☆謎ラボ朗読アーカイブ☆ (31レス)
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1: 忘八 2014/08/10(日)08:09 ID:q6O8exx20(1/21) AAS
壁‖Å ̄) .・(謎ラボネトラジで朗読された作品を、
朗読後に文章として残すスレです…)

・朗読者に作品を投稿した本人が貼って下さい

・作品を貼るのは其の作品が朗読された後に御願いします

・作品への評論もおk、但し雑談に発展しないよう
2: 忘八 2014/08/10(日)08:10 ID:q6O8exx20(2/21) AAS
『いくもの・くるもの・とどまるもの』

【1】
ズ……ズズ…ズル……ズ…ドス

熱帯夜が続き毎年恒例の寝不足で半分呆けた意識の中、
玄関扉の向こう側で何かが這いずる音を聴いた

時刻は午前一時前
弛緩する身体を叱咤し、布団から無理矢理起き上がり玄関へと向かう
玄関の靴箱の上に置いてある電話に用がある

『何か』とは言ったが、其れが誰であるかは理解している
階下斜向かいの御婆さんだ
省44
3: 忘八 2014/08/10(日)08:11 ID:q6O8exx20(3/21) AAS
【3】
其の時自分は至福の時を過ごしていた

部活を終え帰宅すると、姉貴は何かの番組を一人大人しく観ている
余程集中して其の番組を観ているのか、
此方の動向に口を出してくる気配は無い
普段は構えと煩い位に付き纏い、
自分一人で大人しく過ごせる時間は略皆無だった
親父はまだ仕事から戻って来ては居ない
夕飯は温め直して出せば良いだけにしてある
図書室から借りてきた北欧神話を手に、ホクホクと個室へ移動した
省16
4: 忘八 2014/08/10(日)08:12 ID:q6O8exx20(4/21) AAS
【4】
最初に気が付いたのは親父だった

東北に越して来てから数日経ち、
粗方の荷ほどきが終わりクタクタに疲れて二階に戻ろうとした時に
ポツリと親父が呟いた

『鳩時計の音が聴こえるんだが』

それは良い、鳩豆買ってきて餌付けしないとな!
冗談では無くて、と言う

ジョークを利かせられる親父でない事は重々承知している
隣家の時計の音が聴こえただけだろうと捨て置いた
省25
5: 忘八 2014/08/10(日)08:13 ID:q6O8exx20(5/21) AAS
【4続き】

俺が鳩時計の音を認めたので満足したのか、
親父は特に其の話題を出す事も無くなった
ただ時折耳を澄ませている素振りをするので、
気にはなっているのだろう
何度か耳にしたが鳩は確実に一階で鳴いている、
二階で聴くより一階に居る時の方が音は大きく聴こえた

月が変わりお隣さんから回覧板が回されてきた、
受け取った玄関先で其のまま内容を確認し又隣の家へ
市役所からの広報だった
省31
6: ぽにょ(代筆) 2014/08/10(日)08:14 ID:q6O8exx20(6/21) AAS
【人形】

それは、大学を卒業し、 働き始めてから三年ほど経った初夏の出来事でした。

アパートで気ままな一人暮らしをしていた私は 仕事から帰り、食事や風呂を済ませた後は 録画してあったテレビ番組を見たり 適当にゲームをしたりして 12時頃にベッドに入っていたでしょうか…。

いつの間にか眠りに落ち

普段なら、そのまま朝まで目覚めることはないのですが
省59
7: わた坊(代筆) 2014/08/10(日)08:14 ID:q6O8exx20(7/21) AAS
1/3

サワさんは夏が嫌いと言いました。蝉がうるさいから。

サワさんは、15才の時に上京し、そのまま知り合いの美容院で働くことになりました。

高度成長期に乗りかけの、まだまだ貧しい時代でした。
お客さんの中には、戦争から帰還した“Sさん”という方がいて、皆から“兵隊さん”とよばれていました。
Sさんは、お店に来る時はいつも有名な羊羹など、珍しいお土産に持って来てくれて、サワさんが喜ぶ顔を嬉しそうに見ていたそうです。

ある時、お店の皆さんで、T山に登りにいくことになりました。サワさんもとても楽しみにいきました。
しかし山の入り口に入る時に、目の前の光景に動けなくなったそうです。
そこには包帯をグルグル巻きにした兵士が何十人と座り込み、割れたドンブリを膝元に置いていました。
右腕のない兵士の隣にいたのは、いつもニコニコと羊羹を持って来てくれるSさんでした。
省6
8: わた坊(代筆) 2014/08/10(日)08:15 ID:q6O8exx20(8/21) AAS
2/3

