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抽出解除 レス栞 あぼーん

1: ◆vjke6TKyHk 2017/01/29(日)03:12 AAS
あなたはふと目を覚ますと、見知らぬ町に佇んでいました。

何故自分がここにいるのかと記憶を巡らせれば、最後に記憶していた光景は、もしかすれば日常を謳歌していたかもしれませんし、もしかすれば死闘を繰り広げていたかもしれませんし、もしかすれば死の間際だったかもしれません。

それらいずれにせよ、少なくとも自分がここに立っている理由にはなりません。

あなたがそう思案していると、電子音が鳴り響きます。

音源を探すと、いつ持たされたのか、スマートフォンのようなタブレットを持っており、そこから音がしているのがわかります。
省9
3
(1): 九条恵子◆vjke6TKyHk 2017/02/02(木)21:30 ID:Eeemc8nc(1/3) AAS
>>2
貴女がそのように首を傾げていますと、不意に後ろから、声をかけられます。

「ううん? そのタブレット……。あんた、こっち側の人間かい?」

貴女が振り返るなら、その声の主を目撃することでしょう。

身長は160cm中頃、特徴的な赤髪を後ろにまとめた女性は、なぜか紙袋にパンパンに詰まった缶詰を抱えています。

「だけど瀬平戸じゃあ少なくともみたことないし、やっぱり一般人かねぇ?」
省1
5
(1): 九条恵子◆vjke6TKyHk 2017/02/02(木)21:51 ID:Eeemc8nc(2/3) AAS
>>4
「ああ、やっぱりこっち側だったのか。ほれ、アタシも魅入られた人間とやらの一員さ」

そう言って目の前の女性は、貴女が先ほどまで見ていたのと同じ画面を、彼女のタブレットから見せてくれます。

「しっかし、よくわからんねぇ。いやさ、瀬平戸自体はそこまで有名な都市ってわけじゃあないから知らなくてもおかしかないが、そうなると一般人か……」

「こんな不思議現象に巻き込まれるなんざ同業者くらいかと思ってたが、そうでない人間も巻き込まれてるってことかねぇ」

そして、彼女はしばらくなにかを考えるようなそぶりを見せます。
省2
7
(1): 九条恵子◆vjke6TKyHk 2017/02/02(木)23:20 ID:Eeemc8nc(3/3) AAS
>>6
「お仕事は特殊だが、それを口にするのは憚れるわな」

どこかばつが悪そうに、そう答えます。貴女が洞察力に優れるならば、それは秘密主義によるものではなくただただ単純に言いたくないために口にしないように感じ取ることでしょう。

そして、貴女のいうことを一通り聞いた彼女は、静かにこう告げました。

「うん、やっぱりわからん」

「アタシだってここに来るまでの記憶は曖昧なんだよ。同業者と同盟組んだのは覚えてるんだが、その後ギャンブルに出かける直前から微妙なんだよなぁ。いや、運が巡ってきてたのに……」
省1
9
(1): 九条恵子◆vjke6TKyHk 2017/02/03(金)07:44 ID:UjtmHVnY(1) AAS
>>8
「ふぅん、なるほどねぇ。どうやら、勘違いしていたみたいだ。そもそも根本的に、あんたは魔法に関わり合いがなかったようだ」

と、妙に納得したようなふうに言います。

「ご察しの通り、アタシもただの人間とはちょいと違ってね。手札は見せないが、まあチンピラ程度なら軽くあしらえるだけの実力はあるとだけ言っとくよ」

そう言って、彼女は笑ってみせます。

その発言は言葉通りかもしれないし、あるいは嘘かもしれない。もしかすれば、何かを隠した上での発言かもしれないと思うかもしれません。
省3
11
(1): 九条恵子◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)01:10 ID:18voWeoY(1/8) AAS
>>10
「魔法使いというか……まあ、親戚みたいなもんさね。一応魔法は使えるよ。あんたの思う魔法とはかけ離れてるだろうがね」

