【テンプレ】東方クロススレ 8【必読!!】 (373レス)
上下前次1-新
1(5): 名前が無い程度の能力 2010/02/28(日)15:06 ID:vX3qH1e60(1) AAS
まず、荒れる元となるので作品同士の強さ議論・格付け、踏み台・蹂躙ネタの投下は
絶対に投下しないようにお願いします!!!
このように変わった理由は、下記のスレでお話いたします。
↓
したらばスレ:otaku_12555
ここは、東方作品とクロスオーバーさせてみたい作品を挙げて
ストーリーを妄想したり設定に関する考察をしてみたりするスレッドです。
省15
293: 俺参上第九話前編(6/10)◆cedHmDsvEg 2011/08/15(月)02:04 ID:HZLFiUYM0(7/13) AAS
里人説明中...
ウラタロスの第一の目的、自身への怒りの矛先を鎮める。
これはひとまず成功。次は第二の目的。この竹林からの脱出。
良太郎を探しにきた自分が迷子になっては元も子もない。
何とかして脱出し、仕切りなおさなければならない。
が、もはやこの目的は保留である。何せ、イマジンが現れたのだ。
竹林からの脱出はイマジン関連が解決してからのほうがいいだろう。
省31
294: 俺参上第九話前編(7/10)◆cedHmDsvEg 2011/08/15(月)02:07 ID:HZLFiUYM0(8/13) AAS
「……全く。今日も今日とててゐはどっか行っちゃうし、余計な仕事増えちゃうし……
放っぽって逃げたらお師匠様に何されるかわからないし……どうすりゃいいのよ全く」
「……お、薬売りのお嬢ちゃんじゃねぇか。今帰りか?」
(へーぇ。この子がさっきの話に出てた子か。なるほど確かに可愛いねぇ……
格好のおかげでウサ耳に変な意味がついてそうだけど)
てゐを探すという行為は、鈴仙にしてみれば面白くない。
何せ勝手気ままに動く妖怪兎は鈴仙だけでは手に負えない。
省29
295: 俺参上第九話前編(8/10)◆cedHmDsvEg 2011/08/15(月)02:10 ID:HZLFiUYM0(9/13) AAS
後ろであからさまな悪態をついている里の男性を無視しつつ
鈴仙の頭には一つの考えが浮かんでいた。
ウラタロスの言うことが本当ならば、てゐは既に帰っているのかもしれない。
実のところ、てゐ――妖怪兎共通の個性として、臆病という傾向が強い。
いくら妖怪としての力を得たとはいえ元は脆弱な兎である。
てゐの狡猾さもそれに端を発するものであり、自身が危険と見れば
安全な場所に逃げてもおかしくは無い。
省35
296: 俺参上第九話前編(9/10)◆cedHmDsvEg 2011/08/15(月)02:12 ID:HZLFiUYM0(10/13) AAS
疑問を投げかける鈴仙だが、ウラタロスはその疑問をあっさりとはぐらかす。
千の偽り万の嘘、をモットーとする彼もまた、てゐとためを張れるほどの嘘吐きっぷりなのだ。
そうでなくとも、ウラタロスはデンライナーのオーナーから「ここにはイマジンはいない」と聞いている。
それなのにイマジンの痕跡があるという事は、どう考えてもイレギュラーだ。
イマジンの凶暴性や危険度を顧みれば、下手に本当の事を話して
不安にさせるよりも伏せておいたほうがいいだろう。
「……僕もこの幻想郷って所はよく知らないんだけどさ。
省25
297: 俺参上第九話前編(10/10)◆cedHmDsvEg 2011/08/15(月)02:14 ID:HZLFiUYM0(11/13) AAS
一向に景色の変わらない竹林を歩いているうちに、一軒の大きな日本家屋が見えてくる。
表には「永遠亭」と記されている。
兎の聖地であり、人里に大きく貢献している薬屋が住んでいる場所であり
そして、永遠の姫が住むとも言われている場所。
竹林の奥深くにある日本家屋。土に不釣合いな白い砂を除けば、まさに幻想的な光景ともいえる。
「お師匠様、只今戻りました」
「ごめんください。少しお尋ねしたいことがございまして、お邪魔させていただきました
省18
298: ◆cedHmDsvEg 2011/08/15(月)02:35 ID:HZLFiUYM0(12/13) AAS
以上、第九話前編でした。
ここでのウラの行動が第八話後半での永琳に繋がってる流れになります。
>>283
ウラどころか(顔見せ程度ですが)キンちゃんやリュウタも出しちゃいました。
書いてる本人が色々出したい&絡ませたいキャラ居るのですが
まだそこまで話が進んでないジレンマ。
遅筆は申し訳なく思います。
省14
299: ◆cedHmDsvEg 2011/08/15(月)02:40 ID:HZLFiUYM0(13/13) AAS
追記
慧音や妹紅以外の、所謂「モブの里人」に「妖怪退治できる人居るの?」と言う意味です
この文章だと二人がスルーされてそうな気がしたので。
(妹紅は本作品では竹林某所在住、人里との交流激高、といった感じですが)
300: 名前が無い程度の能力 2011/08/28(日)15:34 ID:JIjQSXf20(1) AAS
300
301: 名前が無い程度の能力 2012/01/28(土)23:07 ID:IZROVzz.0(1) AAS
筆勢がすごいな
302: 名前が無い程度の能力 2012/03/18(日)10:47 ID:1BJ/DP.w0(1) AAS
えっ
303(1): 空の境界×東方◆8iqfbNauU2 2012/05/18(金)23:50 ID:cB9SbR92O携(1) AAS
朝に弱い訳ではない。
だが、人間は誰しも目が覚めたばかりだとまた眠りたい衝動に駆られる生き物のはずだ。
少なくとも、黒桐幹也はそういう考えを持ちあわせていた。
だから、「明日は四時に来るように」なんて言われた時は耳を疑った。
ただでさえ仕事の少ない会社(いや、会社といっていいか定かではない)なのに、朝早く出向けという。
理由を尋ねてもはぐらかされるばかりで真面目には答えてくれなかった。
だというのに、幹也は朝早くからきっちりと会社とは名ばかりの静寂なる廃墟へ足を運んでいた。
省8
304: ◆8iqfbNauU2 2012/05/19(土)00:09 ID:ad5PzTQYO携(1/4) AAS
結果を言えば今までで最高の珈琲が淹れれたといえなくもない。
