【テンプレ】東方クロススレ 8【必読!!】 (373レス)
1-
抽出解除 レス栞 あぼーん

リロード規制です。10分ほどで解除するので、他のブラウザへ避難してください。
114
(1): ◆cedHmDsvEg 2010/03/25(木)02:30 ID:d1IvTQ8Q0(1) AAS
つい最近このスレの存在を知ったおれ、さんじょ……
向こうのスレで投下告知したのがバカみたいだ……
次からはこっちで投下するって事でいいのだろうか?
特に指定が無ければ今までどおり避難所生活してますが。

>>112
全く違うものを混ぜるのだから多少の矛盾には目をつぶったほうがいいって気がする。
東方側の解釈の仕方によって矛盾するかどうかも異なってくるし。
省1
120: ◆cedHmDsvEg 2010/04/01(木)23:26 ID:NOxW4QRo0(1/5) AAS
ぎりぎりセーフ!

今日じゃなければとても出来ない短編投下します
見たくない人は鳥をNGに指定して下さいね

東方俺参上 最終回先行公開
121: ◆cedHmDsvEg 2010/04/01(木)23:28 ID:NOxW4QRo0(2/5) AAS
幻想郷を襲った意魔人異変も無事解決し、協力した電王と仲間のイマジンも
デンライナーで幻想郷を後にした。
その後も幻想郷は間欠泉が噴出したり、妖怪の山に巨人が出たという噂が流れたり
宝船騒動が起きたりと、平和ながらも賑やかな日々を送っていた。

そして、あの意魔人異変から二年になろうという第百二十五季の秋。
幻想郷には、再び異形の妖怪達が現れていた……

「今から僕と、僕の仲間達が……君達の幻想を終わらせる」
省17
122: ◆cedHmDsvEg 2010/04/01(木)23:30 ID:NOxW4QRo0(3/5) AAS
灰色のオーロラではなく、両端にリボンのついた隙間のような空間から現れたのは八雲紫。
幻想郷全体を見守る、管理者のような存在の妖怪である。
幻想郷を愛する彼女にとって、この惨状は何を彼女の心にもたらすのか。

「冗談言わないで頂戴。魔化魍にファンガイアあたりならばまだ交渉の余地はありますが
 ワームにグロンギなんて、とてもじゃないですが幻想郷の手に余りますわ。
 彼らは私の……いえ、私達の思い描くものとはあまりにかけ離れていますもの」

意魔人異変の際、紫が懸念していたそのままの事態が、再び起きたのだ。
省20
123: ◆cedHmDsvEg 2010/04/01(木)23:32 ID:NOxW4QRo0(4/5) AAS
「久しぶりだね、霊夢さん、紫さん。でも……」

二年越しの知己に対し一瞬、にこやかに挨拶を交わすが
その表情はすぐに険しいものへと変わる。まるで、イマジンを相手にしているときのように。
おもむろにパスを懐から取り出すと、良太郎の背後に灰色のオーロラが現れる。

「ごめん。逆恨みは重々承知だけど、僕達にはこれしか方法が無いんだ。
 ……幻想郷を、無理やりにでも僕達の世界から切り離す」
「良太郎さん!? うそでしょ……」
省18
124: ◆cedHmDsvEg 2010/04/01(木)23:36 ID:NOxW4QRo0(5/5) AAS
「二年前、僕がこの幻想郷に来た事で、本来繋がらない電王の世界と繋がる橋が出来てしまった。
 そこからは数珠繋ぎのように、他のライダーの世界と繋がり
 滅びの現象を呼ぶ切欠になってしまった」
「それが、あの怪物達がやってきた原因なの? でも、外の世界とは結界で隔たれて……!」
「なるほど。これが二年前、鳴滝とか言う人間が警鐘を鳴らしていた事なのね……
 私としたことが、もっと早くに気づくべきでしたわ。
 霊夢。良太郎君は、外の世界の人間じゃない。別の外の世界の人間なの」
省24
126: ◆cedHmDsvEg 2010/04/02(金)18:47 ID:XW3vkfPU0(1) AAS
いくらなんでも「幻想郷対11平成ライダー」は無茶すぎたかもしれないと思ってる。
だが私は謝らない。エイプリルフールやったしな。

>>125
その過程が破壊ですからねぇ>破壊者
求聞史紀にはしっかりと「危険度:大」とか書かれそうだ
133: ◆cedHmDsvEg 2010/04/18(日)03:29 ID:r8oLJrKc0(1/13) AAS
では何の前触れも無く第七話Aパートを投下します。

07:58
東方俺参上
我が郡隊は百鬼夜行!
134: 俺参上第七話前編(1/10)◆cedHmDsvEg 2010/04/18(日)03:31 ID:r8oLJrKc0(2/13) AAS
幻想郷の小さな鬼と外の世界の自称桃太郎。この一騎打ちも、今決着を迎えようとしていた。
既に両者共に満身創痍であり、息も相当上がっている。幻想郷の常識で考えれば
鬼をここまで、しかも実力で追い詰めたのは自慢できるレベルであった。
M良太郎も、数多くのイマジンやライダーと戦ってきたがこのような相手は初めてである。
攻撃の多彩さや奇抜さにおいては、今まで戦ってきた相手の中でも群を抜いている。
互いの必殺技は、相手の度肝を抜きこそすれ、決定打には一歩……いや半歩足りなかったのだ。
もはや、互いに打つ手は一つのみであった。
省19
135: 俺参上第七話前編(2/10)◆cedHmDsvEg 2010/04/18(日)03:32 ID:r8oLJrKc0(3/13) AAS
東方俺参上 第七話
暴走「想像怪獣ギガンデス」

           登  場

博麗神社の境内に張り詰めた空気が流れ始めて、まだわずかな時間しか過ぎていない。
だが、二人の戦いを見守る者全てには、途方も無く長い時間が過ぎ去ったように錯覚されている。
風の音に混じって騒いでいたギャラリーの妖精も、実況をしていた文も固唾を呑んでいる。
人間達も同様だ。特に良太郎は、もしモモタロスがここで負けるようなことになれば萃香にさらわれることになるだろう。
省19
136: 俺参上第七話前編(3/10)◆cedHmDsvEg 2010/04/18(日)03:35 ID:r8oLJrKc0(4/13) AAS
「勝負あり! この戦い、幻想郷の小さな百鬼夜行、伊吹萃香選手の勝利です!!」

高らかに文の勝者宣言が響き渡る。そして、境内は歓声に包まれる。萃香も勝利の一杯を勢いよく飲み干し、勝利の余韻に浸っている。
だが、その勝利の余韻を破壊するかのように勝利に水をさす言葉が投げかけられる。
その言葉の主は……霊夢だ。

