【創作】UNIX文庫 文豪ハッカー【パクリ】 (762レス)
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151: 125-129 [sage] 02/08/06 00:30 >>150 「…IDを、見せてくれますか?」 検査官の冷静な声に、おびえきった子どもは、おずおずとIDを差し出した。 「バカ、差し出したら…それこそ…。」 検査官は、しばしそのIDを見詰めていた。すると何を思ったのか、 彼のIDをポケットにしまうと、代わりのIDを彼の手に握らせた。 「これを持って、今来た道を戻りなさい。」 「…許してくれるの?」 検査官は、穏やかな笑みを浮かべる。 「ええ。あなたは例外です。今すぐあなたの御主人の元に帰り、こう言うのです。 『80番は空いていました。』と。」 「…それだけ?」 「ええ。それだけで、あなたの送り主は理解されるはずです。それに…。」 検査官は、足元の残骸を見渡しながら呟いた。 「時として…返事の無いことが、返事になる時もあります。」 検査官の言葉が理解できなかったのか、子どもは、まだその場を 立ち去りかねていた。 検査官は俺にした時と同じように、彼の背中を軽く叩いた。 「さあ、行きなさい。あなたの身元は控えておきます。今度来る時は、 もっと人に喜ばれる言葉や、写真などを運んできてくださいね。」 子どもは、コクリとうなずくと。くるりと今来た道を走り出した。 検査官はしばらく、その後ろ姿を見送っていたが、再び身をかがめ、 残骸の中からIDを拾いはじめた。 まるで無縁仏の遺骨を拾い上げるように。 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/unix/1026133065/151
152: 125-129 [sage] 02/08/06 00:31 >>151 彼がいる限り、俺には帰る場所が用意されている。 そう確信した俺は、再びケーブルの中を歩き始めた。 自分が、どんなデータを背負わされているのか、今は分からない。 検査官の言うような「人を喜ばせるデータ」かどうかも分からない。 しかし、少なくとも俺の任務に悪意が含まれていないことは確かなはずだ。 (で無ければ、老人も、若い検査官も俺を送り出したりはしなかっただろう。) 「誰だか知らないが、俺を必要とされている。」 何度も、自分に言い聞かせながら、俺は歩みを速めた。 次なる目的地を目指して。 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/unix/1026133065/152
153: 125-129 [sage] 02/08/06 00:39 >>151 省略されてしまった。(苦笑) 慣れない事はするものじゃないね…。 http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/unix/1026133065/153
155: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 02/08/06 07:43 >>148-152 すごいや、あんた。とくに緩急のつけかたがみごと。背筋が寒くなたよ。 ひょっとしてプロの物書きさんか?教えろやヽ(`Д´)ノゴルァ http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/unix/1026133065/155
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