幹也自身、妙な達成感に思わず拳を握りしめてしまう程にだ。ここまで自分が簡単な人間だとは想像していなかった。
とにかく珈琲をカップへ手早く移し、橙子の下へと運ぶ。
「随分時間とったのね」
彼女の言葉も最もだが、今は珈琲が先決である。
無言のままカップを差し出すと同時、軋む音と共に扉が開かれた。
「おはよう、し……き」
省11
305: ◆8iqfbNauU2 2012/05/19(土)22:58 ID:ad5PzTQYO携(2/4) AAS
さて、怒濤というか一瞬という表現が正しい朝は瞬きの如く過ぎ、気付けば四人は黒塗りのバンに乗り高速を走っていた。
所長の愛車であるいつものマイナー1000は、今回は狭すぎたようである。
バンの後部座席には僕と式が、助手席には鮮花が座っているのだが、得体の知れないものが載せられた荷台部分と前の鮮花の妙なプレッシャーのせいで、早くも僕はダウンしてしまいそうだった。
「所長、そういえば何処へ行くか全く聞いていないんですが」
何とかこの雰囲気に負けないように、ハンドルを握る所長に質問を投げた。
すると、ニヤリと橙子はバックミラー越しに獰猛な笑みを浮かべる。
「そういえば言ってなかったな。黒桐、お前幽霊は信じるか。あるいは妖怪でもいい」
省11
306: ◆8iqfbNauU2 2012/05/19(土)23:20 ID:ad5PzTQYO携(3/4) AAS
「だいたい本当に昔妖怪が居たってのか」
ようやく口を開いた式の第一声はそれだった。
相変わらず眠たそうな目をしているが、声は鋭利な刃のようだ。
対して橙子は大真面目に頷く。
「太古から日本には妖怪は存在していた。絵巻だって残っているだろう。鮮明に描かれた前時代の産物は事実として、私たちに妖怪が存在したことを示している。それだけじゃない、人間が妖怪を退治したなんて逸話は幾らでもある。それに、外国には妖精だっているんだ。日本に似たようなのが居たってなんら不思議でもない」
何だか言ってる事が滅茶苦茶に聞こえなくもないが、今まで自分が見てきたものを考えると妖怪がいたところで当然なのかもしれない。
式と鮮花は、確か妖精に直接遭遇しているはずだ。
省11
307: ◆8iqfbNauU2 2012/05/19(土)23:37 ID:ad5PzTQYO携(4/4) AAS
「じゃあどうしてわざわざ群馬なんかに出向こうっていうんです」
「目撃談がまだあるからだ。羽が生えてた奴だけじゃない。角が生えた奴や、幽霊のような霊魂まで目撃されているらしい。同じ山林でな」
しかしそれだけでわざわざ式や鮮花を連れて群馬まで行くのだろうか。
そんな黒桐の思考を看破したかのように、橙子は理由を語った。
「あまりに短期の目撃談に、ある寺の坊主がその山林に招かれたらしいんだがな、見たそうだ」
「見た、って。妖怪をですか」
いや、と首を振った彼女の瞳は、本当に愉しくて仕方がないといった風に笑っていた。
省10
308: ◆8iqfbNauU2 2012/05/20(日)00:06 ID:b/AqZPSEO携(1/3) AAS
群馬県までは約二時間半掛かって到着した。
目的の山は高速を降りて約三十分の所にあり、計三時間の長旅となった次第である。
バンを山林の麓に止めて車を降りる最中、式と橙子が目の色を変えて山を見つめるのを黒桐は何故だか不安な気持ちになった。
どう考えてもこれはアタリではないのだろうか。
魔眼を持ち合わせていない鮮花にも、二人が何かを見つけたのが解ったようで、同じように山林の奥を見つめていた。
「……これは、とんでもないな。結界というにはあまりにも大きい」
感動を圧し殺したような橙子の台詞にやはりか、と頭を抱えたくなる。
省15
309: ◆8iqfbNauU2 2012/05/20(日)00:29 ID:b/AqZPSEO携(2/3) AAS
「式!」
咎めるような鮮花の声に、式は悠然と振り返る。
「どうした」
「どうしたも恋したもないわよ。いきなり結界斬って妖怪でも出てきたらどうするつもり!」
鮮花の言葉に僕はハッとした。
もし目撃談の妖怪らしきものがこの結界の向こうにいるのなら、その結界を無闇に壊せば得体の知れない化け物が溢れ出す危険性がある。
だが、橙子はそれに、あくまで前を見つめたまま「大丈夫だ」と言った。
省23
310: ◆8iqfbNauU2 2012/05/20(日)00:31 ID:b/AqZPSEO携(3/3) AAS
とりあえず一区切りでありんす
拙い文章で大変お見苦しいかとは思いますが、当方初心者の為ご了承下さい
311: ◆cedHmDsvEg 2012/06/04(月)02:40 ID:eCCUS0.Y0(1) AAS
|`∞´〕
|0M0)
とりあえず生存報告をば。
HDDは吹っ飛んでしまったり私事がごたごたしたりしましたが何とか無事です。
時代は宇宙キタ━(゚∀゚)━!!どころかそろそろ次のライダーだったりして
地以前が舞台の本作品は凄く電王らしからぬ時代遅れ感満載ですが
また細々と続けますので思い出した頃に読んで頂ければ幸いです。
省2
312: ◆8iqfbNauU2 2012/06/19(火)22:38 ID:3n6gYZFAO携(1/2) AAS
随分間を空けて申し訳ありませんでした
続きです
――ここは、何処だ。
ただひたすらに広がる宇宙のような、果てのない場所で。虚無感にも似た身体の脱力感には何故だかデジャブを感じた。
そう、いつだか昏睡状態にいた時に自分が見ていたあの――
それだけ脳髄の隅で考えた刹那、白刃の一閃がその纏わりつく無限の空間を引き裂いていた。
眩い光に目を細めると、先程までの浮遊していたような感覚は消え、自らの足で地の上へと立っているのがわかる。無性に腹のたつアレは消えたようだ。
省8
313: ◆8iqfbNauU2 2012/06/19(火)23:00 ID:3n6gYZFAO携(2/2) AAS
「いらっしゃい」
恐らく自分に掛けられたであろう声に、ここが何かしらの店であった事実を確認する。
後ろで扉が軋みを上げて閉まった。
ぐるりと店内を見渡すと、棚の中に所狭しと詰められたガラクタのようなものと、大きな壺、傘立てに纏めて束ねられた刀が目に入る。驚くことにそれだけだった。何の店かわかりゃしない。
束ねられている刀が果たして本物なのかは見てみない事にはなんとも言えないが、確かめれば済む話だ。
