID:15of7GWE0(17/36) AAS
□ ■ □ ■ □
藍子「加蓮ちゃんは、私の手の力や、目線を見てぴたりと当てたんですよね」
加蓮「そうだね」
藍子「でもクレープは、手には入らないから……あの時みたいに、手の力で判断するのは難しそう」
藍子「他に、なにか手がかりになることはあるかな……? う〜ん……」
省8
18: [sage saga] 2019/06/24(月)19:41 ID:15of7GWE0(18/36) AAS
加蓮「ま、"最初に決まってた答えの逆にした"ってだけだから、完璧に自分で決めたっていうのも変な話だし……」
加蓮「うーん……。そう考えると、このクイズメニューってちょっと微妙なのかもね」
藍子「へ?」
加蓮「やっぱりこういうクイズって、出題……はともかく、答えって出した側が全部決めるべきだと思うの」
加蓮「だから、例えば最初に置く皿の方向もお客さんに決めてもらうとか……」
省3
19: [sage saga] 2019/06/24(月)19:41 ID:15of7GWE0(19/36) AAS
藍子「おかしくなんてありませんよ。加蓮ちゃんも、すっかりカフェのお客さん――ううんっ、カフェの住人さんだなって♪」
加蓮「……一応私、これでも住んでる家があるんだけど?」
藍子「もちろんそうですね。私だって、カフェに住んではいませんから」
藍子「だから、これは例え話なんです。1箇所のカフェに、長い時間いたら……他のお客さんと、時間を共有している気持ちになれませんか?」
藍子「同じ場所で、同じ時間を過ごしてて……。そこに、のんびりした気持ちが加わって」
省5
20: [sage saga] 2019/06/24(月)19:42 ID:15of7GWE0(20/36) AAS
加蓮「手のかかるノロマで面倒くさくて目の前の勝負から逃げようとするアホな妹がいるから」
藍子「そこまでっ!? かっ、加蓮ちゃんこそ……ええと……。口がうまくて頭が回ってイタズラが得意で真面目すぎる、あっ、あほな妹さんじゃないですか!」
加蓮「くくっ。慣れてないのに無理しちゃって。それ褒めてない? ……で、勝負から逃げようとするのはよくないと思うんだけどなー?」
藍子「はっ。そういえば、今はクレープ当てのクイズをやってる途中でしたね」
加蓮「藍子にかかるとなんでもゆるふわ化するなぁ。もうちょっとピリピリしたのが好きなのに」
省2
21: [sage saga] 2019/06/24(月)19:42 ID:15of7GWE0(21/36) AAS
藍子「これは、質問っていうより、加蓮ちゃんにやってほしいことかもしれません」
加蓮「へぇー? 加蓮ちゃんにやってほしいことがあるんだー。藍子のためならなんでもやっちゃうよー」
藍子「ふぇっ? ……う、ううんっ。今は勝負してる時だもん……」
藍子「やってほしいことって言うのは……加蓮ちゃん。"こっちがオススメだよ!"っていうお皿を、私の方に出してください!」
加蓮「……地味にキツイこと言うね」
省2
22: [sage saga] 2019/06/24(月)19:43 ID:15of7GWE0(22/36) AAS
加蓮「さて、どうしよっか……」
藍子「……♪」ジー
加蓮「それなら……こっち。左の方にするね」
加蓮「はい、こっちがオススメだよ?」スッ
藍子「こっちが、加蓮ちゃんのオススメなんですね?」ジー
省5
23: [sage saga] 2019/06/24(月)19:43 ID:15of7GWE0(23/36) AAS
藍子「じ〜……」
加蓮「今度は私の方見てきた。……じー」
藍子「じ〜〜〜」
加蓮「じー」
藍子「じ〜〜〜〜〜」
省7
24: [sage saga] 2019/06/24(月)19:44 ID:15of7GWE0(24/36) AAS
