淡々と体験談を記します (16レス)
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1: ゆり 2016/07/12(火)14:05 ID:cX4ikqPQ0(1/16) AAS
私の体験談です。タイトルは自由につけてください。
洒落怖で拝見するような、すべての事に辻褄があるような話ではないのでどこから話せばよいかわかりませんが・・・。一応、私の中ではひと段落したので淡々と書かせてもらいます、怖くないかもしれません。

私には年の離れた姉がいます。私が当時中学2年生の14歳、姉は21歳大学生。姉は釣り目でクールビューティな装い(栗山千明と武井咲を混ぜたような顔)で、性格もサバサバしていて、私の中ではかっこいいとかわいいを兼ね備えた人でした。
姉は、私の家系のなかで唯一霊感があり、彼岸には亡き祖母の霊を見たと話を聞きいたことがあります。

私はというと、まったくありません。
一度、線香をあげて合掌した瞬間に昼間なのに停電したくらいで。それも正直言って因果のわからない事例なので、霊体験としてはノーカウントとなりました。

その日は何の前触れもなく、いつもと変わらない金曜の夜でした。
2: ゆり 2016/07/12(火)14:06 ID:cX4ikqPQ0(2/16) AAS
姉が私の部屋にやってきて言いました。
姉「あれ?ゆり(私の名前)じゃないの?」
唐突な会話は家族なので仕方がありませんが、質問の意味が全く分かりませんでした。
私「何が?」
姉「いや、なんでもない。だれか音楽でもやってんのかなって。」
姉曰く、どこかから音がする、管楽器の練習をしているような音が遠くから聞こえてくる。
とのことでした。
省8
3: ゆり 2016/07/12(火)14:06 ID:cX4ikqPQ0(3/16) AAS
その夜、私は夢を見ました。と言っても、夢は起きてからすぐに消えてゆくもので、海水が波打ち際で砂に浸透していくような感覚になります。
ですから、あまり明確ではないですが記しておきます。
私の部屋に勉強机があり、いつも通りそこに座って携帯(現実では持ってません)をいじっていました。
紙のめくれる音がしたので振り向くと、学校の教室で本を読む私の姿が風景としてあらわれました。
紙のめくれる音は、そこからしたのだと思って手に持っていた日記帳(最初携帯を持っていましたが、夢補正です)を手に風景の方へ行こうとします。
椅子から立ち上がろうとすると、急に世界は暗転します。あたりを見ていると、暗闇の底(?)から、知らない人の顔が見えました。私のことを見ています。
段々、その人の顔がはっきり見えてくるのは近づいてきているからでしょうか。恐怖と感じたらよいのか、変な緊張感のまま私はその顔を見つめたままです。
省1
4: ゆり 2016/07/12(火)14:07 ID:cX4ikqPQ0(4/16) AAS
目がはっと開いて夢の存在を確認すると、私は汗で寝巻が濡れていました。敷布団まで湿っている始末でした。一度、部屋の照明をつけて適当な服に着替えなくては。照明のリモコンを手探りで探していると、照明がチカチカと不定期に灯いたり消えたりしました。
何事かと、まだ夢の続きを見ているのではいかと思いました。しかし、汗の不快な感触が現実を証明しています。何も考えられない時間が何秒かかったかわかりません。とても長い時間がたった気がします。

とにかくリモコンを探しました。
(思考停止していたので、こんな単純なことをひねり出すまでに時間がかかりました)

リモコンは枕元に置いてあるはずなので、すぐに取れるのですが寝相のせいかベッドから落ちて床にありました。リモコンに手を伸ばして取り上げると、その暗明の移り変わる間に、ベッドの下の方から丸く白いものが一瞬視界に入りました。流石に私も恐怖を感じ、逃げるように飛び起き、手に持っているリモコンの点灯ボタンを連打しました。
すぐに明るさを取り戻した私の部屋は、普段と変わらずに沈黙しています。

霊感ないはずなのに…。本当に霊なのか?という訳の分からない思考と共に、恐怖が覆って涙が出そうでした。
省4
5: ゆり 2016/07/12(火)14:08 ID:cX4ikqPQ0(5/16) AAS
「お…」
本当は「おねえちゃん」と言いたかったんですが、言葉にならなかったのを覚えています。
見てはいけない、見てはいけない…鍵に意識を集中して何度もガチャガチャと動かしていましたが、びくともしません。恐怖が勝り、思い切り目をつむりました。

