第二汎用スレ (2314レス)
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2275: キョウ・リーフィンド 2018/07/25(水)21:10 ID:T702sb7A(1) AAS
>>2274

「…そうか」

世話を焼かれるだけ焼かれて離脱するというジャックに表情が少し陰る。
まだなんの礼も返せていないというのに。
しかし、別に今生の別れというわけでもない、借りはまたいずれ返せばいい。
そう思い直そうとして。

「っ!」

姿を融かしながらジャックが残した言葉に。
今度こそ、目が見開くのを一切抑えることが出来なかった。

(黒幕…だとっ…?)

キョウもその可能性を考えたことがなかった訳ではなかった。
これほどの大規模な都市の変異、超自然現象でもなければ。
誰かが裏で糸を引かなかった訳がないと。

だが、すぐにそんな考えは切り捨てた。
誰に責任追及をしようが、自分が失ったものは戻りはしない。
その事実が、彼の思考を放棄させていた。

驚愕に色を塗られていた表情が、少しずつ漆黒の無に染まっていく。
もし仮に、黒幕がいるのであれば。そこに手が届くのであれば―

(必ずだ…必ず、命あることを後悔させてやる…)

ジャックは言った。今はただやるべきことをやれと。
真実の欠片は向こう側から現れるだろうと。
それが真実であろうと、この身に楔を打ち付けるための詭弁であろうと。

(ああ、やってやるさ…まずは地盤を固める。調査は、それからだ…っ!)

そこまで無表情のまま思考を続け、漸くニクスからの声かけに気づき言葉を返した。

「ん?…ああ、俺の方こそ、やっかいになる」

「身体の方は大丈夫だ、戦闘が終了してから少しは休んで魔力もちょっとは戻った」

「ジャックがくれた治癒も効いているし、お前がくれたこれもある」

そう言って、今の今まで持ったままでいたボトルに漸く口をつける。

「少数の獣との戦闘ならなんとかなるだろう、お前が大丈夫なら向かおうと思うが」

こちらはあくまで今は導かれる側、ひとりでは向かう方向すら定まらない。
案内役であるニクスの意志に沿うつもりだと、言外に込めながら彼の状態を確認した。
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