「あんたらしくないわね萃香。あれある意味だまし討ちじゃない」
「心外だね。素手は素手だよ……ま、ちょっと大きすぎたかもしれないけどさ。
 一番確実に勝つにはあれが一番よかったかな、って。力も誇示できるし」
省16
137: 俺参上第七話前編(4/10)◆cedHmDsvEg 2010/04/18(日)03:38 ID:r8oLJrKc0(5/13) AAS
「ま、待って萃香! 今良太郎さんにいなくなられるとちょっと困るのよ!」
「あのいまじんとかいう奴らを一番知ってるのは良太郎なんだ、まだ私らだけじゃいまじんの異変を解決するのは難しいんだぜ」
「言いたいことはわかりますが、鬼は約束を何より大事にする種族ですよ? ここは諦めて頂かないと」

「だ、だったら私が身代わりになります!」
「おいハナクソ女! 何勝手なこと言ってるんだ!? 小玉西瓜! 負けたのは俺だ、俺を攫え!」
(はっはーん……それでこのお兄さんは紫に連れて来られたんだね。
 こんな事するのはあいつ位なものだからねぇ……さてさて)
省17
138: 俺参上第七話前編(5/10)◆cedHmDsvEg 2010/04/18(日)03:40 ID:r8oLJrKc0(6/13) AAS
「たまにはいいよね、こういうのも。昔の漫画みたいでさ」
「おっ、良太郎もこの良さがわかるようになったか!
 よっしゃ、じゃあまた俺が喧嘩のやり方を……あだっ!? だからいちいち殴るなハナクソ女、俺は一応怪我人だぞ!」
「だったら良太郎に変なこと吹き込むな、バカモモ!!」

珍しく喧嘩を肯定する良太郎に、調子付いてハナの制裁を受けるモモタロス。
そのやり取りは一見仲が悪そうに見えるが、その実仲がいい者同士の喧嘩でしかなかった。
幻想郷では、珍しくもなんとも無い日常的な光景。
省19
139: 俺参上第七話前編(6/10)◆cedHmDsvEg 2010/04/18(日)03:42 ID:r8oLJrKc0(7/13) AAS
外の世界の常識。お酒は20歳になってから。幻想郷では到底通用しないルールである。
だが、だからといって良太郎がお酒を飲んでいい理由にはならない。
結局、良太郎の分の酒は萃香の口に入り、良太郎だけ霊夢の淹れたお茶を飲む事になった。
人間ではない萃香や文はさておき、明らかに良太郎より年下な霊夢と魔理沙までもが酒盛りをしている。
ハナも慣れないながらもお酒を口に運び、徐々に幻想郷の少女達に染められている。

「あら、ハナちゃんも意外といける口じゃない」
「全くだぜ。今度霊夢の代わりに異変解決やってみるか?」
省18
140: 俺参上第七話前編(7/10)◆cedHmDsvEg 2010/04/18(日)03:46 ID:r8oLJrKc0(8/13) AAS
「ぷはぁーっ! ……うっ、げほっ、げほっ!」
「あっ! おいおい、いきなり飛ばしすぎだぜモモタロス。一気飲みはやめといた方がいいぜ?」
「あん? わかんねぇからとりあえず最初からクライマックスで飲めばいいだろ。
 ……しっかしひでぇなこれ、喉が焼けそうだぜ」
「あはは、それがいいんじゃないか。もしかしてあんた……酒飲んだこと無いのかい?
 それにしちゃいい飲みっぷりだねぇ、気に入った。ほらもう一杯」
「おおっ、これはいい絵ですね! では写真を一枚」
省21
141: 俺参上第七話前編(8/10)◆cedHmDsvEg 2010/04/18(日)03:51 ID:r8oLJrKc0(9/13) AAS
「あの食べ方は……特別って言うか、何て言うか」
「ま、あなたたちも外の世界の人間って割には私達と感性近いしね。
 もしよければもう少し聞かせてくれないかしら? あなた達の異変解決について」

酒と料理。不思議な体験。これは宴会を盛り上げるのに十分すぎるほどうってつけの資源であった。
少女と青年、そして赤鬼っぽい生き物の談笑の声と、シャッターの音が博麗神社の境内にずっと響き渡る。
即席の宴会のはずなのだが、盛り上がり方はまるで前から段取りしてあったかのようなものであった。

気がつけば、博麗神社に貯蔵してあった酒もだいぶ空いてきている。
省21
142: 俺参上第七話前編(9/10)◆cedHmDsvEg 2010/04/18(日)03:52 ID:r8oLJrKc0(10/13) AAS
萃香に実力のお墨付きを貰うも、良太郎に喧嘩禁止令を出されてしまう。
かつて、まだモモタロスが自らの体を持っていなかった頃に良太郎と揉めに揉めて以来
モモタロスは良太郎に頭が上がらない節がある。そんな彼に禁止令を出されてはモモタロスも強気には出られない。
もし良太郎が禁止令を出さなくとも、ハナが力ずくでも止めるだろう。
良太郎がモモタロスを制御しない事など、まずありえないのだが。

「さてと、では私はこの辺で。そろそろ新聞の記事も書かないといけませんし」
「おう、カラス女! 俺の事はカッコよく書けよ?」
省19
143: 俺参上第七話前編(10/11)◆cedHmDsvEg 2010/04/18(日)03:54 ID:r8oLJrKc0(11/13) AAS
霊夢がそれに気づく頃、白黒の魔法使いは既に逃げ帰る準備をしていた。
時間も時間だから、帰る行為自体はなんら問題ではない。
後片付けもせずに帰るのが、霊夢には気に入らないだけであった。

「じゃ、私も帰るぜ。また明日なー!」
「あっ、こら魔理沙! 後片付けぐらいしていきなさいよ!」

魔理沙もまた、箒にまたがって夜の空へと消えていった。
それを追いかけるように放たれた少女の咆哮も、やはりまた闇夜へと吸い込まれていったのだった。
省19
144: 俺参上第七話前編(11/11)◆cedHmDsvEg 2010/04/18(日)03:57 ID:r8oLJrKc0(12/13) AAS
「こっちも終わったわ。7人分を4人でやったからそんな大仕事でもなかったし」
「あったりめぇだ……あーっ、頭ふらふらしてきたし、終わった事だし先に寝てもいいか?」

ハナもモモタロスも、相当に眠い。モモタロスに至っては、もうすでにそのまま地面に突っ伏しそうな勢いである。
というか、もういびきを立てて寝ている。仲間のイマジン・キンタロスほどうるさいいびきではないが。

「モモ、起きなさい! 風邪引くでしょ!」
「う〜ん……俺、就寝……ぐぉぉぉぉぉぉ……」
「ちょっ……こんなところで寝ないでよ!? ……うぎぎぎっ!!
省18
145: ◆cedHmDsvEg 2010/04/18(日)04:08 ID:r8oLJrKc0(13/13) AAS
と言うわけで第七話前半部分でした。
偏見かもしれませんが喧嘩(弾幕ごっこ)して酒飲んで何ぼってイメージが強いです、東方は。

