【テンプレ】東方クロススレ 8【必読!!】 (373レス)
【テンプレ】東方クロススレ 8【必読!!】 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/
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331: ◆cedHmDsvEg [sage] ・この作品は「東方Project」と「仮面ライダー電王」の二次創作作品です。 ・この作品には二次設定・独自設定が含まれております。 ・この作品には戦闘シーンや暴力的なシーンが含まれております。 ・この作品は「東方Project」及び「仮面ライダー電王」の原作及び他の二次創作作品とは一切関係ありません。 ・この作品には「仮面ライダー電王」のTV本編ネタバレ要素が大いに含まれています ・この作品には作者オリジナルのイマジンが登場します New!! 以上抵抗のある方は恐れ入りますがトリップをNGに指定してくださいませ。 お久しぶりでございます。 この程度の更新ペースですので時々「あぁ、あんなのあったっけな」程度に認識して頂ければ 幸いでございます。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/331
332: 俺参上第九話後編(1/11) ◆cedHmDsvEg [sage] ――― 「まぁいいわ。お茶でも飲んでたら思い出すでしょ。イナバにでも用意させるから、そこの部屋で待ってて」 「むう、わかった。おれ、そうする」 ウラタロスと鈴仙がイマジンの根城を探り当てた頃、シャークイマジンは未だ二人と対峙していた。 素直に輝夜の提案に従うシャークイマジン。その言動に、凶悪なイマジンの面影はない。 姿形こそ凶悪であるが、今はただの強面の妖怪にしか見えない。 客間に通されたシャークイマジン。座布団に座り、潜伏している宇宙人の如く卓袱台を囲む。 向かい合うように腰を下ろす輝夜。イマジンが相手でも、全く怖気づいていない。 「単刀直入に言うわよ。あなたここの住人じゃないでしょ。 ……ああ、答えは聞いてないわ。見ればわかるもの。それにそれを咎めるつもりも無いわ、今の所はね」 「おまえ、何言いたい? おれ、願い叶えたい。それだけ」 対するシャークイマジンも、自分のペースを崩していない。互いに敵意こそ無いものの、話は未だ平行線である。 「その契約者……うどんげの話から察するに、おそらくはてゐね。てゐは貴方に何を願ったの?」 「『幸せ』。おれ、それわからない。だから困ってる」 因幡てゐの能力。それは「幸せをもたらす程度の能力」。つまり、わざわざイマジンに契約などせずとも 自身で勝手に出来ることなのである。それを何故、イマジンに願ったのか。 てゐの能力を知る永琳と輝夜はそこが腑に落ちず シャークイマジンは「幸せ」と言う概念そのものが抽象的すぎて願いを叶えることができずにいたのだ。 「それは同情するわ。そんな抽象的な事を要求されるなんて。 この際、あなたが思う『幸せ』をやればいいんじゃないかしら?」 「姫、それではこの意魔人が暴走しかねません。危険すぎます」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/332
333: 俺参上第九話後編(2/11) ◆cedHmDsvEg [sage] 通常ならばイマジンは勝手な解釈で契約を実行しようとする。 それは既に大多数のイナバを抑えているラビットイマジンを見れば瞭然である。 永琳も新聞記事の鵜呑みとは言え知識として有している。 勝手な行動をさせては、永遠亭がどうなるかわかったものではない。 シャークイマジンを勝手に動かすなど、永琳が首を縦に振るはずがなかった。 ただ一つ、ある人物の特権によるものを除いては。 「『幸せ』、お前、知ってるのか?」 「知ってるって言えば知ってるけど、あなたの思う『幸せ』と私の知ってる『幸せ』 ましててゐの考えてる『幸せ』。これは全部きっと違うものよ? ……ふふっ、そうね。私もちょうど暇していたし、あなたこの難題解いて見せなさいな」 「ひ、姫!?」 ――「己にとっての幸せを見つける」 それが輝夜姫から風変わりな客人に出された難題である。 輝夜にとって、難題を出すのは遊びの延長線上でもある。 新聞記者がしつこい取材に来た時も難題で応対し かつてとある異変が起きた時も、難題で応対している。全て遊びの延長線上だ。 遊びでなかったのは、過去難題に挑み輝夜をものにしようとした時の権力者達だけである。 その彼らも、遊びに必要以上にムキになった報い (と言うのも本人達や身内にしてみれば失礼な話だが)を受け 相当に酷い目に遭わされている。 「むう、難しい。そもそもおれ、『幸せ』、知らない」 「あらら、そこからなのね……仕方ない。ちょっとインチキかもしれないけど、特別にヒントを出すわ」 案の定頭を抱えるシャークイマジンに、輝夜はヒントを出す。 イマジンらしからぬ態度で真面目に聞いていたシャークイマジンも 輝夜の話が終わるなり勢いよく障子をぶち破って部屋の外に飛び出す。 流石に障子をぶち破った事には面食らった輝夜だが、それ以外は全く動じていない。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/333
334: 俺参上第九話後編(3/11) ◆cedHmDsvEg [sage] 「……よろしいのですか?」 「最悪、私達『だけ』は無事よ。そこまで酷い事にもならないでしょうけど。 あの意魔人が本気で私達やここをどうこうするつもりなら とっくに永遠亭の機能の半分は持ってかれているわ。 ……永琳。彼の難題が一段落着いたら、一度全員健康診断でもしたらどうかしら?」 永琳の不安をよそに満足げに語る輝夜だが、最後に思い出したように驚き口を開く。 「どうしました、姫」 「彼にお茶を出すの、間に合わなかったわね。 最も、意魔人がお茶を飲むのかどうか、私は知らないのだけど」 ――― (先輩とかいたらどうせ乗り込んだんだろうけど……今乗り込んだら確実に被害出るしねぇ。 何とか中の連中に気づかれずに潜り込む方法があればいいんだけど……ん?) ふと、ウラタロスが違和感に気づく。中にいるイマジンの反応以外にも、一体イマジンが動いている。 恐らくは先程一戦交えたシャークイマジンだろう。今出くわせば挟み撃ちである。 ウラタロスは鈴仙に目配せをし、この場から離れることを提案する。 「(冗談、今はサメ釣りやるつもりは無いっての) 鈴仙ちゃん、一匹……多分さっきの鮫イマジン、こっちに来ているよ。ここは離れて様子を見よう」 「ええっ!?」 しかし、タイミングがまずかった。イマジンが複数いる部屋の前に陣取っている時に 鈴仙を驚かす様なことを口走ってしまったのだ。 思わず驚く鈴仙を制止するウラタロスだが、時既に遅し。 「(まずった……!)れ、鈴仙ちゃん、声、声!」 「はっ……!!」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/334
335: 俺参上第九話後編(4/11) ◆cedHmDsvEg [sage] 「誰だ! そこにいるのは!」 「誰だっていいよ! ぶっ潰すチャンスだよ!」 思わず鈴仙を抱えて身を隠すウラタロス。さらにバラバラと出てきたラビットイマジンの軍団と 先程輝夜と話していたシャークイマジンが出くわしてしまう。 これでは、ウラタロスは身動きが取れない。 それ以上に、鈴仙は慣れない磯の香りを長い時間嗅がされることになっていた。 (嘘っ、よりによってこのタイミングで合流させちゃう!? これは当分動けないね……) (さっきから思ってたけど……ウラタロスさん……く、くさ……これ何の臭いよ……) 鈴仙が嗅ぎ慣れない磯の香りに悪戦苦闘している頃。廊下では兎と鮫のイマジンが対峙していた。 イマジン同士、意思の疎通はスムーズに運ぶ……事はない。ある意味イマジンの通常運転である。 「あ! お前……見慣れない奴だな。お前もここに来いって声聞いてきたのか?」 「声? 知らない。おれ、契約者の願い叶えるだけ」 「バーカ、そんなもん適当でいいんだよ。俺らは過去行って俺らが消えないようにすればいいんだよ」 意思の疎通は全く図れていない。幻想郷における異変においても、意思の疎通がもっとしっかりと図れていれば 大事にならずに済んだ異変も少なくはない。