第二汎用スレ (2314レス)
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2255: キョウ・リーフィンド◆0yDCPvKqi2 2018/07/14(土)19:18 ID:jW6kJb5Y(1) AAS
>>2254
-一切の油断を許さない状況の中、遠くからその渦中に向けて走る姿が一つ。

その足取りに迷いはなかった。その瞳に諦観はなかった。
やるべきことを決めた思考はいつ以来になるかと思うほどクリアに、冷静に状況を分析する。

(囲まれているのかっ、出来れば敵陣を乱して戦線を立て直してやりたいが…)

瓦礫や砂塵、薄闇といったもので見通しの悪い中、それでも遠目から戦況の大体は理解することが出来た。
遠方からの大魔術で奇襲をかけてやれば、状況を整える隙ぐらいならば充分に作ることができるだろう。

しかし、目を覚ましてからここまでに既に三回の戦闘を経ている。
一発で済む保証などどこにもない中、消費の激しい大魔術の使用は避けたい。
兎に角思考を巡らせながらも速度は緩めず、己の戦闘範囲まで近づくしかない。
省17
2256
(1): ジャック・V・テイラー◆/yjHQy.odQ 2018/07/15(日)01:34 ID:jffhDqK2(1/2) AAS
――低く、彼方まで響く振動。

(防御音、範囲は複数、持続式!)

スクラム……に見えるがただ一列に並んで突貫してくる獣達。
音が聞こえた瞬間から効果を感じ取り、対応した魔術を練り上げる。
ウィーヴの術は魔具由来のもの故に、知っていれば探知が出来る。
しかし指揮される側が獣では、なかなかに挙動が厄介であった。

「強化じゃ間に合わないな……【二重詠唱】【星架解除】【退禍開始】」

喇叭が聞こえて、陣形が組まれ、攻めて来るまでに十秒弱。
槍に付与した属性強化を解除し、代わりに属性弱化魔術を展開。五秒。
仕込みの魔術を詠唱しつつ槍には魔力を込め、精霊に全て任せたテンプレートの構成を開始。七秒。
省31
2257
(1): キョウ・リーフィンド 2018/07/15(日)01:57 ID:HLhGEGHM(1/2) AAS
>>2256
―――自分の選択は、果たして正しかっただろうか。

獣の索敵範囲は、キョウが想定していたよりもはるかに広かった。

(もう気付くか…、だが、幾体かだけでも2人から気を逸らせたならそれはそれで上々)

数体程度の相手ならばまだそう苦ではない、充分に迎撃可能な範囲。

走りながら風を展開する。
体から迸る大気は身を包み、体が軽くなってゆく。
この身は一迅の風へ、この身は大気の槌へ、この身は大気の刃へと。
省18
2258
(1): ジャック・V・テイラー◆/yjHQy.odQ 2018/07/15(日)03:00 ID:jffhDqK2(2/2) AAS
>>2257

「いい子だ……!!」

槍に再び回帰魔術を展開。
十分間に合う。距離も上々。
獣はあくまで【壁】だ。
あいつはそういう戦術を取る、だから【跳ぶ】必要があったんだ。

「【ノトス】!」

特殊な魔術であった。
本来、風魔術を発生させる際、【媒介】として機能させる単元の発現。
ただただ魔力に満ちた厚みのある突風。
省13
2259
(1): キョウ・リーフィンド 2018/07/15(日)03:25 ID:HLhGEGHM(2/2) AAS
>>2258
………不思議な感覚だった。

そも風に全てを捧げてきた男。
限定的ではあれど、時に風の力場を産みだし足場として
空中を駆けたこともないでもない。
それが今、ほかの誰かが生み出した風に乗って、空を゛迅っている゛

今更誰かを頼りにするつもりも、必要も感じていなかった身…それでも思う。

(なるほどこれは…悪くない…良い感覚だ)

そうして遅れてようやっと歩み出した心を後押しするかのよう。
省10
2260
(1): ジャック・V・テイラー◆/yjHQy.odQ 2018/07/17(火)02:52 ID:mUgzwk9I(1) AAS
>>2259
その様子を茶化すこと無く。
流す汗を揶揄すること無く。
側に降り立った瞬間、槍を構え直す。
ジャックの衣服はところどころが焦げており、あの魔砲に晒されたのは言うまでもなく。
しかしながら周囲は砂化、壁化、凍結に緑化と、散々に暴れた様子が見て取れた。

「あれはウィーヴ・アライアンス。ネストの構成員で、今は獣化真っ最中」

「手の喇叭で周りの【味方と認識した対象】に強化魔術を撒き、自分は前衛をしつつ、手の砲槍で時々撃ち込むってやり方が得意」

「テイラー、キョウ!来るぞ!!」

ジャックが説明を始めてしばらく、二方向から襲い来る獣達。
省17
2261: キョウ・リーフィンド 2018/07/17(火)20:12 ID:izA.W5Lc(1) AAS
>>2260
現状までの経緯を確認する必要はない。
身体の状態を確認する必要はない。
知りたいことは瞬間視界に捉えた情報で充分に知れた。