カウンターの手前にあるそれらに近づくにつれ、番頭のようにその場に据え付けられた店員がこちらを見つめているのがわかった。
「何かオレの顔についてるか?」
省17
314: ◆8iqfbNauU2 2012/06/21(木)17:47 ID:fcG2Q3kkO携(1/3) AAS
気持ちの悪いまとわりつくような空間に呑み込まれ、身体が浮いているのがよくわかる。
だが、そんな事実は今の機嫌の悪さを前には怒りを助長する要因にしか成りえない。
右手には、先程拝借したまま返しそびれた刀が握られている。白塗りの鞘の、使われた形跡のない新品同然のものだ。
式は苛立ちに任せて帯のナイフではなく、刀によって空間を切り裂いた。
再び視界が光に覆われていく――
「これはまた…………」
感嘆したような声に我に返る。
省11
315: ◆8iqfbNauU2 2012/06/21(木)18:03 ID:fcG2Q3kkO携(2/3) AAS
自然に自分でもその視線の先を追ってしまう。
そして、過去に見た廃ビルに浮かぶ幽霊の光景と重なった。
「あなたたちは食べてもいい人類?」
少女が、浮かんでいた。
「さて、食べてもいい人類とやらが存在するのかは知らないが、それを決めるのは結局自分自身だろう」
「…………………………どっち?」
こんな状況だというのに気にした様子もなく燈子は浮遊する少女と相対した。
省17
316: ◆8iqfbNauU2 2012/06/21(木)18:20 ID:fcG2Q3kkO携(3/3) AAS
「驚いた。予想はしていたが、やはり妖怪だったのか」
燈子のみは相変わらず立っているだけのようだ。
そう思ったのもつかの間、宙に浮く少女は何かを放った。
緑色の綺麗なそれは、真っ直ぐに鮮花へと飛来するが、難なく回避することに成功する。
緑色のそれは地面に当たると弾けて消えた。地面には、見間違うことなく穴が空いている。
それを見て鮮花が僅かに動揺した。
「外れたー。……よいしょ」
省12
317: ◆cedHmDsvEg 2012/06/30(土)01:51 ID:Codt.6vo0(1/13) AAS
・この作品は「東方Project」と「仮面ライダー電王」の二次創作作品です。
・この作品には二次設定・独自設定が含まれております。
・この作品には戦闘シーンや暴力的なシーンが含まれております。
・この作品は「東方Project」及び「仮面ライダー電王」の原作及び他の二次創作作品とは一切関係ありません。
・この作品には「仮面ライダー電王」のTV本編ネタバレ要素が大いに含まれています
・この作品には作者オリジナルのイマジンが登場します New!!
以上抵抗のある方は恐れ入りますがトリップをNGに指定してくださいませ。
省1
318: 俺参上第九話中編(1/11)◆cedHmDsvEg 2012/06/30(土)01:54 ID:Codt.6vo0(2/13) AAS
「師匠、彼は浦島太郎、と仰ってるんですけど……」
「……!!」
永琳の表情が急変したのを、ウラタロスが見逃すはずも無かった。
しかし、目の前の半分こ看護師な美人と、実はとんだ食わせ物な浦島太郎の間にある因縁など
ウラタロスが知る由も無いし、永琳が一々見ず知らずのちょっと磯臭い青亀怪人に言うはずもない。
浦島太郎。またの名を水江浦島子。永琳はその名に覚えがあった。だが永琳の記憶にある瑞江浦島子と
目の前の自称浦島太郎の青い亀は、かつて月で見た時とあまりにも姿形が違いすぎる。
省17
319: 俺参上第九話中編(2/11)◆cedHmDsvEg 2012/06/30(土)01:56 ID:Codt.6vo0(3/13) AAS
「そ、そうだお師匠様! てゐ見ませんでした? ちょっとあいつがまた大変なことをしでかして……」
「(ナイス鈴仙ちゃん!)実は、とある怪物を追っているのです。その怪物が、てゐちゃんを狙っているそうなので、大事に至らないうちに……」
「なるほど……てゐなら、もうとっくに屋敷に帰ってきてるわよ。砂場にでも行ってきたのかしら、やけに砂っぽかったけど
(はて? 私の知る水江浦島子は妖怪退治をするタイプでは無かったはず。神様になって性格が変わったのかしら?)」
てゐの話題が出るや否や、家屋の奥の方が騒がしくなる。これ幸いとばかりに奥へ向かうウラタロスと鈴仙。
ウラタロスはこんな時にも女性に対する対応を変えない。少々の殺気を向けていた永琳に対してでさえ
「お話ならまた後でゆっくりと」と、愛想を振りまく始末である。そういった手合いは永琳自身数え切れないほど軽くあしらっているのだが。
省18
320: 俺参上第九話中編(3/11)◆cedHmDsvEg 2012/06/30(土)01:58 ID:Codt.6vo0(4/13) AAS
口上「僕に釣られてみる?」
「それじゃお前、僕に釣られてみる?」
「俺は魚じゃなくて兎だよっ!」
ラビットイマジンは短刀を、ウラタロスは槍に近い竿を、それぞれ武器として戦う。
その戦い方たるや、以前ここ永遠亭で繰り広げられた弾幕ごっことは全く異なり、舞台と相まって時代劇の殺陣に近い。
ウラタロスとラビットイマジンの力の差は歴然である事や、得物のリーチの都合もあり勝負はあっさりとついてしまう。
そう、まるで時代劇の殺陣において、主演の旗本に浪人が束になっても敵わないように。
省16
321: 俺参上第九話中編(4/11)◆cedHmDsvEg 2012/06/30(土)02:00 ID:Codt.6vo0(5/13) AAS
鈴仙も永遠亭の内部事情や構造には明るい。
もしラビットイマジンが罠を張っていたとしても、鈴仙が付けば危険性は大きく下がる。
そう言う意味では願ってもない事なのだが、いかんせんイマジンの相手は危険すぎる。
女の子を危険な目に遭わせるのはウラタロスの流儀に反する。
その事もあり、一旦は渋るウラタロスだが結局は承諾する。
「それじゃ、お願いしようかな。でも釣るのは僕の役目だからね。
女の子に怪我させるのは釣り場にゴミ捨てるくらい、礼儀のなってない話だからね」
省18
322: 俺参上第九話中編(5/11)◆cedHmDsvEg 2012/06/30(土)02:03 ID:Codt.6vo0(6/13) AAS
鈴仙はひと呼吸おき、赤い目で、能力を行使しないようにウラタロスを見据える。
このイマジンの説明が全て本当ならば、一番わからないのはウラタロス、ということになる。
