[過去ログ] とある四人の恋愛模様 (279レス)
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14: Until reaching the starting line◆oEZLeorcXc [saga sage] 2011/08/17(水)16:24 ID:5Lu3WJlC0(13/30) AAS
室内に少年のすする缶コーヒーの音だけが響く。
天井を見上げる赤毛の少女はどこか満足気で。
缶コーヒーをすする白い少年は気恥ずかしそうだった。
少年は缶コーヒーを飲み終えると杖を取り、椅子から立ち上る。
「ンじゃ行くぞ」
「……え?」
「はァ?」
二人は互いを見つめた固まってしまう。
少年の言葉が少なかったせいかその意図が伝わっていない。
「………」
何かを話そうとするが言葉が出てこない少年に
「………えっと……何?」
少女が沈黙に耐え切れず聞き返す。
少年はほんの一瞬、ひどく狼狽した表情を見せると顔を背ける。
少女が何事かと首をかしげていると、少年はそのままぶっきらぼうに「送ってくっつってンだ」と呟いた。
その言葉に虚を突かれたように少女の動きが止まる。
「えーっと………遅いから?」
目を点にしたままの少女の質問はたっぷりの沈黙の末に
「…………遅ェからだ」
少女の予想を覆す答えが返ってきた。
呆けていた顔をたまらず抑えてうずくまる。
顔を抑え、膝を抱えたまま動かないでいる少女を少年が覗き込む。
どうやら小刻みに体が震えている。
「……どォしたンだァ?」
少年が覗き込むと
――咳を切ったように少女が笑い出した。
「あはははははははは!!」
純粋な笑い。
嫌味も嘲りも裏の真意も何もないただ面白くて仕方がない、そんな大笑い。
一頻り笑った後、少女は倒れるようにソファに横になった。
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