それから、優しい兵隊さんはお店に来たのは一度だけでした。その時に、サワさんに受けとってほしいものがあるのと言ったそうです。

その時に渡されたのが、人の頭部の彫り物で、学校の美術室に飾ってあるようなものでした。
サワさんの記憶では、大きさは大人の拳くらいだったそうです。

「これはね、本物を真似して作ったんだよ」

Sさんは、少し笑ってそれだけしか言いませんでした。
サワさんには、その価値はわかりませんでした。
ですが初めてもらう珍しくてきれいなものがとてもうれしくて、箪笥の上に飾って毎日やわらかい布で拭いていたそうです。
省8
9: わた坊(代筆) 2014/08/10(日)08:16 ID:q6O8exx20(9/21) AAS
3/3

サワさんの血が滴れた、割れた散らばった白い頭部

その唇がわなわなと動いていました。

「ワタシ」と言ってるようでした。

目が合いました。その瞼が震えていました。
省11
10: ココ(代筆) 2014/08/10(日)08:17 ID:q6O8exx20(10/21) AAS
小さな神社とお菓子の話。

周りをたんぼに囲まれてこんもり茂る鎮守の森のささやかな神社がそこにある。
創建の詳しい年代はわからない。誰も知らない。
つまりはそのくらい古くからある。
御祭神は応神天皇。宇佐神社である。

夏の終わりに祭りがある。 
小さな神社であるから派手な祭りではない。
氏子が集まりお神楽があってお囃子がある。お神酒も振舞われる。

お神楽は氏子の中から少女が4名選ばれる。
大きな花の髪飾りをつけ、鈴を打ち鳴らし舞う。
省17
11: ダヌル・ウェブスター(代筆) 2014/08/10(日)08:18 ID:q6O8exx20(11/21) AAS
文字で読んだら、ココちゃんのもなかなかだったなぁ、と。
画像リンク[jpg]:blog-imgs-30.fc2.com
12: ハマー(代筆) 2014/08/10(日)08:22 ID:q6O8exx20(12/21) AAS
おじいさんが歩いていると吹雪になりました。街道にはお地蔵さんが並んでいて、その頭にも雪が積もっています。
おじいさん「おうおう、お地蔵さんも寒かろう」
国分「じゃあさ、お堂作ろうよ!」
山口「かやぶき?」
城島「それじゃ崩れるやろ、コンクリやな」

#昔話にTOKIOが介入

12時の鐘が鳴り、シンデレラの身なりはボロく、馬車は南瓜に、馬はネズミに戻ってしまいました。
山口「あのー、この南瓜って…家に持って帰って食べますかね?棄てる?………食べない?食べないんですか?じゃあこれはセーフ…だよね?」
スタッフ「セーフです」
#昔話にTOKIOが介入
省25
13: 忘八 2014/08/10(日)08:23 ID:q6O8exx20(13/21) AAS
壁‖Å ̄)ノ .・(ダヌル特別審査員長の寸評でーし…)

947:名無しさん
14/08/07(木) 22:09:48 ID:eaB.Pqmw0
第一回 謎ラボ創作怪異譚の夕べ

 じゃ、ダヌル採点を。 ●…ダヌルの寸評/仮題(便宜的にさ)

第一席 774ちゃん「パープルボール」  ●消えたお宝を取り返しに屋根に登った少年たちが見つけたものとは

第二席 わた坊 「Sさんのおくりもの」 ●子供のころ傷痍軍人よく見たなぁ ヒッチコック劇場の名作「猿の手」を思い出した
第二席 モグたん 四部作「ゆくもの くるもの とどまるもの」 ●?@?Cが力作。?A?Bは軽妙、しかしオチがわかるまで少々時間が
省4
14: 2014/08/10(日)08:23 ID:q6O8exx20(14/21) AAS
じゃ俺から総評的コメント。

次回は是非、投稿する前に声に出して読んでごらんよ。
頭の中で通読するのではなく、小さな声でも良いから必ず声に出して。
聴こえてくる話のスムーズでない部分、それが手直しすべき部分だよ。

今回のシリーズが「読み上げる」事が前提であるからそういうのではなく、全ての文章に言えることだと思うねぇ

文章ってのは、論理性を見れば数学に似てるが、時に結論より計算式の美しさが求められると言う点では音楽に似ている。この二つの特性が良く並んで気持ちの良い文章になるんだと思う。或いは、この二面性の総合芸術であるとも。

そんな意味では、七作品には音楽性があった。これが、一席を頂戴した最大の理由ではないだろうか。しかし最後の骨出現以降は論理性に欠け、不思議な話ですらなくなっている。その原因、執筆時に作者自身が郷愁の虜になっていたろう事が、不思議といえば不思議ではある。
省4
15: 774(代筆) 2014/08/10(日)08:25 ID:q6O8exx20(15/21) AAS
パープルボール

今日の様に暑い夏だったと思う。
まだ地球温暖化なんて言葉も無かったしエアコンも普及していなかったから室外機からの不快な温風も知らなかったが、少なくとも今の自分みたいに重い汗はかいていなかったはずだ。

