戦い続ける('A`)のようです (453レス)
戦い続ける('A`)のようです http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/
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1: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] 書き込んだと思ったのに、書き込めてなかったのでも一度投下します(´・ω・`) http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/1
2: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] 陽が昇り始めた荒野に爆音と共に走行する一つの影があった。 照り返す日射しから身体を守る為か、オフロード仕様のバイクに跨る人影は薄汚れた外套で全身を覆い、ヘルメットとゴーグルで顔を隠している。 荒野に次ぐ荒野、景色の変化が全く見られない道なき道を、その影は黙々と進んでいた。 陽がもう少しで頭上に昇ろうとした時、バイクがわずかに跳ねた。何かを察知した人影はバイクを止め、降りた。 外套はそのまま、ヘルメットとゴーグルをその人影は外す。現れたのは気だるげな顔付きの男性だった。 二十歳を少し過ぎたばかりだろうか、ぼさぼさの黒髪を掻きながら青年は足早に歩いていく。立ち止まったそこは切り立つ崖の頂上だった。 (‘A` ) ( ‘A`) 青年が目線を左右に走らせていると、微かな振動と共に遠方で煙が上がった。 青年は背負っているザックから光学双眼鏡を取り出し、倍率を上げて煙の上がった方向を眺める。 そこで彼の目に映ったのは人間の体躯を遥かに超える巨人−否、機械人形=MD(マシンドール)であった。 * http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/2
3: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] (,,゚Д゚)「ちっ、中々やるじゃないか、しぃ、何体確認できる?」緩急をつけたステップで巧みにMDを扱い、敵の射撃を回避しながら男、ギコ=ラインハルトは近くの岩場に身を隠す。 岩場の多いこのポイントで、自分の乗る試験機の演習を行う予定だったが、到着してみれば敵機と遭遇。 確かにここは王国との緩衝区ではあったがまさかこのタイミングで遭遇するとは、運のなさを心の中で嘆く。 しかしこちらのこの機体を見られた以上、ここで殲滅するしかない、ギコはすぐさま応戦を開始した。 (*゚―゚)「五体よ、二機程局地用に換装しているようだけど、いずれのMDもベーゲルⅡね」しぃ、と呼びかけられた女性はギコへと返答を返す。 (,,゚Д゚)「了解した。しぃは操縦をセミオートに変更後、ランダム回避で後退。以後は索敵とオペレーティング、ビロードとプギャーのサポートを頼む。」敵機の射撃の間隙にギコは打ち返しつつ命令を下す。 (*゚―゚)「了解。ギコは大丈夫なの?」返答と共にしぃは機体を岩場から岩場へと隠しながら後退する。 (,,゚Д゚)「機体の慣らしは終わっている。後は演習が戦闘へと変更されただけだ」自機を岩場から踊り出し、射撃を行いながら敵機へと一気に距離を詰める。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/3
4: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] ギコの無謀とも思える直進にすぐさま反応した敵三機が射撃をギコの乗るMDへと集中させるが、ギコは機体を緊急停止させて、横へと跳躍させる。 ギコのMDがいた大地を三方向からの砲火が容赦なく抉る。 (,,゚Д゚)「プギャー!」片手をつかせた状態から後方へと跳躍させ、姿勢を制御すると同時に岩場へと隠しつつ、ギコは叫ぶ。 ( ^Д^)「相変わらずむっちゃくちゃすねっと」ギコの声よりも先にプギャーと呼ばれた青年は事態に反応し、円筒状のグレネードを投擲。 ギコ機へと注意を向けていた敵機のうちの一機にグレネードは到達と同時に炸裂した。 ( ^Д^)「はい1つー」すぐさま射撃へと移行したプギャーと呼ばれた男は鼻歌交じりに撃墜を報告する。 (,,゚Д゚)「油断するなよ。このまま一番離れた敵機へと仕掛ける。プギャー、ビロード残り三機を足止めしろ」再び岩場から機体を跳躍させたギコは左右へとジグザグに機体を走らせつつ命令する。 (*゚―゚)「プギャーはG-2,3の二機を、ビロード君はF-5の一機の注意を引いて」すかさずしぃがサポートを行う。 ( ^Д^)「了解さんでっすー」まるでお使いを頼まれたかのように気楽に答えるプギャー。 ( ><)「りょっ、了解なんです…!」対して弱弱しい返答を返すビロードと呼ばれた青年。 (*゚―゚)「ビロード君、初の実戦がこんな遭遇戦だけど、貴方ならやれるわ。落ち着いて」ビロードの緊張を察知したしぃは柔らかな声音で喋りかける。 ( ^Д^)「あー、しぃ姐、無理無理。あがっちゃってるわ。やっぱ三機とも俺が引き受けるからビロードが死なないようにサポートしてあげて」そう告げると同時に機体を岩場から離し、プギャーは斜交いに機体を移動させた。 (*゚―゚)「プギャー、無茶しないで!」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/4
5: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] ( ^Д^)「勝手知ったるこの地でしぃ姐のレーダーありで無茶とかwwww」しぃの叱咤を軽くかわしながら、機体を走らせる。距離を詰めてくるプギャー機へと敵機も砲火を集中させるが、天然の遮蔽物である岩場がプギャー機への銃弾の殺到を阻む。 ( ^Д^)「ビロード!これが戦場だ!眼、開けてよく見ろ、聴け、肌で感じろ!」らしくないとは思いつつ、後輩であり新兵であるビロードへとプギャーは言葉を投げかけた。 ( ><)「これが……戦場…」震える手で操作管を握りつつ、ビロードは呟いた。 * http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/5
6: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] (‘A`)「あれは…知らないな」光学双眼鏡で戦闘を見ながら青年、ドクオは呟いた。 ドクオの眼下では公国軍のMD三機と王国軍のMD五機、アンノウン一機による戦闘が行われていた。 公国軍のうち一機は随分と後方に下がっている。恐らく索敵機なのだろう。 残りの二機のうち、一機は悪い足場をものともせずに軽快に機体を動かし的を絞らせない。残りの一機は故障か、全く動かないでいた。 三機とも頭部中央から一本角を生やしている。その特徴的な頭部からユニコーンのニックネームで知られているオルテック社の大三世代MDクレイドだとドクオにはすぐに分かった。 最も、全体のフォルムが自分の知っているクレイドよりもより鋭角的になっていることから、派生機であると推測した。対する敵機はいずれも王国専属のアムル社製のベーゲルの様だ。 機体の敏捷性を著しく下げてまで装甲を厚くした第二世代MDの傑作機。搭乗者に高水準の技術を求めないこの機体の人海戦術には何れの国家も煮え湯をのまされていた。 しかし、革新的な科学技術の発達によって、従来のMDの用途を一新した大三世代型MDの登場により、ベーゲルは次第に日の目をみることは無くなっていった。 だが、ドクオの興味はクレイドでもベーゲルでもなく、白銀色の一機に向けられていた。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/6
7: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] 白銀色という事は恐らくロールアウト前の新機もしくは試験機なのだろう。 状況からして恐らく公国機。ドクオが興味を示したのは、その凄まじいまでの運動性能と外観であった。高速で走る機体を緊急制動させたと同時に横に跳躍したそのMDは片手で転倒を防ぎ、更に後方に跳躍しながらバランスを取りなおしていた。さながら人間の様な動き。 第三世代の軽量機とエース級の搭乗者でもあの運動性能を実現するのは難しいはず。 そしてあのMDのシャープさ。その華奢な体躯は被弾を端から考慮していない設計のようだ。 (‘A`)「もしかして、噂の第四世代か…?」 ドクオの見つめる先では白銀のMDが重さを感じさせない軽快なステップでベーゲルの射撃を避けつつ肉薄する。 