ミッションコンテストNo.3『生存限界 −LIVING END−』 (164レス)
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1(1): → 2011/08/22(月) 02:49:26
君が彼の死を知ったのは、その日の朝のニュースだった。
「本日未明━━━━━━━━
都内で病院を経営していた『塚本 博之』さん(38)が、遺体で発見されました。
病院内で倒れている所を発見された塚本さんは、すでに死亡していたとの事です。
遺体には、頭部に大きな外傷があり、警察では殺人事件として捜査を進めています。
又、同病院に勤務していた看護士の行方が分からなくなっており・・・・・・・・・・・・・・」
『塚本 博之』は、『塚本クリニック』を経営する医師兼院長。
数年前に君が通院した縁で知り合い、互いに独身で家が近所という事もあり、たまに
酒を酌み交わす仲だった。
医師という立場にも関わらず、社会的底辺にある君とも気さくに付き合ってくれる
数少ない人物であり、君が『スタンド使い』である事も知っていた。
彼自身に、その『才能』は無かったが。
すぐに病院へと駆け付けたが、警察の捜査で立ち入りは出来なかった。
だが、顔見知りの看護士に教えられ、その日の通夜に出席する運びとなる。
通夜には、彼の患者だった参列者も少なくなく、改めて彼の功績や人柄を知らしめ、
それを惜しむ声が絶えなかった・・・・・・・・・・・・・・・。
参列していた君は、そこで彼の弁護士と名乗る人物に出会う。
その弁護士は、生前の彼から預かっていたという1通の『封筒』を君に手渡した。
封筒に入っていたのは、1枚の手紙と『骨』。
『強膜骨』という鳥などの眼球を囲む部位で、それは彼からの最後の贈り物だった。
2(1): 将『ザ・ジェネラル』 2011/08/22(月) 22:00:49
>>1
「……?」
『塚本先生』が一体なんでこんなものを俺に?
疑問は尽きないが、まずは『手紙』を読む事としよう。
『骨』は……・なんの『骨』かすら分からない。
出来れば、今の時点では極力触れないで置く。
3(1): → 2011/08/23(火) 00:40:36
>>2
手紙には、直筆の文字が綴られている。
筆跡は、見覚えのある『塚本の字』だと思われた。
「『花レ身』君
この手紙は、私に万一の事態があった時の為に託しておく。
もしも、私が『殺された』か『自殺する』かした場合、その真実を確かめて欲しい。
君に頼むのは、君が『才能』を持っているからだ。
同封した『骨』は、それ自体が『スタンド能力』を秘めている。
『骨』を持った状態で私の遺体に触れれば、ほんの少しだけ『生前の私』になれる。
『追体験』すると思ってくれていい。
君が葬儀に参列してくれると信じているが、遺体に触れられる機会は少ないだろう。
くれぐれも、それを逃さないでくれ。
詳しい説明は、院長室にある私のパソコンで確認出来る。
勿論、『追体験』の中での話だ。
パスワードは、『AnaIRiHs』。
こんな手紙を用意する気になった経緯も、そこで知る事が出来るはずだ。
『塚本』」
4(1): 将『ザ・ジェネラル』 2011/08/23(火) 20:42:54
>>3
「『骨』に……『スタンド能力』?」
様々な驚きがある手紙だが……『塚本先生』が遺した最後の手紙。
信じない事は、『塚本先生』への冒涜にあたるだろう。
「何にしろ、『塚本先生』の最期の望み………叶えないわけにはいかないな」
とはいえ、手紙の通り、ただの参列者の俺が
先生の遺体に触れる機会は少ないかもしれない。
じっとそのチャンスを待つか、或いは作るか、か………。
とりあえず状況を把握したい。
通夜の式はもう始まりそうなのだろうか?
そして、参列者や親族に『気になる』者は居ないだろうか?
