[過去ログ] スクランスレ@エロパロ板 20話目 (556レス)
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41: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:23 ID:KIVXZxNZ(1/20) AAS
 そして――少しだけ時が流れて。

 アメリカに戻った天満からのエアメールが届いた日、八雲は矢神高校の三年生となった。
 送られる側の人間となった彼女を待っていたのは楽しい学生生活から離れ勉学に重きを置く日々。
 進学先は当初の希望通りに国立文系。自宅からの距離と学力及び将来の目標との兼ね合いに苦心しつつ。
 サラも同じ大学を目指すと聞き、自分に合わせてもらった後悔はあったが嬉しかった。
 既に卒業している拳児はといえば、八雲同様に家に篭りネームを練る毎日。
 動物をモチーフにした作品はそれなりの評価を得たものの、二条こと烏丸大路を超える日はまだまだ遠い。
 また、元2-Cの面子のほとんどか東京へ行ってしまったことに、天満とは別の寂しさがないかといえば嘘であろう。

 「ニャー」
省22
42: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:23 ID:KIVXZxNZ(2/20) AAS
             *

 ジージージー、チクチクチク、ツーツーツー。塚本家の庭の木にしがみつき、生き急ぐ蝉達のコーラス。
 夏の只中にあって、拳児と八雲はある難題に直面していた。

 「チクショウ、あちい!」
 シャツ一枚に短パンと、だらしない格好で縁側に出て足を伸ばしている拳児。近くに置かれたコップの中で氷がカランと空しい音を立てた。
 チン、と受話器が置かれる音。足音と共に浴衣を纏った八雲が顔を覗かせる。
 「電気屋さん……急いでも夕方になるそうです……」
 「なんだと…だめだ、今日は何もやる気が起きねえ」
 「す、すいません……」
省18
43: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:24 ID:KIVXZxNZ(3/20) AAS
 (……?)

 八雲が簡単な掃除を終えた瞬間、ふいに感じた威圧感。その正体を探るより早く――。

 「ん……ぁっ」

 ゾクリとした感触に彼女は日中にふさわしくない声を上げた。
 お尻を何かに触られたのだ。伊織かと思ったが――違う。ただ触られただけでこんな声を上げたりしない。ただ一人、愛する彼の手でなくては。
 振り向けばそこには彼の心がこれでもかと視えていた。
省22
44: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:25 ID:KIVXZxNZ(4/20) AAS
 くちゅり、粘り気のある水音がした。八雲の太腿の間に拳児の手が差し込まれていく。
 布地に隠された少女の大切な部分。そこに男の無骨な手のシルエットが浮かぶ。
 影の動くそこは外からは中の様子が分からず、しかし誰しもに起きていることを想像させる節度のない光景。
 「はっ…ぁ……ん、あぁ……」
 付け根のところをまさぐられ、その都度に艶のある色声が木霊する。
 ただしそれは蚊の泣くように弱々しくて、知るものにとってどこか満足いかない切なさがあることも理解させてしまう。

    声が小さいな。やっぱノリ気じゃねえのか?

 「んんっ、ん……そ、その……」

 拳児は八雲の下着の奥に、小指を爪が隠れる程度に潜り込ませていた。
省26
45: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:27 ID:KIVXZxNZ(5/20) AAS
    花みてえに綺麗だな。かなり使ってんのに色も薄いし

 キレイなフトモモだなと思っても人がそれを口にすることは滅多にないだろう。
 一般的に、人は誰かと話をするとき気を損ねないよう最初に浮かんだ言葉から飾っていくものだが、八雲相手にはそれができない。
 元々その手の配慮が下手な拳児であるし、"思ったこと"そのままをダイレクトにぶつけることになってしまう。
 そして八雲は自らを評されて感じるのは、拳児に限れば嫌悪や敬遠ではなく陶酔だった。

 「は、はぁっ、……あ……! あ、あうぅ……んっ」

 拒絶が弱くなってきて声にも甘みが増してきた。
 与えられ続ける快楽に酔い始めた八雲がくねくねと舞う。
 整っていたはずの浴衣、特に腰周りに関してはスカートのように広がってしまっている。
省29
46: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:28 ID:KIVXZxNZ(6/20) AAS
 (だめ…熱い……。ああ、私のカラダも…悦んでる……)