「それで、そういうあんたはなかなかに物騒な輩のようだねぇ。戦闘狂ってやつかい? 死んでも生き返るを、便利ととらえるたあ、少し奇特な感性してるじゃあないか」

そうは言いつつも、彼女は別段態度を変えようとはしない。それもまた良し、と貴女のあり方を認めているのかもしれない。

「アタシとしちゃあ死ぬなんざ死んでもごめんだがね、それでも死んでも生き返るってのは魅力的に見えるわな。賭け金はあればあるほどいい。それだけ繰り返し命をかけたギャンブルができるってものさ」

それを笑いながら言うあたり、彼女の感性もまともとは程遠いのかもしれない。
省2
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(1): 九条恵子◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)02:01 ID:18voWeoY(2/8) AAS
>>12
「いやなに、アタシもパチンコだけじゃあ味気なくてねえ」

そう言って抱えていた荷物を地面に下ろすと、ポロリとパチンコ玉が転がった。

どうやら大方の予想通り、本当にギャンブルに出かけていたようだ。

「レバーを固定して跳ぶ球を目で追い、勝手に回るスロットを眺めるだけじゃさすがに飽きてくるのさ。ギャンブルってのは、相手がいるから燃えるんだよ」

「かといって、きたばかりの街で裏カジノを探すのにはちと時間がかかる。このジレンマを癒すために、ちょいと相手してもらおうと思ってねぇ」
省2
15
(1): ◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)02:24 ID:18voWeoY(3/8) AAS
>>14
「そういや、まだ名乗ってなかったねぇ。アタシの本名は九条恵子。だがまあ、この場面なら、こっちの名前のが正しい」

そう言うと、彼女はくるりとその場で回ります。

そしてそれと同時に、彼女の身体を光が包みました。

どこかから照らしているわけでも、彼女自身が発光しているわけでもなく、まさしく光が、彼女を包んでいるのです。

そして、次第にその光は薄れ、彼女、九条恵子の姿が露わとなりました。
省18
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(1): アンラッキーフォルトゥーナ◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)02:54 ID:18voWeoY(4/8) AAS
>>16
「ま、一発目からあたりはきちゃくれないか」

そういう彼女だが、まだ焦りは見えない。

あるいは、焦りを押し殺して余裕を見せているのか。

「それにしても厄介だねぇ。鬼灯、いや、血戦兵鬼。アタシの手札はご覧の通り貧弱でねぇ。しかもある程度の実力者には牽制にしかなりやしない。だからこそ、頭使って少しでもダメージを重ねてかなきゃいけないのさ」

そして彼女は距離を取るべく後退しながら、またルーレットを回す。
省5
19
(2): アンラッキーフォルトゥーナ◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)03:21 ID:qMpqzyt6(1/3) AAS
>>18
(早速きた! どうやら勝利の女神はこっちに微笑んでるみたいだぜ? 血戦兵鬼……!)

ルーレットが指し示した絵柄は0の電球。

その結果生成された閃光は、相手の目を一時的に封じてくれたようだ。

「しっかし、武器は手放さないか。あわよくばと思ったんだがねぇ。まあいいさ。それならそれで、次はかくれんぼと洒落込もうか」

今回のバトルフィールドは公園。少なくともかくれんぼにはうってつけだ。
省5
20: アンラッキーフォルトゥーナ◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)03:25 ID:qMpqzyt6(2/3) AAS
>>19
書き忘れてましたが、彼女は近くの茂みに隠れています
22
(1): アンラッキーフォルトゥーナ◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)03:47 ID:qMpqzyt6(3/3) AAS
>>21
(氷の2が二つに、水の8が一つ。さすがに連続で当たりというのも難しいか)

しかしそれでもルーレットを回したことに変わりはない。ハズレとはいえ、コインが一枚排出される。

(まあいいさ。当たりは出なかったが、有利不利でいえばこっちが一手有……利……)

しかし彼女はその光景を目撃する。あたりに広がりつつある、その赤い霧を。

とっさに袖を口と鼻に押し当てるが、はたしてあれが毒とすれば通用するのかどうか。
省7
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(1): アンラッキーフォルトゥーナ◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)04:17 ID:18voWeoY(5/8) AAS
>>23
「ここでこいつが出ちまうかッ!」

