[過去ログ] サムスピ総合エロ萌えSS 4 (538レス)
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358: 半蔵×楓 1 2009/11/22(日)19:27 ID:3UiQVe5H(1/8) AAS
「秋風」

青年は若いながらも「服部半蔵」の名を襲名し、既に数々のお役目を果たしていた。
冷静沈着さと判断力、忍術、体術、剣技、統率力は歴代の「半蔵」達と引けを取らないどころか
それ以上と言われている。

しかし、半蔵は成人しているというのに未だ伴侶を迎えていない。
伊賀の里の者達がそれを放っておくはずもなく
年頃の娘がいる者達はこぞって半蔵に縁談を持ちかける。
が…、肝心の半蔵はそれを全て流していた。

「お主、まさか男色ではあるまいな?」

里のご隠居に問われ、常に感情を表に出さない事でも有名な半蔵だが
省22
359: 半蔵×楓 2 2009/11/22(日)19:32 ID:3UiQVe5H(2/8) AAS
「お前のモズ落としはいつ見ても最高だな!」

とても忍とは思えない落ち着きのない男が半蔵に話しかける。
声をかけた男は半像と幼少の頃からの幼馴染であり、
度々仕事を組む相棒の「弥彦」である。
下人だが幼馴染という事もあり、「半蔵」という名を襲名してからも
昔と変わりなく接してくれる数少ない友人でもある。

今回のお役目は吉原に出没する女郎を狙った辻斬りを二人で闇に葬る事であった。

一瞬のうちに半蔵の制裁を受け、首がへし折られた浪人の亡骸を夜が明ける前に手早く処理すると
伊賀の者が経営する、吉原での拠点となる廓へと向かう。

表通りから少し奥まった一軒の店の裏口の門を弥彦が叩くと扉がすっと開く。
省17
360: 半蔵×楓 3 2009/11/22(日)19:35 ID:3UiQVe5H(3/8) AAS
おえんの出した茶を一口飲んだ後、半蔵は昨日の夜から疑問に思っていた事を口に出す。
「昨日の浪人…。確かに多少は腕がたつ者だったが、お主と拙者の二人もいらなかったのではないか?
お役目に与えられた日数は四日。だが一日もあれば充分なお役目だ。
そして支給された経費の額が多すぎる。」

半蔵は懐から金子三枚を取り出し、卓袱台の上に置く。

おえんは弥彦と目くばせすると、後方から書状を取り出す。
書状には十数名の女人の名前が書き連なっている。

「これは何だ?」
半蔵は自分の前に置かれた書状の意味が分からなかった。

「お前、他の事にはこれでもかって位敏感なのに、どうしてこういう事には鈍感なのかねえ…。」
省19
361: 半蔵×楓 4 2009/11/22(日)19:42 ID:3UiQVe5H(4/8) AAS
日がちょうど真上にきた頃、半蔵と弥彦はおえんから近辺の廓について説明を受けていた。
「…で、この廓は技が、ここは芸を売りに…って、聞いてます?」
おえんの説明を熱心に聞いてたのは弥彦のみだ。

「弥彦…、お主、先月初子が産まれたばかりではなかったか?」
半蔵が少し怪訝な表情を浮かべる…と言っても傍から見ればほとんど変わらない。

「何お堅い事言ってるんだよ。吉原に来たからには女を買わなきゃ男が廃るってもんよ。
俺はお前の付き添いでここまで一緒に来てやってるんだからこれくらいの恩恵を受けたって罰はあたらねえよ。」

どうりで今回のお役目はやけに乗り気だったわけだ。
お役目より色事優先とは情けない。だが、それが弥彦の持ち味でもある。

その後、おえんに追い出されるように外に出ると
省12
362: 半蔵×楓 5 2009/11/22(日)19:45 ID:3UiQVe5H(5/8) AAS
さて…、どうしたものか。

弥彦に言われた通りに覚悟を決めるか否かを考えていると、どこかで揉めている声が耳に入る。
常人では聞き分けられないだろう。

聴覚を頼りに入り組んだ裏の路地へと入ると
若い女人が五人のごろつき達に囲まれている。
紅い着物を着ているという事は女人はかむろであろう。

「いいかげん通していただける?姐さんのおつかいの帰りなだけで、私…暇じゃないのよ?」

女人が淡々とした口調で静かに、強く言い放つ。
後ろ向きで顔までは確認できないが、赤みを帯びた茶色でくせのある髪の毛を高い位置でくくっている。
首をかしげるとくせのある長い後ろ髪がゆらゆらと揺れる。
省21
363: 半蔵×楓 6 2009/11/22(日)19:51 ID:3UiQVe5H(6/8) AAS
「これでも手加減してあげてよ?」

女人は着物の裾を直し、転がった男達の間を通ると
比較的動けるごろつきが懐から刀を取り出し、再度女人に襲いかかる。

「ぶっ殺してやる…!」

「キィイン…」という金属同士のぶつかる音が辺りに響くと
ごろつきの持っていたドスが転がっている仲間の頬を掠め、地面に突き刺さる。

反射的に飛び出た半蔵は左手で女人を庇うように抱え、
右手でごろつきのドスを自分の刀で弾いたからだ。
省31
364: 半蔵×楓 7 2009/11/22(日)19:56 ID:3UiQVe5H(7/8) AAS
半蔵はこの不思議なかむろに誘導されるまま、茶屋の長椅子に腰をかける。

「半蔵殿。ここの団子は口に合わなくて?」お蝶が茶色の瞳で半蔵を見つめる。

「否…。」
お蝶を見ていて好物の団子の存在を忘れていたようだ。

「お蝶殿、武術の心得があるようだが…?」
半蔵が団子を一つ口に入れる。

「ここに来る前はもっと南の地方に住んでましたの。
父はそこそこ名の知れた武術家でしたのよ。」
省24
365: 半蔵×楓 8 2009/11/22(日)20:10 ID:3UiQVe5H(8/8) AAS
「半蔵殿、お国に良い人はいまして?」
「…否。だが、このままいけば意に添わぬ女人と婚姻せねばならぬ…。それもまた運命かもしれぬな。」
半蔵が自嘲をふくめて静かに笑う。

「では、私と同じ…。私達は常に意に添わぬ殿方達と毎夜枕を共に。それも運命でしょう。」
冷たい風がふき、楓の髪が舞う。
秋がまた一段と深まったようだ。

半蔵が串とみたらしの蜜だけになった皿を店の主人に渡す。
皿が横に傾き、みたらしの蜜が半蔵の指にかかる。
「お客さん、すみませんねえ。」
「構わぬ。」
省32
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