良太郎はTV本編の際18→19歳だったので誕生日前の今回はまだNG。
ハナさんは良太郎より1つ上とDVDにあったため、めでたく(?)飲酒できました。
コハナ状態ですけど中身は変わってませんし
見た目同い年ぐらいなのが既に飲酒してますからね、幻想郷では。

でも実際に撮影とかあったら絶対NGシーンだこれw
152: ◆cedHmDsvEg 2010/05/06(木)02:12 ID:Tk/U8s5w0(1/13) AAS
唐突に投下します。
前回注意書きを失念してしまったのでもう一度。

・この作品は「東方Project」と「仮面ライダー電王」の二次創作作品です。
・この作品には二次設定・独自設定が含まれております。
・この作品には戦闘シーンや暴力的なシーンが含まれております。
・この作品は「東方Project」及び「仮面ライダー電王」の原作及び他の二次創作作品とは一切関係ありません。
153: 俺参上第七話中編(1/11)◆cedHmDsvEg 2010/05/06(木)02:14 ID:Tk/U8s5w0(2/13) AAS
深夜、子正の刻――0時。太陽は当に沈み月がその空を照らすどころか、今日と明日の境界となる時間。
人は眠る逢魔が刻、妖怪の時間。幻想郷も、その表情を明らかに変えていた。
この時間に出歩く事は、命を投げ出す事と同義とも言える。
飛び回る妖精達も昼間とはその表情が違い、妖怪の数も多い。
今人間にとって安全な場所は、人間の里か、博麗神社の境内位しかない。

時折、哀れにも犠牲になった人間の悲鳴が聞こえる。最も、哀れな犠牲者と言っても
罪を犯したり、自殺志願の末に迷い込んだり、幻想郷の外の世界で必要とされなくなった人間ばかり。
省20
154: 俺参上第七話中編(2/11)◆cedHmDsvEg 2010/05/06(木)02:17 ID:Tk/U8s5w0(3/13) AAS
「あれれ? ねぇ、あなたは食べられる……人間? 妖怪?」
「どちらでもない。お前に恨みは無いが契約のためだ、消えてもらうぞ」

ルーミアの注意がオウルイマジンへと行き、オウルイマジンの契約者となった男はその場から逃げ出す。
直後、オウルイマジンはルーミアと思しき暗闇へ矢羽を放つ。
ルーミアの妖力による弾丸と相殺されているのか、暗闇の中を爆発が照らす。
そこには、確かに赤いお札のリボンをつけた金髪の少女がいた。

「ちょっと、何すんのよー」
省20
155: 俺参上第七話中編(3/11)◆cedHmDsvEg 2010/05/06(木)02:20 ID:Tk/U8s5w0(4/13) AAS
「そういえば、どの時間に飛べばいいのだろうな。気づけばわけのわからん生き物が闊歩している世界だ。
 時間の中で砂まみれでいるよりはよっぽどマシだが……む?」

吐き捨てるように、付近を飛んでいる妖精や毛玉のようなものをペン先型の剣で叩き落したりしながら
無駄に力を誇示するオウルイマジン。さっきから付きまとわれて仕方が無いのだ。
本人が苛立ちを妖精や毛玉にぶつけているのもあるのかもしれないが。まるでどこかの巫女のように。

――……せよ。そう……らの……間……がる……って……するよ

「『神社を破壊しろ』? この頭に響く煩い声も久しぶりだな……誰の声かは忘れたが。
省15
156: 俺参上第七話中編(4/11)◆cedHmDsvEg 2010/05/06(木)02:24 ID:Tk/U8s5w0(5/13) AAS
翌朝、魔法の森のとある大木。三妖精の住処。
昨日あんな目にあったにもかかわらず、今日もいつもと変わらぬ朝。
いつの間にか起きているスターに太陽の光の妖精の癖にねぼすけのサニー。
彼女らは気持ちのいい朝を謳歌しているが、一人ルナは朝っぱらから青ざめた顔をしていた。

「どしたのルナ? もしかして二日酔い?」
「違うわよ。昨日夜の散歩してたんだけど……出たのよ」
「出たって……幽霊でも出たの? そんなの珍しく無いじゃない。それに幽霊怖いんだったら
省19
157: 俺参上第七話中編(5/11)◆cedHmDsvEg 2010/05/06(木)02:26 ID:Tk/U8s5w0(6/13) AAS
「……って、誰か良太郎さんがどこにいるか知ってる?」
「昨日、博麗神社の宴会にいたところまでは知ってるけど……」
「って言うか、良太郎さんって外の世界の人間よね? じゃあまだ博麗神社じゃない?
 他にあの時間、外の世界の人間が行く場所なんて無いだろうし」

「「「結局、巫女の巣に入るのね……」」」

最高の救世主は、最悪の場所にいたのだった……
しかし、このままではまた妖精にとってイマジンに怯えながら暮らす日々に逆戻りとなる。
省20
158: 俺参上第七話中編(6/11)◆cedHmDsvEg 2010/05/06(木)02:29 ID:Tk/U8s5w0(7/13) AAS
少女説明中...

「イマジンも二日酔いするんだ……」
「あのバカモモ、今電王で戦えるのは自分だけだってのに何やってるのよ……
 頭に来たから思いっきり水ぶっ掛けてやったわ」
「適切な対応ねハナちゃん。酔っ払いにはよく冷えた水が一番よ」
「だからって頭からぶっ掛ける奴がいるかよハナクソ女……うーっ、頭いてぇ」

事のあらましはこうだ。昨夜の宴会でペースも知らずに飲み続けたモモタロス。
省26
159: 俺参上第七話中編(7/11)◆cedHmDsvEg 2010/05/06(木)02:31 ID:Tk/U8s5w0(8/13) AAS
博麗神社から少し離れた位置にある人間の里。
朝という事もあり、徐々に外に出てくる人間の数も増え、活気を増していく。
妖怪の時間は一先ず終わり、人間の時間が始まる。それはこの寺子屋にも言える事であった。

「ところで桜井。昨日は何の星を見ていたんだ?」
「妖怪の星座を調べようと眺めていたんですが……なかなか覚えられないですね」

人間が夜空の星に星座として意味を与えたように妖怪もまた夜空の星に思いを馳せ、星座として記していた。
桜井と呼ばれた外蓑の男は人間の身でありながら妖怪の星座にも興味を示していた。
省26
160: 俺参上第七話中編(8/11)◆cedHmDsvEg 2010/05/06(木)02:35 ID:Tk/U8s5w0(9/13) AAS
博麗神社、境内。
朝靄も晴れ、太陽の光と風が人間や他の朝型の生き物に活力を与えている。一人二日酔いの赤鬼っぽいのは不調だが。
行き倒れを布団の上に寝かしつけ、4人は霊夢の用意した朝食を食べ終えていた。
ちょうど食器も片付けを終え、後は今日の予定通り人里へ向けて出発する……はずだった。