揃ったマークは岩の4。しかしそれは、この環境において自分の位置を知らしてしまうのと同意義。

放たれた岩棘は相手にダメージこそ与えたが、まだ決めてに欠けるようだ。

そしてこのチャンスを逃すほど、相手も甘くはない。

「こいつは、まずいねぇ……!」
省11
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(1): アンラッキーフォルトゥーナ◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)04:52 ID:18voWeoY(6/8) AAS
>>25
(最初の包帯から少し疑問には思っていたが、なるほど。血があいつの能力なわけだ)

流れる血を操る姿を見て、彼女はようやくその正体に行き着いた。

(そして、血を流した分人並みに消耗する、と)

満身創痍気味な血戦兵鬼の攻撃は、近接戦をあまり得意としない彼女でもなんとか避けられそうだ。

鞭のようにしなる刀をなるべくギリギリでかわした直後、彼女はあらかじめ用意していたコインを構え、押し付けるように相手に向ける。
省6
28
(1): アンラッキーフォルトゥーナ◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)13:04 ID:18voWeoY(7/8) AAS
>>27
「ぞっとしないねえこりゃあ……!」

血を自在に操る能力者が、辺り一面に血をまき散らした。

一体何をしでかすかまではわからないが、ここは弾丸を放つしかない。

「手札が揃う前に、終わりにさせてもらうよ!」

向かいくる相手を避けてから構えたのだから、見据えるのは必然相手の背後。
省2
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(1): アンラッキーフォルトゥーナ◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)16:07 ID:18voWeoY(8/8) AAS
>>29
「いや全く、肝を冷やされたよこりゃ……」

後頭部を撃ち抜かれ昏倒する血戦兵鬼を見て、ポツリとこぼした。

あと一瞬放つのが遅れれば、この辺りに散らばる血の海は、果たして誰の血となっていたか。

「……ハハ、これじゃあどっちが負けたのかわかりゃしない」

倒れふす相手よりも血に塗れて、彼女は自嘲するように笑った。
省8
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(1): アンラッキーフォルトゥーナ◆vjke6TKyHk 2017/02/05(日)23:47 ID:O12MaFek(1) AAS
>>31
「あれもつまらない騙しの手品さ。明るいうちなら、あんたほどのセンスなら多分通用してなかってさ」

そう言って、彼女もまたパイナップルを一枚、口に頬張る。

そして、この缶詰の出所を問われれば。

「むぐむぐ。んくっ……そうさ、ちょいとパチンコで一稼ぎしてしきてね。未成年なのにってのは、まあ目をつぶっといとくれ」

ひとしきり缶詰をつまみあい、空になったところで、彼女はベンチから立ち上がる。
省1
34: 九条恵子◆vjke6TKyHk 2017/02/07(火)21:23 ID:N8urlafk(1) AAS
>>33
「そういや、そんなのがあるらしいねぇ。一度覗いてみるのもいいかもな」

ウィッチクラフトという言葉に反応し、少しワクワクしたような笑顔を見せる。

ポータルとやらでつながっているらしいが、それを探し出すのも面白いかもしれない。

「アタシもあんたと背中を合わせて戦ってみたいもんだ。次があるなら、私からも頼むよ」

そう言って、手を振りながら彼女は歩き出す。
省1
35
(1): アルル・ルージュ◆vjke6TKyHk 2017/02/11(土)23:44 ID:aAb3OAic(1) AAS
ヒタ、ヒタ、と。

薄暗い路地裏で、そんな足音が聞こえる。

「うーん、死なないって言ってたはずなのに、おかしいなぁ?」

無邪気に首をかしげる彼女は、真紅の血に染まっていた。
その血は果たして、誰のものなのか。

「ま、そこは仕方ないか。あんな気持ち良さそうな顔して死んじゃったんだもん。最高に生きたって感じだよね!」
省5
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(1): アルル・ルージュ◆vjke6TKyHk 2017/02/12(日)00:10 ID:FtkW6Y52(1/12) AAS
>>36
「病院? もしかして気を使ってくれてるの?」

そう言って、無防備にも彼女はなんの気兼ねもなく目の前の少女に近づく。

「あなたいい人なのね! あ、私アルル・ルージュって言うの。ルが三つ並んで可愛いでしょ?」

その様はまさしく無邪気そのもの。この異様ないでたちでありながら子供のように振る舞うこの少女に、果たして鬼灯はどう対応するのか。
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