眼前で跳躍した白銀のMDに合わせ、照準を合わせようとした刹那、銃を持つベーゲルの腕部を白銀のMDが器用に蹴り飛ばす。 バランスを崩したベーゲルにそのまま覆いかぶさりつつ、白銀のMDは右手に携帯していた小銃で搭乗部を打ち抜いた。 (‘A`)「強烈だな…」白銀色のMDが機体を翻すと同時に、ドクオは双眼鏡から眼を外し、ヘルメットとゴーグルを被りなおす。 もういいか。俺には関係ないし。そう心中で呟くとドクオはバイクへと歩を進める。西方軍基地まであと半日ってところか。 不意に旧友の晴れ晴れとした笑顔を思い出し、久しぶりの再会に心を躍らせながらも、ドクオはどこか言い知れぬ不安を抱きながらバイクを走らせた。 戦い続ける(‘A`)のようです http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/7
8: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] 図書館スレで宣伝出来ますよ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/8
9: 皆川英雄 ◆tkiF6VoKRk [] うーん地の文を使いこなせてない感じがするなぁ もっと減らせるところがあるはずだよ。 磨けはもしかたら光るタイプかもしれないから頑張ってね。新参くん。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/9
10: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [sage] 多分、旧避難所に投下してたんだろうな そっちにも同じ内容のスレがあった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/10
11: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [sage] 戦い続ける('A`)のようです http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/6178/1276436080/ 戦い続ける('A`)のようです http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/11
12: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] ACT1−再会 白を基調とした飾り気も何もない部屋にドクオが通されてからかれこれ30分が経った。 部屋の最奥には大きなホワイトボードとこの近辺の地図が貼り付けられ、その手前で長机とパイプ椅子が長方形を縁取るように配置されていた。 それ以外にその部屋には何もなかった。 (‘A`)「もうちょっと狭い部屋に通せよ…」一人きりで居るには広すぎる部屋で、ドクオはポツリと呟きながら、暇つぶしに部屋の観察を続けた。 更に十数分が経ち、部屋の観察にもいい加減飽きたドクオが頬杖をつきながら呆けていると、不意に扉が開いた。 ( ^ω^)「お待たせだお」柔和な笑顔をドクオに向け、一人の男が部屋に入ってくる。 (‘A`)「待たせすぎだろ…」入ってきた男へと呆れた声音で返答しつつ、ドクオは立ち上がり、男へと近付く。 男の前に立つとドクオは手を前に差し出した。 (‘∀`)「久しぶりだな、ブーン」 ブーンと呼ばれた男は差し出された手がっちりと掴む。 ( ^ω^)「本当に……久々だお。」 旧友であり戦友であるブーンとの再会が、人生の分岐点になるとはこの時のドクオには知る由もなかった。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/12