『塚本先生』が殺された『犯人』に繋がる『何か』を少しでも掴んでおきたい。
5(1): → 2011/08/24(水) 01:41:23
>>4
通夜は、すでに読経と共に焼香が始まっていた。
喪主は、『塚本』の両親らしき年配の男女が務めている。
看護士や常連患者もチラホラと目に止まったが、弔問客の大半は君の知らない人物だった。
その年齢層は、老若男女幅広かったが、やはり老人が割合的に多く感じられる。
厳かな悲しみに包まれた通夜会場で、弔問者達も一様に同じ雰囲気に包まれていた。
「『西脇君』も死んだらしい・・・・・・・・・・・」
「どうして、こんな・・・・・・・・・・・・信じられん・・・・・・・・・」
会場に入れば、弔問客の雑談も自然と耳に入って来る。
「死亡時刻は、『2時頃』という事だから・・・・・・・・・・・・」
「夜勤の最中に・・・・・・・・・・・・・」
「これから、どうなるんだろう・・・・・・・・・・・・・・入院してる人も・・・・・・・・・・」
時刻は、午後7時を回っており、すでに外は暗かった。
読経と焼香が済めば、『通夜振舞い』を経て一旦お開きとなり、親族等が一晩を遺体と共に
過ごして、翌日の葬式を迎える。
6(1): 将『ザ・ジェネラル』 2011/08/24(水) 23:13:15
>>5
(喪主は……両親かな)
『塚本先生』に妻、子供・兄弟などが居たかどうかを思い出す。
(あとは……『西脇君』?)
その名前に聞き覚えはないだろうか。
読経と焼香時は流石に遺体に触れるタイミングはないだろう。
(と、今まで出た通夜の経験からそう考えるが、宗派などによって、
焼香時に遺体に近付けるのかもしれないので、そういうチャンスがあれば臨機応変に対応したい)
狙うなら『通夜振舞い』以降…………それまでじっと待ちたい。
7(1): → 2011/08/24(水) 23:59:34
>>6
『塚本』は独身で、結婚歴も無い。
その家族構成までは、聞いた覚えが無かった。
『西脇』という名には、どこか聞き覚えがあった・・・・・・・・・・・・・・・・・。
君は、他の弔問客同様に焼香を済ませる。
程無くして式は終わり、半分程の弔問客が通夜振舞いの席へと移動した。
事務用の長椅子が5つ程、並行に5列に並べられた席には、様々な料理や飲み物が並んでいる。
特に決められた席は無かったが、君は一番隅の席にポツリと座った。
「『花レ身』君・・・・・・・・・」
ふと、隣の席の中年女性が君の名を呼ぶ。
それは、『大谷』という看護士で、病院では見知った仲の看護士の1人だった。
恰幅の良い大柄な女性で、唐揚げを口に放り込みながら、君の方を見ている。
8(1): 将『ザ・ジェネラル』 2011/08/25(木) 00:18:33
>>7
『西脇』については然るべき時になれば思い出すだろう。
「ああ、大谷さん……。この度はなんというか、突然の事で…………」
『大谷さん』に深々と礼をする。
「『塚本先生』は、俺なんかにも分け隔てなく接してくれた。
おいそれと恨まれるような人じゃあないと思うんですけど、なんであんな死に方を……」
そう言いながら『大谷さん』を眺める。『塚本先生』の殺された理由に心当たりがあるのなら、
何かしらの反応があるのではないだろうか。願わくば、中年女性特有のおしゃべり癖で、
知っている事を話してくれるならありがたいのだが。
9(1): → 2011/08/25(木) 00:48:20
>>8
「ええ、本当に・・・・・・・・・・」
『大谷』が、頭を下げ返す。
「私も、最初は『強盗』かと思ったんだけど、どうも違うみたいなのよ。
何も盗られて無いみたいで・・・・・・・・・・・・・・怨恨とも思えないんだけど、どうなのかしらねぇ?
『花レ身』君は、何か聞いてない?」
口早に言いながら、『大谷』は再び唐揚げを口に入れた。
10(1): 将『ザ・ジェネラル』 2011/08/25(木) 01:20:20
>>9
「ああ…特に聞いては居ないですね」
(手紙をもらってはいるが『聞いて』はいないからウソじゃあないだろう。…………詭弁だけどね)
「…そうだ、大谷さん。最期にもう一度、『塚本先生』のお顔を拝見したいんですけど……。
喪主…『塚本先生』の御両親ですかね? その方々と交流があったりします?
あるのであれば、申し訳ないんですけど、その旨を伝えてもらいたいんですけど」
しかし、唐揚げばっかり食べてるな。よほど好物なのか?
