[過去ログ] サムスピ総合エロ萌えSS 4 (538レス)
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45: 陸捨肆 2007/01/07(日)23:51 ID:BgON7YU7(8/11) AAS
「ど、どうして!?」
「人の話を聞かぬのも、躾のなっていない証拠よの……リムルル、コンルは言うたで
あろう?」
シカンナカムイが、人差し指を立てた右手をゆらりと空にかざしながら言った。
「カムイ同士の闘いに人間の手出しは不要!『カムイの暴走は、カムイが止めねばならぬ』
と!コンルカムイ!我に楯突くは正しく暴走!お前の狼藉……万死に値するっ!」
シカンナカムイの瞳の奥に光の線が走り、天を指した指が、ぴゅっと下に振り下ろされた。
ジジッ……ズダァン!
頭上に、布を裂くような音がした。コンルがぐっと加速した直後、金色の光柱が
重い爆発音と共にコンルの背後に落ちる。リムルルを跳ね飛ばし、シクルゥを一撃で行動
省32
46: 陸捨肆 2007/01/07(日)23:51 ID:BgON7YU7(9/11) AAS
――命?!
シカンナカムイと対峙するコンルの背中を見つめていたリムルルが凍りついた。
「コンル……命なんて嘘でしょ?そんなの嘘!!」
「嘘なものか。コンルは我とは違う。人間の夢の中でしか真の姿を現せぬ程度の力しか
持たぬカムイが、アイヌモシリで実体を晒し、あまつさえ我の攻撃を受け続けるなど……
ふん、自殺に等しいわ」
「コンルやめてぇ!早く……早く元に戻ってよぉ!!」
「そうは……いきません、リムルル。はぁ、はぁっ……私は……誓ったのだから!」
激しく乱れた呼吸の合い間に、コンルが言葉を繋げる。
「あなたからは、誰にも何も奪わせないと……あなたが悲しみにくれることなく生き
省32
47: 陸捨肆 2007/01/07(日)23:52 ID:BgON7YU7(10/11) AAS
「コンル、コンルは……わたしの……」
「リムルル、もう、何も言ってはいけませんよ。私にはそう呼ばれる資格は……無いのです」
コンルの細められた左目の下に、小さな輝きが生まれた。
「私は……あの時……あなたの大好きなお父様が犠牲になられたあの日……」
コンルは一瞬ためらい、そして言った。
「私は、あなたと、あなたのお父様を残して……逃げたのだから」
コンルの左目をこぼれて離れたその輝きは筋となり、頬を伝い、顎に届いて――

ばきっ。

音を立てて、深く蒼いひび割れを美しい笑顔に残した。
金色の稲妻がコンルの服の上を蛇の如く駆けめぐり、ふくよかな身体を締め上げる。
省28
48: 陸捨肆 2007/01/07(日)23:52 ID:BgON7YU7(11/11) AAS
「氷の花――冬にしか咲かぬ花。ふむ、美麗絶頂……」
シカンナカムイが、自分の視界全てを多い尽くす氷の花を前にしてつぶやいた。
「コンルカムイよ、かくも珍しき花を咲かせるとは……。まずいのう。神聖なるカムイ
同士の戦いの最中に、かような美しい光景をナコルルに見せては」
黒い影が、卑しく笑うシカンナカムイの後ろから躍り出た。
「何せナコルルは花が……『花摘み遊び』が大好きだからのう!!」
影――ナコルルが駆ける。巨大な氷の花の横を駆け抜ける。
その細い右の腕には、大きな花を摘むには丁度よい、異常なほどの大きさと鋭さを持つ
魔界のかぎ爪「あざみ」。
冬にしか咲かない花は、当然ながらそこを動くことは出来ない。
省12
49: 2007/01/08(月)01:43 ID:v/mt/I13(1) AAS
コンル…。・゚・(ノД`)・゚・。
楽しい話をありがとう64様
あなたはパセカムイの一人です。