13: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] (‘A`)「つーか待たせすぎだろ、お前。何?少尉様ともなると下々の一般庶民は小一時間待たしてもいいってか?」ブーンの提案により基地内の食堂へと向かいながら横を歩くブーンに嫌味たらたらしく告げる。 ( ;^ω^)「お、皮肉るなお。ちょっと緊急の用件があったから仕方なかったんだお」 (‘A`)「その用件ってのは、昼前の戦闘か?」気だるげな調子でドクオは問う。 ( ^ω^)「……戦闘、みてたのかお?…」数瞬黙り込んだブーンはため息と共に言葉を吐く。 (‘A`)「たまたま…な。バイクが不自然に跳ねあがったもんだからよ。もしやと思って見回してみたらやりあってた」 ( ^ω^)「成程、丁度いいお、それなら後で聞きたい事があるんだお」 (‘A`)「はぁ?まぁ俺も聞きたいんだがよ、って言うか、いきなり呼び出した用件はなんだ?」 ( ^ω^)「お…それは……」エレベーター前に着いた二人は歩くのを辞め、向き合った。 ブーンが口を開こうとした時、間抜けの音と共にエレベータが開き中から数人が出てくる。 (‘_L’)「これは、ブーン君。先程はすみませんね、助かりましたよ。」一番初めに出てきたのは柔和な顔付きの初老の男であった。 穏やかな調子でブーンへと言葉を投げかける。 ( ^ω^)「いえ、閣下。自分の責務を全うしただけです。」すぐさま背筋を伸ばし、ブーンは敬礼する。 (‘_L’)「しかし、君は午後からは半休だったからね。だがそう言ってもらえると助かる……彼は?」そこでようやくドクオの存在に気が付いたのか、フィレンクトはドクオをちらりと見るとブーンへと尋ねた。 ( ^ω^)「はい、彼は同郷で私の幼少からの友人です。今日は妻の容体が知りたかったので遥々こちらまで、来てもらいました。」そう告げるブーンにドクオは疑問の視線を向けた。 自分とブーンとは確かに友人ではあるが、それは軍学校からの付き合い。故郷は全く別であったからだ。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/13
14: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] (‘_L’)「そうか、しかし君の故郷からだとかなり距離がある。ブーン君も良い友人を持ったね」一瞬ではあったが値踏みするような視線を向けられた事をドクオは見逃さなかった。 ( ^ω^)「はい、私は幸せものです」 奥様にお大事にと伝えて下さい、そうドクオに告げたフィレンクトは護衛の二名と共にドクオ達が来た道を歩いて行った。 (‘A`)「……誰?」小声でブーンへと尋ねる。 ( ^ω^)「ブーンの上官。んでここで一番偉い人。」端的にブーンは答えるとエレベーターへと乗り込む。 (‘A`)「マジかよ」遅れてドクオが乗り込むと、エレベーターは再び間抜けな音を上げその扉を閉めた。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/14
15: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] (‘A`)「ブーンさ、めちゃくちゃ太ったよな」眼の前のハンバーグをつつきながら、対面に座るブーンを眺める。 その眼に映るのはドクオの三倍の量の料理とそれを事も無げに喰らうブーンの姿だった。 ( ^ω^)「ハムッハム…んく、君は、相変わらず、貧相だお、つか、飯に集中、させて」喰いながら喋り、喋りながら喰うブーン。 かつては標準よりやや細身であった友人の無残な体躯を眺め、時の流れの残酷さを嘆きながら、ドクオも食事を口に運ぶ。 (‘A`)「そら太るわ」ドクオが完食した時には先程と同量のお代わりをブーンは平らげていた。 (‘A`)「つーか、用件はなんだよ。こっちはろくに休憩もせず三日以上かけてわざわざ出向いたんだ。いい加減言えよ。それと、さっきのは一体何の台本だよ」楊枝で歯を掃除するブーンに、しびれを切らしたドクオは疑問をぶつける。 ( ^ω^)「まぁまぁ、ちゃんと話すから落ち着けお、ところで、ちょっと喰いすぎたから散歩に付き合ってくれお」 (#‘A`)「お前なぁ…」苛立ちを隠さずに文句を言おうとするが、ドクオは言葉を呑み込んだ。 ( ^ω^)「……」笑顔のまま、何も言わず、ブーンは掌を躍らせる。それが数年前、自分達が使っていた独自の手信号であると気付いたからだ。 (‘A`)「ったく、俺にダイエットは必要ないってのに」調子を合わせ、ドクオも席から立ち上がる。ブーンの手信号はただ「ついて来い」と語っていた。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/15