「良太郎、こっちに来て! さっきの人が目を覚ましたの!」
「えっ!? わかった、今行くよ」

ハナに催促されるまま、社務所の一室へとたどり着く良太郎。モモタロスも着いてこようとしていたが
省21
161: 俺参上第七話中編(9/11)◆cedHmDsvEg 2010/05/06(木)02:38 ID:Tk/U8s5w0(10/13) AAS
「きゃっ、いきなり何す……こ、こいつって!」
「このっ、あんた離しなさいよ!」
「動くなよ。この特異点がどうなってもいいのならな」

人質。ありきたりだが、特定状況下では絶対の効力を発揮する戦術。
使い方次第ではこのようにスペルカードルールの制限下に持ち込むことさえ許さない。
いくらハナが強いと言っても、イマジンの怪力でねじ伏せられたらひとたまりも無いのだ。

「良太郎、私はいいから変身してこいつを倒して!」
省22
162: 俺参上第七話中編(10/11)◆cedHmDsvEg 2010/05/06(木)02:40 ID:Tk/U8s5w0(11/13) AAS
「う……あ……え?」
「さて、『お前の身を守る』という望みは果たしたぞ。契約完了だ!」

オウルイマジンは男を掴み起こしたまま、一方的に契約の完了を通知しハナを放り投げ男の中へと消えていく。
放り投げられたハナが悪態をつきながらもデンライナーのチケットを男の頭にかざす。
浮かび上がったのはオウルイマジンの姿と2008年10月5日の日付。
たった1日。イマジンは昨日へと飛んだのだ。

「あんの鳥意魔人め、絶対にぶっ飛ばしてやるわ!」
省14
163: 俺参上第七話中編(11/11)◆cedHmDsvEg 2010/05/06(木)02:45 ID:Tk/U8s5w0(12/13) AAS
デンライナーが過去へ飛んだ頃、人里の寺子屋では授業が滞りなく執り行われていた。
しかし、妙に外が騒がしい。子供達の声ではない。大人が何人か集まって、何やら相談している。

「静かに。何でもないからな。さ、続けるぞ。話を聞く時には私語はしないでくれ?」
「慧音先生、ちょっと……」

慧音は子供の注意をそらさせないようにしながら、授業を続けているが
子供の側は外の様子が気になって仕方が無い。
様子を見かねた桜井が、慧音にそっと耳打ちをし、静かに退室する。子供達に気づかれないように。
省20
164
(1): ◆cedHmDsvEg 2010/05/06(木)03:24 ID:Tk/U8s5w0(13/13) AAS
あ、ageてしまった……
とりあえず今回は以上です。

おまけ
・「特異点」について
ある基準 (regulation) の下、その基準が適用できない (singular な) 点である。
したがって、特異点は基準があって初めて認識され、「 - に於ける特異点」「 - に関する特異点」という呼ばれ方をする。
特異点という言葉は、数学と物理学の両方で用いられる。
省11
204: ◆cedHmDsvEg 2011/03/24(木)22:03 ID:IfDfZDkY0(1/12) AAS
誰もいない……復活するならいまのうち

流れ的には七話後編ですが、長いです。
後編−1、後編−2と区切らせていただきますのでご了承くださいませ。

「東方俺参上」これまでの3つの出来事!

1つ! 電王、野上良太郎が幻想郷の大木から落ちてきた!
2つ! 良太郎を追ってきたモモタロス、宴会で小さな百鬼夜行・伊吹萃香と大乱闘!
そして3つ! 平和な幻想郷に、悪事を働くイマジンの影!
省1
205: 俺参上第七話後編−1(1/10)◆cedHmDsvEg 2011/03/24(木)22:19 ID:IfDfZDkY0(2/12) AAS
・この作品は「東方Project」と「仮面ライダー電王」の二次創作作品です。
・この作品には二次設定・独自設定が含まれております。
・この作品には戦闘シーンや暴力的なシーンが含まれております。
・この作品は「東方Project」及び「仮面ライダー電王」の原作及び他の二次創作作品とは一切関係ありません。

2008年10月6日(第百二十三季九)の朝、人里・寺子屋前。

中では上白沢慧音が里の子供達に授業を行っているが、その外は騒々しい。
見たことも無い妖怪が現れ。見境無く暴れているという情報が入ってきたのだ。
省22
206: 俺参上第七話後編−1(2/10)◆cedHmDsvEg 2011/03/24(木)22:24 ID:IfDfZDkY0(3/12) AAS
2008年10月5日(第百二十三季九)、朝。
朝靄も取れ、陽も徐々に高くなっていく頃の博麗神社。境内には神社の主である霊夢と
人里に住む上白沢慧音、そして現代的な服を着た男が立っている。
霊夢は鳥居の内側から階段を見下ろすように立ち
大幣を振りかざしながら何かを念じている。

「これで、俺は家に帰れるんですかねぇ……?」
(しっ、儀式の最中です。静かにしてください)
省26
207: 俺参上第七話後編−1(3/10)◆cedHmDsvEg 2011/03/24(木)22:27 ID:IfDfZDkY0(4/12) AAS
「なるほど、思ったよりまじめに仕事してるじゃないか。噂は所詮噂に過ぎないって事か。
 ところで、今日来たのは別の用事もあるんだ。護身用の霊札を何枚か用意してくれないか?」
「里の新しい先生用でしょ。夜中に里の外に出るなんて、どうしてこう外の世界の人は
 やることが無茶なのかしら」

妖怪の時間である夜中に外を歩く外の世界出身の先生。
星を見るためとはいえあまりにもリスクが大きすぎる。
そんな彼の行動を、霊夢は話に聞き、呆れていた。
省21
208: 俺参上第七話後編−1(4/10)◆cedHmDsvEg 2011/03/24(木)22:32 ID:IfDfZDkY0(5/12) AAS
――……の紅白の……も……魔……から……せよ……

「またあの声か……少しうるさいぞ。何だろうと潰せばいいのだろうが!
 もう、奴を追う必要など無いのだからな!」

オウルイマジンの頭に響く声。それが何なのかは彼にもわからない。
だが、聞けば聞くほど不快感を煽られる声。イマジンは、元々破壊衝動の大きい存在である。
それはモモタロスら良太郎の仲間のイマジンとて例外ではない。
モモタロスらには良太郎やハナという制御があるのに対し、オウルイマジンにはそれが無い。
省29
209: 俺参上第七話後編−1(5/10)◆cedHmDsvEg 2011/03/24(木)22:35 ID:IfDfZDkY0(6/12) AAS
「ちょっと。いい加減弱いものいじめはやめたらどうなの?
 見てる分にも気分のいいものじゃないわ」
「全くだ、気にいらねぇな。せっかくナオミに酔い覚まし貰ったのに
 違う意味で気分が悪くなってきたぜ」
「む? 電王の後ろにいるのは……巫女か。貴様も時間を越えているのは本当だったようだな。
 馬鹿な巫女だ、こんな所にのこのこ来さえしなければ楽に死ねたものを」

