[過去ログ] 【ファンタジー】ドラゴンズリング2【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (368レス)
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272: ◆ejIZLl01yY 2017/02/03(金)23:50 ID:idk0E4bQ(4/7) AAS
私はティターニアさんへは向き直らず、そのまま助手さんの更に奥を見た。
研究室の扉の外。私がさっき、ぼんやりと通ってきた道のり。

アスガルドの発展を導いてきた導師様方。
これから先を作り上げていく大勢の学生達。
彼らとすれ違った廊下を。

そして……アスガルドそのものと言ってもいい、この都市に住まう人達。
高度な魔法技術と、それが見せてくれる夢を求めて集まった商人や冒険者達。
彼らが築く、賑やかな街並みを。

……指環を巡る戦いの中では、きっとまた、人を殺す時が来る。
それは、私じゃなくてもそう。
省27
273: ◆ejIZLl01yY 2017/02/03(金)23:51 ID:idk0E4bQ(5/7) AAS
>「あ、いやいや、怪しい者ではないんですぅ、その、食事を少々恵んでもらえれば

うーん、残念ながらものすごく怪しいです。
ていうかこっそり逃げ出す準備をしている辺り、自覚があるんだろう。
ふらふらしてるのが演技とは思えないし食べ物をあげるのは構わないんだけど、変に疑られても面倒。
なので、

「お食事が欲しいなら、部屋から離れてどうするんです?」

はい、毎度おなじみの【スニーク】アンド【ファントム】で背後に回らせて頂きました。
そのままふらっふらの背中を押して、研究室の中へ。

「はいはい、とりあえず壁に体預けて、座って。ふらふらじゃないですか」
省25
274: ◆ejIZLl01yY 2017/02/03(金)23:53 ID:idk0E4bQ(6/7) AAS
……と、閑話休題。

「つまり……もしかしたら、既に刺客はアスガルドに到着して、潜んでいるのかも。
 本隊が到着して都市を包囲したら、中で騒ぎを起こして、侵攻のきっかけを作る。
 私が作戦を練るなら、そうします」

アスガルドは、ユグドラシアで扱われる魔法技術や知識の危険性から、結構強固な外壁がある。
だけどそれも、外壁の上に立って攻撃を行う者がいなければただの飾りだ。
意識が完全に外敵に向いていれば……例えユグドラシアの導師であろうと、暗殺は不可能じゃない。

他にも井戸に毒を入れたり、風説の流布を行ったり……。

「まぁ、刺客がいるかもしれないと思っていれば、ここの導師様方なら遅れは取らないでしょう。
 ホロカちゃんが早速活躍出来るかもしれませんね。
省34
275: ◆ejIZLl01yY 2017/02/03(金)23:54 ID:idk0E4bQ(7/7) AAS
【パティさんよろしくお願いします!
 私は「なんでもする?じゃあ戦力に追加な!」とかいうキャラじゃないので浅めに絡ませて頂きました。
 なんかいい感じに恩に感じて下さい】
276: オークの集団 ◆ceap50eg.2 2017/02/04(土)08:28 ID:UPvCiZV/(1) AAS
それと時を同じくして、ユグドラシアにオークの集団現る!!

既にユグドラシア魔法学院内は「敵の斥候」の一人によって仕掛けが作られていた。
転送陣(いわゆるH×Hのノヴさんのアレみたいなやつ)が各地に張られ、「敵」は
まず残虐で屈強な破壊者を送り込んできた。

ヒュン・・・・・ヒューイ!

妙な音とともに徐々に具現化されたのは、身の丈2m以上はあろうかというオークの集団だった。
肉体は鍛え上げられており、三人の戦士と一人の魔術師の計四名で構成されている。「敵」の斥候部隊だ。
ほぼ全裸で緑色の皮膚を持つ彼らは「ただただ破壊しつくし、略奪しつくし、逃げろ」という命令に従い、まずは
近くにいた研修生の少女二人を襲った。

「おっ、女だゼ」「女、女、女〜♪」「もしかして俺らに≪ヤられたいんじゃないの〜♪≫」
省24
277: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/02/04(土)16:08 ID:5t5RArOu(1/3) AAS
地底都市での指環を巡る戦いから数日。
ジャンとラテはティターニアの紹介でユグドラシアに賓客として迎えられたが、
冒険者として長く過ごしてきたジャンにとっては、もてなされるという経験はどうにも慣れなかった。