鈴仙、いや永遠亭の住人も文々。新聞を購読している。
それはつまり、イマジンについての情報を多少偏ってはいるものの、少しは所持していることになる。
にも関わらず契約を結んでしまうのがイマジンの恐ろしいところでもあるのだが。
そしてそうなると一番わからないのはウラタロスら電王のイマジンということになる。
何せ記事に記されていたことほぼ全てが当てはまらない。
省19
323: 俺参上第九話中編(6/11)◆cedHmDsvEg 2012/06/30(土)02:05 ID:Codt.6vo0(7/13) AAS
「う、嘘でしょ……夢じゃ無かったんだ……わ、私とんでもないやつと……胡蝶夢丸のせいだと思ってたのに……!」
「て、てゐ! あんた、本当に意魔人と契約を……!?」
てゐから零れ落ちる白い砂は、たちまちに怪物の姿へと変化していく。
青い体に、傷だらけの巨体。両胸には「S」を模した傷があり、全体的なイメージは鮫のそれに近い。
本来の鮫と異なるのは、明らかに人型をして二本の足で立っており
その背中には鰭の代わりに鋸や鎚などの工具を背負っている。
因幡てゐの持つ「日本神話・因幡の白兎」から「鮫」をモチーフに現出したイマジン――シャークイマジン。
省18
324: 俺参上第九話中編(7/11)◆cedHmDsvEg 2012/06/30(土)02:06 ID:Codt.6vo0(8/13) AAS
「方法? わからない。おれ、願い叶えるだけ。
おまえ、願い叶える邪魔するなら、倒す。それに、契約、絶対。破棄、許さない」
「ちょ、ちょっとまって! 攻撃はしちゃダメ!
この永遠亭にいる兎やお師匠様、姫様は絶対に攻撃しちゃダメって言ったでしょ!」
てゐの制止により、一時は停止するシャークイマジン。だが、その程度の制止でイマジンは止まらない。
性格は律儀であっても、やはりイマジンはイマジンだったのだ。
無差別攻撃が、対象を絞った攻撃に変わったに過ぎない。
省18
325: 俺参上第九話中編(8/11)◆cedHmDsvEg 2012/06/30(土)02:07 ID:Codt.6vo0(9/13) AAS
「おまえ、逃げるな。おまえ逃げる、ここ壊れる。それ、契約違反」
「だ、だったら攻撃をやめればいいじゃない!」
鈴仙の至極当然のツッコミに、シャークイマジンの攻撃の手が止まる。
あまりにも馬鹿馬鹿しい流れに、思わずウラタロスも一瞬呆気にとられてしまう。
突っ込んだ鈴仙本人でさえ、何が起きたのか理解するのに時間がかかってしまった。
「むう。攻撃やめる、ここ壊れない。でも攻撃やめる、おまえたち逃げる。おれ、どうしたらいい?」
(あっ……今です、ウラタロスさん、てゐを追いかけましょう!)
省14
326: 俺参上第九話中編(9/11)◆cedHmDsvEg 2012/06/30(土)02:08 ID:Codt.6vo0(10/13) AAS
「でもこの契約内容、おれ何したらいいかわからない。むう」
しかし、シャークイマジンに願われた事は余程複雑であったのか、その場に座り込み考え込んでしまう。
馬鹿の考え休むに似たり、とはよく言ったものでそのままシャークイマジンは
小一時間も廊下を占領していたのだ。
こうなれば、永遠亭に住んでいる住人が不審に思わないはずがない。
まして廊下ともなれば、通りかかる人物の一人や二人、いても当然である。
「あら……? やけに今日は騒がしいと思ったけど、あなた誰?」
省15
327: 俺参上第九話中編(10/11)◆cedHmDsvEg 2012/06/30(土)02:10 ID:Codt.6vo0(11/13) AAS
(やはり、あの瑞江の意趣返しと見るべきかしら。うどんげ達の動向は知らないけど
今日の瑞江の妖怪の後で似たような妖怪に出くわすなんて……!)
おまけに永琳は永琳で致命的な勘違いをしてしまっている。ウラタロスに対する誤解も満足に解けないまま
シャークイマジンに出くわしてしまっている。これでは永遠亭に害する者の仲間と思われても不思議ではない。
客人として受け入れようとする輝夜と、警戒心で溢れかえっている永琳。
イマジンに対する対応は、真っ二つに分かれてしまっている。
「まぁいいわ。とりあえず彼にお話聞きたいし、客間まで通しましょ」
省19
328: 俺参上第九話中編(11/11)◆cedHmDsvEg 2012/06/30(土)02:11 ID:Codt.6vo0(12/13) AAS
「(……うぇ、やな想像しちゃったよ)鈴仙ちゃん、中に入るのは止したほうがいいんじゃないかな。
僕もある程度イマジンの気配はわかるけど、この中、結構いるよ?」
「うっ……となると、てゐはここにはいないかもしれませんね。確かめてみますか?」
そろりそろりと、物音を立てないように部屋の入口へと近づき、襖から聞き耳を立てる少女と青亀。
鈴仙の能力をもってすれば、気づかれぬように移動することなど容易いのだが
習慣、或いはノリかついつい隠密行動をとってしまう。
程なくして、襖を挟んだ向こう側から声が聞こえてくる。
省20
329: ◆cedHmDsvEg 2012/06/30(土)02:35 ID:Codt.6vo0(13/13) AAS
以上、第九話中編でした。
何だかタイトルの割にはてゐよりうどんげのが出番多いですが。
今回は登場イマジンの紹介。
ラビットイマジン
TV第31話冒頭に登場した個体と同外見。
「うさぎとかめ」のうさぎをモチーフに現出したイマジン。
TVでは鎌を使用したが、今回は短刀を使用。
省13
330: 名前が無い程度の能力 2012/08/26(日)17:00 ID:e6qDKSOg0(1) AAS
このスレ盛り上がってほしいなあ
アゲ
331: ◆cedHmDsvEg 2012/09/26(水)01:02 ID:Fn8udqY20(1/13) AAS
・この作品は「東方Project」と「仮面ライダー電王」の二次創作作品です。
・この作品には二次設定・独自設定が含まれております。
・この作品には戦闘シーンや暴力的なシーンが含まれております。
・この作品は「東方Project」及び「仮面ライダー電王」の原作及び他の二次創作作品とは一切関係ありません。
・この作品には「仮面ライダー電王」のTV本編ネタバレ要素が大いに含まれています
・この作品には作者オリジナルのイマジンが登場します New!!