そう言う意味では幻想郷としても通常運転ではあるのだが。 普段の幻想郷の異変が遊びの延長線上であるのに対し、イマジンの異変は遊びでない。 この一点に、全ては要約される。だからこそ、偶然やって来た赤鬼のイマジンは、蔦のイマジンを倒した。 「適当、ダメ。おれ、契約者の願い、叶える。だから、おまえたち、倒す」 「はぁ? お前バカじゃねぇの? 電王じゃあるまいし」 「お前の契約者、『電王ごっこしたい』とでも願ったのかよ? そりゃ傑作だぜ、ギャハハハハ!!」 (また良太郎に別のイマジンが憑いた……訳じゃなさそうだね。あれどう見ても良太郎のセンスじゃないし。 となると……僕らやおデブちゃん、天ちゃんとは別にイマジンと戦うイマジンが出てきたってこと?) (はっ! し、しっかりしなさい私! ……って意魔人と戦う意魔人? ま、まぁウラタロスさんがいるから 珍しくはないのかも……でもあの鮫の意魔人、ウラタロスさんの味方でもなかったし…… って言うかそもそも『電王』って何?) http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/335
336: 俺参上第九話後編(5/11) ◆cedHmDsvEg [sage] ウラタロスと鈴仙、互いにシャークイマジンとラビットイマジンの動向を探りながら 息を潜め様子を伺う。その一つ一つの挙動が騒動を起こすイマジン。それが集団でいるのだ。 永遠亭が騒動の渦中に飲まれるのに、時間はかからなかった。 ラビットイマジンの一体が、得物を手にシャークイマジンに飛びかかったのだ。 「電王じゃなくったって、俺らの邪魔するんならぶっ潰してやるぜ!」 「やはり、おまえたち、敵。なら、おれ、戦う」 その一撃を皮切りに、次々とシャークイマジンに飛びかかるラビットイマジンの群れ。 個体の戦闘力はシャークイマジンの方が優っているのか 敵の数をものともせずに互角以上の戦いを繰り広げている。 鋸刀や鎚を使い、あっという間にラビットイマジンに対し優勢に立つ。 (ひえぇ、やっぱり直接戦わなくてよかったぁ……あんなの相手にしてられないわよ…… もしあいつがてゐと組んだら……そ、想像するだけで震えが止まらないわ) (へぇ、あいつなかなかやるねぇ。やはりパワーは相当あるってところか。その分頭は弱いみたいだけど) 永遠亭の廊下を舞台にした大立ち回りは、館の住人の注意を釘付けにするには 十分すぎるイベントであった。ここを舞台にしてのこれほどの大立ち回りは かつての永夜異変位なものである。いつの間にか、周囲には妖怪兎の観衆が出来上がっている。 その人集りならぬ兎集りの後ろから、二人の女性もまた事の顛末を見にやって来ていた。 「あら、やはりこうなったわね。武力に関しては、彼は見た目通りってところかしら」 「姫、わかっていてあの意魔人をけしかけたのですか? しかし、ここにこんなにも意魔人がいたなんて……」 「もう勝負みえた。おまえたち、負け。おれ、勝つ」 観衆の野次も加わり、戦いはシャークイマジンの優位が揺らぎ無いように見える。 数で挑んだラビットイマジン軍団の方が、息も上がりボロボロである。 鋸刀を構え直し、ラビットイマジンに対し向き直る。止めの一撃を繰り出すためだ。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/336
337: 俺参上第九話後編(6/11) ◆cedHmDsvEg [sage] 「お、おい、こいつ強いじゃんかよ!」 「こっちは数で勝ってるってのに、何てザマだよちきしょう!」 「だったら数を増やすんだよ、おいてめぇら!」 ラビットイマジンの一体が号令をかける。 すると、観衆の妖怪兎が次々とシャークイマジンに飛びかかり、動きを封じる。 その光景に、妖怪兎の後ろで見ていた輝夜と永琳は目を疑う。 「なっ、ちょっとこれどういうことなのよ!?」 「くっ、そこの兎の意魔人! 勝手に他人の家の住人使わないでもらえるかしら?」 「観客は黙ってろよ! よーしてめぇら、そのままそいつ抑えてろよ!」 「む、むう。こいつら、傷つけられない。それ、契約違反。おれ、戦えない」 ――人間の盾ならぬ、妖怪兎の盾。