代数学演習 (154レス)
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(1): 2021/10/14(木)19:33 ID:oLv14f6y(1/4) AAS
Bを可換環、Aをその部分環(乗法の単位元1を共有する)とする。
BはA加群として有限生成であるとし、PをAの素イデアルとする。このとき、Aの元aが、

a = Σ[i=1, n] b_i p_i (b_i∈B, p_i∈P)

と表されるならば、a∈Pであることを示せ。
57: 2021/10/14(木)19:41 ID:oLv14f6y(2/4) AAS
>>56
BはAの整拡大だから、Bの素イデアルQで

Q∩A = P

となるものが存在する(lying-over theorem)。a∈PB⊂Qであるから、

a∈Q∩A = P。□
58: 2021/10/14(木)20:30 ID:oLv14f6y(3/4) AAS
lying-overの証明も美しいよね。

定理:
A⊂Bを環の整拡大、PをAの素イデアルとする。このときBの素イデアルQで

Q∩A = P

を満たすものが存在する。

証明:
M = A\Pとする。A_M, B_MをAおよびBのMによる局所化とする。
PはA_MのA_Mの極大イデアルP'の自然な写像i: A → A_Mによる引き戻しである。また、もしB_Mの素イデアルQ'で、Q'∩A_M = P'となるものがあれば、j: B → B_Mを自然な写像として、

P = i^(-1)(P') = i^(-1)(Q'∩A_M) = j^(-1)(Q') ∩ A

となる。よって、A, BをA_M, B_Mに置き換えることで、Aは局所環、PはAの唯一の極大イデアルとしてよい。
QをBの任意の極大イデアルとすると、Q∩A = Pとなることを示す。可換図式

B → B/Q
↑  ↑
A→A/(Q∩A)

を考えると、B/QはA/(Q∩A)上整。B/Qは体なので、以下のlemmaより、A/(Q∩A)も体。よって、Q∩AはAの極大イデアル。□

lemma:
A⊂Bを整拡大とする。Bが体ならば、Aも体である。
(Aが整域ならば、「Aが体ならばBも体」も成り立つ)

lemmaの証明:
1/a∈A⊂Bを0でない元とすると、Bは体なので、1/a∈B。1/aはA上整なので、

(1/a)^n + a_1(1/a)^(n-1) + ... + a_n = 0 (∃a_1, ..., a_n∈A)

となる。よって、a^(n-1)を掛ければ

1/a = a_1 + ... + a_n a^(n-1)∈A。□
59: 2021/10/14(木)20:49 ID:oLv14f6y(4/4) AAS
右辺はマイナスつけて下さい
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