以上抵抗のある方は恐れ入りますがトリップをNGに指定してくださいませ。
省3
332: 俺参上第九話後編(1/11)◆cedHmDsvEg 2012/09/26(水)01:03 ID:Fn8udqY20(2/13) AAS
―――
「まぁいいわ。お茶でも飲んでたら思い出すでしょ。イナバにでも用意させるから、そこの部屋で待ってて」
「むう、わかった。おれ、そうする」
ウラタロスと鈴仙がイマジンの根城を探り当てた頃、シャークイマジンは未だ二人と対峙していた。
素直に輝夜の提案に従うシャークイマジン。その言動に、凶悪なイマジンの面影はない。
姿形こそ凶悪であるが、今はただの強面の妖怪にしか見えない。
客間に通されたシャークイマジン。座布団に座り、潜伏している宇宙人の如く卓袱台を囲む。
省14
333: 俺参上第九話後編(2/11)◆cedHmDsvEg 2012/09/26(水)01:06 ID:Fn8udqY20(3/13) AAS
通常ならばイマジンは勝手な解釈で契約を実行しようとする。
それは既に大多数のイナバを抑えているラビットイマジンを見れば瞭然である。
永琳も新聞記事の鵜呑みとは言え知識として有している。
勝手な行動をさせては、永遠亭がどうなるかわかったものではない。
シャークイマジンを勝手に動かすなど、永琳が首を縦に振るはずがなかった。
ただ一つ、ある人物の特権によるものを除いては。
「『幸せ』、お前、知ってるのか?」
省19
334: 俺参上第九話後編(3/11)◆cedHmDsvEg 2012/09/26(水)01:07 ID:Fn8udqY20(4/13) AAS
「……よろしいのですか?」
「最悪、私達『だけ』は無事よ。そこまで酷い事にもならないでしょうけど。
あの意魔人が本気で私達やここをどうこうするつもりなら
とっくに永遠亭の機能の半分は持ってかれているわ。
……永琳。彼の難題が一段落着いたら、一度全員健康診断でもしたらどうかしら?」
永琳の不安をよそに満足げに語る輝夜だが、最後に思い出したように驚き口を開く。
「どうしました、姫」
省16
335: 俺参上第九話後編(4/11)◆cedHmDsvEg 2012/09/26(水)01:09 ID:Fn8udqY20(5/13) AAS
「誰だ! そこにいるのは!」
「誰だっていいよ! ぶっ潰すチャンスだよ!」
思わず鈴仙を抱えて身を隠すウラタロス。さらにバラバラと出てきたラビットイマジンの軍団と
先程輝夜と話していたシャークイマジンが出くわしてしまう。
これでは、ウラタロスは身動きが取れない。
それ以上に、鈴仙は慣れない磯の香りを長い時間嗅がされることになっていた。
(嘘っ、よりによってこのタイミングで合流させちゃう!? これは当分動けないね……)
省18
336: 俺参上第九話後編(5/11)◆cedHmDsvEg 2012/09/26(水)01:11 ID:Fn8udqY20(6/13) AAS
ウラタロスと鈴仙、互いにシャークイマジンとラビットイマジンの動向を探りながら
息を潜め様子を伺う。その一つ一つの挙動が騒動を起こすイマジン。それが集団でいるのだ。
永遠亭が騒動の渦中に飲まれるのに、時間はかからなかった。
ラビットイマジンの一体が、得物を手にシャークイマジンに飛びかかったのだ。
「電王じゃなくったって、俺らの邪魔するんならぶっ潰してやるぜ!」
「やはり、おまえたち、敵。なら、おれ、戦う」
その一撃を皮切りに、次々とシャークイマジンに飛びかかるラビットイマジンの群れ。
省17
337: 俺参上第九話後編(6/11)◆cedHmDsvEg 2012/09/26(水)01:13 ID:Fn8udqY20(7/13) AAS
「お、おい、こいつ強いじゃんかよ!」
「こっちは数で勝ってるってのに、何てザマだよちきしょう!」
「だったら数を増やすんだよ、おいてめぇら!」
ラビットイマジンの一体が号令をかける。
すると、観衆の妖怪兎が次々とシャークイマジンに飛びかかり、動きを封じる。
その光景に、妖怪兎の後ろで見ていた輝夜と永琳は目を疑う。
「なっ、ちょっとこれどういうことなのよ!?」
省18
338: 俺参上第九話後編(7/11)◆cedHmDsvEg 2012/09/26(水)01:13 ID:Fn8udqY20(8/13) AAS
鈴仙の考えを見透かしたように、ウラタロスが提案する。
永遠亭のウサギと親交のある鈴仙ならば、という提案なのだが
実際のところ鈴仙にそれほど地上の妖怪兎との交流は無い。鈴仙がウサギを引き剥がすのに使うのは
ウラタロスが考えているそれとは全く別の手段である。
微妙に噛み合っていないが、目的は同じ。イマジンを取り押さえるために飛び出すウラタロスを
鈴仙が後ろからバックアップする。
後は、タイミングを見計らい、実行に移すだけだ。
省16
339: 俺参上第九話後編(8/11)◆cedHmDsvEg 2012/09/26(水)01:16 ID:Fn8udqY20(9/13) AAS
「なっ!? ちょ、ちょっとあんたたち! 相手が違うでしょ! 私に飛びかかってどうするのよ!」
「む? おまえたち、なにしてる? そいつ、ボス。おまえたち、相手、違う」
「残念だったなぁ! 『おまえが自分のボス』なんて記憶、こいつらには無いみたいだぜ? キャハハハハハッ!!」
ふと、永琳がてゐにのしかかっている妖怪兎の眼を見る。本来赤いはずの兎の目が、黒かったり緑色だったり
あらぬ色をしているのだ。体躯が小さいために見落としていたが、毛色もふわふわの白に緑やらピンクやら混じっている。
