【艦これSS】不器用を、あなたに。 (624レス)
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333: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/17(日)10:48 ID:ipNkQLlXO携(68/73) AAS
古鷹「...私達は山城さんの味方です。完全に納得はできないですけど、私よりも上手くいってますし...」
山城「あの子達に共通点はあるけど、背景は全く違うわ」
山城「だから私のやり方と比べたって意味無い。ましてやそれは人を不快にするのものだしね」
山城「それに何度も言うけれど私に味方なんてしない方がいいわ」
山城「ここに来てそこそこ長い子なら貴方がお人好しだからって納得するだろうけど、新入りが増えてくるとただの嫌われ者の同調者って思われるわよ?」
334: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/17(日)10:57 ID:ipNkQLlXO携(69/73) AAS
古鷹「...そんなんで済むくらいなら喜んで。」
山城はその返答に驚くしかなかった。
普段の古鷹からは想像できないような、強い心意気が垣間見えた。
古鷹「山城さんこそ、私の真の仲間なわけですから」
古鷹「山城さんだけが孤独なんて、私は嫌なんです」
そう笑顔で古鷹は付け加えた。
省3
335: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/17(日)10:57 ID:ipNkQLlXO携(70/73) AAS
山城「(白露型や朝潮型よりはマシだけど...まぁ立ち去るのが無難ね)」
山城「じゃあ私はこれで。何か困ったら助けるわ」
古鷹「山城さんこそ、何か困ったらいつでも」
こうして2人は立ち話を終えたのだった。
336: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/17(日)10:58 ID:ipNkQLlXO携(71/73) AAS
〜
陽炎「おはよう、古鷹さん!」
不知火「おはようございます」
古鷹「二人ともおはよう!」
不知火「...さっき話してたのは不幸戦艦ですか?」
省1
337: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/17(日)11:01 ID:ipNkQLlXO携(72/73) AAS
山城は嫌われ者である。
駆逐艦は恐らく暁型以外はみんな嫌悪感を抱いてるであろう。
それはあるべき状態ではない・・・
山城はそんな境遇に陥るべきではない・・・
本当は真実を全員に伝えてしまいたい・・・
そんな湧き上がる思いを捨て去り、今日も古鷹はいつものようにこう言うのであった。
古鷹「...たしかに山城さんは酷いよね...。だけど私は山城さんが本心からあんなこと言ったりするって思えないんだ」
そして古鷹の言葉は、今日も皆には“お人好し”という理由で浸透することなく軽く受け取られるだけなのである。
338: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/17(日)11:02 ID:ipNkQLlXO携(73/73) AAS
今回はここまでです
もう逆に投下予告宣言はしないようにしよう(戒め)
339: 2019/03/17(日)11:43 ID:CSFZJr2GO携(1) AAS
乙
いつも楽しみにしてるから自分のペースで書いて
340: 2019/03/17(日)12:14 ID:GHdSPWKAO携(1) AAS
乙!
341: 2019/03/19(火)12:24 ID:9LB/zbNAo(1) AAS
おつー
342: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/23(土)02:24 ID:LY9D/QEiO携(1/38) AAS
一部投下します
343: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/23(土)02:26 ID:LY9D/QEiO携(2/38) AAS
12月13日 15:00 間宮
瑞鶴「ほんっと、ありえない!」
本来はそこで出される美味しい甘味に舌鼓を打ち穏やかな時間を過ごす場所であるが、この空母だけは違っていた。
翔鶴「瑞鶴...いい加減に落ち着きなさい」
瑞鶴「そんなの無理だよ!」
省3
344: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/23(土)02:27 ID:LY9D/QEiO携(3/38) AAS
瑞鶴「あるわけないじゃんっ!心配の言葉なんて一切なかった」
瑞鶴「口に出すのは「もしこれが救援が出せない状況なら沈んでた」とか「今日のに懲りたらもっと精進しろ」とか、全部批判で...!」
瑞鶴「何でもかんでも「慢心」で片付けてっ!赤城さんみたいに過去の反省から使ってるわけじゃない、アイツはただ私へ難癖つけるために使ってるだけじゃん!」
翔鶴「でも加賀さんが言ってること自体は間違ってないじゃない」
困った顔をしつつも翔鶴はなんとか瑞鶴に落としどころを見つけさせたいようである。
省3
345: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/23(土)02:28 ID:LY9D/QEiO携(4/38) AAS