兎に手を出すな と契約者であるてゐに言われているシャークイマジンは、身動き一つ取れない。 それをいい事に、ラビットイマジンはシャークイマジンに対し集中攻撃をかける。 しかも質の悪い事に、妖怪兎が飛びかかった部分めがけて攻撃している者もいる。 そうなれば、シャークイマジンは妖怪兎を庇うように攻撃を受け、余計なダメージを受けてしまっている。 「記事で読んだ以上に下衆ね……気が済んだら、二度とここに立ち入らないでもらえるかしら」 「手出しは無用だぜギャラリーども! こっちにゃ忠実な部下がいるんだ、俺らも部下はかわいいからな!」 (姫、奴らは従えた兎を盾にするつもりです。それでこちらの動きを封じるのでしょう) あまりにも下衆な手に業を煮やした輝夜が霊力を集め、弾幕を展開しようとするが それに合わせラビットイマジンは妖怪兎の一部を自分たちの周りに侍らせる。 うかつに攻撃すれば、妖怪兎を巻き込みかねない。 (あの子達、何かであいつらの言いなりになってるみたいね。 だったら、私が波長を狂わせば引き剥がせるはず。で、でもそうしたらあの鮫の意魔人が動き出しちゃう……) 「鈴仙ちゃん。何とかしてあのウサギさん達を引き剥がせない? イマジンについては僕が抑えるからさ。 あいつら反対側の誰かと話してるみたいだから、慎重に仕掛ければ大丈夫だよ」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/337
338: 俺参上第九話後編(7/11) ◆cedHmDsvEg [sage] 鈴仙の考えを見透かしたように、ウラタロスが提案する。 永遠亭のウサギと親交のある鈴仙ならば、という提案なのだが 実際のところ鈴仙にそれほど地上の妖怪兎との交流は無い。鈴仙がウサギを引き剥がすのに使うのは ウラタロスが考えているそれとは全く別の手段である。 微妙に噛み合っていないが、目的は同じ。イマジンを取り押さえるために飛び出すウラタロスを 鈴仙が後ろからバックアップする。 後は、タイミングを見計らい、実行に移すだけだ。 「ウラタロスさん、私がタイミングを測ります」 「頼んだよ鈴仙ちゃん。さてと、それじゃいっちょ釣り上げますか」 鈴仙が波長を駆使し、周囲の動きを観察する。息を潜め、飛び出す機会を伺う二人。 ふと、鈴仙が奥からやって来る小さなものを発見する。てゐである。 てゐもまた、逃げ回っていたがこの永遠亭の騒動を聞きつけ、自然と足が向かってしまっていたのだ。 本来の彼女の性格ならば、こうした身の危険に繋がりかねない場面からは一目散に逃げ出すだろう。 しかし、今回は事情が異なる。子分とも言うべき妖怪兎が、危険に晒されているのである。 「ちょーっと待った! そこのかわいくないウサギさんがた、そんなところで弱いものいじめしてないで 私と遊ばない? 私を捕まえたら、もれなく幸せになれるわよ? ほら、みんなもこっちに来る!」 「あ。おまえ、契約者。ここ、あぶない。おまえ、逃げろ」 「へぇ、鬼ごっこってわけかい。けどな、俺たちゃガキの遊びしにきたわけじゃねぇんだよ!」 (てゐ!? でもこれはチャンスね、今兎意魔人連中の注意はてゐに向いているわ、後はなんとか あの子達を引き剥がせば……!) ラビットイマジンの号令で、妖怪兎の一部が飛びかかる。 その標的は、あろうことか自分たちのボスとも言えるてゐであった。 てゐも一瞬、自分に何が起きたのか全く理解できず、反応が一瞬遅れてしまう。飛び退こうにも、一歩遅かった。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/338
