[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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629: ソウルメイト [sage saga] 2013/05/24(金)23:27 ID:QMEyXNSHo(1/10) AAS
皆さん、語り口が軽妙洒脱で読みやすい、続きが気になるところ

にしても毎度のエキセントリックな情景描写が笑える
隙間女(?)に狙われる(?)山田の運命や如何に?!

殺人ネットの詳細求む!
残りは4人で、フード少女と鬼さんで2人、他の2人は何者か!?
そして鬼さんからそこはかとなく醸し出される、4人中最弱の雰囲気(イヤ、まだ判らんだろうが)
頑張れ鬼さん!!

さて、自分の方はというと
湿気た文章でジメジメと陰気に進めて行きます
630: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金)23:30 ID:QMEyXNSHo(2/10) AAS
「聞かせてくれてありがとう……大変だったね」

少年から掛けられた言葉が嬉しかった。
会話が通じるという安心感だけではなく
この少年の持つ、柔らかくも澄んだ雰囲気が、自分を落ち着かせてくれる。

「まあ……そうね、大変だったわね」

体が震えるほど怯えていた自分は消え
今では、自分で話した内容が他人事のように感じていた。

「今の話で、何か……分かるかしら?」
「そうだね……まず」
省9
631: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金)23:34 ID:QMEyXNSHo(3/10) AAS
「偽装というのは?」
「うん、例えばロッカーと赤ん坊は、それぞれ別の都市伝説により形成されている……とか」
「2種類の都市伝説が協力しているということ?」
「そういうこと、例えばの話だけれどね」
「それは厄介な事になりそうな話だけど、何でそんな事をする必要があるの?」
「なんの都市伝説かがはっきりしてしまうと、弱点が分かる場合もあるからね」

弱点が分かれば、解決も近付く。
だが、これが偽装であればミスリードされ、解決は遠ざかるかもしれない。

「弱点……なるほど……」
省14
632: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金)23:37 ID:QMEyXNSHo(4/10) AAS
「少し話を変えるけれど、お姉さんはこの都市伝説をどう思う?」
「どう思うと言われても……」
「そうだね……じゃあ、この都市伝説はコインロッカーベイビーだと思う?」
「……アタシは都市伝説の事は分からないわよ?……でも、そうね……」

考える自分に、彼は時間をくれる。
間を作るのが上手い、相手の表情を読むのが上手いからだろう。
やはり、ただの人間ではない。
彼の言う通り、彼は何かの都市伝説なのだろうか。

「コインロッカーベイビーだと、アタシは思う」
省9
633: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金)23:38 ID:QMEyXNSHo(5/10) AAS
「そうね、考えても分からなそうだし、まずはコインロッカーベイビーだという前提で進めましょう」
「うん」
「それで、アタシ達がやるべき事は何?」

単刀直入に聞く。

「コインロッカーベイビーの本体は、必ずこのロッカーの何処かに居ると思う」
「そうね、アタシも同意見よ……そして、この幾つもあるロッカーの中の、たった一つが正解」
「うん」

───かくれんぼ。

これは最初に感じた事でもある。
省10
634: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金)23:43 ID:QMEyXNSHo(6/10) AAS
「この番号なんだけれど、“0101”から始まっているんだよ」
「“0101”?……“0000”とか“0001”からじゃなくて?」
「うん、ざっと眺めながらここまで来たんだけれど“0000”や“0001”は無かったんだよ」
「“0101”から始まる……」
「それだけじゃなくて、“1231”で終わっているんだ」
「“1231”で終わり……ん?終わり?」

終りがある?
こんなに、数え切れない程のロッカーがあるのに?
終りがある?
省14
635: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金)23:46 ID:QMEyXNSHo(7/10) AAS
「この数字……ひょっとして……」
「分かる?」
「ええ……“0101”から始まり“1231”で終わるこの数字……暦日……カレンダーと同じだわ!」
「うん」

同じ答えに辿り着いた事に対してか、満足気に頷く少年。
だが、巧みに誘導されている気もして、心の片隅に陰が産まれつつあるのを感じる。

「じゃあ、このロッカーは実質的には365個しかないのね?」
「“0229”があって、閏年も含めるから、正確には366日分だね」

大きく前進した気がするのと同時に、本当に賢い子供だと感心させられた。
省14
636: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金)23:47 ID:QMEyXNSHo(8/10) AAS
AA省
637: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金)23:55 ID:QMEyXNSHo(9/10) AAS
「落ち着いて!聞こえてる?!」

ワケが分からなかったが、頷く。

「息を吐いて!」

息を吐く?
こんなにも苦しいのに?
息を吐く?!

「吐いた分だけ、息を吸えるんだよ!」
省10
638: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金)23:56 ID:QMEyXNSHo(10/10) AAS
まだ、脈は早い。
だが、温かいものをギュッと握っていると、それも自然と落ち着いていく。
マジマジと見つめると、握っていたそれは少年の手だった。

「あ……ごめん……」

急に恥ずかしくなって、手を離す。
名残惜しかった。

こんな感覚を以前どこかで……強い既視感が脳を叩く。

「謝られるよりも感謝される方が、ボクは好きだよ」
省5
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