それにしても、背景から設定から凄すぎます。
オリジナル設定なことを忘れそうになるくらい。
50: 2007/01/08(月)04:34 ID:3amrKaM7(1) AAS
クオリティ高いな、作者乙
51
(1): 2007/01/11(木)22:48 ID:DESbFwoK(1) AAS
保管庫が繋がらん・・・。
消えちまったのかな・・・?
52: 2007/01/12(金)23:28 ID:O8bfe4nU(1) AAS
>>51
外部リンク:red.ribbon.to
53: 2007/01/13(土)01:08 ID:0ugIcxny(1) AAS
↑のアドレスをアドレスバーに直接コピペ汁
54: [age] 2007/01/13(土)22:57 ID:3L6zZWz+(1) AAS
保守age……
ああ、コンル・゚・(ノД`)・゚・。
55: 2007/01/13(土)23:47 ID:iOKtKZBi(1) AAS
今ちらっと保管庫見たんだが、すげぇなぁ64さん。
長すぎて読みきれないが、もうどこぞのファンタジー巨編じゃないかッ
おれもいつかそんなの書いてみたいぜ
ガンバって
56: 2007/01/14(日)22:52 ID:KfkmCGsC(1) AAS
刀の残った方がハハクルになったってことなのかな。
57: 2007/01/15(月)21:58 ID:JyQa/rJJ(1) AAS
あぁぁコンル…(;ω;)本当に文章力がすごい。

ところで誰ぞシャルロットを書いてくれませんか。好きなのに乏しくて乏しくてorz
58: 陸捨肆 2007/01/17(水)23:04 ID:dNB4ZVUu(1/10) AAS
息苦しいまでの瘴気に浸された薄暗いカムイの森に、またしても青い火花が飛び散った。
二つの影が木々の根の上を飛び回り、かち合っては光りを産み、また離れてを繰り返す。
「イイっ……ぜえェ!姉ちゃん!!フッハハハハハ!」
聞くに堪えない、気が狂っているとしか思えない羅刹丸の叫びが、レラの前を右から左に
流れる。その声だけを頼りに次の動きを予測して、レラは音も無く木々を縫い、いきなり
羅刹丸の前に躍り出た。
そのまま、がら空きの胸を狙ってチチウシを突き出す。
死角からの風切音に羅刹丸は濁った目を丸くしながらも、ぶら下げるように握っていた
屠痢兜でその攻撃を簡単に打ち払った。レラもチチウシを叩かれた勢いを殺してまで
追撃は狙うことはせず、美しい宙返りですぐに羅刹丸の範囲から退く。
省31
59: 陸捨肆 2007/01/17(水)23:04 ID:dNB4ZVUu(2/10) AAS
漆黒の軌跡が、またしてもレラの居た場所を切り裂いて回り始める。
「ちっ、何だァおいッ!どうしてそんなに焦らすんだおいッ!かかって来いコラァァ!!」
思い切り振りかぶり、羅刹丸は全身を使って上段から屠痢兜を振り下ろす。途方も無い剣圧が、
刀と指一本分の間だけ横に身をかわすレラの頬にびりびりと刺激を与えた。
切っ先が届く寸前、しかも何の捻りも無い上からの一太刀だが、その存在感と殺意は空間に
まで影響を与えるほどだ。