イマジンは、明確に霊夢に対し殺意を向けていた。それはイマジンが電王に向ける殺意と等しく
省26
210: 俺参上第七話後編−1(6/10)◆cedHmDsvEg 2011/03/24(木)22:42 ID:IfDfZDkY0(7/12) AAS
ポーズでもなんでもない、イマジンから発せられる殺意。
幻想郷に住む宵闇の妖怪が人を食うとのたまうのとは全く違う。
普段の異変でもそう体感した事の無い威圧感。
霊夢の忠告も、幻想郷の掟も、イマジンの前には砂利程度の価値しかなかった。
幻想郷の妖怪は、博麗の巫女を殺せない。そんなルールは、イマジンには無い。
霊夢の眼に恐怖の色が映ったと見るやオウルイマジンはペン型の剣を手に突撃してくる。
しかし、霊夢に恐怖を与えても、良太郎とモモタロスには一切効果が無く。
省26
211: 俺参上第七話後編−1(7/10)◆cedHmDsvEg 2011/03/24(木)22:44 ID:IfDfZDkY0(8/12) AAS
「冗談言わないで頂戴モモタロス! 私はね、博麗の巫女なのよ。
 外の世界のだろうと何だろうと、妖怪に舐められたままで引き下がれるもんですか!」

奥歯を食いしばり、恐怖を払いのけ霊夢はオウルイマジンに向けて啖呵を切る。
普段は博麗の巫女としての自覚などどこ吹く風とばかりの生活を送っている彼女だが
神社を危険に晒し、幻想郷に相応しくないほどの暴れ方をするオウルイマジンを前にすれば
いくら暢気な彼女とて黙って見過ごすことは出来なかった。
放置しておけば単純に自分の生活や生命が危ないという理由もあるだろうが。
省24
212: 俺参上第七話後編−1(8/10)◆cedHmDsvEg 2011/03/24(木)22:47 ID:IfDfZDkY0(9/12) AAS
口上「俺参上」

『俺、参上!!』
「……やっぱそれはやるのね。けれど、そういうのも悪くないかもって思えてきたわ!」

再び幻想郷に参上した電王に、霊夢は賛辞を送る。
妖怪退治の寓話の主人公のような単純明快さ。
自身も妖怪退治の寓話の主人公とも言える存在だけに
霊夢は電王の行為を自身と照らし合わせ首を傾げもするし、肯定もする。
省24
213: 俺参上第七話後編−1(9/10)◆cedHmDsvEg 2011/03/24(木)22:49 ID:IfDfZDkY0(10/12) AAS
「お、おのれ……!!」
『なぁ、気に入らねぇ奴にはどうするか知ってるか?』
「どうしたの急に? そんなの決まってるじゃない」

     んだよ!!
こうする
     のよ!!

追い打ちをかけるように、電王と霊夢の蹴りが同時にオウルイマジンに入る。
省20
214: 俺参上第七話後編−1(10/10)◆cedHmDsvEg 2011/03/24(木)22:56 ID:IfDfZDkY0(11/12) AAS
「あんたが理解しようがしまいがどっちでもいいけど、幻想郷で一番大事なことを教えてあげるわ!」
「何っ、電王ではなく貴様が飛んだだと!? おのれ、巫女が飛ぶなど戯言ではなかったのか!」

息をするように、霊夢は宙へと浮かび、そのままオウルイマジンの目の前の高さまで上がる。
その右手には霊札ではない、ただの紙――スペルカード。
しかし今から繰り出されるものは、ただの紙ではない。
元来は遊びのためのものだが、今はそうも言っていられない。

霊符「夢想封印」
省14
215: ◆cedHmDsvEg 2011/03/24(木)23:12 ID:IfDfZDkY0(12/12) AAS
今回は以上です。

前回から相当間が空いてしまいましたが、また不定期に投下させていただく所存であります。
心待ちにしていた方、いらっしゃいましたらお待たせして申し訳ありませんでした。
219: ◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)01:31 ID:2bdQVyfM0(1/15) AAS
>>218
潜入弾幕アクションとな
調理法によっては実に興味深いものになるかも

……ごめんなさいアサクリはわからないのでggりました

第七話後編パート2、投下します。

・この作品は「東方Project」と「仮面ライダー電王」の二次創作作品です。
・この作品には二次設定・独自設定が含まれております。
省2
220: 俺参上第七話後編−2(1/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)01:44 ID:2bdQVyfM0(2/15) AAS
光の珠に飲み込まれ、時の砂へとオウルイマジンは還っていく……はずだった。
光の珠が消えた後、オウルイマジンはまだそこにいた。
まるで糸の切れた人形のようにうなだれながら、その体を砂嵐のノイズのようにかき消しながら。

(……ま、まさか! まずいモモタロス、あのイマジン、暴走する!!)
『何ぃ!? おいボロ服女、今度はマジでやべぇ、今からデンライナー呼ぶからとっとと乗りやがれ!』
「ちょっと、私に指図しないでよ……って何じゃありゃぁ!?」

そこにいたのは、オウルイマジン「だったもの」。その大きさは優に10倍はある。
省23
221: 俺参上第七話後編−2(2/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)01:47 ID:2bdQVyfM0(3/15) AAS
空に虹色の空間が現れ、その中から線路を生成しながらデンライナーが到着する。
ギガンデスの追撃をかわすように、二人はデンライナーに飛び込む。
デンライナー。時を越える列車であると同時に、暴走したイマジンへの抑止力も備え持った
戦闘列車でもある。到着したデンライナーは、先頭4両から後ろを切り離し
ギガンデスへ向けてその進路を切り替える。

そのデンライナーの操縦室。ここでは電王が既にギガンデスとの戦いの準備を完了していた。
デンライナーを操縦するのは操縦桿ではなく白い自動二輪車。マシンデンバード。
省23
222: 俺参上第七話後編−2(3/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)01:51 ID:2bdQVyfM0(4/15) AAS
『いいから黙ってつかまってろ! 行くぜ行くぜ行くぜ!!』
「ちょっ、いきなり飛ばさないでよ!」

電王は、デンバードのアクセルを思いっきり回す。勢いよくチェーンと後輪が回り
それと同時に前方に写る画面の動きも加速する。
目標は暴れまわるギガンデス。アクセルを全開にして間もなく捉える事に成功する。
捉えた後はどうするか。まさか体当たりをするわけにもいかない。