近所の路地で野球をやっていたんだよ。
野球といっても、ピッチャーとバッター、他に2人の守備がいるなんてお遊びだけどね。プラスチックのバットはオレンジと黒のジャイアンツ仕様。ゴムボールは駄菓子屋で買ったものを仲間で持ち寄る。
三角ベースにも満たないスペースだから真っ直ぐ高く遠くまで球を飛ばした奴の勝ち。ホームラン競争だ。
15m先のブロック塀の上を越えたボールはもちろんホームラン。
すいませーん、ボール取らせてくださーい、なんて言いながら勝手に門を開けて庭に入って探索。
それでも段々ボールは減ってくる。フライを屋根まで打ち上げると戻ってこないからだ。
いつものようにボールが尽きそうになった時「あの屋根の上には今まで打った球がいっぱいあるはずだよな?」
省34
16: 774(代筆) 2014/08/10(日)08:26 ID:q6O8exx20(16/21) AAS
<修正版>

まだ地球温暖化なんて言葉も無かったしエアコンも普及していなかったから室外機からの不快な温風も知らなかったが、少なくとも今の自分みたいに重い汗はかいていなかったはずだ。

近所の路地で野球をやっていたんだよ。
野球といっても、ピッチャーとバッター、他に2人の守備がいるなんてお遊びだけどね。プラスチックのバットはオレンジと黒のジャイアンツ仕様。ゴムボールは駄菓子屋で買ったものを仲間で持ち寄る。
三角ベースにも満たないスペースだから真っ直ぐ高く遠くまで球を飛ばした奴の勝ち。ホームラン競争だ。
15m先のブロック塀の上を越えたボールはもちろんホームラン。
すいませーん、ボール取らせてくださーい、なんて言いながら勝手に門を開けて庭に入って探索。
それでも段々ボールは減ってくる。フライを屋根まで打ち上げると戻ってこないからだ。
いつものようにボールが尽きそうになった時「あの屋根の上には今まで打った球がいっぱいあるはずだよな?」
向かいの2階屋を指差して言ったのは間違いなく俺だと思う。
省5
17: 774(代筆) 2014/08/10(日)08:26 ID:q6O8exx20(17/21) AAS
さて774少年の姿はすでに屋根の上。
ベランダを支える鉄筋の支柱を登った記憶はある。
後からもう1人、今でも行きつけの洋食屋の息子が頂上制覇。

ふたりして息を飲む。

そこには想像を遥かに越えた数のゴムボールがゴロゴロ。

夢中で回収する。ボールをポンポン下に投げていくと登りつけなかった2人の称賛の声。スゲースゲーってね。
そこで洋食屋の息子がこの場に似つかわしくない震え声を上げた。

「774ちゃん、これなに…?」
省9
18: 774(代筆) 2014/08/10(日)08:27 ID:q6O8exx20(18/21) AAS
怯えるキムを促して下山する。
「キム、下の2人には骨の事は言うな」
「なんで!?」
「なんでも、だ」
切迫した雰囲気が伝わったのだろう。キムは小さくウンと頷いた。

…数日後

俺たちはまたあの路地にいた。
屋根の上にあったモノをすっかり忘れたような能天気なキムと、もう1人、違う面子。

そこに「お兄さん」が登場したんだ。きっと土曜か日曜。トビ職は休みだから。

「よう!」
省12
19: 774(代筆) 2014/08/10(日)08:28 ID:q6O8exx20(19/21) AAS
「お前らの母ちゃんたちには内緒にしといてやるから2度とやるなよ」

真っ二つに割れた板を前に「ヤッパお兄さん凄いね!」と事情を知らないひとりが興奮している。

その背中を見ながら、キムがポツリと言う。
「なんかお兄さん怖かったね」
「あんなのハッタリだ」
「へ?」
「…なんでもない」

あれは口止めだ。
お母さんには言わないからお前らも屋根の上で見たもののことは黙っていろと。
気持ち悪かった。
省1
20: 774(代筆) 2014/08/10(日)08:28 ID:q6O8exx20(20/21) AAS
翌日、給食の時間に学校を抜け出した。あの家まで徒歩5分。顔見知りに出会わないようにいつもとは違う道を進む。
ギラギラと容赦なく太陽が照りつける。肌が焼ける音がする。
獣道をかき分けかき分け目的地に辿り着き頂上を見上げた。
もう一度あそこを制覇せねばならない。

身体が酷く重い。10cm先の樋に指を掛けようとするも届かない。目先を変えて斜め上の庇にジャンプするも汗で手が滑り危うく5m下に落下しかける。
「あの時は楽勝だったのに…」
前回とは違うルートを選択していた。もちろん人目を避けるためだ。表通りに面したとっかかりの多い安易なルートではなく裏路地の不安定なルート。漬物バケツから隣家の塀に飛びついたまでは良かったが、そこからのアタックが困難を極めた。
「しかし時間が無い!」
昼休みが終わる前に学校に戻らなくてはならないのだ。
774少年は限界まで乳酸の溜まった筋肉を一旦縮こめて、高く飛んだ。
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