このやりとり、切迫する一撃を肌で味わうのは、これが何度目だろうか。

決闘が始まってどれだけ経ったか。時の流れさえ、この虚ろな空間の中では歪んで感じる。
その中で刃を交えては、つかず離れず。これを幾度も繰り返している。
一時は抑えきれない激情に走りかけたレラも、既に落ち着きを取り戻し状況も理解できていた。
省28
60: 陸捨肆 2007/01/17(水)23:05 ID:dNB4ZVUu(3/10) AAS
「嬉しいぜェ……やっとやる気になったってか。隙もなにもあったモンじゃあねえがなァ」
刃と刃を十文字に合わせたまま、羅刹丸はあごを突き出して笑った。
「あんなションベンの臭いしかしねえガキなんかよりずっといいなァ。ベッピンで、ズル
賢くて、しかもかなりの殺し甲斐ときたもんだぜ」
「さっきから何を馬鹿なことを」
左手を添え、正面でしっかりとチチウシの峰を押さえながら、レラがさも下らなそうに答えた。
「何でそんなに余裕綽々でいるのか私には分からないけど、あなた、ここで死ぬのよ?」
「死ッ?ほぉ……ヘヘ」
羅刹丸が一瞬驚きの顔をし、すぐにへらへらとニタついた。
「死ぬってか、この俺様が!ほおう、ほう……ひっ、ヒヒハハハ!」
省31
61: 陸捨肆 2007/01/17(水)23:06 ID:dNB4ZVUu(4/10) AAS
「俺様を死なすとかって冗談は、こいつを食らってまだ言えんなら聞いてやらあなあァッ!」
今度こそ、避け切れなかった。竜巻に姿を変えた煙に捉えられたレラは、乱暴にぐるぐると
かき混ぜられながら、静か過ぎる森の空へと上っていった。
「うっ……あぁぁぁ!」
もう、右脚の心配をしている場合ではない。まぶたを閉じていなければ眼をやられることに
なるだろう容赦の無い砂嵐が、レラの衣服に穴を開け、引き裂き、柔らかな肌を次々と傷つけて
ゆく。身体のいたるところが焼けるような痛みを訴え始め、レラはぎゅっと目を瞑ったまま
苦渋に顔をしかめた。
空はどっちか、地上はあちらか。方向感覚がどんどん薄れ、思考が揺らぎ始める。
「へっ、ハハハハハハハハハアァ!」
省27
62: 陸捨肆 2007/01/17(水)23:06 ID:dNB4ZVUu(5/10) AAS
――何かしら?なんだか……
身体と心の両方にすうすうした新しい心地を感じて、レラはゆっくり目を開いた。
いつの間にか竜巻は掻き消えており、砂にまみれた身体はただ空中に放り出されていた。
涼しいはずである、服はもう単なるボロでしかない。肌の露出のほうが多くなっている
のではないか。そんなことを思うレラの眼球は虚ろに動き、その視線は、自然と一点に
吸い込まれた。
赤く大きな三日月を手にした羅刹丸が自分の身体の上に踊りかかり、今まさにその三日月
を振り下ろさんとしていた。
――すごい。
レラは息を呑んだ。それは、純粋な血の色で塗り固められた天体のような刀だった。
省35
63: 陸捨肆 2007/01/17(水)23:07 ID:dNB4ZVUu(6/10) AAS
――ああ。
頭の中を二転三転するレラの思考はいつしか、ひとつの結論へと達していた。
――なるほど。そういうことなのね、私。怒りも蘇らないわけだわ。
その結論を認めていいものかなどと、レラはここに来て迷いはしなかった。

――この男、似ているんだ……私と。

自分の使命のために、殺して殺して。そうして生きてきた。そう生きるしかなかった。
――私もそう。殺し続けたわ。闘い続けてきたわ。本当に、そのために生きてきたの。
ならば、レラは魔物だろうか。断じて違う。いくら似ているとはいえ、羅刹丸と自分は
根本的に違うのだと、レラは確信している。同じ使命を背負っているからこそ、ここで
負けるわけにはいかない。あの赤い刃の餌食になどなってはならない。
省23
64: 陸捨肆 2007/01/17(水)23:08 ID:dNB4ZVUu(7/10) AAS
ど く ん っ

一瞬ではあった。ほんの一拍ではあった。
しかし、地上を、海を、この星全てを揺るがすかのような鼓動が、世界を駆け抜けた。

ど く ん っ
その鼓動は、人間の作った地下室を歪めんばかりに。
「だーからコウタもっと呑めぁうお!?」
「うわった、地震か?!」
「おおお、あれ……止まった?つか呑み過ぎ?俺ら呑み過ぎか、なあコウタよ!なあ!!」
「いや、チゲ鍋こぼれてるから結構大きかったぞ、今の地震……ってやめ!口移しは絶対だめ!」
「ほーらほら、バードキス!フレンチキス!舌入れるぞ舌!!」
省28
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