変異にしては妙な生え方である。同じタイミングで、ウラタロスもそれにようやく気付く。
しかし人質を取られている今、対処ができない。
省14
340: 俺参上第九話後編(9/11)◆cedHmDsvEg 2012/09/26(水)01:18 ID:Fn8udqY20(10/13) AAS
「さっきはごめんね、亀のお兄さん。でも私を助けてくれると信じてたよ?」
「それはどうも。僕は全ての女性の味方だからね。それに君のウサギさん達は、僕がしっかり連れ戻すからね」
「むう。おまえ、契約者守る? なら、おれ、おまえと戦わない。あいつらと、戦う」
先程までウラタロスを敵と認識していたシャークイマジンだが
てゐがウラタロスに対し全く敵意を見せていない現状を把握し、ウラタロスに対する警戒心を解く。
片や水色の亀怪人。片や紺色の鮫怪人。二体のいかつい男の影に隠れ、てゐはほっと胸をなでおろす。
妖怪兎達がぐったりしているが、てゐには誰の仕業か見当が付いている。なので、心配はしていない。
省19
341: 俺参上第九話後編(10/11)◆cedHmDsvEg 2012/09/26(水)01:19 ID:Fn8udqY20(11/13) AAS
―――
一方その頃、永遠亭の中でも輝夜の私室に次いで重要とされる、永琳の作った薬品の保管庫。
ここにある物は全て取り扱いに細心の注意を払わねばならないものである。
永琳が暇つぶしで作ったものから、実際に治療に使われるまで、薬品という薬品が全てここに貯蔵されている。
ある種聖域とも呼べるこの場所に、ひとつの影が立ち入ろうとしていた。
(……さて。注意は全て向こうに向かっているようでおじゃるな。それにしても彼奴も麿に盗人紛いの事をさせるとは。
麿は貴族であり、盗人では無いわ。ここに迷わず来れる者が麿以外に居ればよかったがの)
省8
342: ◆cedHmDsvEg 2012/09/26(水)01:20 ID:Fn8udqY20(12/13) AAS
次回予告
ラビットイマジンによる永遠亭の乗っ取りは失敗に終わった。
しかし、記憶を奪われた妖怪兎はまだ治らない。
彼らを治すためには、良太郎が持つ電王のパスが必要だ。
「野上良太郎、という人物を探して欲しいのです」
「……本来ならば、貴方の望みなど聞く耳持ちません。
ですが、貴方は姫様の恩人。今回は、私も力になりましょう」
省11
343: ◆cedHmDsvEg 2012/09/26(水)01:42 ID:Fn8udqY20(13/13) AAS
以上、第九話後編でした。
今回は盛大にナンバリング間違えてます、ごめんなさい。
今回のセルフQ&A
ところで、東方の怨霊って口授見る限りじゃ結構イマジンに近いような……
Q:妖怪兎がラビットイマジンに従っていた理由
A:相当数のラビットイマジンが永遠亭に潜り込んだうち、憑依して活動している連中です。
ウラタロスのチョンボっぷりがちと目立ちますね……てゐって前例があるってのに。
省8
344(1): 名前が無い程度の能力 2012/09/28(金)02:20 ID:X2nFAZMk0(1) AAS
侑斗が幻想入りした件について
345: 名前が無い程度の能力 2013/02/16(土)17:54 ID:wzGFjr3o0(1) AAS
鳥獣伎楽とパラッパ&ラミーのライブバトルを見てみたい
346: 名前が無い程度の能力 2013/03/21(木)22:42 ID:tkL6wDyI0(1) AAS
ひさしぶりにアタゴオルシリーズを読んだ。
ヒデヨシに幻想郷来て欲しいな。
347(1): 名前が無い程度の能力 [age] 2013/03/26(火)22:16 ID:EDDt7Pjk0(1) AAS
神奈子や早苗から外の世界ではお笑い芸人がいっぱいいて
お笑いがお茶の間を支配しているのと同然ということを知る霊夢と紫。
「せっかくだし外で一番面白い芸人さんを呼んで芸を披露してもらいましょう」
ということで早速外で一番人気のある芸人にスキマを仕掛けるが、そこへエガちゃんが
芸人に江頭アタックをくらわせ(バラエティの収録中だった)、入れ替わる形でスキマに入ってしまう。
黒のスパッツ(見かけほぼタイツ)で上半身裸の中年親父の登場に呆然とする紫。
「どーん!」と躊躇なく芸を披露するエガちゃん。響き渡る悲鳴。
省9
348(1): 名前が無い程度の能力 2013/03/27(水)00:17 ID:XVOIc07kO携(1) AAS
東方×パワポケ14で話を書いてみてる。
あらすじ
ブラックホールズに敗戦。あれから幾らか年が過ぎた。
様々なフィクションの世界が融合したパワポケの世界…
そして東方の世界も融合していた。
ちゃっかりと融合した幻想郷の存在を、ほとんどの人が知っていないだけで。
そして幻想郷の世界は野球の道具や野球に関わっていた人が割増で流れ込んできた影響で、
省17
349: ◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)02:56 ID:wCLd1qcU0(1/14) AAS
・この作品は「東方Project」と「仮面ライダー電王」の二次創作作品です。
・この作品には二次設定・独自設定が含まれております。
・この作品には戦闘シーンや暴力的なシーンが含まれております。
・この作品は「東方Project」及び「仮面ライダー電王」の原作及び他の二次創作作品とは一切関係ありません。
・この作品には「仮面ライダー電王」のTV本編ネタバレ要素が大いに含まれています
・この作品には作者オリジナルのイマジンが登場します New!!