藍子「ううん……。やっぱり私では、加蓮ちゃんみたいに、相手の目や動きを見て正解を当てるのって、できないんだなって……」
加蓮「あー。まぁ……私のはちょっと特殊なんだし、できなくてもおかしくはなくない?」
藍子「そういうことじゃないですっ」
加蓮「それに藍子はいつも私の考えてることを当ててくれるでしょ? ちらっと見るだけでさ。心を覗き込んでるかのように」
加蓮「当ててほしくないことまで容赦なくね」ボソ
省4
25: [sage saga] 2019/06/24(月)19:44 ID:15of7GWE0(25/36) AAS
加蓮「じゃあ今は顔に出てないんだ、私。これでも結構期待してるんだけどなー? 藍子ちゃんがズバッと正解を引き当ててくれること」
藍子「……、」
藍子「加蓮ちゃん。3つ目の質問、いいですか?」
加蓮「ん」
藍子「加蓮ちゃんが嘘をつくのが嫌いっていうこと。それは、今もそのままですか?」
省5
26: [sage saga] 2019/06/24(月)19:45 ID:15of7GWE0(26/36) AAS
加蓮「ま、嫌いだよね。嘘をつかれて生きてきた人生の中で、嘘をつきようもないくらいに素直で、まっすぐに手を伸ばしてくれた子と出会ったんだから」
加蓮「綺麗なものを知ってるから、汚いものが余計に嫌いになる、ってことかな……」
藍子「加蓮ちゃん――」
加蓮「まぁそいつは手のかかるノロマで面倒くさくて目の前の勝負から逃げようとするアホだけど」
藍子「加蓮ちゃん!?」
省2
27: [sage saga] 2019/06/24(月)19:46 ID:15of7GWE0(27/36) AAS
加蓮「不思議なんだよね。この前藍子と勝負した時は割と真面目にいけたのに。なんか今日はビミョーなの。……やっぱりこれも藍子のゆるふわのせいかな?」
藍子「そろそろ違う理由も探しましょうっ。きっと何かあるハズです!」
加蓮「違う理由かぁ。……マジなとこ、こういうクイズとか企画とかって1から作らないと気がすまないタイプかも。私」
加蓮「ほら、ちょっと前からさ。アイドルやってる時も、Pさんと企画のことを話したり、私ってちょっとだけプロデューサー側に回ってるっていうの? そんな感じなんだよね」
藍子「よくミーティングルームで楽しそうに会議してますよね。前を通った時に、声が聞こえてきたことがありましたっ」
省6
28: [sage saga] 2019/06/24(月)19:46 ID:15of7GWE0(28/36) AAS
加蓮「ふふっ。っと、それでも勝負は勝負だよね。っていうか、勝負から逃げようとするアホって藍子のこと煽ってんのに、私が逃げちゃダメだよね」
藍子「まず煽るのをやめればいいと思うのに……。それと、これだって勝負ですよ」
加蓮「そう?」
藍子「加蓮ちゃん風に言うなら……。敢えていつも通りみたいにお話をして、相手のスキを窺う――実はこれは、そういう作戦なんですっ」
加蓮「なっ……! 藍子がそんな高度な作戦を!」
省7
29: [sage saga] 2019/06/24(月)19:47 ID:15of7GWE0(29/36) AAS
加蓮「うやむやになりそうだったけど、さっきの質問の答えは"YES"。嘘は嫌い。つくのも、つかれるのもね」
藍子「分かりました。……よかった。本音まで偽られたら、もう私には加蓮ちゃんが見えなくなっちゃいますから」
加蓮「そろそろ1時間経つけど、正解は分かった?」
藍子「そうですね……。今回は、あんまり自信がなくて。こっちなのかな? ってくらいですけれど、それでもいいですか?」
加蓮「いいよ。っていうか自信満々の方が怖いんだって。私の考えたことを全部ドンピシャで当ててくるような……あれはあれで嬉しいけど……」
30: [sage saga] 2019/06/24(月)19:48 ID:15of7GWE0(30/36) AAS