2人の戦意は未だ衰えず、状況は可でもなければ不可でもなく。
容易でなければ、また難題でもない。

…難しいことではない、ただ己の為すべきことを為せばいい―

「我が歩みは風と供に。我が心は風と供に。
我が身はあるがままに」

「故に、ただ空をゆくままに」
省39
2262
(1): ジャック・V・テイラー◆/yjHQy.odQ 2018/07/18(水)00:47 ID:tyr41DME(1) AAS
駆け抜けたキョウを幾匹かは追おうとしたが、追いきれぬと見るや包囲に戻った。
やはり獣の狙いは【酒場バッカス】にあるようだが……何も重要な要素は感じられないだろう。

「やはりここ狙いか……」

「ウィーヴが覚えているのがそのくらいなんだろうさ。もう相当進行が進んでる」

「まだ人の形は辞めないだろうけれどね……今ここで始末してやらなきゃ、まずい」

『なんだ……? あの店の人間、なのか……?』
省14
2263
(1): キョウ・リーフィンド 2018/07/18(水)01:39 ID:ALZppt8U(1) AAS
>>2262
此方が辿りつくまで黙って待っている、と楽観していたわけではない。

(しかし、また随分力技な手を使う)

割られたガラス片、加えて空気にちらつく粉塵。
加えて砲撃性能を搭載した槍持つ敵となれば、狙いは粉塵爆発。
このまま素直に突っ切って下手な干渉をすればあわや木端微塵ということだろう。
意識の中で少しばかり嘆息する…。
少しばかり、゛嘗められたものだ゛と。

干渉前、駆けあがっていた壁を強く蹴り上げ、干渉の無い中空へ退避。
そのまま地上へ逆戻り?否、もとよりこの身は大気と同義。
省26
2264
(1): ジャック・V・テイラー◆/yjHQy.odQ 2018/07/19(木)07:02 ID:O7Y1VFU.(1) AAS
>>2263

『……!!』

その濁った眼に映るのは驚愕。
頭上を越え、自身と同じ高さに降り立った青年を前に、獣になりかけた旗手は【笑った】。

『時間稼ぎすらさせてもらえない、か……』

先程までの錯乱や憤怒は一時的に鳴りを潜めているか。
構えるは、長旗をたなびかせる3m強の砲槍。
先端に分厚い金属輪が付き、三方向に穂先が伸びる。
見るからに扱いにくいそれは、よく見れば旗は魔力で浮かび上がる非実体布。
そして、キョウにゆっくり歩み寄ってから……
省23
2265
(1): キョウ・リーフィンド 2018/07/19(木)19:33 ID:OcXX6vDg(1) AAS
>>2264
「…っ」

周囲を取り巻いた熱気に、思わず顔が歪んだ。
穂先が燃える三叉槍、だが燭台と揶揄するにはあまりに苛烈。

(まるでガスバーナーだな…直撃すりゃ終わり…っか)

熱気で気流も乱れている、中遠に退避しての牽制魔術は
あまり意味を為さないと思った方がいい。
加えてこの屋根、家屋が続く限り縦幅はいくらでもあるが横幅はそう広くもない。

想定していた以上に相手に有利なフィールでの戦闘に、知らず舌打ちが漏れた。
省10
2266
(1): ジャック・V・テイラー◆/yjHQy.odQ 2018/07/20(金)01:18 ID:5QkGh7I2(1/2) AAS
>>2265

槍は俊敏な敵対者を捕らえること能わず、されど屋根に大きな火柱を生み、定点を焼却した。
明らかに追いきれていない証拠に、目線だけは確かにキョウを追っていた。
槍の重量と、使い手さえ危険に晒す熱量から、ジャックが見せたような【持ち手の位置でリーチを謀る】という基礎が使えないのだ。

そして、キョウは確かに感じるだろう。
膝裏へと蹴撃を当てた瞬間。
まるで目の前の男が【人の形をした鉄塊】であるかのような揺るぎなさを。
そして、その事実を一瞬遠ざけるような、【薄皮の割れるような手応え】を。

『チイィッ!!』

振り向きざま、大きな横振りで迎撃してくる。
省4
2267
(1): キョウ・リーフィンド 2018/07/20(金)19:50 ID:M5o54uHM(1/2) AAS
>>2266

(っ!これは………っ!)

