高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「3月下旬のカフェで」 (44レス)
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1: [saga] 2019/03/25(月)18:05 ID:2uMcbXTl0(1/44) AAS
――おしゃれなカフェテラス――

ぽちぽち...

北条加蓮「こっちはオッケー、っと。あとはモバP(以下「P」)さんからの返信待ちかな」

加蓮「……」

加蓮「……はー、緊張する。こーいうの、やっぱり慣れないなぁ。あんまり分かんない人と話するのって――」チラ
省5
25: [saga] 2019/03/25(月)18:18 ID:2uMcbXTl0(25/44) AAS
藍子「あっ、そうだ」

藍子「"これを書いている間に、一緒にいてくれた加蓮ちゃんが寝ちゃいました。春は、もうすぐそこですね"」カキカキ

藍子「うんっ。……後で、何か言われちゃうかな? そういえば、加蓮ちゃんのひとくちコメント、まだもらってなかったっけ」

藍子「でも、寝ちゃった加蓮ちゃんが悪いんですからね〜?」

加蓮「くー……」zzz
省5
26: [saga] 2019/03/25(月)18:19 ID:2uMcbXTl0(26/44) AAS
……。

…………。

――45分後――

加蓮「……………………そういう時は起こしなさいよ」(顔を洗ってきた)

藍子「ご、ごめんなさい。だって〜……」
省4
27: [saga] 2019/03/25(月)18:19 ID:2uMcbXTl0(27/44) AAS
加蓮「……っと、店員さん。コーヒーありがとー。藍子、注文しててくれたの?」

藍子「加蓮ちゃんが、顔を洗いに行った時に……来た時のお返し、にはなっていませんかもしれませんけれど」

加蓮「そっか」ズズ

加蓮「うわ、苦っ……いや、濃い。すごく濃いよ、これ」

藍子「きっと、店員さんも加蓮ちゃんが寝起きだってことを知っていたんですよ。それで、眠気覚ましにしてくれたんだと思います」
省9
28: [saga] 2019/03/25(月)18:20 ID:2uMcbXTl0(28/44) AAS
加蓮「あ、そうだ、私もコメント書かなきゃ」

藍子「!」スッ

加蓮「……こら。なんでノート隠すの」

藍子「そ、それは。……ほら、まだ書き終わったばっかりで自信がないですからっ」

加蓮「いつも書いてる途中から私に見せてるし何なら声に出してるでしょうが! さては藍子、私が寝てる間に余計なこと書いたでしょ!?」
省3
29: [saga] 2019/03/25(月)18:20 ID:2uMcbXTl0(29/44) AAS
加蓮「っと。……完成品できたらばっちり見るからね。その後デコピンするから」

藍子「デコピンはやめて……。じゃあ、完成品ができたら、加蓮ちゃんに一番に見せますね?」

加蓮「はいはい。コメントかぁ……」ズズ

加蓮「そういえばさ、藍子のコラムの評判ってどうなの? 好評っぽいのは分かるけど、私あんまり知らないんだよねー」

藍子「そうですね〜。みなさん、加蓮ちゃんのコメントも楽しみにしてくださってるようですよ」
省3
30: [saga] 2019/03/25(月)18:21 ID:2uMcbXTl0(30/44) AAS
藍子「そうそう、前にカフェの写真を掲載したことがありましたよね。あれ、実はとっても評判がよかったんです!」

加蓮「おー」

藍子「あい……私の写真とは、また違う趣きがあっていいって。加蓮ちゃんに詳しいって方が、あれは加蓮ちゃんが撮ったものだって、一発で見抜いちゃったり!」

加蓮「へ、へー。そっか。見てくれる人は見てくれる的な……」

藍子「そうそう、雑誌の担当の方もほめてくださってましたよ。今度、フォト系の何かをお願いしたいかも、って」
省7
31: [saga] 2019/03/25(月)18:21 ID:2uMcbXTl0(31/44) AAS
加蓮「ところでさー」

藍子「はい、何ですか?」

加蓮「んー……。うん。藍子のコラムへのファンレターのこと、もっと教えてほしいなー?」

藍子「ファンレターのことですか? そうですね……。最近の……そうそう、加蓮ちゃんは普段、あいっ、私と何をしているんですか? って聞かれたことがあります」

加蓮「ふんふん。なんて答え――って、答える場がないか」
省4
32: [saga] 2019/03/25(月)18:22 ID:2uMcbXTl0(32/44) AAS
藍子「ふふっ。それに――」

藍子「いつの間にか、ここは私たちの隠れ家みたいになってるから……」

藍子「このカフェのこと、みなさんには知ってほしいですけれど、でも秘密なんです。ふふ、おかしなお話ですよね」

加蓮「……、」

藍子「……?」
省5
33: [saga] 2019/03/25(月)18:22 ID:2uMcbXTl0(33/44) AAS
加蓮「っていうかファンレターで聞かれるの? 私達が何してるのかってこと」

藍子「ときどき聞かれますよ。みなさん、加蓮ちゃんに興味しんしんなんですね」

加蓮「だからそれ私じゃなくて私に絡んでる藍子のことでしょ……。でも……そっか。ファンレター、いっぱい来てるんだ」

藍子「おかげさまで、ですっ」

加蓮「よかった。ねね、他にも教えてよ。どんなのが来てるの? 質問? 感想?」
省10
34: [saga] 2019/03/25(月)18:23 ID:2uMcbXTl0(34/44) AAS
藍子「……い、いいじゃないですか。べつに」