藍子「正解は、こっちっ。加蓮ちゃんから見て、左の方!」
加蓮「へーぇ。どうしてそう思うの?」
藍子「そうですね……。加蓮ちゃん、嘘をつくのは嫌いなんですよね」
藍子「もし、それでも嘘をつかないといけない時があったら、きっと加蓮ちゃん、嫌そうな顔をすると思うんです」
藍子「さっき、私がオススメを聞いた質問の時、加蓮ちゃんは悔しそうにしながら、」
省6
31: [sage saga] 2019/06/24(月)19:48 ID:15of7GWE0(31/36) AAS
加蓮「1つ目の質問の時とか。なんか分かったこととかないの?」
藍子「……特にありません。だから、今回はあまり自信がないんです」
藍子「加蓮ちゃんの言った、最初からぜんぶ自分で企画したクイズではないから、そうなのかもしれませんねっ」
加蓮「そ……」
藍子「……? えっと……間違っていたらごめんなさい」
省3
32: [sage saga] 2019/06/24(月)19:49 ID:15of7GWE0(32/36) AAS
藍子「根拠を聞いたり、今も、何かを思い出してほしいっ、って感じに見えたから」
藍子「もしかしたら、加蓮ちゃんの気付いていないことを私が気付いていてほしかったとか、見抜いてほしいって思っていたりとか、そう見えちゃって」
加蓮「いやいや。それ演技。それも演技だから」
藍子「どれですか」ジトー
加蓮「演技って言えば演技なの。ほら藍子。そういうことにしといてよ」
省3
33: [sage saga] 2019/06/24(月)19:49 ID:15of7GWE0(33/36) AAS
加蓮「ほら、さっさとクレープ食べるよ! 藍子の言った方で正解なんだからっ」
藍子「よかった。じゃあ、いただきま――」
加蓮「……まだ何か言いたい悪口でもあるの」
藍子「それはないですよっ。そうじゃなくて……。加蓮ちゃん。正解したってことは、私の勝ちってことですよね」
加蓮「そうだね。……半分ゆるふわに呑まれてたとはいえ改めて言われると腹立つねー」
省5
34: [sage saga] 2019/06/24(月)19:50 ID:15of7GWE0(34/36) AAS
加蓮「いや……景品っていっても。……そう。今回はやる前に景品の話をしてないじゃん。メニューを注文しただけ!」
藍子「なっ――」
加蓮「ってことで景品はありませーん。いただきまーす」
加蓮「もぐっ……うん、美味しー♪ 生チョコが甘い分イチゴの酸っぱさがいい感じに出るね。あっ、でもふんわり溶けてく感じもいいかもっ」
藍子「……………………」
省3
35: [sage saga] 2019/06/24(月)19:50 ID:15of7GWE0(35/36) AAS
藍子「……もしもし? お母さん? うん、今加蓮ちゃんと一緒にいるの。いつものところ」
加蓮「えちょ、」
藍子「今日迎えに来てもらってもいいかな? それと、晩ご飯は加蓮ちゃんの分も――あははっ、そんなに張り切らなくても、大丈夫だよ?」
加蓮「ちょ、藍子?」
藍子「うん。お願いねっ」ピッ
省7
36: [sage saga] 2019/06/24(月)19:51 ID:15of7GWE0(36/36) AAS
藍子「クレープ、いただきま〜す♪ ぱくっ……わっ、美味しい! 生地が分厚いから、ウインナーの味は強めにしたのかな? ぱさぱさしていなくて、すぐにお腹がいっぱいになっちゃいそうっ」
加蓮「……」ガクッ
加蓮「……藍子の家に行ったらもっかい勝負するわよ。今度は題材も1から作って。勝ったら私は藍子の家から脱出する!」
藍子「じゃあ、私が勝ったら加蓮ちゃんは1週間私の家でお泊りですね。絶対に負けられないですっ」
【おしまい】
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