せっかくなので、ジャンにもできるような頭を使わない仕事がないか探してみると
この学園にある大図書館の蔵書点検手伝いという仕事があった。
地底都市で拾った装飾品や宝石を売った金で新しく防具を買い揃え、少々財布が軽くなっていた
ジャンにとってこれはちょうどいい小銭稼ぎだ。

早速大図書館へと続く渡り廊下を渡っていると、ふと外の景色が目についた。
ユグドラシアを囲む街並みは活気に溢れ市場は人で賑わう中、何故かその上の風景に。
健全な発展と言える景色の中、ラテが建物の屋上で一人、トレーニングをしている。
省11
278: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/02/04(土)16:08 ID:5t5RArOu(2/3) AAS
そう書かれた一文を見て、ふとティターニアを見る。
ジャンはハイランドで使われている文字はある程度読めるが、すらすらと読むことは難しい。
そのためややこしい言い回しや面倒な文法をところどころ見つけては、ティターニアに教えてもらっていた。

>「ジャン殿ラテ殿も見てみるか? なかなか面白いぞ」

視線が合った瞬間、ティターニアから冊子を渡された。
魔術が生まれつき使えないエルフが肉体を徹底的に鍛え、その筋肉であらゆる敵をなぎ倒すというストーリーだ。
中盤で主人公が故郷に帰り、森にある木を片っ端から粉砕して修業しているところを読んでいたところで、

>「ティターニア様、大変大変!」

ジャンは、読書の時間は終わったと直感で理解した。
二人の話を聞きながら研究室に置いてあった鉄の篭手と鉄兜を装備して、ミスリル・ハンマーを腰のベルトに留め具で固定。
省22
279: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/02/04(土)16:09 ID:5t5RArOu(3/3) AAS
それからしばらくラテの話を聞き、強烈な一撃を見舞って退かせた方がいいという結論になった。

>「……もし、ここの導師様方が難色を示したら。いえ、示さなくても……攻撃は私が……あるいは私も、やります。
 私には手製の爆弾と、この【不銘】がある。尻尾巻いて逃げ出すまで、爆撃してやりますよ」

「そう急ぐんじゃねえ。こういう時は大体勝つこと前提で動いてるもんだ、冒険者って奴はな。
 斥候やら暗殺者のことも気になるが、指揮官を捕まえて城壁にでも吊るしてやれば逃げるだろうよ」

地底都市での戦いから、ラテが戦闘の話になるとどうも様子がおかしい。
殺人を割り切ることができたと思っていたのだが、悩んだ末にまずい方向に動いてしまったのかもしれない。
ラテも落ち着かせる必要があるのかとジャンが考えた矢先、研究室のドアが乱暴に開かれた。

>「聞こえネェのカ?壁に手をついてケツこっち向ケロ、できればパンツも脱いどケ。あ、そこの男はこっち来ナ」
省11
280: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/02/04(土)21:11 ID:XGgG/LDW(1/6) AAS
学園での滞在中、ラテは街に出てはトレーニングに勤しみ、ジャンは図書館の手伝いをしたり研究室で勉強をしたりしていた。
ジャンにいつものように本の文章を教えていたところ、彼の首で光る物に気付く。

「おや、そのアミュレットは授業の課題のものではないか。貰ったのか、お主なかなか隅に置けぬな」

と軽口を叩いていると、ラテがどことなく思いつめたような様子で帰ってきた。

>「あ……あの、ティターニアさん」

ラテは地底都市での戦い以来、どこか様子がおかしい。
やはりミライユを救えなかったのが彼女の心に影を落としているのだろう、とティターニアは推察する。
ラテは元々トレジャーハンターで、人間相手にドンパチするような類の冒険者ではない。
自ら人を手にかけたのは初めてだったのだろう。
ミライユは本気でこちらを殺す気で向かってきていて、殺らなければ殺られていた。正当防衛だ。
省23
281: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/02/04(土)21:15 ID:XGgG/LDW(2/6) AAS
>「はいはい、とりあえず壁に体預けて、座って。ふらふらじゃないですか」
>「ほれ、黒パンだ。さっき食堂からもらってきた」

素早いラテがいち早く動いた。
ジャンもパンを差出し、一緒に食堂に来るか、と聞くまでも無くあれよあれよという間に食事が用意された。

「そなたもソルタレクのギルドのごたごたに巻き込まれたのか? 全く仕方のないギルドだ。
安心せい、ここはあの冒険者ギルドとは無縁……むしろどうやら今のところ敵対している組織だ」