「それで、武器はあるの?」
省20
223: 俺参上第七話後編−2(4/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)01:55 ID:2bdQVyfM0(5/15) AAS
いつもなら、既にデンライナーがギガンデスを撃ち落とし、決着がついているはずだった。
だが、今回のギガンデス。妙にすばしっこい。デンライナーの攻撃をことごとくかわしているのだ。
デンライナーと対峙出来るほどの巨体のどこに、こんな小回りが利く機動性があるのだろう。
負けじとデンライナーも、冒険映画にでも出てきそうな鉱山のトロッコのような動きで応戦するが
今度はギガンデスの攻撃を防ぐのに手一杯になってしまう。
押されてるとまでは言えないが、優勢でも無かった。弾幕戦。これはもはやごっこなどではない。
互いに本気の弾幕戦。霊夢らが普段やっているごっこからは流儀に反するが
省25
224: 俺参上第七話後編−2(5/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)01:58 ID:2bdQVyfM0(6/15) AAS
『動きを止めるだけでいいからな! 後は俺らがぶっ放すから
 おめぇも撃たれないように離れとけよ!』
「むっ。何かあんたにだけは命令されたくない気がする、何でか知らないけどさ。
 ま、こいつは暴れ甲斐がありそうだし、いらいらするのはこいつにぶつけるとしようか!」
「んな事言ってる場合じゃないでしょ! あんたも神社壊さないでよね!」

萃香の投げた鎖が、ギガンデスを捕らえる。
その隙をついて、デンライナーはデンバードを格納し、再発進する。
省21
225: 俺参上第七話後編−2(6/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)02:02 ID:2bdQVyfM0(7/15) AAS
「終わったわよ。ちょっと『願掛け』してみたわ、試しにもう一度その武器のボタン押してみて」
『「願掛け」だぁ? おめぇ、そんなことのためにわざわざ……』
(モモタロス、いいから試してみて)

呆れながらも、良太郎に促され電王は再びデンバードのボタンを押す。
再び砲撃を開始するデンライナー。
だが、そこから繰り出される攻撃は今までのものとは違っていた。
その攻撃には、萃香も見覚えがあった。
省23
226: 俺参上第七話後編−2(7/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)02:05 ID:2bdQVyfM0(8/15) AAS
『へっ……何だか分からねぇがクライマックスだ!』
(うん。モモタロス、霊夢さん、行くよ!!)

斉射「巫女と桃太郎〜Double Action〜」

霊夢の手元に、デザインの変わったデンライナーによる砲撃が行われている絵柄の紙が
突如現れる。遊びでない弾幕戦ではあるが、スペルカードルールとしての体裁として
この攻撃の宣言であるスペルカードが霊夢の手元に今、存在する。
最も、これがギガンデス以外に使われることは恐らく無いだろうが。
省27
227: 俺参上第七話後編−2(8/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)02:08 ID:2bdQVyfM0(9/15) AAS
「……ほんと、おめぇもよく飽きずにこういうことやるよな」
「いいじゃない別に。良太郎、ターミナルまでならその人乗せてもいいってオーナーが言ってたわ」
「よかった。後でオーナーにお礼いっとかないとね」

本来ならば、博麗神社から帰ることができたはずの男。だが、それが帰ることができないでいた。
限定的ではあるが、良太郎らは男が帰る手助けをしようとしていたのだ。
食堂車に運び終え、後は男をターミナルまで輸送した後に元の時間……
……とは言えわずか1日後だが。そこに戻るだけである。
省19
228: 俺参上第七話後編−2(9/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)02:13 ID:2bdQVyfM0(10/15) AAS
ふと、ナオミが思い出したようにオーナーに尋ねる。
そもそもデンライナーが何故幻想郷を走っているのか。
やることがあると言った筈なのに、今は普通にモモタロスがコーヒーを飲み
良太郎とハナがいて、オーナーがチャーハンと格闘している。
幻想郷からの乗客として霊夢と契約者の男が乗っている。
この二名と、ハナの身長を除けば良太郎が電王として戦い始めたころの
デンライナーの車内とそう大差無い。
省30
229: 俺参上第七話後編−2(10/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)02:15 ID:2bdQVyfM0(11/15) AAS
ナオミの何気ない一言に霊夢は思わず突っ込むが、オーナーはナオミの意見に感心していた。
まるで、結界の異常にもイマジンが絡んでいるかもしれないといったニュアンスである。

「オーナー、それどういう意味ですか? まさかイマジンが幻想郷に迷い込んだ人を
 帰れなくしているとか……」
「現時点では、それについてはまだ何とも言えませんねぇ」
「でも実際騒ぎ起こしてるから、やっぱり異変は異変ね……本当、勘弁して欲しいわ」

オーナーの推理は、見事に当たっていた。幻想郷に迷い込んだのは、人間だけではない。
省23
230: 俺参上第七話後編−2(11/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)02:19 ID:2bdQVyfM0(12/15) AAS
ハナの号令で、一斉に掛け声を上げる。
チーム・デンライナーwith博麗の巫女、結成の瞬間である。
その光景にナオミは感激しながらも、思い出したようにマイクを手に取り
チャイムを鳴らしアナウンスを行う。

「まもなく、デンライナーは時の列車ターミナルに到着します。
 お降りの方は、お忘れ物の無いようにお願いします!」

アナウンスが響き、デンライナーはターミナルに到着する。
省25
231: 俺参上第七話後編−2(12/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)02:25 ID:2bdQVyfM0(13/15) AAS
オーナーとナオミに見送られ、4人はデンライナーを後にする。
ふと、霊夢はオーナーのありえない身体能力と胡散臭さ、どこからどこまでわかっているのか
まるで見等のつかない態度から、よく知る妖怪を想起せずにはいられなかった。

(わけのわからない程度の能力を持っている輩って、どこにでもいるものね。
 良太郎さん達の事を踏まえれば、確かに退治すべきはあの人じゃないわね)

デンライナーの扉を開けた先は、博麗神社。先日同様、拝殿が出口になっていたのだ。
太陽の高さから見て、デンライナーに乗ってからそれほど時間は経っていないように見える。
省5
232: ◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)02:27 ID:2bdQVyfM0(14/15) AAS
次回予告
昨日と今日。イマジンは同時に暴れていた。
初めてイマジンと真っ向から対峙する普通の魔法使い。
幻想郷にとって普通の魔法使いに、普通ではない想像の魔人は退治できるのか。
いや、巫女も電王もいない。やらなければならないのだ。

「私がお前らを退治してやるぜ」
「お前は俺達に潰されるよ!」
省12
233: ◆cedHmDsvEg 2011/04/11(月)02:41 ID:2bdQVyfM0(15/15) AAS
以上、話が進んでない気がしますが第七話でした。
等身大戦も大変なのに電車戦書こうとするから遅くなりました。
でもまた電車出ます。だって電王ですもの。

MOVIE大戦2010やらレッツゴーやら見終えた後だとライダーに限らず
ヒーローは幻想郷には似合わないのかもしれない、とも思いますが
東方俺参上は可能な限り続けていく所存です。

>>216
省4
235: ◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)01:56 ID:kEzV9Rag0(1/14) AAS
・この作品は「東方Project」と「仮面ライダー電王」の二次創作作品です。
・この作品には二次設定・独自設定が含まれております。
・この作品には戦闘シーンや暴力的なシーンが含まれております。
・この作品は「東方Project」及び「仮面ライダー電王」の原作及び他の二次創作作品とは一切関係ありません。
・この作品には「仮面ライダー電王」のTV本編ネタバレ要素が大いに含まれています New!!

