[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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966: コドクノオリ 2013/10/15(火)23:11 ID:Wy4ZVU48o(5/5) AAS
連日投下失礼します
三日休みがなかった分今休みなんだなぁ

私が自分の乙女回路をぶん回してキャラを考えるとなぜかヤンデレか依存体質に近くなる
 ゆゆしき事態だ
 こう、女性が強くて一切ぶれないような女性強権的な作品を読んで均衡をとらねば。
 ヤプーとか
967: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/16(水)22:13 ID:aIhrwHfAO携(1) AAS
コドクの人乙ですー
もげろとは言わん、幸せになれ
968: 金は天下の回りもの◆12zUSOBYLQ 2013/10/17(木)19:19 ID:TRbTS6TAO携(1) AAS
「まったく、近頃の若いもんときたら・・・」
 御年80を越える老婆、金子金子(かねこ かねこ)は不機嫌だった。
 「金子」というさして珍しくもない名字の男に嫁いだばかりに珍名になってしまい、昔はずいぶん親を恨んだものだったが、この歳になるともう気になどならない。
 黙って郵便局の自動ドアをくぐり、ATMで現金振り込みの手続きをする。
 孫が無免許運転で妊婦をはねてしまった。運悪くヤクザの情婦で、多額の治療費と慰謝料と示談金を要求された。払わなければ警察に通報すると脅されている。
 電話の向こうの声が力なく語る。金子は、
「うるさいよ」
 と一言言い捨て、電話を切るとこの郵便局にやってきた。
 金なら、ある。
 一昨年死んだ夫は事業に成功し、巨億とは呼べずとも、十分すぎるほどの遺産を遺してくれた。
省21
969
(1): ◆yeTK1cdmjo [sage saga] 2013/10/18(金)00:06 ID:kcKtveUWo(1) AAS
婆ちゃんwww
こういうの好きだわ
970
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/19(土)13:52 ID:Z9v+Ibn9o(1/6) AAS
乙です
金がどうなるか分かってても振り込むばあちゃんにちょっと切なさを感じました
971: コドクノオリ「かたわらのきみ」 2013/10/19(土)13:53 ID:Z9v+Ibn9o(2/6) AAS
 北区にある山の麓に辿り着いた修実は隠形を解いた。
 周りに人が居る気配は一切ない。
 ……あとは、この山の中に入れば、全て終わる。
 思わず、といった調子で溜息を吐いた修実は、不意に背後を振り返った。
「これは……」
 修実を振り返らせた原因は、彼女めがけて急速に近づいてくる気配だった。
 早い。
 ほぼ一直線に突き進んで来るらしいその気配は、どうやら建造物の屋根を足場として跳ね飛んできているらしい。
 未だ遠くにある気配。その気配に修実が気付ことができたのは、その気配を彼女自身が知っていたからだ。
 育てられた組織と、そのお膝元の町くらいしか世間を知らず、その狭い世間の中で築き上げた人間関係も全て壊してしまった修実だが、
省23
972: コドクノオリ「かたわらのきみ」 2013/10/19(土)13:54 ID:Z9v+Ibn9o(3/6) AAS
  @

 久信を置いてきた昌夫は、これまでよりも更に早い速度で修実との距離を詰めた。
 背に人がいたのではなかなか出すことができない、手を地面に付けて体を前に倒した獣の走法だ。
 一駆けごとに雨が盛大に跳ね、地面が確かな手ごたえを返してくる。
 一歩が百メートルを駆ける力を生み出す現在の昌夫の姿は、犬の頭部に獣の腕と脚とを持つ、まさに人狼のような代物だった。
 彼の憑き物筋としての能力。本人が犬懸りと呼んでいる状態だ。
「おい! 俺を置いて、もうお前帰っていいんだぞ!」
 遠く背後から、大声が聞こえてくる。
「病み上がりのお前じゃどうせ逃げられるだろうが!」
省30
973: コドクノオリ「かたわらのきみ」 2013/10/19(土)13:55 ID:Z9v+Ibn9o(4/6) AAS
 それに、
「修実さんも、本心では弟離れなんてする気ないくせに」
「そんなことないわよ。私は久くんのためなら、久くんから一生離れているって決めてるもの」
「それ、弟離れできてないことをカミングアウトしてるみたいなもんだろ」
「……そうね」
 困ったような笑みを浮かべて、修実はでも、と続ける。
「だからこそ、私は私の中の想いにかけてこの道を譲ることはできないわ。昌夫くん。行かせてちょうだい」
「無論、却下だ」
 昌夫は姿勢を倒して修実に向けて踏み込み、修実からの応撃がくるより早く、
一番手近にあった修実の体。その長大な蛇身を抱え上げる。
省28
974: コドクノオリ「かたわらのきみ」 2013/10/19(土)13:56 ID:Z9v+Ibn9o(5/6) AAS
   @