11(1): → 2011/08/25(木) 01:31:22
>>10
「そう・・・・・・・・」
『大谷』は、呟きながらレタスを口に運ぶ。
レタスの隙間から、それに包まれた唐揚げがチラリと見えた。
「食事が終わったら、このまま御親族の方々が残るみたいよ。
その時に拝見させて貰った方が、いいんじゃないかしら・・・・・・・・・・・・・?
私も先生の御両親は知らないけど、看護長の『長谷川』さんなら知ってると思うから、終わったら
伝えておいてあげるわ。
『花レ身』君なら、私達も知ってるから大丈夫よ。」
12(1): 将『ザ・ジェネラル』 2011/08/25(木) 01:44:02
>>11
『唐揚げ』………は、忘れよう。
「どうもありがとうございます」
『長谷川さん』と自分は面識・交流があっただろうか。
思い出しつつ、ふと疑問を思い出したので訊ねてみる。
「ああ、そうだ。さっき小耳に挟んだんですけど、
『西脇さん』って方はご存知です? その方もお亡くなりになったとか………」
13(1): → 2011/08/25(木) 02:05:31
>>12
看護長の『長谷川』は、『大谷』同様に君の見知った人物だった。
40〜50代の眼鏡を掛けた小柄な女性で、気さくな印象がある。
「『西脇』君?」
『大谷』は、唐揚げを箸で摘みながら言った。
「『花レ身』君は、知らなかったかしら?
彼も私達の仲間なんだけど、警察は疑ってるみたいね・・・・・・・・・・。
先生がお亡くなりになった時、彼だけいなかったから当然かも知れないけど。
でも、あの子が先生を殺すとは、思えないんだけどねぇ。」
14(1): 将『ザ・ジェネラル』 2011/08/25(木) 08:01:02
>>13
「ああ、もしかしてニュースで言ってた『行方が分からない看護士』ですか」
もはや俺も、唐揚げを箸で摘みながら言った。
もし将来この行為が自分に不利益をもたらすとしても、後悔はない。
そして記憶を辿り、自分がその看護士、『西脇君』に会ってないか、何か知ってないか思い返す。
「『亡くなった』なんて小耳に挟みましたけど、行方が分かったって事なのかな。
あと、先生は『夜勤中』に亡くなったって話だったと思うんですけど、
『西脇さん』以外のスタッフは皆居たんです?
夜勤中にそれだけスタッフが残っているというのは、何か理由があったんですかね」
あるいは『クリニック』という事だし、スタッフ総数自体が少なかったのだろうか。
自身の記憶を思い返す。
15(1): → 2011/08/25(木) 10:57:47
>>14
「そうそう。」
『大谷』が頷く中、君は大皿に盛られた唐揚げを1つ摘んだ。
『西脇』という名に合致した人物は、思い出せない。
『グジュッ』
口に放り込んだ唐揚げを噛むと、まだ熱の残った肉汁が口の中に溢れ出す。
ニンニク醤油で味付けされた衣は、サクサクと心地良い食感で、鶏肉の豊かな
弾力とのコントラストが、噛み締める毎に調和されて行くのを感じた。
『大谷』も再び唐揚げを摘み、口に入れる。
「『西脇』君は、少し前に見つかったらしいわ。
病院の近くの・・・・・・・・・・ホラ、新しく建ったマンション。
あそこから飛び降りたんだって。
そういえば、昨日の夜勤は先生と『西脇』君だけだったわ・・・・・・・・・。」
病院は、3階建てで大きめのアパートと言った規模だった。
入院患者も数人いるらしかったが、勤務する看護士達は決して多く無かった。
医師は、『塚本』を含めて2名。
16(1): 将『ザ・ジェネラル』 2011/08/25(木) 20:53:37
>>15
「なるほど」
俺も再び唐揚げを摘み、口に入れる。
「事情を知っていそうな『西脇さん』もすでに亡くなって、
事態は暗礁に乗り上げているわけですか。ふぅむ……」
基本的な事は訊いたように思うし、『大谷さん』には看護長に口添えしてもらわなければならない。
何よりこのまま話し続けるとこの場の唐揚げを全て二人で食べ尽くしてしまいかねない。
「色々教えてくれてありがとうございます。
さっきの件(看護長への口添え)、よろしくお願いしますね」
