東京マグニチュード8.0でエロパロ 震度2 (384レス)
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116(1): 不安と、日常 2010/04/10(土)21:40 ID:iXQ73R+A(3/7) AAS
「いやああああああ!」
絶叫と共に起き上がり、未来は二段ベッドの天井に頭を激突させた。ゴン!という鈍い
衝撃音が響き渡り、たちまち脳天が激痛に襲われ、意識が一気に覚醒する。
「いたた……」
未来は手で頭を押さえて痛みに耐える。だが、夢から覚めて意識が明瞭になった後でも、
たった今見ていた悪夢から感じた不安は、消え去りはしなかった。
「あははははは、お姉ちゃん、頭ぶつけてる」
上方から、悠貴の楽しげな声が降ってきた。上段ベッドから顔を覗かせて、未来を
指で指して楽しげに笑っている。チュンチュン、とスズメが鳴く声が聞こえた。
カーテンの隙間から、朝日が差し込んでいる。時計を見ると、朝の6時を少し回った
ところだった。いつも通りの、普通の朝だ。
「お姉ちゃんすごい声出してたよ、やだあー、もうほんとやだあーって、ふひひ」
「……悠貴……」
笑っている悠貴の顔を見上げながら、未来は悠貴の名前をつぶやく。悠貴は、ちゃんと
そこにいた。普段ならこんなに馬鹿にされたら腹を立てて何か言い返すのに、全然そんな
ことをしようとは思えない。悠貴の名前以外に、何も言葉が出てこない。胸から温かいもの
が込み上げてくる。
「お姉ちゃん……?」
悠貴は急に心配そうな表情に変わって、未来の顔を見守っていた。悠貴の様子の変化に
気付いて初めて、未来は自分が涙を流していることに気が付いた。悠貴の前で泣いてしまうなんて、
と不覚を恥じる感情すら湧いてこなかった。
「大丈夫? 頭、痛いの?」
言われて、未来はまだ自分が手で頭を押さえていたことに気が付いた。頭の痛みは、
もうとっくに引いている。下ろした手で涙を拭うと、ようやくあの悪夢から解放された
ような気がした。
「ううん、なんでもない。ちょっと寝ぼけてただけ。悠貴、歯、磨こ」
5月の、ある朝の出来事だった。ハンガーにかけられたセーラー服を、確認する。
未来が中学生になってから、まだ一ヶ月だ。
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