「そうだよ、修実姉」
 昌夫が時間を稼いでいる間に、久信は修実のもとへとたどり着いた。
 修実は今、蠱毒の瘴気が溢れることを恐れてせいいっぱい集中しているため、ろくに動くこともできない。
 修実の逃亡を防いだ上で、姉弟は向き合い、もしかしたら最後になるかもしれない会話の機会を得た。
「修実姉」
「久くん……」
 言葉が返ってくることに安堵しながら、久信は続ける。
「俺の前から消えるのか?」
省28
975: コドクノオリ 2013/10/19(土)13:59 ID:Z9v+Ibn9o(6/6) AAS
この姉弟はジェネティック・セクシャルアトラクションな感じで考えて書いています
976
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/19(土)20:58 ID:2ZGKm3XAO携(1) AAS
コドクの人乙ですー
ここからどうハッピーエンドに持って行くか期待して読んでおります
977: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/21(月)17:17 ID:k8HVbNy+o(1/5) AAS
>>976
がんばりますとも!
次スレはどのくらいでたてればいいのだろう?
1000になってから立てるのですかね?
意見を聞きたいのです
978: コドクノオリ「かたわらのあなた」 2013/10/21(月)17:20 ID:k8HVbNy+o(2/5) AAS
 さようならという修実の言葉を、久信は正面から受け止めた。
 喪ってしまうのは怖い。出来ることならば一緒に居たいと言いながら、彼女は離別の言葉を口にしている。
 周囲から言い聞かされていた昔とは違い、今回は自分の意思で発された別れのための言葉であり、
その理由は久信を殺してしまうかもしれない自分に耐え切れないというものだ。
 ……まただ。
 また、弱い者として扱われている。
 自分が修実と比較して弱いということは昌夫からも指摘されていたし、久信自身でも分かっていた。
だが、修実本人にそう指摘されたようなものである今の状況は、意外なほどに久信に衝撃を与えていた。
 久信が弱いせいで、姉弟はお互いの最愛の人と一緒にいることができず、修実の方は自分から孤独の檻の中へと閉じこもってしまう。
省21
979: コドクノオリ「かたわらのあなた」 2013/10/21(月)17:21 ID:k8HVbNy+o(3/5) AAS
 修実はゆっくりと呼吸を整えるように呼吸を繰り返しながら問う。
「何、を……?」
 久信は雨に濡れて垂れてきた修実の髪を掻き上げて、瞳を見つめて言った。
「俺がその毒を食って支配する」
 再び修実の顔に驚きの虚が浮かぶ。
今度は瘴気が漏れ出ないように早々に復帰した修実は、久信になんらかの反応を返そうとして、それよりも早く昌夫が声を荒げた。
「ば――ッ、馬鹿野郎! 方法ってのはそれか?!
 お前、瘴気に中てられただけでぶっ倒れただろうが! 毒の大元を飲んだりなんかしたら死ぬだけだぞ?!」
 久信の背後から重ねられる怒声に、修実が頷く。
省35
980: コドクノオリ「かたわらのあなた」 2013/10/21(月)17:22 ID:k8HVbNy+o(4/5) AAS
「言葉を選んでくれてありがとうね」
 修実がどうしたものかという表情で応じた。
「蛇の性だ。これで終わりにするからもう少しだけ付き合ってくれ」
 久信が臆面もなく言い切る。それを聞いた修実の表情に、ようやく笑みに近い表情が浮かんだ。
「ああもう勝手にやれ」
 渋面で言って、昌夫は山の中の手近な木の下に入った。
「でもな、お前らの監視役として言わせてもらうが、勝手に命投げ捨てんなよ? 特に久、お前だ。
どう転んだって自分は損しないからいいやなんて考えてやがったら切れるぞ」
「お、おう……」
 久信が目を逸らしつつ頷く。
省22
981: コドクノオリ [sage saga] 2013/10/21(月)17:23 ID:k8HVbNy+o(5/5) AAS
死ねるが引っかかったあああああ!
見逃してたな。ちょっとくやしい
ともあれ、そろそろ終わりも近いですね
982: 鳥居を探すの人◆12zUSOBYLQ 2013/10/21(月)22:12 ID:p36usBWAO携(1) AAS
>>969
>こういうの好きだわ
ありがとうございますー

>>970
>金がどうなるか分かってても振り込むばあちゃんにちょっと切なさを感じました
ある意味「偽者かも」と思っててもつい振り込んでしまう被害者の心理と似通っているかも知れません。実は淋しいのかもね。
983: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/23(水)20:24 ID:QUY/3jDAO携(1) AAS
これだと新スレ990越えてからでも大丈夫そうか?
984: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/27(日)01:24 ID:69WSsOAlo(1/7) AAS
ではまあ使い終わったらスレ変えましょうかね
コレ入れて後二回で私のは終わりですし
985: コドクノオリ「壺中天」 2013/10/27(日)01:26 ID:69WSsOAlo(2/7) AAS
 意識が一瞬の暗転から覚めた時、久信は町のど真ん中に立っていた。
「……雨も止んでる……修実姉? 昌夫?」
 近くに居たはずの姉と友人の名を呼んでみるが、二人とも近くには居ないようで、返事の声は来ない。
 ……ああくそ。ってかここどこだよ?
 人造の建造物がほとんどなくなっていた、先程までの場所とは明らかに違う。
大都市とまではいえないが、人が生活するための施設を集めた、地方都市の中心部のような場所であるということが分かる。
 ただ、違和感があるとしたら、これだけ町の施設を集めているにもかかわらず、肝心の人間の気配が周りからは一切しないということ。
そしてもう一つ、景色が、まるでそういう色の霧でも出ているかのように、赤錆色に染まっているということだ。
 赤錆色の町を改めて眺め、久信は首を傾げた。
省21
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