16: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] ( ^ω^)「おっお、そろそろいいかお」日も沈み始め、街灯が灯り始める基地の庭園を歩きながら、唐突にブーンは告げる。 (‘A`)「ややこしい事しやがって…」それまで調子を合わせ、下らない会話に付き合っていたドクオも声のトーンを落とした。 ( ^ω^)「すまんお」さして悪びれる事もなく近くにあったベンチにブーンは座る。 (‘A`)「んで、何なんだ?」腰かけるブーンに背を向けながら、ドクオは小石を拾う。 ( ^ω^)「ドクオ、シベリアが攻めてくるお。現在ヘズロール平原を北上中だそうだお」その言葉に拾った小石を池へと投げ込もうとしていたドクオは動きを止めた。 (‘A`)「って事は」 ( ^ω^)「そうだお、このまま行くと君の住む地は蹂躙されるお」ドクオの言葉を引き継ぎ、ブーンは語る。 ( ^ω^)「シベリアに潜むエージェントからの確かな情報だお。その戦力はMD約100から200、他多数の兵種による混成部隊のようだお」何もない空間をじっと見つめながら、機密情報を口にする (‘A`)「今までのような小競り合い……じゃねぇな」ブーンの言葉を聞くと、ドクオは小石を池へと投げた。 −ぽちゃん 池に小石が沈む音と同時に二人はそのまま静止する。 ( ^ω^)「南方面軍は既に応戦態勢に入り、戦力を集結させているお…」ただ、とブーンは言葉を続ける。 ( ^ω^)「移動の困難なベルン渓谷で戦線を形成するみたいだお、シベリア軍が渓谷を攻略する手前で総攻撃。撤退させずに殲滅させるらしいお。つまりそれより南方にある君の住む町は放棄されるお」 (‘A`)「そうか…」残酷な事実を突きつけられたドクオは、しかし拍子抜けするほど淡白な返事を返した。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/16
17: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] ( ^ω^)「ドクオ、明朝、すぐに戻って君はじいちゃんばあちゃんを連れて逃げろお、まだ時間がる。間に合う」ドクオへと視線を向けてブーンは言い放った。 (‘A`)「機密情報を元にして、逃げちゃだめだろ」 ( ^ω^)「構わんお、ドクオはラッキーだった。それだけだお」軽口を叩くドクオに対し、ブーンは真剣そのものに答える。 (‘A`)「ん、そっか……なんつーか、ブーン、やっぱお前はバカで………でもいい奴だな」ドクオもブーンへと視線を向ける、数瞬の間、二人の視線は交錯した。 (‘A`)「まぁだが、その必要はないな」 (‘A`)「じっちゃんもばっちゃんも死んじまったからよ」 ( ^ω^)「お……そうかお」ドクオの告げる事実にブーンはそれだけしか返せなかった。 (‘A`)「ま、お前の忠告はありがたく受け取って、荷物まとめて逃げるとするわ」そこで二人の会話は途切れた。 「ン少尉、こえ、すか、」不意に雑音と共にノイズ交じりの音声がブーンの胸元にある無線から流れる ( ^ω^)「何だお」すぐさまブーンは応答する。 ( ^ω^)「すまんお、ちょっとだけ行かなきゃならんお」二言、三言のやり取りの後にブーンは立ち上がった。 (‘A`)「気にすんな」 ( ^ω^)「僕の部屋でくつろいでてくれお、ほれっ」 (‘A`)「はいはい」寄越されたカードキーを受け取り、小走りで去っていくブーンの背を見送ると、ドクオも歩きだした。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/17
18: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] 基地内の地図を元に数人に尋ねながら、一基のエレベーターへと辿り着いたドクオがエレベーターを待っていると、後ろから足音が近付いてくる。 (‘A`)「久しぶり」声をかけた人物はドクオの横に並ぶ。 (,,゚Д゚)「相変わらず、敏感なやつだな」呆れた調子でギコは応えた。 (‘A`)「ギコの足音は小さいからな、分かるよ」 (,,゚Д゚)「何かあったのか?」ぶっきらぼうにギコは尋ねる (‘A`)「いや、ブーンに呼ばれたんだ」ドクオも端的返す。 (,,゚Д゚)「?……あぁ、成程。あいつ…」その言葉に疑問符を浮かべていたギコは一人で納得する。 (,,゚Д゚)「しかし、その覇気のなさ、元気そうでなによりだ」 (‘A`)「よく見ろ、全然元気じゃない。相変わらず欝傾向だ、て言うか覇気が無いのが元気な印ってどんな奴だ俺は」 (,,゚Д゚)「お前からネガティブなオーラをとったら何ものこらんだろう、影から影をとったら何もないのと一緒だ。存在価値が無い」 (‘A`)「真顔で冗談いうのやめれ」 (,,^Д^)「相変わらず闇夜の黒猫よりも陰気な奴だな」 (‘A`)「欝だ死のう」再会を喜び合う事もなく、当然のように二人は軽口を叩き合った。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/18