以上抵抗のある方は恐れ入りますがトリップをNGに指定してくださいませ。
省7
350: 俺参上第十話前編(1/12)◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)02:59 ID:wCLd1qcU0(2/14) AAS
「突然だけど、一網打尽で行くよっ! 鈴仙ちゃん!」
「は、はいっ!」
それは、一瞬の決着であった。
幻惑「花冠視線(クラウンヴィジョン)」
縛符「ソリッドアタック」
鈴仙がラビットイマジン軍団の波長を操り、動きを狂わせる。
そこにウラタロスが投げつけたウラタロッドは、一瞬でラビットイマジンの軍団を捉える。
省15
351: 俺参上第十話前編(2/12)◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)03:01 ID:wCLd1qcU0(3/14) AAS
「おっと。みすみすお前を過去に行かせるわけないでしょ?」
「むう。やはりおまえ、敵。ここで、倒す」
向けられたウラタロッドを払い除け、ウラタロスめがけ鋸刀が襲い来る。
鋸刀の一閃を躱し、シャークイマジンの懐に潜り込み、当身をかけるも
ウラタロスのパワーではシャークイマジンを伸すには至らず、睨み合いに持ち込まれる。
永遠亭の廊下を舞台にした、イマジン同士の戦いは第二ラウンドに持ち込まれるかに見えた。
「はい待った。貴方達の間にどんな因縁があるのか知らないけど
省18
352: 俺参上第十話前編(3/12)◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)03:03 ID:wCLd1qcU0(4/14) AAS
東方俺参上 第十話
鮫亀「セイム・ゲイム」
「ちょっ……それまずいんじゃないの!? もし中身を盗まれたら……!」
「ん、わかった。おれ、みてくる」
「いいえ、私が見てきます。客人はお酒の席に参加なさってください。
それに、私が行けば薬を盗まれたかどうか、すぐにわかりますし。
泥棒退治程度でしたら、私にもできますわ」
省22
353: 俺参上第十話前編(4/12)◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)03:04 ID:wCLd1qcU0(5/14) AAS
賊の姿は、全く賊のイメージとはかけ離れている。賊などという言葉が失礼にあたるほどだ。
むしろ、昔の貴族を思わせる服装である。しかし、あくまでも服装、外見だけだ。
文官礼服を思わせる外見でこそあるものの、その貌は人間のそれではない。イマジンだ。
「ほほほ。麿に何用か? 麿は急ぎ故、そこを通してたもれ」
「……意魔人、ね。どうやら貴方達は、一枚岩の種族ってわけでも無いみたいね」
妙に時代がかった口調で話すイマジンに、永琳は毅然とした態度で臨む。
理由は一つ。そのイマジンの片手にあるものは、永琳が製作した薬品であるからだ。
省16
354: 俺参上第十話前編(5/12)◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)03:06 ID:wCLd1qcU0(6/14) AAS
永琳にとって、それこそ避けねばならない事態である。薬品は正しく使われて初めて薬として成り立つ。
それ以外の使い方をすれば、たちまち毒と化すのだ。故に、永琳は薬の作成には常に慎重に取り組む。
勝手な持ち出しなど、言語道断である。
「ほほほ……やはり賊の真似などという、慣れぬ事はせぬに限るの。
麿は貴族ゆえ、賊の真似などどだい無理な話だったのじゃ。
さて八意とやら。麿も名乗るのが筋でおじゃるが……
憎々しい事にそちに名乗る名を持ち合わせておらぬ。
省13
355: 俺参上第十話前編(6/12)◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)03:06 ID:wCLd1qcU0(7/14) AAS
永琳が文官礼服のイマジンと弾幕ごっこに見立てた真剣の戦いをしている最中。
ウラタロスとシャークイマジンを歓迎する宴会の準備は着々と進められていた。
もとよりお祭りが好きな幻想郷の住人。宴会ともなれば食いつかないはずもない。
輝夜らも様々な経緯を経て幻想郷へとやって来た身の上ではあるが
比較的すぐに幻想郷に馴染むことができた。
それからというもの、宴会の頻度も上がり催し事を開いたりさえしている。
呑気にしている美しい女性二人を他所に、怪物二人は真剣な面持ちで佇んでいる。
省16
356: 俺参上第十話前編(7/12)◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)03:07 ID:wCLd1qcU0(8/14) AAS
ラビットイマジンと戦ったシャークイマジンについては、今はおいておこう。
そもそもイマジンと戦うイマジンなど、ウラタロスにしてみれば珍しくもなんともない。
ただ唯一の共通点である「時の列車」が絡んでいない時点で、警戒するに越したことはないのだが。
それに、今やってきた賊というのもどうも引っかかる。
まるで騒動が起きるのを見計らったかのように物取りに入ったのだ。
やはり、賊の退治に乗り出すべきだっただろうか。
「ウラタロスさん、ウラタロスさんってば」
省19
357: 俺参上第十話前編(8/12)◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)03:08 ID:wCLd1qcU0(9/14) AAS
「やはり、おれ、行く。おれ、そいつ、倒す」
「え? し、しかし……」
シャークイマジンの突然の提案。ウラタロスの発言を遮るように出た提案。
イマジンと思しき賊相手ならば、イマジンが行けば解決するかもしれない。
一瞬、鈴仙にはそんな思考がよぎるがそれは同時に師匠である永琳の言いつけを破ったことにもなる。
「それに、おれ、ここ、いられない。契約者、こわがってる。だから、外、でる」
「……えっ?」
省14
358: 俺参上第十話前編(9/12)◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)03:09 ID:wCLd1qcU0(10/14) AAS
―――
宴会の準備の最中、永琳と賊の戦いは過熱していた。
永琳は本業こそ薬師であるものの、とある軍隊の刺客を退ける程度の実績はある。
それもルールのある弾幕ごっこではなく、実戦の上において、である。
「ほほほ。さすがは噂に違わぬ天才ぶりよの。
よもや文武両道の天才とは思ってもみなんじゃ。許してたもれ」
「そう仰るのであれば、その薬瓶を返していただけますか?