>「落ち着いて、ゆっくり食べて下さいね」

パトリエーゼが食べている間、暫し元の話題に戻るティターニア達。
省20
282: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/02/04(土)21:26 ID:XGgG/LDW(3/6) AAS
一説には共和国最強勢力とも噂されるユグドラシアだが
強さを敵を殲滅する殺傷力という尺度で測ると、もっと強い組織がたくさんある。
普通に考えれば、戦闘を本業とする組織に学者集団であるユグドラシアが敵うはずはないのだ。
むしろユグドラシアが得意とするのはその逆。
いかに相手を殺さずに、更には傷つけずに戦意喪失に持ち込むかとか
集団戦においてはいかに敵陣に大混乱を巻き起こして有耶無耶にして終わらせるか、等を日夜研究しているのだ。
ティターニアがいつぞやの宿屋の主人に使った黒板超音波の魔術などはその一例である。
また、その戦術も他の組織とは一線を画し、良く言えば特異、実も蓋も無く言えば非常識なものが頻繁に飛び出る。
魔術師ギルドですら冒険者に共通する戦闘のセオリーというのに則っていたりするものだが
ユグドラシアはどこまでいっても本質は戦士ではなく学者集団、そんなものは知ったこっちゃないのだ。
省18
283
(1): ノーキン&ケイジィ ◆AOGu5v68Us 2017/02/04(土)21:27 ID:RTchBiuy(1) AAS
【この土日のうちに導入書き入れます。遅くなってすみません!】
284: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/02/04(土)21:28 ID:XGgG/LDW(4/6) AAS
>「聞こえネェのカ?壁に手をついてケツこっち向ケロ、できればパンツも脱いどケ。あ、そこの男はこっち来ナ」

ティターニアはドン引きと呆れと物珍しさが合わさったような複雑な表情で杖を取る。

「お主ら……我のような者でもいいとはオークとしては随分ゲテモノ趣味なのではないか?」

オーク女性に相手にされなくてこうなったのか、それとも元々特殊性癖なのか、疑問は尽きない。
ジャンを見ていれば分かるように、当然この世界のオークが一般的にこんな感じではないわけで……
“何故か広まってしまった間違ったオークのイメージ”の理想的なフォルムを体現し過ぎていて、逆にこんなの実在したのか、と思ってしまう。

>「ヒャッハー! 女と財宝ヨコセ。命だけは助けてやル」
>「――黙ってろッ!」
省8
285: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/02/04(土)21:30 ID:XGgG/LDW(5/6) AAS
一方、オークに襲われて地面に放置された研修生らしき少女に追いすがり泣いている眼鏡の男がいた。

「うええええええええん! メアリーちゃぁああああああん! スーちゃぁあああああああん!!」

そこに同僚らしきやはり眼鏡の男が歩み寄り、そっと肩に手を置く。

「彼女たちは犠牲になったのだ、生徒を守るための尊い犠牲に、な……」

魔術工学研究室――ただでさえ紙一重な者が集うユグドラシアの中でも更に一際異彩を放つ、眼鏡率が異常に高い集団である。
彼らは飛空艇以外にも様々な物を同時並行して開発しており
このメアリー&スーは彼らがあふれ出る煩悩を研究への熱意に変換して開発した美少女型ゴーレムのプロトタイプだった。
どうも研究室が男ばかりでむさくるしいということで、最近は研修生の中に紛れ込ませて楽しんでいたのだ。
転送陣が開く気配を、早速精霊を使っての警戒にあたっていたホロカが感知し、見張りとして配置していたのだが――
見た目等に力を傾け過ぎ、戦闘力が疎かになっていたのが敗因であった。
省8
286: ティターニアin時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc 2017/02/04(土)21:52 ID:XGgG/LDW(6/6) AAS
>283
実は1週間ルールなので気にする事はないぞ、よろしく頼む!
早速バトルが始まっておるがもしギルドの組織絡みが難しかったら個人的に指環奪いに来る感じでも何でも大丈夫!
ギルドの側がその動きを感知して勝手にリーダーに仕立て上げている事にするとか割と色々できるので
とりあえず気楽に登場してみてくれ!
287: オークの集団 ◆ceap50eg.2 2017/02/05(日)01:39 ID:Ks3d7Hrx(1) AAS
ジャンがオークたちの方へと歩を進める。