脚に伝わった感触に驚くのも束の間、槍の振り払いが身に迫る。
決して素早いと感じる訳ではないそれも、現在のキョウの体勢では楽に回避とはいかない。
まともに食らえば死…とまではいかなくても致命傷になりうるのは想像に難くない。

(覚悟を決めろ…っ)

払いの体勢から重心は背中側へ、屋根に倒れ込みながら砲槍を無理やり蹴り上げる。
省9
2268
(1): ジャック・V・テイラー◆/yjHQy.odQ 2018/07/20(金)22:43 ID:5QkGh7I2(2/2) AAS
>>2267

『ぬぅっ……!』

蹴り上げられ体勢が崩れると、足場の悪さから追撃もままならず数歩よろめく。
圧倒的に重心が先端に集中し、かつ遠巻きに持たねば自らを焼くあの槍は、反撃にめっぽう弱いようだ。
更に繰り出される追撃の風弾。
柄で受けるも、重心の偏った持ち手では受け場所を広く持てず、弾ききれずに脇腹へと当ててしまった。

すると、割れたようなブレこそ無いものの、ウィーヴの身体を包む【二枚の障壁】がうっすら浮かび、すぐに消えた。
あれが割れた何かの正体であろうか。
体勢も整わぬ蹴りで割れた以上、後二枚。
穂先の炎だけは以前燃え盛り、使い手さえ焼きながらなお煌々と輝いている。
省12
2269: キョウ・リーフィンド 2018/07/20(金)23:22 ID:M5o54uHM(2/2) AAS
>>2268
「ハァッ…ハァッ…」

息が荒い、当然だ。
ここまで何体獣を殺した。ここまでどれだけの速さで駆けてきた…どれだけの魔力を消費した。

疲れていない筈がないのだ、意地で誤魔化していただけ。
それが、先のダメージで自覚を隠せなくなった。
未だ響く獣達の断末魔を聞くに、ジャックもまだこちらに援護をする余裕はないようだ。
あまり時間は無い。しかし―

「…けど、そうか。そうだよな…」

その言葉で、わかってしまった。相手にも時間はそう残されていないことが。
省26
2270
(1): ジャック・V・テイラー◆/yjHQy.odQ 2018/07/23(月)00:22 ID:Xv7qmVjE(1) AAS
『…………!!!』

勝負は、やはり得物の差に左右されたと言ってよかった。
重心があまりに先端に偏った砲槍は、サイドステップに反応するのに【穂先を僅かに上げて】向けなくてはならなかった。
もとより槍に抗するための徹底した低姿勢のキョウの突貫、反応こそ出来たのはやはり同じ魔具に通じるもの故か。
しかし、その速度……彼が今までのすべてを費やし追ってきた風の一撃、もはや捉えるに敵わず。
身体は確かに灼熱を抜き去り、拳は確かに――

胸部の前に据え置かれた右腕を貫き、胸部に突き刺さっていた。

『か、はっ……!』

それは獣に変質しかけたが為の反応速度か。
槍が抜かれると分かった瞬間、右腕をとっさに急所の前に置き、犠牲とすることを可能にした。
省17
2271
(1): キョウ・リーフィンド 2018/07/23(月)20:00 ID:kGPwMank(1) AAS
>>2270

―届いた。

背中を、死を潜りぬけた右腕を、それでも熱に焼かれる痛みが襲う。
超速の中で無理な軌道で振った腕の筋肉が軋む。
予想だにはしていなかった右腕の盾により威力も殺された。

だがしかし、確かにこの右手は彼の身に叩き込まれた。
その感触を胸に抱いて、キョウは静止していた。

「…」
省31
2272
(1): ジャック・V・テイラー◆/yjHQy.odQ 2018/07/24(火)15:41 ID:tUpsj4lI(1) AAS
>>2271

「おっすおっす。……お疲れさん」

階下で重々しい音がし出すと、程なくしてジャックが蔓を階段代わりに上がってくる。
勿論、というように不可視のローブでの擬態付きではあるが、キョウの生存を確認した瞬間解除したようだった。

「いやいや、酷いもんだね。あんな隠し玉を持ってるとは知らなかったんだよ、ごめんね」

「……こいつは元々単独では絶対クエストを受けない冒険者だったんだ」
省19
2273: キョウ・リーフィンド 2018/07/24(火)20:08 ID:/C5ZU67s(1) AAS
>>2272
「ああ、そっちもな…」

昇ってきたジャックを一度見上げ、ふらつきながらも立ち上がる。

「すまないな…」

つらつらとジャックが口にする彼の事には何も返さず。
ただ治癒に一言だけ礼を述べて、ともに降りる。
自分が何かを語る必要はないと思った、語れる言葉も持ってはいなかった。

降りながら目に飛び込んできた光景に少しばかり目を見開くが、
すぐに憮然とした表情に戻る。
何も言っていないのに説明するジャックに微妙に驚きを見透かされた気がして
省47
2274
(1): ジャック・V・テイラー◆/yjHQy.odQ 2018/07/25(水)02:03 ID:hrbvrDXE(1) AAS
キョウに改まって決意を表明されれば、二人は向く方向こそ違えど微笑んで応える。

「此方こそよろしく頼む。心強い仲間が増えて俺も嬉しい」

「ん、じゃあ後はよろしく。ニクスの案内なら問題ないでしょ、キョウくんも」

「……なに? もういってしまうのか、テイラー」

「俺も忙しくてね。今日はこのまま【ゼオの依頼】の方を仕上げてくるよ」
省15
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