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厭世観が表情に出てしまう反出生主義 ★6
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>>2 > [前提となる議論] > > デビット・ベネターの主張する反出生主義における「快苦の非対称性論」が論点。 > ベネターは、非対称性論の価値判断を普遍的なものとして扱っている。実際、ベネターは非対称性論への批判として提示される異なる主観的な価値判断を不成立とし、反論を試みている。 > 非対称性論の「主体が存在する場合」における「快楽の存在は善い」、「苦痛の存在は悪い」という価値判断は確からしい推論で、多くの人々に共通する普遍性が備わっていると言える。(✳︎ここに反対する批判者はいないと思われる。快苦の質の問題があるが、非対称性論では取り上げられていないので棚上げとする) > 批判の対象になるのは、「主体が存在しない場合」である。 > > 【非対称性論への批判】 > 非対称性論の核となる「主体が存在しない場合」における、「苦痛の不在は善い」、「快楽の不在は悪くはない」という価値判断は、普遍的と言えるほどの共通認識ではなく、以下の主観的な評価が成立する。 > > 「苦痛の不在は善い」 > →主体が存在しないのだから、特段に「善い」というわけではない。だからといって、「悪い」というわけでもないのだから、「善くも悪くもない」 > > 「快楽の不在は悪くはない」 > →「悪くはない」のはその通りだが、だからといって、「善い」というわけでもないのだから、「善くも悪くもない」 > > 「快楽の不在」は、より正確に言い換えただけで意味に大きな変化はない。 > 「苦痛の不在」は、「善い」→「善くはない」に変化しているので、非対称性の成立は困難になる。 > ベネターが主観的な価値判断を認めるのであればここで議論は終わる筈だが、以下の反論を展開している。 > > > 【ベネターの反論】 > 上記の批判に対してベネターは、「仮に主体が存在した場合、その主体に苦痛が不在なのは善いのだから、善いのである」という反実仮想を用いて、「苦痛の不在は善い」という価値判断を強固に維持しようとする。
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