第二汎用スレ (2314レス)
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(1): ジャック・V・テイラー◆/yjHQy.odQ 2018/07/15(日)01:34 ID:jffhDqK2(1/2) AAS
――低く、彼方まで響く振動。

(防御音、範囲は複数、持続式!)

スクラム……に見えるがただ一列に並んで突貫してくる獣達。
音が聞こえた瞬間から効果を感じ取り、対応した魔術を練り上げる。
ウィーヴの術は魔具由来のもの故に、知っていれば探知が出来る。
しかし指揮される側が獣では、なかなかに挙動が厄介であった。

「強化じゃ間に合わないな……【二重詠唱】【星架解除】【退禍開始】」

喇叭が聞こえて、陣形が組まれ、攻めて来るまでに十秒弱。
槍に付与した属性強化を解除し、代わりに属性弱化魔術を展開。五秒。
仕込みの魔術を詠唱しつつ槍には魔力を込め、精霊に全て任せたテンプレートの構成を開始。七秒。

(間に合え……!!)

祈るように地面へと、右手へ精製した漆黒の杭を投擲。
突き刺さるのとほぼ同時に槍を足元へと刺し、精霊魔術を解放した。

「【アースクエイク】!!」

すると並んで襲いかかる獣たちの足場が突如として砂状に崩れ滑落。
弱化した石畳に地属性の魔術を与え、その影響を大幅に変質させる回帰魔術の一端によって、流砂を生み出す。
飛びかかろうにも安定しない地面に足を取られた獣へ、照らすように輝く稲光。

「【サンダーボルト】!!」

二重詠唱、自身が詠唱していた魔術をぶつければ、回避もままならぬまま直撃を受け獣達は為す術無く弛緩しゆっくり沈んでいった。

これで、一割の獣が減ったのみとなる。

「ニクス、調合段階は?」

「まだ白樺の羽根を磨っている。しばし待ってくれ」

「了解。待ってる」

「再三で済まない。撤退は?」

「出来ない。ここは死守する」

「分かった、意図は後で聞く」

「悪いね。付き合わせちゃって」

「任せろ。頼られるのは好きなんだ」

次の獣が、支援を受けて動き出す。
その瞬間、獣が一斉に一点を見た。

「!!」

そこには、身を翻し戦場へと急行する、一陣の風。
否、先程別れたキョウの姿が、確かにあった。

「こっち来る……のか……?!」

ジャックは一瞬迷った。
しかし獣は迷わなかった。
一番近い場所から数匹、牙を剥いて迎撃に出る。

それだけじゃない。
ウィーヴもまた、片膝を突いて旗槍をキョウに向け、狙いを定めてみせた。

「まずい……!」

「キョウ!!翔べ!!前だ!!!」
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