 優美な心は拳児に攻め入られていつものように心良い白旗を揚げていた。
 敏感な性感帯を嬲られて官能が満たされる。
 疼く乳も熱いお尻も蕩けそうな快感を貪欲に受け入れ更なるものを欲してしまう。
 何枚かの布を通して熱を伝えてくれる彼の肉瘤。それが欲しいと淫核は硬くなり、白のレースは潤滑油でずぶ濡れとなっていた。
 「あああ……いい……おっぱい、いいです……」
 蹂躙されている自分の姿にみっともない言葉を口にしてしまう。
 されるがままの艶峰が形を崩す。愛しい男性の指が食い込んで間から肉脂肪がムニュムニュはみ出ていた。
 恥じ入っているはずなのに、軽い惨めささえが気持ちのいいものであるから拒否できない。
省21
47: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:29 ID:KIVXZxNZ(7/20) AAS
 「んぷっ…ちゅ……ぺちゃ」
 再び、おしゃぶり開始。下の口から出ていくものを、上の口から飲まされる。これは先程から何度か繰り返されていた淫猥と呼ぶにふさわしい行為。
 ある種、女性の尊厳を辱めるものだったが、八雲はそれに逆らわず、逆らえず、いつ彼が自分を本当に満たしてくれるのかと期待感に胸を膨らませ続けていた。

 「よし……妹さん、力抜いてくれ」
 「は、はい……♪」

 ようやく『その時』が訪れたのだと、八雲は喜悦を隠さずに返事をする。
 はあはあと荒い息を零す。上下するたっぷり可愛がられた胸に点在するのは荒々しい形のキスマーク。
 下着さえ奪われて、お気に入りの浴衣はしわくちゃになり、腰の辺りで帯に絡まることでかろうじて残っている状態。
 その姿は、性交渉を待ちわびる雌の淫靡さと犯される乙女の被虐美が混在しそれでいて両立していた。
省33
48: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:29 ID:KIVXZxNZ(8/20) AAS
 「……あっ」

 だが八雲がふと空を見上げた時――彼女はこのままではいられないことを理解した。
 雲に混じって、文字が見えたのだ。拳児のではない。目の周りに力を入れて細く見つめる。

    無理言って直せる人捕まえることができてよかったあ。これで八雲も許してくれるよね♪

 ああなんてことに。八雲は事情を察すると青い顔をして申し訳なさそうに拳児を見つめる。
 彼は満足そうに目を瞑っていて、貫いた膣の秘粘膜一つ一つを感じることに満足しているらしかった。
省26
49: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:30 ID:KIVXZxNZ(9/20) AAS
 「よし」
 「っ……! あ、あぁ、あんっ――! んっ」

 ビクンと、八雲の膣内に入れられたままの拳児が跳ねる。
 緊張に硬くなる間も許されず八雲はたちまち嬌声を吹き零す。
 律動が再開されて女の官能を昂ぶらされたためだった。
 肌を密着させて、ぷるぷる震える肩を握った。

 「あ、ふあぁ、んあぁ……!」
 「――っ。妹さんも、締め付けが……凄え」

 ぬぷぬぷ、ぐぽぐぽ。色濃い剛々とした肉塊が八雲の入り口から奥を、前後に的確に抉り抜いていく。
省26
50: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:31 ID:KIVXZxNZ(10/20) AAS
 乱れた浴衣は、桃色の秘園からの夥しいお汁でグショグショに変色していた。
 両の袖から抜けていないそれは図らずも両手の自由を奪い、拳児に縛られ好きなようにされている、という認識を与えられる。
 まだ脱げ切っていないせいか、全裸で抱かれるよりも背徳感は強まっていた。
 元々何気ない日常の中から情事に至ったとあらばそれは尚更。
 どこまでも沈む底なしのぬかるみを連想しながら
 全てを愛しい男性に任せていく。

 「んああぁ……ああぅ……! いい……」

 身も心も蕩ける快楽の中、自分の中で彼が太く逞しくなり、更に中をパンパンに埋められるのが分かる。
 適度に向きを変えられて膣括約筋があらゆる方向に広げられるが、
省17
51: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:32 ID:KIVXZxNZ(11/20) AAS
 「くっ…さすが、妹さん……器用すぎ、だろ……!」

