[過去ログ] シン「俺は春香のプロデューサーだ」 (74レス)
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(1): </b> ◇bA3jMfAQJs<b> [saga] 2014/10/23(木)21:07 ID:0kYND+eg0(1/65) AAS
いくつか注意事項

・以前同名のスレを立てましたが、それのリメイク版となります。

・当時はご意見歓迎でやっていましたが、荒れに荒れてしまいましたので、
なるべく荒れないようなコメントでしたら、頂ければ幸いです。

・地の文ガッツリで長めです。

・モビルスーツとかの戦闘描写で、間違っているところがあってもスルーして頂ければ幸いです。
省7
55: ◆bA3jMfAQJs [saga] 2014/10/23(木)23:31 ID:0kYND+eg0(53/65) AAS
「軟弱な【クライン】の後継者、ラクス・クラインの言葉に、プラントは、いや世界は変わってしまった!」

 一人の男が、銃を片手にカメラの前へ立ち、そう叫んだ。

「何度繰り返すのだ!? ヤキンデューエでの戦い、そしてロゴス! 全て人間の欲が生み出した争いだ!」

 春香は膝を折って頭を垂れ、千早はそんな彼女を庇うように、彼女の肩を抱きしめている。

「デュランダル前議長は、だからこそ! 人々にデスティニープランを提唱したのだ! 平和な明日を、人々の欲で破壊する事は許されない! だがそれを、クライン共は踏みにじったのだ!」
「何が、平和な明日よ! 大体デスティニープランは任意よ! 人々に押し付けるものではないわ!」
省8
56: ◆bA3jMfAQJs [saga] 2014/10/23(木)23:32 ID:0kYND+eg0(54/65) AAS
「は、春香に触らないで!」
「うるさい! 立て!」

 千早が春香を庇うようにしたが、その千早を振り解いて、男が春香の腕を掴んで、無理矢理立たせた。
 男の仲間によって向けられた集音マイクは、春香の声を良く拾う。吐息の音すら聞こえてくるだろう。

「……私は」
「春香!」

 春香が、少しばかり言葉を探すように視線を泳がした後、深呼吸をして、男に向き合った。

「……えっとテロリストさん」
「その呼び方はどうかとは思うが――そうだな、確かに今の私はテロリストだろう。何だね?」
省5
57: ◆bA3jMfAQJs [saga] 2014/10/23(木)23:33 ID:0kYND+eg0(55/65) AAS
「アイドルとして頑張ろうって思ってた時だったから、凄くがっかりしました。
 でも、それで平和になるのならって……それで良いんだって……そう、思ってました」

 諦める様に微笑みを見せながら、俯き、それでも呟かれる言葉を、その時誰もが耳を傾けていた。
 先ほどまで銃を乱暴に振り回していた男たちですら、春香の言葉を聞いていた。

「でも私――」

 一筋、流れる涙を。
その場で誰もが見据えていた。

「アイドル、続けたいよ……歌って、踊って……頑張りたいよ……」
省5
58: ◆bA3jMfAQJs [saga] 2014/10/23(木)23:34 ID:0kYND+eg0(56/65) AAS
「この……!」
「もう止めなさい! あなた達の負けよ!

 彼女たちは、自分の意思で未来を選んだの!

 他人の言葉を、思想を借りてバカやってる、アンタ達とは違うわ!」

 真綾の言葉に、駄々っ子のように首を振り、認めるものかと叫ぶ男。

「そんなわけがあるものか! こうなったら、お前たち全員――」
省12
59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/23(木)23:35 ID:TB79Lcw90(1) AAS
おお、昔あったな···。
あの頃は荒らし、というかアンチか? まあそれのせいで終わったのは残念だが、
好きなSSだったから是非とも続けていってほしいです。
60: ◆bA3jMfAQJs [saga] 2014/10/23(木)23:35 ID:0kYND+eg0(57/65) AAS
 ヴォワチュール・リュミエール、正常機動。マニピュレート制御完了。ハイパーデュートリオンエンジン、良好。
 シン・アスカは、パイロットスーツを身にまとう事もなく、スーツ姿のまま、操縦桿を強く握りしめた。

「春香……よく言ったな」

 空中を舞う事で、揺れ動く機体の中で、シンはネクタイを緩めてシャツのボタンを一つ外す。
 動きやすくなった事を確認して、計器類を確認する。――コロニー内でも、動作は正常だ。

「待ってろ、今助ける。

 シン・アスカ、デスティニー――行きます!!」
省7
61: ◆bA3jMfAQJs [saga] 2014/10/23(木)23:36 ID:0kYND+eg0(58/65) AAS
 プラントのザフト軍工廠には、前大戦で廃棄されたMSが多く眠っていた。デスティニーもその一つだ。
クライン派は、秘密裏にそのデスティニーの修復をしていた。

正規軍としてではなく――シンに、時としてその力を、正しく扱ってもらうために。

 シンは、久しぶりに乗り込んだデスティニーに、どこか高揚感を覚えていた。

デスティニープランを肯定し、それを守るために乗り込んでいたこの機体で、デスティニープランを破壊しようとしているのは、どこか矛盾しているように思えなくもない。

だが、それでも――。
省5
62: ◆bA3jMfAQJs [saga] 2014/10/23(木)23:37 ID:0kYND+eg0(59/65) AAS
スタジオで、春香と千早は顔を合わせて、先ほど聞こえた声の主を、頭の中で思い描いていた。