以上抵抗のある方は恐れ入りますがトリップをNGに指定してくださいませ。

07:58
省2
236: 俺参上第八話前編(1/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)02:00 ID:kEzV9Rag0(2/14) AAS
時の列車デンライナー
次の駅は過去か、未来か、幻想か

東方俺参上 第八話
零符「ゼロからはじまるミステリー」

2008年10月6日(第百二十三季九)。

霊夢、ハナ、良太郎、モモタロスがイマジンを追って過去に飛び、博麗神社は閑散としていた。
ほんの数刻前の出来事である。それと入れ違いになるように、光の三妖精が恐る恐る
省19
237: 俺参上第八話前編(2/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)02:05 ID:kEzV9Rag0(3/14) AAS
「あ……あんな怪物、初めて見たぜ……!」

魔理沙は、霊夢と違い妖怪退治を生業としているわけではない。
それ故に、妖怪や怪物に対する知識も霊夢ほど持っているわけではない。
否、もし持っていたとしても、その異様な姿は幻想郷のどこにもいない。誰の記憶にも無い
砂から生まれた怪物の成れの果て。その異様な姿に目を奪われ、魔理沙は後ろに現れた
「それ」に全く気づかなかった。気づけなかったのだ。
唯一気付いたスターも、「それ」がいる場所の異質さから、足がすくんでしまっている。
省21
238: 俺参上第八話前編(3/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)02:08 ID:kEzV9Rag0(4/14) AAS
「そうか、お前らイマジンだな? せっかくだから教えてやるぜ、弾幕ごっこってのはな……」

魔理沙は人と妖怪が肩を並べて暮らすことができる
幻想郷を、スペルカードルールを気に入っている。
知らないのならば教えてやればいい。たとえ相手がイマジンでも。
不意打ちの件をさらりと流し、魔理沙はイマジンに弾幕ごっこのレクチャーを試みた。
しかし、侵略者が何故侵略する相手の条件に従わなければならないのだろうか。
魔理沙には互角の条件で精一杯戦える素敵なルールでも
省25
239: 俺参上第八話前編(4/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)02:11 ID:kEzV9Rag0(5/14) AAS
(まだいくらか地面の下にいるみたいね、このままじゃ私達も巻き込まれるわよ)
(もう巻き込まれてるわよ……)
(まだ良太郎さんに意魔人退治をお願いしてないじゃない。
 それともルナの言ってた奴ってあいつら?)

サニーの問いに、ルナは首を横に振る。
ルナの言うイマジン――オウルイマジンは、既にここにはいない。
そのイマジンは、既に良太郎と霊夢が退治に向かっているが、彼女らは知る由も無い。
省28
240: 俺参上第八話前編(5/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)02:17 ID:kEzV9Rag0(6/14) AAS
「……ご生憎さま。攻撃を避けるのなんていつもやってる事だからさ。
 その程度じゃ私は倒せないぜ?」
「その割にはお前震えてるよ? びびってるの丸わかりだよ!」
「ならお前をバラバラにするまで続けるよ!」
「まずそうなミンチの出来上がりだよ!」

言うや否や、再びモールイマジンは魔理沙めがけて竜巻攻撃を繰り返す。
初めは難なくかわしていた魔理沙だったが、次第にモールイマジンの側も攻撃の角度を変えたり
省23
241: 俺参上第八話前編(6/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)02:19 ID:kEzV9Rag0(7/14) AAS
失恋「やけっぱちのマスタースパーク」

「ばっ……かやろぉぉぉぉぉっ!!」

霧雨魔理沙の代名詞ともいえるスペルカード。ただ一直線。
しかし最大限に輝き、見るものを圧倒する、まさに彼女らしい恋の符。
モールイマジンの竜巻にも、決して力負けすることなく、それどころか押し返した上に
攻撃を仕掛けたモールイマジンを打ち倒している。魔理沙の恋の力が、イマジンに勝ったのだ。

「こ、こんなガキのどぐぉぉぉぉぉぉっ!?」
省22
242: 俺参上第八話前編(7/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)02:24 ID:kEzV9Rag0(8/14) AAS
同じく衝撃を受けているものがいた。既にイマジンとの戦いは目撃している光の三妖精。
彼女らも初めは衝撃を受けたが、やはり妖精と人間の感性の違いゆえか
今の魔理沙のような衝撃を受けてはいない。
彼女らは精神的なものに加え、物理的に衝撃を受けていたのだ。それももっと単純なレベルで。

「で、毎度毎度こうなっちゃうわけだけど」
「ルナ……いくら毎度のこととはいえ開き直らないでよ……今の状態本当にやばいってば」
「ご、ごめんなさいごめんなさい! 何でもしますから許してください!」
省24
243: 俺参上第八話前編(8/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)02:26 ID:kEzV9Rag0(9/14) AAS
「な、何? この音……河童の渓谷からたまに聞こえる音に似てるけど……」

未知の怪物が入り込んだとき、ヒーローもまた入り込んでいたのだ。
幻想郷に似つかわしくないエンジンの駆動音を響かせながら
土煙を巻き上げてそれは神社の境内に突っ込んできた。
魔理沙の前を横切り、三妖精とイマジンの間に割り込んだ駆動音――マシンゼロホーン。
それには緑色の鎧を纏い同じく緑色の二頭の牛を象った仮面をつけた男が跨っていた。
かつて遠目に見た電王とは、どこか似通っていて、全く別の者。その名は――ゼロノス。
省15
244: 俺参上第八話前編(9/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)02:29 ID:kEzV9Rag0(10/14) AAS
「言ってくれるよ。ゼロノス一人で何ができるよ!」

ゼロノスの口上。その内容はどこか子供の喧嘩っぽいが
声は大人の男性らしく、落ち着きがありそれが却って言葉に説得力を持たせていた。
モールイマジンの側も、貧弱な妖精よりも手ごたえのある獲物――ゼロノスを見つけたことで
その攻撃性をより増していた。それどころか、ちらほらと増援が地下から出現している。
ルナを抱えていたモールイマジンも、もうルナには興味ないとばかりにルナを乱暴に放り投げる。

「その前に、その子を離せ」
省25
245: 俺参上第八話前編(10/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)02:31 ID:kEzV9Rag0(11/14) AAS
(あれが、スペルカードルールじゃないマジの戦い……
 妖怪連中はともかく霊夢もあれ経験したことあんのかな……
 あんなのを、私は相手にしてたのか……)

次々とモールイマジンを撃退していくゼロノス。そのボウガン捌きは、それ自体が
スペルカードルールで用いられる弾幕であるかのような美しささえ醸し出していた。
弾幕としての美しさではなく、武芸としての美しさ。軽快な動きでモールイマジンを翻弄しながら
的確にゼロガッシャーで射抜いていく。弾幕とは違うが、これはこれで美しさを競う競技ならば
省22
246: 俺参上第八話前編(11/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)02:35 ID:kEzV9Rag0(12/14) AAS
「……よく持ちこたえてくれた。イマジンの相手などというとんでもない役目を負わせてしまい
 申し訳なく思う。私がもう少し早く来ることが出来ればよかったのだが」

