処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第22話 (167レス)
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16: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)06:08 ID:Ek5HM7v90(1/20) AAS
Eカードの後編、完成しましたので投稿させていただきます。
18レス分を予定しております。よろしくお願いします。
17: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)06:17 ID:Ek5HM7v90(2/20) AAS
「薫子お姉さま、陽向さま、ご安心ください」
 そう思って立ち上がった矢先、史がそう言ってきた。
「史がお2人のご機嫌を直す余興をご用意いたしました」
 史はそう言って自分のカバンの中から何かを取り出してきた。
「ふ、史、それは……!」

〜Eカード 後編〜

「ぱらららっぱらーん♪ 周りの人の脳みそをいい感じに破壊しちゃう爆弾♪」
 史! それって前にも似たようなものを持ってきたけど、とんでもなく物騒な名前じゃないか!
だいたい脳みそをいい感じに破壊するってどういうことだよ!?
「史! そんなもの、誰がいつ作ったんですか!」
省11
18: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)06:25 ID:Ek5HM7v90(3/20) AAS
「私たち、前の時見れなかったよね、優雨ちゃん!」
「うん、わたしたち、みてない」
 初音さんと優雨まで……しかも以前のスイカ物語の時のことを張り合いに出して……。
「というわけで、さっさと火をつけちゃいましょう!」
 僕が2人のジト目にさらされているすきに、陽向ちゃんが導火線に火をつけてしまった。
「ちょ、ちょっと……」
 ジジジジジジ……ボンッ!!
 爆弾が爆発すると、以前同様、白い煙がもうもうと立ち込める。
「ケホケホ……」
「ケホケホ……あ、相変わらずすごい煙ですね」
省11
19: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)06:32 ID:Ek5HM7v90(4/20) AAS
 なんで母さんがまりや従姉さんの作ったEカードを僕たちがやることを想定してるんだ?
 母さんの言葉とともにテレビの画面が切り替わり、どこかの屋外のステージらしい場面が映った。
画面には主催者が数人、参加者が約30人ほどいる。何かのイベントらしい、ということまでは一目でわかったけど、
その大会名を見て僕はずっこけた。
「う、ウボァー大会……?」
 なんなんだよ、その訳の分からない大会名は?
 テレビを見ていると、その大会は1人ずつ舞台の上で「ウボァー!」と叫び、その迫力や面白さを競うというものだった。
しかもなぜか御門家主催になってるし。

「ウボァー!」
 最初にエントリーした参加者は、普通にウボァーと叫んだだけだった。
省7
20: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)06:39 ID:Ek5HM7v90(5/20) AAS
「ウッボッァーッ!!」
 次の参加者は、「ウ」「ボ」「ァー」のそれぞれの発声のたびにパフォーマンスを加えた。
「ぶわはははははは!!」
「あははははははは!!」
「くっ……くくくくくくくく……」
「は……はひはひはひはひ……」
 大会の見物人と櫻館の中の笑い声の声量が倍増する。
「ウボァーン♪」
 今度は女性が色っぽい声を出して男を誘うように言う。確かに艶っぽくて男心をくすぐりそうだけど、
言う言葉がそれではよりいっそう笑いを引き出させるだけだった。
省9
21: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)06:58 ID:Ek5HM7v90(6/20) AAS
「ねえ千早、せっかくだから、あたしたちも“ウボァー!”って言ってみない?」
 しばらくして落ち着いてから薫子さんはとんでもないことを言ってきた。そんなかっこ悪くてみっともないこと、
お嬢様学校に通う僕たちが……。
「いいですねえ薫子お姉さま! それやったら笑いの渦になること間違いなしですよ!」
「あ、あのね2人とも……なぜ私たちがそんなことを……」
「まあいいじゃないの。今回だけなんだから、悪い夢でも見たと思えば」
 僕が止めようとすると香織理さんまでそんなことを言ってくる。
「わ、私もちょっと興味あるかな?」
 初音さんまでどこか申し訳なさと好奇心が同居するような目で言ってくる。どうもこの場は流された方がよさそうだな。