「今の声って――」
「え、ええ。シンの声だわ」
「何!? 今シンと言ったか!?」

 テロリストの一人が、千早に向けて銃を向ける。

「今、奴は何をしている、言え!」
「う、ウチのプロダクションで、プロデューサーをしているわ」

 千早の言葉に、男はギギッと歯ぎしりを鳴らしながら、シンに向けて毒づいた。
省13
63: ◆bA3jMfAQJs [saga] 2014/10/23(木)23:40 ID:0kYND+eg0(60/65) AAS
『俺は765プロの――春香のプロデューサーだ! 俺は、皆の想いを――皆の未来を、この手で切り開く! それが俺の仕事だっ!』

「シン、くん……」

 春香が、再び溢れ出す涙を、今度は拭うことなく、笑みを浮かべる。

『その為にお前たちは邪魔なんだ! そこをどけ!』

 かつて、アスランに言った言葉。だがそれは、もうあの時のように、彼を蝕む言葉では無い。
省15
64: ◆bA3jMfAQJs [saga] 2014/10/23(木)23:42 ID:0kYND+eg0(61/65) AAS
 その後、ザフト軍――いや、ラクス・クラインの動きは速かった。

 まず【遺伝子の夜明け】主要メンバーの尋問、それによる支援グループの割り出し。

 元デュランダル派閥議員による援助記録が続々と発見され、面白い具合に汚職がわき出てくる光景を、シンは失笑する事しかできなかった。
 
 結局元デュランダル派閥の議員たちは、ラクスを失脚させ、その後釜を狙っていただけに過ぎない。
 
 ――デュランダル議長がかつて求めた、デスティニープランなど、誰も求めていなかったのだ。

 だからこそ、シンはあの時自分が下した意思が間違っていないと感じ、失笑の後は安堵の息をついた。
 
省9
65: ◆bA3jMfAQJs [saga] 2014/10/23(木)23:43 ID:0kYND+eg0(62/65) AAS
 シンの事は、全世界に伝わった。
 
 元ザフト軍エースが、ナチュラルアイドルをプロデュース!?
 アイドルの危機を救った運命の騎士!
 そう言う一面記事が、今全世界で話題を呼んでいる。
 
 反面、クライン派の糾弾は凄い。
 
 かつての最新鋭機を、今やザフトを離れている一人の民間人に触れさせたのだ。
省11
66: ◆bA3jMfAQJs [saga] 2014/10/23(木)23:44 ID:0kYND+eg0(63/65) AAS
「呆れた……つまり、デスティニーをいつでも使えるようにしとくから、いざって時は手伝えよって事だろ?」
「あはは……その場合はキチンと謝礼も払うし、普段から765プロへ仕事は斡旋させて貰うよ」

 そこで、キラの表情が少しばかり曇り、俯いて言葉を投げかける。

「……もちろん、ボク達の事を許さなくていい。ボク達が、君の大切な人を、家族を、仲間を奪った事には変わりない」

 でも、と言いながら、キラはシンを見る。

「君の、765プロの子たちを守りたいって気持ちは確かな物だろう?
省7
67: ◆bA3jMfAQJs [saga] 2014/10/23(木)23:47 ID:0kYND+eg0(64/65) AAS
「……過去を捨てて、今を捨てて、未来をも捨てて……今でも、それで良いかも、って思う時はある」

 だけど。シンの言葉はそう続いた。

「――自分に出来る事って言うのを見つけて、未来って物を見つけて、良いとも思える。だからこそ、幸せではあるんだろうな」

 キラの微笑み。シンの照れるような表情。その後彼は腕時計を見据えて「げっ」と声を漏らす。

「やべ、時間だ――じゃあ、そう言う事で」
省19
68: ◆bA3jMfAQJs [saga] 2014/10/23(木)23:51 ID:0kYND+eg0(65/65) AAS
終わります。

前回、アイマス×ガンプラ物を書いていた以前からこのSSを見捨てられず、チラシの裏感覚でもう一度書き直したものですが、
こうして書き終えられてよかったです。

当時考えていた設定等々も、そのままにしていますが、特にこれから続きを書こうとは思っていません。

>>1にも書いてある
春香「ガンプラマイスター?」
も、見ていただければ幸いです。

一部の人にはお目汚しとなってしまったみたいで申し訳ありません。
省2
69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga] 2014/10/24(金)00:20 ID:l839orY+o(1) AAS

70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/24(金)01:15 ID:DImHJqGlo(1) AAS
おもしろかったよ
シンが好きだから素直に嬉しい作品だ
71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/24(金)08:59 ID:K6iOtwNfO携(1) AAS
お目汚しなんてならないよ、だって批判してるのはシンが嫌いかアイマスに男絡めたくない連中だけだからね
とても面白かったから次も期待してる、乙
72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/24(金)15:55 ID:6BM+I/WFO携(1) AAS
乙!

おもしろかったぞ!
73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/25(土)02:59 ID:xzuPS+0H0(1) AAS
次回作に期待だ
乙!!
74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/30(木)14:38 ID:uFNjmxB7O携(1) AAS
我の塊のガンダム系主人公と
個性の塊のアイドルの愛称いいよな

ラーメンおいしかったです。ご馳走さまでした
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