[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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787: コドクノオリ 【逃亡者】 [sage saga] 2013/08/25(日)00:11 ID:xpW54I9No(2/6) AAS
 近付く追跡対象に警戒を示した相手を、久信は値踏みする。
 特にこれといった特徴は無し。まいったな。
 目の前にいる男の見た目からは黒服がどこの所属かは全く分からない。
黒服といえばその構成員の大多数を黒服で賄っている組織≠ニ呼ばれる超大型の集団が有名だが、
MIB自体は都市伝説に近しい組織であるならば多くの組織が揃えている存在だ。彼らの存在だけではバックの組織までは測れない。
 どうするかな……。下手に倒してしまうとどこかも知らない組織が面子をかけて俺たちを追ってくるかもしれないな。
 大きな組織が本気で捜索を行ったら久信が逃げ切ることは不可能だ。
 ならばできるだけ相手を傷つけないように切り抜けるしかない。
 そう覚悟を決めた久信の眼前にはもう、小さい拳銃のようなものを構えた男の姿が見えた。
 久信は前に傾け気味だった体を更に低くし、地面を舐めるように走る。
 突然姿勢を低くした久信を薄暗闇の中で見失ったのか、黒服からは息を詰める音が聞こえた。
その顔に向けて、久信の袖から細長い何かが飛び出した。
「――?!」
 顔に叩きつけられた何かを引きはがそうと黒服がもがく。すると、黒服の顔面に張り付いたそれは黒服から逃れるようにくねくねと蠢く。
「なんだ?!」
 黒服が顔面に絡んでくる何かと戦っている間に久信は黒服の横をすり抜けた。
 せわしなく姿勢を変える久信の腰にあるロープが、背後に背負うものを離すまいとするかのように、ひとりでにきつく締まる。
「数が多いなあちくしょう!」
 上がった息で呟いていくつも角を曲がる。すると、路地の向こうに人通りの多い繁華街の大通りが見えた。
 久信は大通りを突っ切って、向井の路地に飛び込む。
 スナックの看板から投げかけられる光を頼りに路地の奥まで潜り込む。
 これからあの黒服たちをどうやって撒いたものかと考えていると、進行方向の隅に小柄な影を見つけた。
 犬だ。
 ゴミ箱でもあさっていたのだろう、清潔とは到底言えない外見の犬は、近づく久信の足音に反応して、のっそりと顔を巡らせた。
 目があった犬は、伸びを一つした後、おもむろに口を開いた。
『こっち こい あんぜんなみち おしえる』
「助かる」
 人の言葉を口にする犬という存在を特に気にした様子もなく、久信は人に対してするかのように気軽な、そして慣れた返事をする。
 犬は久信の応答を待つまでもなく、既に路地の一隅にある飲食店の裏扉を鼻先で示しており、「開けろ」と言うかのように久信に視線を向けた。
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