省17
359: 俺参上第十話前編(10/12)◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)03:10 ID:wCLd1qcU0(11/14) AAS
「天網蜘網捕蝶の法」
薬瓶だけを躱し、無数のレーザーがイマジンを貫く。
公家装束を炎に包み、イマジンは呆気なく地に伏し砂と化した。月の頭脳に歯向かった末路である。
「『天網恢恢疎にして漏らさず』。全て、あるべき場所に戻させてもらうわ……っ!?」
転げ落ちた薬瓶を永琳が拾い上げようとしたとき、左の足首に激痛が走る。
永琳は確かに不死身なのだが、痛覚は普通の人間と同様である。
思わず薬瓶を拾おうとした手を止め、膝を付き左足首の方角を見やる。
省14
360: 俺参上第十話前編(11/12)◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)03:12 ID:wCLd1qcU0(12/14) AAS
「おまえ、通さない。それ、おいてけ」
「ほほほ。イマジンが麿の邪魔をするとはの。
其の者の言うとおり、確かにイマジンも一枚岩ではおじゃらぬな。ほほほほほ……下がりゃ!」
公家装束のイマジンの一喝の後、床が突然炎を放つ。炎はシャークイマジンの動きを阻み
公家装束のイマジンに退路を与える形に燃え盛っている。
永遠亭が火事にならないのが、不思議なくらいの炎の勢いだ。
「ぐ、むっ」
省17
361: 俺参上第十話前編(12/12)◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)03:13 ID:wCLd1qcU0(13/14) AAS
縛符「オーラキャスト」
物陰に向かい炎を放つ公家装束のイマジン。物陰から苦し紛れに放たれた一撃は辛うじて命中するが
そもそもこの攻撃に殺傷力はない。が、動きを封じる意味では非常に優れた一手である。
物陰にいた主――ウラタロスはその隙を突き、すかさず永琳に駆け寄る。
「くっ、わ、私のことよりもあいつの手にある物を……あれは……!」
「今は永琳さんの方が大事だよ。僕は女性を放ってまで釣りに興じるつもりはないからね」
永琳の制止を無視し、ウラタロスは永琳を抱え、この場を引き上げる。
省11
362: ◆cedHmDsvEg 2013/05/06(月)03:47 ID:wCLd1qcU0(14/14) AAS
以上、第十話前編でした。
今回のセルフQ&Aはこの一点のみとさせていただきます。
Q:東方激獣拳?
A:
獣を心に感じ、獣の力を手にする拳法、「獣拳(じゅうけん)」。獣拳に、相対する二つの流派あり。
一つ、正義の獣拳「激獣拳(げきじゅうけん)ビーストアーツ」
一つ、邪悪な獣拳「臨獣拳(りんじゅうけん)アクガタ」
省15
363: 名前が無い程度の能力 2013/06/02(日)23:56 ID:o20gaDYM0(1) AAS
鮫トレードって言葉があってだな
どう転んでもてゐは詐欺に縁があるのね
364: 名前が無い程度の能力 2013/07/23(火)00:23 ID:tZIsVDc60(1) AAS
アメコミ勢放り込む妄想してたんだけどバットマンすごい苦労しそうでゆかい
365: 名前が無い程度の能力 2013/08/05(月)00:18 ID:NI7lqQAY0(1) AAS
外部リンク:scpjapan.wiki.fc2.com
幻想郷の「外で信じてる人がほとんど居なくなったものが来る」設定について、こういう「魔法の道具とか超科学で作られた道具とかを、
一般人の記憶を消したりしながら集めて、存在を隠し保管している組織」が居た場合どうなんだろ。
組織が外の世界で妖怪を捕獲したら、「研究施設に収容され調査されてる」ってことは「収容し一般人から存在を隠さなければいけない」
と思われるほど「恐ろしい存在だと信じられてる」ことになるんじゃね?。
366(1): 名前が無い程度の能力 2013/09/15(日)04:22 ID:34R5xu.s0(1) AAS
メガテンの悪魔が幻想入りしたらどうなるかね?
367: 名前が無い程度の能力 2013/09/29(日)10:04 ID:hh1nvU.c0(1) AAS
>>366
忙しい人のための幻想郷っぽくなる
368: <激写されました> [<激写されました>] <激写されました> AAS
<激写されました>
369: <激写されました> [<激写されました>] <激写されました> AAS
<激写されました>
370: 名前が無い程度の能力 2014/03/04(火)12:10 ID:DsiXYd6.0(1) AAS
3×3EYES勢とのクロス考えてる奴どっかにおらんかなー
東洋妖魔の女の子達だから親和性高いと思うんだけどなー
サンハーラで散った八雲を探していつのまにか幻想入りして八雲違いで一悶着とか
いっそ八雲もなんかの間違いで幻想郷で再生してるとか
371: 名前が無い程度の能力 2014/06/09(月)20:43 ID:E9jUFiT20(1/2) AAS
大阪チーム(GANTZ)×東方
小さめの部屋に、複数の男女が呼び出された。といっても、人に呼ばれたのではなく、黒い球ーーー此処に長く居る人間は[黒アメちゃん]と呼んでいるーーーによって、である。
大半は黒い全身タイツのような服に着替えているが、キョロキョロと周りを見回している人も居る。そのうち、一人のOLらしき女性が、長身の坊主頭の男性に声をかけた。
「あの〜···」
「···」
「此処って何処ですか?」
「···」
省7
372: 名前が無い程度の能力 [age] 2014/06/09(月)21:06 ID:E9jUFiT20(2/2) AAS
まだ続く。
P,S
誰か来てくれ!わざとageてます。
373: 名前が無い程度の能力 2014/06/12(木)19:51 ID:TktX95Q20(1) AAS
「ん···こいつかぁ?今日の相手は。」
「うおッ」
「あ〜かわええ〜。」
「···あれ、何時ものキモい奴らとちゃう···角あるけどそれ以外はフツーやん?珍しーなー。」
[黒アメちゃん]の表面に表示された映像を見て、十人十色の感想をもらす。後ろの方でOLがなにやら叫んでいるが、もう知らんわ、という顔で誰も相手をしようとしない。他に連れてこられた人も、もう諦めたようだ。
こうして[黒アメちゃん]に呼び出されたあと、しばらく自由ーーーといっても武器を選んだりスーツに着替えたりする時間だがーーーな時間があり、その時間がすぎると、[黒アメちゃん]の表示に、今回のミッションのターゲットが表示される。最近妖怪じみた化け物と戦ってきたメンバーは、意外と普通な星人の外見に驚いていた。
「あ、見て見て!ホラ、<星人>て書かれとらん!」
省6
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