そんな事を話し、会話は打ち切りの方向へ持っていこう。
ところでそもそも自分は何の病気で通院していたのだったか(『塚本クリニック』は何科の病院か)。
そしてもう一人の医師について何か思い出せたら思い出したい。
17(1): → 2011/08/26(金) 01:36:16
>>16
『大谷』は、唐揚げを口に含んだまま頷き、おもむろにハンドバッグを取り出す。
バッグの中から取り出したのは、ピンク色の携帯電話だった。
『塚本クリニック』の専門は、外科と内科、小児科だった。
君が初めて通院したのは、ただの風邪・・・・・・・・・・・・・・・・・その後、帯状疱疹に悩まされ、長期間の通院を
余儀無くされた。
『塚本』は内科と小児科の医師で、もう1人の外科医の名は、『佐藤』。
この外科医との面識は乏しかったが、『塚本』と同年代で褐色に日焼けした小男だった事を覚えている。
「『花レ身』君・・・・・・・・・」
ふと、『大谷』が再び君に話し掛ける。
携帯電話をバッグに戻した彼女は、それと入れ替えにティッシュ箱サイズのビニール容器を取り出し、
その中に唐揚げを詰め始めた。
「看護長も今夜は残るらしいから、貴方も一緒に残るって伝えておいたわ。」
18(1): 将『ザ・ジェネラル』 2011/08/26(金) 19:44:36
>>17
「あ、そうですか。じゃあそのへんに『長谷川さん』が居れば合流させてもらいますね。
色々ありがとうございました」
俺は唐揚げを口に含んだまま頷き、礼をした。
とりあえず訊きたい事は確認出来たし、
特に何もなければ『大谷さん』に別れを告げ、『長谷川さん』を探して行きたい。
19(1): → 2011/08/27(土) 00:18:59
>>18
唐揚げを食べている『大谷』を後に、君は席を立った。
会場の弔問客が次第に立ち去って行く中、中央付近の席に着いている『長谷川』を見つける。
丁度、彼女の周りに座っていた弔問客も立ち上がり、帰って行く所だった。
20(1): 将『ザ・ジェネラル』 2011/08/27(土) 15:25:29
>>19
「長谷川さん、この度はとんだ事で………」
『長谷川さん』に声をかけよう。
「『大谷さん』からお話きいているとは思うんですが、
俺も『塚本先生』に最期にもう一度お会いしたいんです。
一緒に行ってもよろしいですか?」
21(1): → 2011/08/28(日) 02:06:13
>>20
「ああ・・・・・・・・・・・『花レ身』さん。」
そう言って、君を見た『長谷川』の目は、微かに充血していた。
「先生の御友人ですから、構わないと思いますよ。
今夜は、このまま式場を借りての通夜ですから、疲れたら別室の布団で休んで下さい。」
『長谷川』は、棺の方をチラリと見て、さらに続けた。
「お顔が見たいなら、今の内に行った方がいいかも知れませんよ。」
22(1): 将『ザ・ジェネラル』 2011/08/28(日) 02:20:51
>>21
「ありがとうございます」
棺がどこにあるかを確認しておこう。
「お言葉に甘えて、行かせて頂きます。
…………『長谷川さん』は、少し休んだほうがいいんじゃあないですか?
凄く、お疲れのようですし………。俺一人でも行けますよ」
23(1): → 2011/08/28(日) 02:54:56
>>22
棺は、並んだテーブルの一番前に設けられた祭壇に置かれていた。
焼香した時のまま、動かされてはいない。
「ありがとうございます。」
そう言った『長谷川』は、目の前に置かれた麦茶らしきものの注がれたグラスを、
1〜2口傾けた。
棺の前では、時折弔問客が足を止め、『塚本』との別れを惜しんでいる様だった。
24(1): 将『ザ・ジェネラル』 2011/08/28(日) 14:23:52
>>23
『長谷川さん』に礼をして、『棺』の前へ移動する。
弔問客の動きが途絶え、自分ひとりで『塚本さんの棺』に
近づけるタイミングを見計らいたい。
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