[過去ログ] 【名駅】名古屋について語ろう【栄】★part111 (1002レス)
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153: (愛知県) 2022/02/15(火)23:37 ID:EXVHJtcD(8/12) AAS
まともな大学の社会学の講義  ?
有機体的社会観、ですか。
はい。社会を人間の身体から類推する考え方で、一つの生命体のように、社会や民族が存在しているという思想です。典型的なものは、カトリックをはじめとするキリスト教の考え方ですね。社会は人間の身体のようになっていて、頭は教会、その中心にキリストがいて、キリスト教の共同体を守るために王や貴族などの武力を持った戦士たち、そして身体の土台を支えるのが農民たち、という世界観がありました。
それぞれが人間の身体のような形をとった共同体の頭となり、心臓となり、四肢となり、社会が成り立っている。ヨーロッパでは、社会をそう捉えるのが一般的でした。トマス・ホッブスの『リヴァイアサン』の有名な口絵などを思い浮かべてください。リヴァイアサンという巨人は、小さな人間たちの集合体として描かれています。
この伝統的な世界観から考えると、ジンメルの「社会は実体ではない。人々の結びつきが社会なのである」という考え方は、破壊的なものでした。宗教を中心としてコミュニティが成立し、国家が成り立っていたのに、人々の結びつきが変わってしまったら具体的な宗教やコミュニティ、さらには国家さえも消えてしまいかねないというのは、当時の人々にとっては衝撃的な思想でした。
また社会を一つの有機体とする考え方は、民族や国家を“聖なるもの”として扱う全体主義と親和性があります。日本でも、哲学者の和辻哲郎が戦中に出版した『倫理学』などは、個人を国家という全体を存続させるための手段とする全体主義的社会観を提示していました。いまでもジンメルの社会観は、そのような滅私奉公をモットーとする全体主義的社会観にたいする処方箋となりうる力を持っていると思います。
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