「なんだァ? このオーク風、状況が分かってネェみてえだなア」「おう、こいつ殺すカ?」
「それよりこいつ雷が効かねェ! どうなってやがル!」

>「――黙ってろッ!」

「ブキャピ・・・」

そのミスリルハンマーの一撃を棍棒で受けるも、一気に食い込んで棍棒を破壊、
そのままオークの頭を勝ち割った。
拉げた音がして、オークの頭がハンマーに捥ぎ取られる。
首無しの死体が床へと落ちた。
省26
288: ノーキン&ケイジィ ◆AOGu5v68Us 2017/02/05(日)14:41 ID:NJZYvVHR(1/14) AAS
ハイランド連邦共和国首府・ソルタレク。
大陸における主要国家の一つ、その中心に相応しい繁華な目抜通りを、奇異の視線で見送られる一台の馬車が通る。
石畳を蹴立てるは四頭立ての普遍的な荷馬車。奇異の理由は積荷にあった。
客車に連結された荷台に縛り付けるように、巨大な竜の死体が載せられている。

大人が四人手を繋いでようやく比肩し得る広さの両翼、眼窩の上に位置する二本の禍々しく捻れた角。
殊更に特徴的なのは陽光を受けて星のように乱反射する無数の黄金の鱗。
ハイランド連邦の北部に在するアラキア台地、その峻険たる奥地に生息する金剛竜オリハロドンだ。

鱗の一片が4kgにも達する過重量で荷馬車の車輪は一回転ごとに悲鳴を上げ、石畳に真新しい轍を刻む。
ハイランドの山間部を踏破する頑健な車引の馬達が、四頭がかりで滝のような汗を流しながら運搬する重量だ。
本来の半分程度のスピードで進む馬車は、やがて大通りに軒を連ねる一軒の店の前に停車した。
省32
289: ノーキン&ケイジィ ◆AOGu5v68Us 2017/02/05(日)14:42 ID:NJZYvVHR(2/14) AAS
「然り。それが何か?」

「何かってあんた……」

閉口してしまった解体屋の代わりに抗議の声は別の場所から上がった。

「然り。じゃ……ないでしょーっ!」

大男が胸を叩いたポーズのままガクっと膝から崩れ落ちた。
解体屋が目を合わせたままの視線を反射的に下げると、大男の足元で彼の膝に蹴りを入れた人影を発見した。
男の巨躯と存在感のせいで気付かなかったが、傍にもう一人いたのだ。
省29
290: ノーキン&ケイジィ ◆AOGu5v68Us 2017/02/05(日)14:42 ID:NJZYvVHR(3/14) AAS
やおら怪しくなってきた雲行きに解体屋が怪訝な顔をすると、応答はノーキンではなく工房の出入り口から聞こえた。

「手形ならここにあるぜ……!」

大通りから差し込む逆光に照らされるは3つの人影。
剣士風の男と、魔導師風の女、そしてリーダーと思しき盗賊風の男だった。
盗賊風は右手に首府ソルタレクの冒険者ギルドの印章を掲げ足早に工房の中へと歩みを進める。

「金剛竜を仕留めたデカい冒険者ってのはてめえだな?ようやく追いついたぜ。
 仲間集めてアラキア台地に出向いてみりゃ竜の巣穴は蛻の殻、巣の主はとっくに解体屋に持ち込まれたって話だしよ」

盗賊風は疲れを伺わせる双眸でノーキンを睨み据えた。
その身に纏うレザーアーマーは魔獣ダイアサルクスの革で織られた軽鎧としては最上級の防御力を誇るもの。
お供の二人もそれぞれその職種における上級防具に身を包んでいて、三人ともが相当に高位の冒険者であることを伺わせる。
省31
291: ノーキン&ケイジィ ◆AOGu5v68Us 2017/02/05(日)14:43 ID:NJZYvVHR(4/14) AAS
「なんだ。あんたがどこのギルドにも属してない金持ちの道楽で冒険者やってるんなら話はもっと簡単になるぜ。
 まずその死体をこっちに引き渡せ。その上で然るべき『報酬』を正確に算盤弾いてあんたらに支払ってやるよ。
 あんたらには依頼を受けた俺たちが現地で雇った無頼の冒険者ってことになってもらう」

「はぁー?戦ってもないのに後から来てピンハネしてくの!?」

「こっちも支度に山ほど金突っ込んでんだ。平和的な解決だと思うぜ?たったの二人でギルド丸ごと敵に回すよかよっぽどな」

腕組みしながら盗賊風の提案を聞いていたノーキンは顎を手でさすって答える。

「それには及ばぬよ若輩。より簡便に始末をつける方法ならたった今我輩がピコンと閃いた!
 貴様ら三人が今ここで消えれば利害に関わる者は一方のみになる!平穏無事なる日常の回帰であるな!」
省28
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