 陰嚢がせりあがって放精を急かす。
 いつもより激しい動きにあっても八雲の粘膜はそれに対応し、むしろ比例した動きで細やかな柔襞が絡み付いてくる。
 雄の精を早く求めたがるその貪欲さに苦笑しつつも、かつてない味わいがあった。
 子宮口に口付けをした瞬間、容赦のない締めつけに擦り寄られ――。

 「……中で、ゴリゴリされて……あ、あうぅんっ」
 「妹さん、もう……いくぜ…っ」
 「ハイ……♪ だして、下さい……たっぷり……あ、あっ、もう――」

 欲望を解き放ちたい。盛大にぶちまけてしまいたい。
省24
52: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:33 ID:KIVXZxNZ(12/20) AAS
 「急なことで……驚きました」
 「つい……な。悪い」
 「…なら、もっとキスを……」

 冷静に考えれば襲い掛かったも同然。
 反省する拳児に、良く分からない要求を向ける八雲。
 互いの甘露を啜りあう、情欲の深い接吻が交わされた。遠慮のない舌の挿入が互いの口の奥までをたっぷり味わい合う。

 「ちゅぱ……嫌じゃ、ないです…んぷっ……ふぁっ」

 襲われるのもイヤじゃない――そう受け止めることもできる発言の後、八雲が上半身を拳児に預けてくる。
 ずちゅ…ずちゅ…と緩慢ながら動きを再開し、自らの蜜壷でたくましく膨らむ恋人の剛茎をぱくりと美味しそうに銜え込む。
省13
53: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:34 ID:KIVXZxNZ(13/20) AAS
 遠くでミンミンと行き急ぐセミの声がする。
 香炉から焚かれる薄い煙が慰霊の香りを沸き立たせ、一帯に鎮魂の空気を呼ぶ。
 霊園にて一基の墓前に立ち、一拍の後に頭を垂れるのは八雲とサラ、そして拳児。

 「はじめまして。サラ・アディアマスと申します。八雲にはいつもお世話になっています」
 「お初にお目にかかります。俺は…播磨拳児といいます。二人の娘さんに……感謝してもし足りない、恩を受けた男です」
 これまでは天満と八雲が……去年は八雲一人で行っていた、姉妹にとって大切だった人達の供養。
 だが今年の盆はそれが少し違っていて、挨拶のため本尊へ顔を見せた八雲を住職は優しい笑顔で歓迎した。
 夏の日差しとそよ風が三人を迎えるように包み込む。

 「お父さん、お母さん……私達は元気だよ。あのね……また家族が増えたんだ」
省25
54: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:35 ID:KIVXZxNZ(14/20) AAS
 ・・・・・・
 ・・・・
 ・・

 一年が経過した。
 その日は卒業式。八雲は矢神高校を卒業した。多くの後輩、恩師、播磨や花井といった先達者に見送られての卒業式。
 これから毎日、姉さんと同じ学校に通うことができる――初めて門をくぐった時に考えたのはそんなこと。
 子供だった自分がここまで大きくなることができたのは彼らが多くを教えてくれたから。
 伝えたかったのはそんな感謝の気持ちだったのに、答辞のときにまた泣いてしまって。
 後悔からの行動か、式の後も遅くまで残り学校を回る八雲の姿。
省28
55: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:36 ID:KIVXZxNZ(15/20) AAS
 ま、何とも思わないかっつーとそうでもねえ――そう続くのが口に出されなくても八雲には理解できた。
 恋人、家族、友人――そんな大切な人達にまとめて引っ越されたような。極々弱いものではあれそれは嫉妬。
 拳児のそんな感情を差し置いても、八雲には共に育ててきた作品を手放す心苦しさが残る。
 彼女は仕事の面で今までのように支えられなくなる代わり、私生活の面で懸命に拳児に奉仕した。
 漫画家とアシスタントとしてではなく。青春時代を一人の少女に捧げた男とそれを愛したその少女の妹としてではなく。
 同じ出版社に勤める仕事仲間としてでもなく――恋人として。そして、やがては妻として。