加蓮「別にいいよ? たださ、加蓮ちゃん的には自分のことを藍子ちゃんって呼ぶ藍子ちゃんもアリかなーって」

藍子「わ、私としては無しです。……でも加蓮ちゃん、よく自分のことを"加蓮ちゃん"って呼びますよね。今みたいに」

加蓮「そーだねー。だから藍子もやってみようか。さんはいっ」

藍子「あ、あ〜」
省4
35: [saga] 2019/03/25(月)18:23 ID:2uMcbXTl0(35/44) AAS
加蓮「じゃラジオのコーナーってことで。自分を名前で呼んでみよー。わー」パチパチ

藍子「わ、わ〜?」

加蓮「はいノッたね。では高森さん、どうぞっ」

藍子「は、はいっ。……ごほん」

藍子「あ――」
省4
36: [saga] 2019/03/25(月)18:24 ID:2uMcbXTl0(36/44) AAS
加蓮「お? そーきたか。ではここでお便りを募集しましょう。あっ、早速ツイッターのアカウントに投稿が。"私も見てみたいです!"とのことです」

加蓮「これは期待に答えないといけませんねー。では藍子ちゃん、どうぞっ」

藍子「……か、加蓮ちゃん? 本当にそういう企画や、台本がある訳じゃないんですよね?」

加蓮「ないよ? やりたいなら持ち込むけど」

藍子「それなのに、こんなにすらすらと……」
省1
37: [saga] 2019/03/25(月)18:24 ID:2uMcbXTl0(37/44) AAS
加蓮「では藍子ちゃん、どうぞっ」

藍子「は、はいっ。あ――」

加蓮「い?」

藍子「……まずは加蓮ちゃんがお手本を見せてくださいっ」

加蓮「えー、しょうがないなぁ。やっほー、加蓮ちゃんだよー♪」ヨコピースッ
省6
38: [saga] 2019/03/25(月)18:25 ID:2uMcbXTl0(38/44) AAS
加蓮「……」

藍子「えと……コップ、お願いします、ね?」

加蓮「よ、よろしくねー……」

藍子「……」

加蓮「……」
省5
39: [saga] 2019/03/25(月)18:25 ID:2uMcbXTl0(39/44) AAS
□ ■ □ ■ □

加蓮「……っと、もう6時すぎてるんだ。そろそろ帰る?」

藍子「は〜い」

加蓮「外暗くなるの遅くなったよね」

藍子「お散歩していたら、気付いたら6時半になっていたりして……。もう、春ですね」
省2
40: [saga] 2019/03/25(月)18:26 ID:2uMcbXTl0(40/44) AAS
加蓮「ったくもー。……っと、ごめん、Pさんから電話だ。待っててもらってていい?」

藍子「分かりましたっ」

加蓮「先帰っててもいいよ?」

藍子「そんな。ちゃんと待ちますよ」

加蓮「どーだか。とか言ってこっそり逃げ帰ったり――」
省3
41: [saga] 2019/03/25(月)18:26 ID:2uMcbXTl0(41/44) AAS
加蓮「……。っと、電話に出なきゃ」

加蓮「もしもし? Pさん? うん、今は大丈夫。そろそろ帰るとこだよ。……うんうん、――うん」

加蓮「……」チラ

<〜♪ あっ、レジの隣に猫さんの雑貨が……。これ、新しく入れたんですか? 可愛いっ

加蓮「……分かった。今度の金曜日の夕方ね。オッケー」
省3
42: [saga] 2019/03/25(月)18:27 ID:2uMcbXTl0(42/44) AAS
加蓮「……、」チラ

<ごちそうさまでした。……まだ外、少し冷えますね。え? このカイロ、もらっていいんですか? ありがとうございます♪

加蓮(さて――)
43: [saga] 2019/03/25(月)18:27 ID:2uMcbXTl0(43/44) AAS
毎日は変わらず過ぎていく。

夕陽と朝の日差しは、変わらずに繰り返され。雪は溶け、暖かな風が流れていく。

そうしてカレンダーをめくっていると、あの日の傷や、できあがった溝も、まるで当たり前のようになってきて。
何が起きたかなんて、忘れそうになってしまうけど。

……目を背け続け、それが当たり前だと慣れてしまうのも、1つの生き方かもしれない。
でも、私も、そして藍子も。
これまで何回も、傷ついて――時にはお互い、傷口に手を突っ込んで、ぐちゃぐちゃに痛みあって、そうして一緒に歩き続けてきた。

だから今回も、完全に治してしまおう。
省2
44: [saga] 2019/03/25(月)20:02 ID:2uMcbXTl0(44/44) AAS
作者です。
大変申し訳ございません。タイトルに誤りがありましたので修正致します。

誤:高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「3月下旬のカフェで」
正:高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「3月下旬のカフェテラスで」

もしこのお話をまとめて頂けるのであれば、お手数ですがタイトルを正しい方にて表記して頂ければ幸いです。
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