[過去ログ] 花陽「死を視ることができる眼」 (1002レス)
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44: [sage saga] 2016/12/28(水)22:28:09.89 ID:Hhhi1HzW0(42/119) AAS
花陽「ねえ、真姫ちゃん」

真姫「どうしたの?」

花陽「さっきの曲、とっても速かったよね」

真姫「速いなんてもんじゃなかったわよ……よくあれを視界に捉えておけるわね」

やっぱりそうだ。
省4
55: [sage saga] 2016/12/28(水)22:37:21.89 ID:Hhhi1HzW0(52/119) AAS
/16
あてもなく街をふらついていると、次第に夜の闇が深くなってきました。

もうとっくに家に帰ってないといけない時間だけど、今日はどこにも帰りたくありません。

じっとしていると、振り切ったときに凛ちゃんが見せた寂しそうな顔を、鮮明に思い出してしまうからです。

でも野宿なんてしたことないし──

どうすればいいんだろう。
省13
338: 2016/12/29(木)01:43:53.89 ID:8+sGJFdQO携(1) AAS
/9
病院から何事もなく退院したあと、私は普段より少し遅れて登校することになりました。

いわゆる、遅刻寸前というやつです。

普段は朝練に出てるからこんなことはないんだけどなあ。

遅刻したくなくて焦る気持ちと、早くみんなの待ってる学校に行きたいという気持ちとが重なり合って、自然と駆け足になります。

ですがこちらの気持ちなんて配慮することもなく、信号の色は変わるものです。
省12
345: [sage saga] 2016/12/29(木)01:44:46.89 ID:WwwgwYCn0(79/127) AAS
花陽「そんなことって…………」

綺礼「男は何かを成し遂げることもなく、何かを勝ち取ることもなく、その短い生涯を終えた……これが正義の味方になろうとした男の末路だ」

花陽「……なにか救いはなかったんですか」

綺礼「どうだろうな。私はその男でもなければ、正義の味方になろうなどとは露とも思ったことがない……結末だけ見てしまえば男に救いはないが──如何せんこれは作り話だ。残念ながら、その先にある物語の用意がないものでね」

確かにここまでの話だと、その男の人には救いがない。
省7
507: /3 2016/12/29(木)02:04:19.89 ID:FN/kD/cxO携(1) AAS
弁当箱から取り出したおにぎりを視ていると、我ながら会心の出来だと惚れ惚れします。

最高級の南魚沼産コシヒカリを贅沢に使い、先進の技術を用いて生み出された新型の炊飯器で炊き上げられ少し硬めに調整されたお米は、邪なものを寄せ付けない輝きを放っていました。

色、艶、香り──どれをとっても一級品であることに間違いありません。

もうこれだけで口の中が唾液だらけになるんですが、さらにここから一工夫。

お米からおにぎりに昇華するための工程を辿ります。
省9
513: /3 2016/12/29(木)02:04:59.89 ID:EwBz0JwNO携(1) AAS
/3
危惧されていた事故の後遺症もなく、私はすぐに退院することになりました。

μ'sのみんなも退院を心から祝福してくれて、誕生日でもないのに主役気分です。

凛「かよちん……かよちんかよちんかよちんっ!!ホントに良かった……かよちんが無事に退院できて、ホントに良かったにゃ!」

花陽「凛ちゃん、ちょっと苦しいよお」

凛「ご、ごめんね……痛かった?まだどこか悪いところあるの?」
省8
543: /3 2016/12/29(木)02:08:24.89 ID:vbx40m+YO携(1/2) AAS
/8
真姫ちゃんの両親が経営する病院で眼が覚めたあと、私は警察から簡単な事情聴取を受けました。

内容は思っていたよりあっさりとしたもので、拍子抜けするぐらいのもの。

それもそのはずです。

現場には犯人はおろか、死体さえなかったんですから。

真姫「残っていたのは血痕だけ……ね。例のペーパーナイフにも血液は付着していなかったし、他に凶器らしい凶器も所持していない……証拠不十分もいいとこだわ」
省16
545: /3 2016/12/29(木)02:08:32.89 ID:P59JKs5tO携(1) AAS
/4
地獄のような冗談で、冗談のような地獄でした。

退院後、私は元通りに学校に通い始め、μ'sの練習にも復帰しました。

海未「花陽!ステップがワンテンポずれていますよ!」

花陽「は、はいっ!」

みんなの身体に刻まれた線が、動きと一緒に揺れる。
省17
580: [sage saga] 2016/12/29(木)02:12:36.89 ID:WwwgwYCn0(110/127) AAS
グラウンドなら避けられたかもしれない。

けれど、廊下は躱す範囲に余裕がなかったので、もろに攻撃を喰らってしまった。

花陽「っ────」

肩を掠めた衝撃で、バランスを崩して前のめりに倒れる。

ロア「あぶないあぶない。城による復元が可能とはいえ、その眼で斬られれば無事かどうかは怪しいものね。けど私にも視えているわよ……呼吸の度にあんたに死が迫っていることが!」
省8
651: 2016/12/29(木)02:20:42.89 ID:mCuyog/FO携(1) AAS
/1
きっかけは、ありふれた日常の狭間にありました。

多分、それは誰にも止めることなんてできなかったと思います。

今になって考えてみれば、ひょっとすると私がこんな眼になってしまったのも、避けられない巡り合わせだったのかもしれません。

花陽「凛ちゃん、今日はちょっと食べ過ぎだよお」

凛「ヘーキヘーキ、これぐらい腹八分目にゃ」
省11
795: 2016/12/29(木)02:39:42.89 ID:uhrqQjJdO携(1) AAS
/4
地獄のような冗談で、冗談のような地獄でした。

退院後、私は元通りに学校に通い始め、μ'sの練習にも復帰しました。

海未「花陽!ステップがワンテンポずれていますよ!」

花陽「は、はいっ!」

みんなの身体に刻まれた線が、動きと一緒に揺れる。
省17
899: 2016/12/29(木)02:54:01.89 ID:8DyfO6d1O携(1) AAS
/1
きっかけは、ありふれた日常の狭間にありました。

多分、それは誰にも止めることなんてできなかったと思います。

今になって考えてみれば、ひょっとすると私がこんな眼になってしまったのも、避けられない巡り合わせだったのかもしれません。

花陽「凛ちゃん、今日はちょっと食べ過ぎだよお」

凛「ヘーキヘーキ、これぐらい腹八分目にゃ」
省11
986: 2016/12/29(木)03:06:07.89 ID:Jslf2fMYO携(1) AAS
/4
地獄のような冗談で、冗談のような地獄でした。

退院後、私は元通りに学校に通い始め、μ'sの練習にも復帰しました。

海未「花陽!ステップがワンテンポずれていますよ!」

花陽「は、はいっ!」

みんなの身体に刻まれた線が、動きと一緒に揺れる。
省17
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