「じゃあ、まずはあたしからね!」
省6
22: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)07:06 ID:Ek5HM7v90(7/20) AAS
「ウボァーウボァーウボァー♪」
 なんと陽向ちゃんはウボァーウボァーと歌い始めたのだ。しかも歌いながら踊ってるし。
僕たちはおなかがよじれるかと思うくらい笑った。
「ま、まったく私の妹はなんてことを考えるのかしら……」
 しばらくしてようやく笑いが収まった香織理さんがそうつぶやく。もっともそうなるまでどれだけかかったか知れないけど。
「当然ですよお姉さま! この宮藤陽向、面白くすることには命を賭けてますので!」
 賭けなくていい! そんなことに命まで賭けなくていいから!
 そう思っていると、次は唐突に訪れた。
「うぼぁー……」
 次に僕たちの前からでなく、席に座ったままの優雨が普段と変わらない口調で言う。瞬間、僕たち全員が脱力した。
省11
23: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)07:20 ID:Ek5HM7v90(8/20) AAS
「では、次は史がやらせていただきます」
 続いて史がやることとなった。史は基本的にほぼ感情のこもってない機械的な口調だけど、大丈夫かな?
「ウボァー」
 史は、予想通りの口調で「ウボァー」と言った。
「………」
 えっと、なんと言っていいのか……周りも沈黙したままだ。
「プッ……」
 しばらく沈黙が続いた後、不意に誰かが噴き出した。
「くっ……くくく」
 それを聞いた僕も、不意に笑いがこみあげてくる。
省12
24: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)07:28 ID:Ek5HM7v90(9/20) AAS
「ウボァーっ♪」
 次は淑女の演技で笑顔で上品に言ってみせる。
「………」
 今度は寮生全員沈黙してしまった。みんなどうしたんだろう? そんなにつまらなかったのか……?
「プッ……」
「くすくす……」
 そう思ったけど、それは間違いだったみたいだ。しばらく沈黙が続いてから、みんな必死でそれをこらえるように笑い出した。
「な……どうして? いったい何が?」
「いや、だってさ、思わず千早に見とれちゃってさ……でも“ウボァー”なんて言ってるのに見とれたのがおかしくて……」
 見とれた? あんな間抜けなセリフを言った僕に……?
省9
25: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)07:36 ID:Ek5HM7v90(10/20) AAS
「『私の名前はウボァー皇帝。日々よりよいウボァーを追求し、研究に研究を重ねるナイス皇帝さ!』」
 ちょ……香織理さん、どこからとってきたんですか、そんな設定!?
「『思えば、ウボァーの修行中、師匠に飲まず食わずで修行をさせられたこともあった!
ウボァーの披露会で、民の笑いものにされたこともあった! しかし私は決してくじけなかった!
くじけずに、常に最高のウボァーを叫び続けてきた!』」
 その後も香織理さんは、皇帝以外にもその婚約者、家臣など、いろいろな人物になりきって一人芝居を展開していく。
そのたびに、僕も含めて全員から大爆笑の渦が巻き起こった。

