遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」 (296レス)
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128: ◆CItYBDS.l2 [saga] 2019/02/21(木)23:32 ID:Fom+zo150(1/5) AAS
目を開けると、そこには俺の胸の高さほどのカウンターがあった。
そして、そのカウンター越しには壮年の男が一人。

「みぃぃぃつぅぅぅうぅけぇぇぇぇたぁぁあぁあ」

思わず歓喜の声が出てしまっていた。
それだけか、顔中の表情筋が全てにおいて緩んでいるのがわかる。
まさか俺がここまで表情豊かな男であったとは自分でも驚きだ。

目の前の男は、褐色の肌に銀色の髪を持ち。額からは二本の角が生えている。
その姿は、かつて剣を交えた魔王その人であった。
省11
129: ◆CItYBDS.l2 [saga] 2019/02/21(木)23:33 ID:Fom+zo150(2/5) AAS
俺の意識が、魔王から遊び人へ移ったその一瞬。
魔王の右腕が尋常ならざる速さで動く。
その手に逆手で握られているのは針状の武器。暗殺等に用いられる暗器だ。

「……っ!?」

なんとか反応し剣を引き抜こうとするが、剣は抜けなかった。
剣の柄を握った俺の手に、遊び人が手を重ね押さえつけてきたからだった。

俺は、死を覚悟した。

しかし、暗器が俺に向けられることはなかった。
魔王は満足そうにニンマリと笑うと、何処から取り出したのか左手の上に氷をのせ、その暗器で砕きだした。
省10
130: ◆CItYBDS.l2 [saga] 2019/02/21(木)23:36 ID:Fom+zo150(3/5) AAS
独特の低さを持ちながらも透き通った力強く優しい声。

違う……姿かたちはよく似ているが、声が違う。
あいつの、魔王の声はもっと威圧感に溢れ。まるで自らの力を誇示するかのようなものだった。

ならば目の前の、魔王によく似た男は魔王と同族。もしくは、近しい親類といったところだろうか。

「お前は何者だ……?」
省13
131: ◆CItYBDS.l2 [saga] 2019/02/21(木)23:36 ID:Fom+zo150(4/5) AAS
「彼、バーに来るのは初めてなの」

「おや、もしかして彼が……?」

「そう、例のお友達」

察するに、遊び人はここの常連らしい。
時折、魔王探索とは別に一人で千鳥足テレポートで飛んでいくことがあったが、ここに来ていたのだろう。
省7
132: 今日はここまでです◆CItYBDS.l2 [saga] 2019/02/21(木)23:37 ID:Fom+zo150(5/5) AAS
「それでは、スクリュードライバーでもお作りしましょう。少し強めに致しますね」

「二杯目からは、さらにお好みに沿うようにお作りできるかと思います」

マスターの『作る』という言葉に、俺の頭上に再び疑問符が浮かび上がった。
酒を『出す』ではなく『作る』とマスターは言った。ここは、酷く狭い店に見えるが裏に醸造所でも兼ね備えているのだろうか。

「遊び人、ここは醸造所なのか?スピークイージーかとも思ったが、店主は酒を造ると言ったぞ?」
省4
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