[過去ログ] アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙 2スレめ! (782レス)
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454: [sage saga] 2019/02/11(月)19:39 ID:xZkV+3KQ0(1/8) AAS
 どこかで落ち着いて――というのがあまりできそうになかったので、
 船で淡島から離れてからしばらくタクシーに乗車し車は発進した。
 しばらくして一人拾っていくというので、誰? って問いかけたら。
 あなたを殴りたいって息巻いている人と答えられてしまい
 なんとも言えない表情で空を見上げている私が後部座席の窓に映った。

「ツバサの周囲は特に変わったことはない?」
「そうね……城ヶ崎って言ったら誰を思い浮かべる?」

 問いかけられたくない話題だったのかな?
 と、土足で触れられたくない事実に踏み入ってしまったようで、
 迂闊な自分自身を反省しつつ。
省23
455: [sage saga] 2019/02/11(月)19:40 ID:xZkV+3KQ0(2/8) AAS
「闇雲に頑張って希さんが大学を卒業するまでだから、ちょうど4年?
 なんかね、違うなって、そんな折、たまたま昔のことを思い出した」

 タクシーの運転手さんが聞いている中で、違う世界の自分の記憶云々
 なんて会話は出来ないので、
 あくまで当該の内容だと分かるようにしつつ、
 ツバサの過去回想に耳を傾けた。

「その時にはね、解散は決まってた。
 私たちの意志じゃなくて、後進が育たないっていうもっともらしい理由
 反発する気力もなかったわ
 確かにそうなの、私たちは絶対的な覇者で誰も敵わない無欠のアイドル
省19
456: [sage saga] 2019/02/11(月)19:40 ID:xZkV+3KQ0(3/8) AAS
「それが何故異性の恋人への執着に向かわないのか」
「もしかしたら――私にとってあまりに困難で諦めるほかない事象が、
 異性の恋人を作るということなのかもしれない」
「お互いに本当に異性には縁がないわね……」

 あらゆるループを繰り返しても、
 異性の恋人のひとりも出来たことがない私たちは顔を見合わせつつ。
 道を歩く高校生くらいのカップルを見ながらツバサが口を開いた。

「私の母の妹の娘が竜宮雪菜というのよ」
「それって、あなたが私に偽名で名乗ったときの」
「何の因果かしらね……?
省23
457: [sage saga] 2019/02/11(月)19:41 ID:xZkV+3KQ0(4/8) AAS
 沼津市の駅前。
 まだ再会には至ってないけど、前述の彼女と同格のバストサイズを誇り、
 一年前には中学三年生だったんだよね? とか考えてしまうと、
 誰しもが闇に落ちそうなスタイルをしている国木田花丸ちゃんが、
 沼津市に行くと何でも揃う! と自信満々に言っていた過去を思い出す。
 全国系列のビジネスホテルがあったりバスターミナルもそれなりに大きく、
 一見すると栄えているように見える。
 だけどもやはり、大都会の近くで生活していた私であるとか、
 実家がでかい綺羅ツバサなんかからすると、
 まだまだ発展途上といったところやんな?
省18
458: [sage saga] 2019/02/11(月)19:42 ID:xZkV+3KQ0(5/8) AAS
 過去に体験したあらゆる私自身の記憶を振り返ってみても、
 ツバサと二人きりで飲み食いしている面々というと自分しか思いつかない。
 彼女もいるわよそれくらい! といった後に黙り込んでしまったため、
 今までの会話はなかったことにして新しい話題を作った。

「話は変わるけど、今スクールアイドルってどこが強いの?」
「UTXの一人勝ちかな」

 ツバサはその言葉を寂しそうに語った。
 自分たちが頑張った結果スクールアイドルが衰退した――
 とまでは考えていないにせよ。
 μ'sと同程度に浸透させることは出来なかったという自戒というか、
省20
459: [sage saga] 2019/02/11(月)19:43 ID:xZkV+3KQ0(6/8) AAS
 心臓が早鐘のように高鳴りだした。
 軽い気持ちで弱小野球部が仲間を揃えて勝利する物語みたいに、
 こうなったら良いなっていう私の気持ちを踏みにじるよう。
 
「……やる」
「絵里?」

 動悸は収まらない。
 雪姫ちゃんやリリーちゃんがどれほど私のことを想い、
 自分が悪と呼ばれようとも私の体調を鑑み、
 最終的には死ぬからっていう理由で”あの子”と同調して私を世界から消し去った。
省13
460: [sage saga] 2019/02/11(月)19:43 ID:xZkV+3KQ0(7/8) AAS
「あなた一人じゃクリアできないわよ、そのストーリー」
「でもやるの、諦めたら――諦めたら何も出来ないじゃない」
「高い壁は、乗り越えたくなる
 私はさきほどあなたにそう言ったわね?」

 ツバサのいつもの、
 仕方ないなあ、みたいな表情をしながら私を見下す目。

「乗ったわ、私に都合の良い物語よりよっぽど面白そうじゃない?
 ううん、協力させて絵里――今度こそハッピーエンドを目指しましょう?」
「ツバサ……協力するって言っておいて後ろから刺さないわよね?」
「そういうのは、今あなたの背後にいる怖い女の子に任せるわ」
省16
461: [sage saga] 2019/02/11(月)19:52 ID:xZkV+3KQ0(8/8) AAS
”あの子”となっているのは、
いちおうネタバレ防止のために伏してありますが。
理亞ちゃんルートのラスボスのことです。

ネタバレしてどうこう変わる話ではないですし、
なにより、悪いことはするけども悪人じゃないので
名前を出しても良いのかなとは思うのですが念のため。

予告した内容に行く前に本日の更新分が力尽き、
十千万へは次回行きます!
ではまた次回です!

理亞ちゃんルートの璃奈ちゃんボード作成回も頑張って書きます……。
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