「お、お姉さま、これは反則ですよ!」
「か、香織理さん恐るべし……こんな笑える話聞いたことないよ!」
「香織理ちゃんにこんな特技があったなんて……驚きです」
省3
26: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)07:43 ID:Ek5HM7v90(11/20) AAS
 そして、その翌日……。
「こよりさん、私のカードはこれですわ」
 朝教室に行くと、こよりさんたちが、僕たちが昨日やっていたEカードをやっていた。なんで!?
昨日の休日にやったばかりなのに、情報もカードもどこからどうやって手に入れてきたの!?
 見ると、相手がめくったカードは瑞穂さんだった。
「私のカードはこれですわ」
 こよりさんがカードをめくる。貴子さんだ。けど、そう思っていると、さらに予想外の光景が待っていた。
「ウボァー!」
 なんと、こよりさんの相手が例の断末魔をあげた。
「な、何よ今の変な悲鳴は!?」
省9
27: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)07:52 ID:Ek5HM7v90(12/20) AAS
「おはようございます、茉清さん、聖さん」
「おはよう、Wまきよさん!」
「そ、そんな……何度聞いても恥ずかしいです」
「薫子さん……」
 2人は恥ずかしそうに照れる。Wまきよというのは、“まきよ”さんと“まき”た“きよ”らさんの名前から
薫子さんが考えた名前で、そう呼ぶたびに2人は恥じらいの表情をするわけだ。
 それはさておき、2人は早速今見たばかりのカードゲームの話題を口にする。
「せっかくだから私たちもやろうか、聖さん」
「そうですね」
 そう言うと茉清さんが早速Eカードを出してきた。
省5
29: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)08:07 ID:Ek5HM7v90(13/20) AAS
 そして、放課後、修身室……。
「それでは、本日はここまでと致しましょうか」
「お疲れ様でした!」
 今日も僕は雅楽乃と雪ちゃんに呼ばれて華道部に顔を出していた。そして部活が終わり、僕たちも帰ろうとしていた時……。
「あ、あの、お姉さま!」
 ふと雪ちゃんに呼び止められた。なんだろ?
「なんですか、雪ちゃん?」
「も、もう1度私と勝負してくださいっ!」
「もう1度?」
 今日も僕は雪ちゃんと活け花の勝負をしたわけで、まあ結果は……いつも通り。
省12
30: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)08:17 ID:Ek5HM7v90(14/20) AAS
「まず由佳里お姉さまです!」
 早速勝負を開始して1回戦、雪ちゃんがそう言ってカードをめくる。
「私は一子さんです」
「ウボァー!」
 僕がカードをめくると、雪ちゃんはやはりというか、例の悲鳴を叫んできた。
「プッ……くすくす」
 ダメだ、これは何度聞いても笑いをこらえることができない。
「お姉さま! 負けた人をみっともないってあざ笑うなんて趣味悪いですよ!」
 すると雪ちゃんが熱くなってそう抗議してくる。まあ噴き出してしまった時から予想はしてたけど。
「申し訳ありません。ですが雪ちゃん、それは誤解です。今のは“ウボァー!”の悲鳴がおかしくてつい……
省9
31: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)08:25 ID:Ek5HM7v90(15/20) AAS
 2回戦も僕が勝ち、次いで3回戦……。
「私は貴子さまです。お姉さまは?」
「……まりや従姉さんです。それではいきますよ」
 僕が負けがわかっているカードをめくり、やる宣言をすると、雅楽乃と雪ちゃんは好奇心旺盛な瞳で僕を見る。
「ウボァーっ♪」
 僕は昨日櫻館でやったように、淑女風に言うことにした。
「……ぷっ」
 案の定、雪ちゃんは噴き出した。
「雪ちゃん、今のは、負けた私をみっともないと思ってのことですか?」
 僕は穏やかな口調で雪ちゃんに問いかけた。
省9
32: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)08:34 ID:Ek5HM7v90(16/20) AAS
「でしたら雅楽乃、あなたも私とEカードをやりますか?」
「ええっ!? よろしいんですか?」
 雅楽乃は嬉しそうに承諾し、今度は雪ちゃんがカードを繰って配り、勝負を開始することになった。
「こんなところ、かしら?」
 1回戦、僕は選んだカードを伏せて提出する。雅楽乃もカードを選んで出してきた。
「私は瑞穂さんです。雅楽乃は?」
「奏お姉さまです」
 僕がカードをめくると、雅楽乃もカードをめくる。今回は僕の勝ちだ。しかし、なんと雅楽乃は僕の予想外の行動に出てきた。
僕の前で制服の上着を脱ぎ始めたのだ。
「ちょ、ちょっと雅楽乃!? 何をしてるんですか!?」
省9
33: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)08:41 ID:Ek5HM7v90(17/20) AAS
「2回戦……これにしましょうか」
 最初はゲームのつもりだったのに、お遊びどころじゃなくなってしまったぞ……。
 僕はまりや従姉さんのカード。雅楽乃は……。
「私は貴子さまです」
 つまり僕の負けだ。ってことは……。
「さあお姉さま、脱いでくださいな♪」
 雅楽乃が思いっきり艶っぽい表情で言う。そこで僕は雪ちゃんと説得してみたけど徒労に終わった。
「しかたありませんね、では……」
 僕は仕方なく靴下を脱いだ。
「それだけですか? お姉さまずるいです!」
省12
34: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)08:51 ID:Ek5HM7v90(18/20) AAS
 3回戦、僕は何とか股間のものを間に隠してブラウスとショーツ姿になったけど、ここからも連敗だと、
下着も外さざるを得ない。それだけは避けないと……。
「これは……身体測定の時のワイシャツ姿も色っぽくて素敵でしたが、こちらも同じくらい素敵です♪」
 雅楽乃は恍惚の表情で僕を見ている。はっきり言って、これは想像以上にやばい……ていうか……。
「身体測定の時、雅楽乃とはまだ出会ってなかったでしょう?」
「ええ、でも、その時の写真を持参していますから。生徒の間では出回って……」
(うたちゃん! それは他言無用だって必殺密売人Mから言われたじゃない!)
 雪ちゃんがとっさに雅楽乃の口を塞いだ。なんか僕の知らないところでとんでもないことになってるような……。
 4回戦は僕が奏さんで雅楽乃が一子さんだった。それで僕はブラウスを抜いて下着姿になった。
雅楽乃、息が少し荒くなってるような。
省13
35: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)08:59 ID:Ek5HM7v90(19/20) AAS
 その翌日、僕はいろんな女生徒に脱衣Eカードを挑まれて逃げ回ったり、みんなが“ウボァー”の思い出し笑いで
授業が成り立たなくなったりと散々だった。
 初音さんに報告して、生徒会から脱衣系の賭けとウボァーを禁止してもらってようやく事態は収拾したのだった。

「はあああああ……」
 授業が終わり櫻館に到着して、僕は思いっきり大きなため息をついた。
「千早ちゃん、だいぶ疲れてますね」
 それを見て初音さんは冷や汗混じりに笑う。
「初音さん、ありがとうございました。正直生きた心地がしませんでしたから」
「い、いえ、生徒会長として当然のこと……ですから……それは……」
 初音さんは真っ赤になって縮こまってしまった。どうしたんだろう?
省10
36: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2013/12/06(金)09:09 ID:Ek5HM7v90(20/20) AAS
以上です。>>28さん、支援ありがとうございました。

必殺密売人たちのM、H、Kという名前は、彼女たちの名前の頭文字です。
この3人、苗字と名前の頭文字かかぶるので、こうなりました。
3人合わせて某TV局になったのは偶然です(私も書いて初めて気づきました)。

それでは、本日はこれで。お目汚し失礼いたしました。
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