19: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] (‘_L’)「おやおや、何度も会うとは奇遇ですねぇ」不意に横手からフィレンクトが現れ、ドクオに声をかける。 (‘A`)「はぁ、どうも」つい敬礼しそうになる衝動を抑え、ドクオは頭を少し下げた。 (‘_L’)「楽しそうにお話していましたが、ギコ君も彼とお知り合いですか?」 (,,゚Д゚)「はっ、彼は私が幼少の頃に我が家に奉公に来ていました。ブランタン出身とは知っていましたが、彼がブーン少尉と友人であった事は今知りました。」生真面目に敬礼しながらギコは返答する。そんなギコをドクオはちらりと見る。彼もブーンと同様に偽りを並べているからだ。 (‘_L’)「成程、世間は狭いものですねぇ…ところで貴方、お名前は?」 (,,゚Д゚)「彼はモオ=モテナスギールと申します。紹介もせず申し訳ありませんでした」ドクオが口を開くよりも先にギコが聞いた事もない名前を口にした。 (,,゚Д゚)「それより、閣下にお伝えしたい事があります。モオ、君は次のエレベーターに乗れ。ブーン少尉の部屋には私も後で行かしてもらおう、私も君と昔話がしたい」そう言うと同時にフィレンクトをエレベーターへと促したギコは足早にエレベーターへと乗り込んだ。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/19
20: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします [] (‘A`)「で、だ」不意にドクオがそう切り出すと今まで楽しそうに喋っていた二人はこちらに目を向ける。 ( ^ω^)「お?」 (,,゚Д゚)「なんだ?」 彼らが居るのはブーンの私室。ドクオがブーンの部屋に到着してからきっかり2時間後、ブーンとギコは現れた。それからは一人で暮らすには広すぎる1DKの部屋の中央にあるテーブルで、ソファに座りながら三人は昔話に花を咲かせていた。 (‘A`)「俺がブーンの幼馴染でギコの家人?」ずっと思っていた疑問を口にする。 (,,゚Д゚)「ああ、それか」 ( ^ω^)「ドックン、前大戦を経験した人間達にとって、僕らは有名人だお?」 (‘A`)「…まぁ、あの第13独立強襲中隊の生き残りで、しかもギコとジョルジュが凄かったからな、え、何?俺は軍に指名手配でもされてんの?」 (,,゚Д゚)「馬鹿か、あのな、軍部は万年優秀な人員が不足してるんだよ。特に今はな。ラウンジは戦勝国ではあるがVIPやシベリアとかの隣国と比べて国力は見劣る、しかも俺達の世代は軒並み全滅」ドクオの言葉に呆れながらギコは続ける。 (,,゚Д゚)「まぁ要するにお前がドクオ=ロックベルって上にばれりゃお前、難癖つけられて無理矢理出戻らされるぞ」 ( ^ω^)「てゆー感じ。ドクオにはもう戦って欲しくないんだお」ギコの言葉を引き継ぎ、ブーンはまとめる。 (,,゚Д゚)「お前の戦争は終わった。正規の手続きで退役したお前を戦わすつもりはない」 (‘A`)「そーゆー事か、まぁ何か、気ぃ使わせて悪いな」肩をすくめながらドクオは二人に感謝した。 ( ^ω^)「気にするなお、どれだけ月日が経とうが状況が変わろうが、僕たちが命を預け合った戦友である事には変わらんお?」 (‘A`)「だな……あ、戦友って言えば、他の元ラインハルト小隊のメンツはどうしてる?ジョルジュは?ワカッテマスは?」そこで今思い出したかのようにドクオは他の戦友の名前を挙げた。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37256/1276437449/20
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