その時、落ち着いてゆっくり外せという言葉(詳細は覚えてません)が聞こえ、ゆっくりとカギをスライドさせたところ、カギは開きました。

安堵し、ドアを開けようと目を開いたその時、視界の中央右側。
視界にとらえるどころではなく、例の顔が私を覗きこんでいました。
完全に目があいました。
省5
6: ゆり 2016/07/12(火)14:08 ID:cX4ikqPQ0(6/16) AAS
姉は姉で、起きた時にはもう汗がひどかったそうです。夢を見たかという話ですが、私が出てきたくらいで覚えてないそうです。起きた瞬間に耳鳴りがして、管楽器のような音がその中でずっと聞こえていたみたいです。
寝る前に私の部屋で察知したなにかというものはわからずとも、この状況ではきっと私の身に何かあると思ったのだそうです。
姉「何かいるよね。なんだろうね。何が原因なんだろうね。」
とじっと一点を見つめるような真剣な表情で考え込んでいる姉でした。私はというと、何が何だか分からずしどろもどろしていた記憶があります。
ここでようやく時計を見たのですが、深夜3時でした。寝るに寝れないので、私はリビングにあるTVゲームを取り出して気を紛らわせる事にしました。視界の片隅で白いモノが映り込まないかどうかずっと不安でしたが、とにかく集中してプレーをしました。
(たしか、ぷよぷよフィーバー)
姉は、最初ゲームに付き合ってくれましたが途中からソファで考え事をしているようでした。気づけば5時になり、外も薄明るくなっていました。振り向くと姉は座ったまま寝ていました。寝ている顔は妹の私が言うのもなんですがとてもかわいらしかったです。その顔に安心して、私も姉と寄り添うように寝ました。
7: ゆり 2016/07/12(火)14:09 ID:cX4ikqPQ0(7/16) AAS
ここまでのお話を読み返すと、なんか姉妹の絆のような話ですが。
というか、私が姉のことをとても慕っている様子がメインになってしまって申し訳ないのですが、姉に対する感謝の意が絶えずつらつらと書かせていただいています。

中編です。

朝7時頃、リビングでテレビをつけっぱなしで寝ている姉妹に対し、母からの痛烈な皮肉を浴びました。
朝食とシャワーを済ませた私達は、母には事情を話さず、掃除をしたいからと言って母と姉と3人で私の部屋へ入りました。母は、布団を干しなさいと、私の布団をベランダに持っていこうとしました。敷布団を持ち上げたところで私のベッドの下から何かが光りました(姉からの話なので実際光ったかどうかはわかりません)。私は姉の後ろに隠れていましたので、よくわからなかったのですが、姉がその物を拾い上げました。
そこには、手帳がありました。全く身に覚えのない手帳です。

姉「ああぁ」
省3
8: ゆり 2016/07/12(火)14:10 ID:cX4ikqPQ0(8/16) AAS
小学生くらいが持っていそうな手帳、シールを貼ってデコレーションしてある。とても上手とは言えないけれど。ほこりまみれになっています。
近づいてみると、「2-3 ●●(苗字)えみ」と名前が書いてありました。
知らない人の手帳です。

姉が、その手帳をもう一度拾い上げ「少し待ってて」と言い、部屋を後にしました。
自分の部屋なのに取り残されるという感覚はあまりいいものではありません。何かがまだ浮遊している気がして…。
しばらくして、姉が母を連れて帰ってきました。

母は、事情を聞いたのか、神妙な顔で「ゆり、あのね…」と、私にもう一人の姉の存在を教えてくれました。
省4
9: ゆり 2016/07/12(火)14:10 ID:cX4ikqPQ0(9/16) AAS
夢に出てきた手帳は、これだったのかな?とも考えましたが、あまり合点のいかないとこが多かったです。あの白い顔が私を恨んでいるのか、好意を抱いているのかも分かりません。

姉は、その手帳の中身を読んでいました。
姉「私より霊感のあるのはえみだったんだ。」
とつぶやいて、あるページを私に開いて渡しました。
今手元に持っていますのでそのまま書き写します。
『「白いくも」
白いくもはおへやに入って来れるのですごいとおどろきます。
省7
10: ゆり 2016/07/12(火)14:11 ID:cX4ikqPQ0(10/16) AAS
昨日私の見たものは姉の、えみの顔ではないのでしょうか?
えみにも私と同じものが見えていたのでしょうか。そして、「震える」と書かれた文字が何を意味しているのか。
正直、私はその時非常に混乱してしまい家を飛び出してしまいました。
しばらく考えました。なんで昨日なのだろうか、昨日がえみの命日であったとか、手帳が現れたのが昨日だったのかとか。そもそもあの顔は誰なのかという解決しようもなさそうな内容ばかりです。漫画喫茶に生まれて初めて入ったのもこの時でした。インターネットでオカルト系のページを覗いても類似するものはありませんでした。

