[過去ログ] おんなのこでも感じるえっちな小説12 (72レス)
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13: うみなりタウン物語α 8/17 2013/11/23(土)23:57 ID:0iPk0KZ3(9/14) AAS
女――アンジュは、顔を上げる。女の人に泣かれるのって、僕、苦手……
「――本当に、怒っていらっしゃらないのですか? あんな、酷い事をした私を」
「いや、だから……それを言うなら、僕の方だし……お姉さん、どれだけ人がいいのさ」
呆れて、言ってしまう。
この人は、自分に関係の無い借金5億ゴールドをポンと出したり、あんまり裕福じゃない
町の為にイベントを開いたり、なんとも、うさんくさい程に人がいい。
だから、兄さまも色々怪しんでいた訳だけれど……こりゃ、ちょっとネジが飛んでるだけ
で本当のイイヒトなんだな、と確信してしまう。
「人がいいなんて、そんな事はありませんよ」
まだ、眼に涙を溜めたまま、そんな事を言う。僕は溜息をついてしまう。その際、見てし
まう。胸の辺りが、ひどく汚れている事に。黒っぽい服だから、余計わかる。それで、思
い出してしまう。あの時、僕を抱き締めたせいで汚れてしまったのだと。
「……人の事ばかり考えるのも、良くはないよ」
どこかの誰かの事を思い出してしまい、そんな事を言ってしまう。
「……こんな、綺麗な服とか、あんな高そうなハンカチとかも汚して」
「服なんて、いいんです。そ、それより、私の方こそ、いきなり抱き締めたりして、不快
ではありませんでした?」
言われて、顔から耳から熱くなるのがわかった。
そ、そういえば、僕、この人の胸……ああくそ、絶対胸が当たってたとか考えもしてない
よ、この純粋培養お嬢様! い、いや、そういうのはいい! 全然関係ない!!
「い、嫌とかは、そういうのは無い、けど――そりゃ、アレだけど、あんた、お人好し過
ぎるんだよ! なんで、ここまで――」
正直、僕だって、なんでこんなに声を荒げているのかがわからない。でも、言わずにはい
られなかった。この人を、知ってしまっては。
アンジュは、ほんの少し俯いて。

「……この町の前町長が諸悪の根源とはいえ、リオン社長の存在は、町民の皆さんの心に、
深い傷を付けてしまいました」

そう、言った。
うん、知っている。兄さまは、何一つ悪くない。契約通りに借金の返済を迫っただけ。
悪いのは、あのアホなオッサンだけ。

「――それなのに、社長そっくりな貴方が現れて、怖かったのです。私なんかの事を大切
にしてくれる、大切なこの町が、また、あんな恐怖に晒されるなんて、耐えられなくて」

とても綺麗な女の人から出た言葉は、とても綺麗な、綺麗事。けれど、わかる。
この人は、本気で、そんな馬鹿げた事を、言っている。
「ですから、あんな事をして――今度は貴方を傷付けてしまって、私」
大切なものを守りたくて、守ろうとして、自分が、傷付いている。
僕は、堪らず、また自分の顔を隠そうとするアンジュの手首を、掴む。なんか、予想より
手首太かったけど、今はそれ所じゃない。

「――それでも、それでも、あんたは、確かにちょっとアレ過ぎる拷問をしたけど、でも、
直接僕の身体を傷付けるなんて事、最初の捕獲の時以外は、しなかった」
そうだ。
あくまでアレは、口を割らせる為。
きっと、こんなバカみたいなお人好しが、好んでやるような事じゃ、ない。
「あんたが僕にした事なんて、僕があんたにした事や、与えてしまった恐怖に比べれば、
大した事なんか無いんだ。僕が、あんたを傷付けんだ!」
そう、僕は何故か大声を出してしまう。
呆気に取られたような顔のアンジュは、困ったような顔をして、また、涙を流す。
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