ゼロガッシャーを腰に戻し、魔理沙に対し頭を下げるゼロノス。
しかし神社と4人の少女を守った功績は、4人一様に賞賛していた。

「私達はあんたのおかげで助かったんだ、頭あげてくれよ。でもって礼を言わせて欲しいぜ」
「そうだよ! 巫女はともかく良太郎さんがいないからどうなるかと思ったわ!」
「そうそう、やはり巫女じゃないヒーローは格が違うわね! 妖精だって助けてくれるし!」
省25
247: 俺参上第八話前編(12/12)◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)02:37 ID:kEzV9Rag0(13/14) AAS
「よかった……ちゃんと幻想郷を守ってくれる奴がいたんだ……よかった……
 ……あいつらにも、酒飲ませてやりたかったな……なぁ、霊夢……
 神社ぶっ壊したあいつだって、最後はちゃんと締められたのにな……なんでだろうな……」

その魔理沙の姿は、いつもの気丈で飄々とした姿とはあまりにもかけ離れていた。
その変わり様には三妖精もかける言葉を失い、ただ黙って見ているしかなかった。

博麗神社自体は、ついこの間地震で倒壊していた。
神社が壊れるくらいならば、魔理沙もここまで感極まりはしなかっただろう。
省25
248: ◆cedHmDsvEg 2011/04/20(水)03:04 ID:kEzV9Rag0(14/14) AAS
以上第八話前編でした。
突っ込まれる前に今回の話の部分について。
セルフでQ&Aやるのってどうなんだろう……

Q:魔理沙は旧作でスペカルール以外で戦っていたはずでは?
A:今作の舞台の幻想郷は、原作とは若干歴史が異なってます。
  その一つが旧作設定。一応神社の裏の池にはあの亀がいますが。
  魔理沙も旧作の戦いには参加してますが、今作ではその記憶はありません。
省11
251: ◆cedHmDsvEg 2011/04/30(土)03:30 ID:ramnd1Ig0(1/3) AAS
第八話中編近日投下予定です。
今回即興で幕間とセルフQ&Aの追記を投下します。

東方俺参上 第7.8話
活字「とある天狗の号外新聞(ドキュメント)」

2008年10月6日(第百二十三季九)。

妖怪の山にある天狗の集落。ここでは天狗が自分たちの社会を形成し
日々を程ほどに刺激を求めて生活している。
省24
252: ◆cedHmDsvEg 2011/04/30(土)03:33 ID:ramnd1Ig0(2/3) AAS
「幻想郷に、鬼? 参上?」
突如現れた赤鬼のような姿の妖怪。名をモモタロスといい、外の世界の妖怪らしい。
自称意魔人との事であるが以前伺った特徴
(先日掲載分「謎の妖怪『意魔人(いまじん)』の秘密に迫る! 上白沢慧音独占インタビュー!」を参照されたし)
とは、同行していた契約者と思しき外来人の青年――野上良太郎(19)と
互いに同意の上で行動を共にしていたり、過去へ飛ぼうともしない上に
全く契約と関係ないと思われる喧嘩を始めるなど少々異なる部分もあった。
省22
253
(1): ◆cedHmDsvEg 2011/04/30(土)04:03 ID:ramnd1Ig0(3/3) AAS
以上、西瓜VS桃の宴会後の文の動向でした。それにしても文はいつ寝てるのだろう。
やはり朝なのだろうか。朝だと新聞配るのに不具合が……無いだろうな、幻想郷だし。
とりあえず徹夜かまして新聞作ってさぁ寝るぞ、って形にはしましたが。
投下時間的に別に作者メタではありません、ええありませんとも。

>>249
今回のゼロノスにはそういったあからさまなヒーロー属性を持たせてあります。
中身は……この作品では既に幻想入りしてるあの人です。なので口調も本作オリジナル。
省22
256
(1): ◆cedHmDsvEg 2011/05/01(日)21:54 ID:YbwRdTGw0(1/15) AAS
>>255
ビーファイターでしたか
そもそも特撮系のクロスしてるのに
そっちを思い浮かべないってどうなんだ、自分……
ともかく教えてくださってありがとうございます

オーズのR映司っぷりに驚きつつも第八話中編投下します
以下抵抗のある方は恐れ入りますがトリップをNGに指定してくださいませ。
省5
257: 俺参上第八話中編(1/13)◆cedHmDsvEg 2011/05/01(日)21:57 ID:YbwRdTGw0(2/15) AAS
「あら魔理沙じゃない、あんた何しに来たの? ……どしたの、目赤いわよ?」
「……私は何でもない。何でもないんだ。
 なぁ霊夢。また、いつものように弾幕ごっこやら宴会やらやろうな……」

あまりにも突拍子も無い事を言い出す魔理沙に、霊夢も訝しむ。
確かに魔理沙の目は赤く、まるでさっきまで泣いていたようにさえ見える。

「どうしたのよ萃香みたいな事言い出したりして。宴会なんて昨夜やったばかりじゃない。
 ……私の留守中に、妙な奴らでも来たのね? 例えばそう、イマジンとか」
省22
258: 俺参上第八話中編(2/13)◆cedHmDsvEg 2011/05/01(日)22:00 ID:YbwRdTGw0(3/15) AAS
「何?」

魔理沙が尋ねようとした内容。それは先程共にイマジンと戦った戦士、ゼロノスについて。
細部は異なれど、使った道具や目的は、良太郎の電王と酷似していた。
魔理沙は、良太郎ならばゼロノスについて何か知ってるのではないかと思ったのだ。
その予想は、的中していた。聞けば、良太郎の答えられる範囲での答えは返ってきただろう。
ゼロノスは、かつて良太郎がイマジンと戦った際、一緒に戦った仲間なのだから。
しかし、魔理沙がその答えを聞くことは無かった。
省25
259: 俺参上第八話中編(3/13)◆cedHmDsvEg 2011/05/01(日)22:02 ID:YbwRdTGw0(4/15) AAS
「……それは今は置いておきなさいよ。それより、早いところ良太郎さん達を里まで連れて行くわよ。
 ただでさえイマジンのせいで時間食っちゃってるんだし」

良太郎らが里へ行く理由。それはイマジンについて知っている幻想郷の住人に会うため。
彼女は、里にいるらしい。もうひとつは未だ連絡がつかないウラタロスら
仲間のイマジンの手がかり探し。人間の里とはいえ友好的な妖怪もちらほらとやってきており
人間と妖怪双方の情報源を確保できるのだ。しかし、博麗神社から人間の里までは
少々距離がある。のんびり移動していたら里に着く頃には日が傾いているかもしれない。
省19
1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.045s