瑞鶴「あれほどの敵の存在だってもともと作戦段階では想定外で...それでピンチになって救援要請したら心配するどころか説教で」
瑞鶴「挙句に救援艦隊入り拒否して赤城さんと二航戦の先輩に私を押し付けただけなんてね...!」
翔鶴「加賀さんが私情でそんなことするなんて思えないけど...」
瑞鶴「どうせそういうヤツなのよっ!アイツ不幸戦艦のこともちょくちょく味方するみたいだし、案外同じように幸運艦って理由で私のこと疎んでるんじゃない?」
翔鶴「加賀さんは私達に期待してるから厳しいだけで...山城さんとは違うわよ」
省1
346: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/23(土)02:29 ID:LY9D/QEiO携(5/38) AAS
瑞鶴「古参仲間だからって、ばかわうちもあっちの味方するし...ムカつくムカつくムカつく!!」
翔鶴「ちょっと...」
普段から犬猿の仲で通ってる瑞鶴と加賀。
二人の喧嘩は別に珍しいものではなかった。
それゆえ近しい正規空母の面々や周囲に居合わせた艦娘達は特にそれを気にしないどころか、ある意味で惚気のように解釈しているのだが・・・
瑞鶴「もういい、あんなヤツこっちから願い下げだわ」
347: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/23(土)02:30 ID:LY9D/QEiO携(6/38) AAS
瑞鶴「援軍に来てくれたのがアイツ除いた正規空母フルメンバーでむしろ嬉しかったしね、焼き鳥なんか顔も見たくないわよ」
瑞鶴「あんな冷酷だなんて思わなかった...認めてもらおうって頑張ってきたのに...!」
翔鶴「瑞鶴...」
しかしそれは普段の喧嘩には、どこか師弟の絆のような愛情がお互いの奥底に垣間見える気がするからである。
お互い罵りあいながらそれでも信頼はしているという、実力差はあれども良き好敵手といった関係だったのだ。
しかし今の瑞鶴の様子は完全にそれとは違う。
348: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/23(土)02:32 ID:LY9D/QEiO携(7/38) AAS
瑞鶴は涙を浮かべながらもも意地で何とかいつものように罵倒で精神を保っているという感じである。
そしてその涙は、悔し涙などというある種のポジティブさを含んだものなどではなく、明らかにショックや悲しみといったものを隠しきれずに出てきたものであった。
間宮内に点在する艦娘達も、いつものとは違う瑞鶴の様子にやや不安そうな表情を浮かべる。
翔鶴が瑞鶴を慰めようとした時、五航戦のもとに一人の艦娘が話しかけてきた。
那珂「ちょっといいかな?」
翔鶴「那珂さん?」
349: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/23(土)02:32 ID:LY9D/QEiO携(8/38) AAS
那珂「那珂ちゃんも救援部隊編成決める時に執務室呼ばれてたし、川内ちゃんにも不満があるみたいだから...よければ瑞鶴さんの話聞くよ?」
その那珂の言葉で少しだけ落ち着き、瑞鶴は改めて事のあらましを語ることにした。
・・・発端はいつもの喧嘩からだったと思う。
350: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/23(土)02:34 ID:LY9D/QEiO携(9/38) AAS
今日も正規空母の日課である朝稽古があった。
そこでこれまたいつも通りに小言ばかりの加賀に苛立ち、瑞鶴もそれに応酬して喧嘩になった。
ここまでは普段と同じである。
今日は午前から瑞鶴が初めて旗艦を担う出撃があった。
その出撃海域は出現する敵も比較的低レベルであり、大して高練度ではない瑞鶴でも充分であった。
くわえて艦隊には比較的古くからのメンバーである龍驤や村雨がおり、瑞鶴の旗艦としての動きをフォローする体勢が整っていた。
351: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/23(土)02:36 ID:LY9D/QEiO携(10/38) AAS
またこの出撃は瑞鶴の旗艦経験を積ませる事だけが目的でなく、むしろ巡洋艦や戦艦の弾着観測射撃技術向上のための実践的練習の意味が強かった。
ちなみに本日この対象となったのは扶桑、羽黒、球磨であった。
そのため瑞鶴と龍驤は制空権確保を、村雨が対潜を担い、残りで弾着観測射撃を駆使して敵艦を殲滅していくという作戦であった。
作戦は大変順調に進んだ。
352: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/03/23(土)02:36 ID:LY9D/QEiO携(11/38) AAS
それもそのはずで、そもそもこの海域では基本的に敵に空母は出てこないか、出てくるとしても1部隊につき1体程度である。
瑞鶴のレベルでも制空権確保は可能であり、これにさらに保険をかけて龍驤まで付き添わせてあるのだ。
さらに潜水艦についてもこの海域での会敵はまだ報告されていなかった。
作戦前のブリーフィングでは提督はこれについて言及しつつも、万が一に備えるという理由で比較的高練度の駆逐艦も編成に加えたのだった。
それは杞憂に終わるかと思えたが・・・
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