 二人が結婚を意識したのは雪が強く春が遅れた年。八雲が編集者としても板につき始め、拳児も新たな作品を手がけ始めた年。
 きっかけとしては結婚式の招待状が届いたことだろう。花井春樹と周防美琴――懐かしい友人達の幸せを歩むその姿。
 当たり前だが、結婚式には主役の二人を来賓達より際立たせる効果がある。
省31
56: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:36 ID:KIVXZxNZ(16/20) AAS
 奇妙なやり取りだった。男は何も喋っていない。なのに女が返事をしたのだ。
 男はただ――ぶるん。ぶるん。巨乳を揺すりながら――んちゅっ。ぢゅぶっ。淫らな肉と愛液の共演を演出するのみ。
 時折荒い息を吐き出しながら。
 「……」
 「だ、だって…………あぁ」
 女の熱の入った艶かしい声が続く。間に男の沈黙を挟んで。傍から見れば独り言のはずのそれは、何故か会話のリズムに近い。
 未知の通信手段で意思疎通を交わしているようだった。その手段はともかく、言葉は確かに女に届いているらしい。
 結果として女の体温が上がり、間にある空気さえ肌からの熱に負けて揺れていく。
 そして言葉によって多少の羞恥や微かな苦痛も熱さと快楽に変わっていった。
省32
57: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:37 ID:KIVXZxNZ(17/20) AAS
 塚本八雲はもう少女ではなくなっていた。もちろんこの場面においては本人の社会的地位や年齢よりもその肢体を指しての意味で。
 彼女が拳児に抱かれた回数は、それこそもう星を数えるようなもの。
 日常に纏う清純な面持ちの裏側には、愛する男性にのみ見せる悦楽に満ちた感情を多く持っていた。
 細くしなやかな指先。そこに宿るのは、家庭的あるいは紙とペンを操るための技巧以外に彼を悦ばせる性愛に関するものも。
 トロトロと粘液が流れ出てくるのは、今しがた寵愛を注がれた八雲の秘奥。
 彼女の愛液と交じり合い、一晩かけて何度も愛された分と合わせ精液にまみれている。
 にも関わらず、蜂腰の中央にある肉花の色はまるで生娘のように鮮やかなピンクを保っていた。良質の梅さながらに果肉が厚く種子は小さい。
 熟れた乳房をはじめとした全身にある性感帯にひどく敏感な反応を示し、何度貫かれてもキュウッと強く収縮し拳児の精を欲してくる。

 「……今度、休みが取れることになった」
省24
58: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:37 ID:KIVXZxNZ(18/20) AAS
 木造の素朴な容器の中から出てきたのは、光だった。箱から漏れでる強い光、その燃えるような輝き。
 研ぎ澄まされた純白の光沢を持つプラチナリング。太陽をモチーフとしたそれは人を圧倒させる威光を放つ。
 拳児は永遠の愛の象徴を初めて手にするようにそっと持ち、前に進んだ。数秒の後に足を止める。

 ――塚本天満の眼前で。
 呆然とする塚本八雲の前ではなく――塚本天満を前にして。
 妹に背を向けて姉の前に拳児は立った。

 「播磨……君?」

 天満の左手――まだ何も嵌めるもののないそこを、拳児は優しく握り締め、二人の視線のちょうど中間に位置するように誘導する。

 「高校の頃……俺はずっとこうして君に告白したかった。一年のときも、二年のときも。三年のときも――ホントは君を諦めきれないでいた」
省30
59: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:38 ID:KIVXZxNZ(19/20) AAS
 それから慌しく日程が組まれ、元2-C・1-D合同の同窓会さながらの結婚式が執り行われた。
 仲人は、必死で主張したがる稲葉美樹を懸命の説得の末に媒酌人に抑えたサラ・アディエマス。
 取り持つ必要のある事柄は一般のそれと比較し少なかったが、それでも彼女の夢は一つ叶ったこととなった。

 運命の一着とまで言われて彼に選んでもらったドレスに身を包み。
 予定を押して、しばらくの間日本に戻ってくれた天満に手をとられ歩くバージンロード。
 神前で、そして――最愛の親友、最愛の姉の前で、八雲は夫となる最愛の男性へ永遠の愛を誓った。
 その後も披露宴での全てを……燭台に設けられたキャンドルの塔に立ち、ケーキカットからを皮切りに……幸福を囲むような人々の輪を。一生の思い出として胸に刻む。
 心から祝福してくれた皆の笑顔を。
 ブーケをやっぱり姉の方角に投げてしまったことも。
省11
60: 27-3(おにぎりルート) 2010/02/15(月)20:41 ID:KIVXZxNZ(20/20) AAS
 ――――――――

 反省によりちと今回のHシーンを増量。
 明日でラスト1回となりますが、エロパロ的要素は全くなしというていたらく。
 それでは。
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