夕方まで仮眠をとって、家に帰りました。

姉は、大学でゼミがあるということで少し遅くなると母から聞きました。
母は、以外とケロッとした態度でしたが無理をしているのでしょう。
省6
11: ゆり 2016/07/12(火)14:11 ID:cX4ikqPQ0(11/16) AAS
よく見てみると、文章を消しゴムで消したであろうページがいくつか確認できました。
理由は分りませんが、えみに関する内容なのでしょう。私は、鉛筆の芯を横にして、まんべんなく擦り文字を浮かび上がらせました。(10円玉の上に紙を置き、鉛筆で10円玉のある場所を擦ると模様が浮かび上がるやつです。)

いくつかあったので、その一つを抜粋します。(記憶の限り)
「えみちゃんは
いつかきっとセーラムーンになる
タキシードかめんが見える。
もう行くって言ってた。なにが?」
省10
12: ゆり 2016/07/12(火)14:12 ID:cX4ikqPQ0(12/16) AAS
今までのまとめとして
・あの顔の正体は不明
・私にはえみという姉がいて、更にあの顔に類似したナニカを日常的に見ている。(死亡)
・ゆみはえみについてよく知っており、ナニカのことも(当時は)気づいていた。
・祖母は、両姉の日記を見ておりその不可思議な内容も理解をしている。
⇒さらに、アドバイスをしてくれいるので元からナニカの存在を知っていた(?)
or知らなくてもアドバイスをしてくれていた。
省4
13: ゆり 2016/07/12(火)14:12 ID:cX4ikqPQ0(13/16) AAS
夕飯を食べていると、姉が帰ってきました。
ソファに置いたままにしていた手帳ですが、姉がそれを見つけると、足早にそれを掬うように取り上げては自分の部屋にそそくさと行ってしましました。
まずいことをしてしまったと思って、夕食後姉の部屋を訪問しました。
鍵が開いており、中を見ると電気スタンドのみの明るさの中、手帳を読んでいる姉の姿がありました。その時の表情は、子供の私にとってはとても神秘的でした。やさしい顔、辛い顔、悲しい顔が混じっていました。
私「お姉ちゃん?」
姉「うん」
私「ごめんね?」
省5
14: ゆり 2016/07/12(火)14:13 ID:cX4ikqPQ0(14/16) AAS
深夜、今度は何の予兆もなく目が覚めました。
目の前には暗闇が広がっており、薄ぼんやりと家具のシルエットが浮かんでいます。
姉は、隣で規則的な呼吸の中安眠しているようでした。
「い」
という声が聞こえました。
その瞬間に金縛りが起きました、今まで体験したことの無い状況です。よく精神的なストレスが要因とされていますが、当時の私には霊の仕業と考えていました。
金縛り経験者の皆さんは、目だけ何とか動かせるといっています。私の場合は瞬きすらできませんでした。意識か無意識か、それとも別の力が働いたのかわかりませんが足元へ視線が動いていました。ナニカがいました。
省4
15: ゆり 2016/07/12(火)14:14 ID:cX4ikqPQ0(15/16) AAS
私は、少しずつ右手の感覚が戻る気がしていました。正直、その時は恐怖しか感じなかったので何をしようとか、機転のようなものは利きませんでした。その時起こったことを書いているだけです。

右手は、すこしグーの形を作れるようになりました。同時にのどが少し和らいだ気がしました。
「うっ」
と声が出てきました。そして息を整えて
「おねえちゃん」と言いました。
私がその言葉を言い終わる前に、姉は顔を離して上半身を少し上げたままの状態で前を向きました。視界が開けたその時には、ナニカは消えていました。
もう嫌だ、もう嫌だと目をぎゅっとつむっていますと、今度は「はっ」と声が聞こえました。
省14
16: ゆり 2016/07/12(火)14:14 ID:cX4ikqPQ0(16/16) AAS
今回の件で、母には引越しの請願をしました。
しかし、簡単にはいきません。女手一つでこの家を切り盛りしているためです。
離婚した父の慰謝料には少し余裕があるということですが、この先のことを考えると確かに現実的ではありません。
お互いの意見にバランスを足した結果、少しの期間母方の実家に泊めてもらうという事で決着がつきました。

姉は、あの時少し表情に影が見え始めました。
日曜の昼、まだ二人はリビングでテレビを見ていました。私は放心状態です。
姉はすこしためらいがちに私を見ながら「今から、お墓参りに行こう」と誘ってきました。
省12
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