【今こそ】ロシア語入門・初級スレッド【ロシア語】 (553レス)
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501: Godzilla (オイコラミネオ MMc6-P7MY) 11/03(日)11:29 ID:w9FfmFopM(2/2) AAS
因みにポーランド語の方言形として、オレンジを意味する語に podmurajec, podmuraniec, pomaraniec, pomeraniec
などがある。
後者2つの形は、ドイツ北東部からポーランド北西部にかけて広がる地域のラテン語名称 Pomerania(ドイツ語名 Pommern、ポーランド語名 Pomorze「海沿いの地域」の意)を直ちに連想させる。
ポーランド語接尾辞 -iec は〜出身の人、〜由来の物を通常意味するので、pomeraniec/pomaraniec は「ポメラニアン」みたいな語義を持つ、ハイブリッドな形に見える。
これはポーランド北部の人達が、その地域の低地ドイツ語からこのオレンジの語を受け取った際に、その地域名に引っ張られてデフォルメされたのかも知れない。

他方、前者2つの形は直ぐにピンと来ないかも知れないが、オーストリアにその水源を持ち、そこからスロベニア、クロアチア、ハンガリーを流れるムール川という河川がある。
ドイツ語名 Mur に因んで日本語でもそう呼ぶのが慣習になっているが、それ以外の流域各国の言語では Mura となる。
蛇足だが、スロベニア北東部のハンガリーとの国境周辺域は Prekmurje と言い、これはスロベニア語で(スロベニア中央部から見て)ムール川の向こう側の土地という意味であり、
ここはかつてはハンガリー領であって今もハンガリー系の住民が多く、又その地で行われるスロベニア語プレクムーリェ方言もハンガリー語の強い影響を受けた、独特の方言である。

ポーランド語 podmurajec/podmuraniec は「ムール川周辺域出身の者、由来の物」みたいな意味にも取れる。
スロベニアには統計上用いられる地方区画が12あるが、プレクムーリェ地域はスロベニア語で正式には Pomurska statististična regija「沿ムール川統計区画」と呼ばれ、農業が盛んな地域でもある。
ドイツ経由ではなく、イタリアからオレンジをポーランド方面に運ぶとなると、途中この地を経由する可能性もあり、
特にポーランド南部辺りの人達がオレンジに触れるに当たって、このムール川周辺域が原産地と錯覚して、元の pomarancia のような形をデフォルメさせたのではないかと吾人は考えている。

「ヨーロッパ横断、オレンジの軌跡を巡る旅」完
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