339: 俺参上第九話後編(8/11) ◆cedHmDsvEg [sage] 「なっ!? ちょ、ちょっとあんたたち! 相手が違うでしょ! 私に飛びかかってどうするのよ!」 「む? おまえたち、なにしてる? そいつ、ボス。おまえたち、相手、違う」 「残念だったなぁ! 『おまえが自分のボス』なんて記憶、こいつらには無いみたいだぜ? キャハハハハハッ!!」 ふと、永琳がてゐにのしかかっている妖怪兎の眼を見る。本来赤いはずの兎の目が、黒かったり緑色だったり あらぬ色をしているのだ。体躯が小さいために見落としていたが、毛色もふわふわの白に緑やらピンクやら混じっている。 変異にしては妙な生え方である。同じタイミングで、ウラタロスもそれにようやく気付く。 しかし人質を取られている今、対処ができない。 「『記憶』……まさかあの兎、既に意魔人に乗っ取られているとでも言うの!?」 「……気が変わったわ。貴方達みたいな下衆な兎に、ここの敷居をこれ以上跨がせているわけには行かないわ。 即刻、ここから出て行ってもらおうかしら」 「やれるもんならやってみろよ! こいつらから先にブッ飛んでもらうけどな!」 「くっ、僕としたことがボウズもいいところだよ。鈴仙ちゃん、ちょっとマズい事になった。 時間は一刻を争う、僕ならあのウサギさん達を治せる方法を知ってる。飛び出すから、僕のアシストに回って!」 「え? ……ええっ!? ああもう、どうなっても知りませんよ!」 ウサギの様子を確認したウラタロスは、ウサギを元に戻すために速やかにイマジンを倒そうとする。 幸い、相手の注意はてゐや永琳、輝夜の方に向いている。 鈴仙もまた、形振り構わずに能力の発動に移る。 懶符「生神停止(アイドリングウェーブ)」 ウラタロスが影響を受けないように注意しながら、鈴仙は妖怪兎達の波長を操る。催眠術にかかったかのように ぽてり、ぽてりと廊下に落ちる妖怪兎達。兎のフォールから解放されたてゐだが シャークイマジンはやはり怖いらしく、飛び出したウラタロスの影に隠れている。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/339
340: 俺参上第九話後編(9/11) ◆cedHmDsvEg [sage] 「さっきはごめんね、亀のお兄さん。でも私を助けてくれると信じてたよ?」 「それはどうも。僕は全ての女性の味方だからね。それに君のウサギさん達は、僕がしっかり連れ戻すからね」 「むう。おまえ、契約者守る? なら、おれ、おまえと戦わない。あいつらと、戦う」 先程までウラタロスを敵と認識していたシャークイマジンだが てゐがウラタロスに対し全く敵意を見せていない現状を把握し、ウラタロスに対する警戒心を解く。 片や水色の亀怪人。片や紺色の鮫怪人。二体のいかつい男の影に隠れ、てゐはほっと胸をなでおろす。 妖怪兎達がぐったりしているが、てゐには誰の仕業か見当が付いている。なので、心配はしていない。 牽制され動けないラビットイマジン軍団を迂回し、妖怪兎達を眠らせた張本人である鈴仙がてゐに接近する。 「てゐ! ああよかった、あんた無事みたいね……一時はどうなることかと思ったわよ……」 「あはは、私がそんな簡単にやられるわけないでしょうが。心配しすぎだよ鈴仙は」 「お、おい、また振り出しに戻るどころか、さらに状況悪化してるじゃんこれ……」 「し、しかもあの青い亀、電王のイマジンだぜ、分が悪いなんてレベルじゃねぇぜ!?」 頼りの綱の兎の盾も封じられ、一体相手に苦戦していたのにさらに一体追加されてしまう。 しかも追加された一体は、時間の中で悪行をこなしているイマジンには悪名高い電王のイマジンである。 一時は勝利を確信したラビットイマジン軍団ではあったが、現状のあり得なさに怖気づいてしまっている。 (瑞江の……どういうことなの? うどんげだけでなく、今度はてゐを篭絡するつもり? それとも……) 「さぁて、形勢逆転ね。ああ、そこの下衆な兎共。この難題は解いてもらわなくて結構だから。 自分のしでかした事を反省しながら、おとなしくやられなさいな」 「て、てめぇ! ふざけんな!!」 「その代わりといっちゃなんだけど……」 己の屋敷で静かに、平和に暮らしていたイナバ達を愚弄し、傷つけた罪は重いとばかりに 普段ののほほんとした表情とは打って変わった凛とした表情で、輝夜は冷酷にラビットイマジン軍団に刑を言い渡す。 それを合図にてゐとウラタロスは互いに頷き、ウラタロスは一歩前に出て、てゐはそのウラタロスから一歩下がり 口上「僕に釣られてみる?」 「私に」 「僕に」 ――釣られてみる? http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/340
341: 俺参上第九話後編(10/11) ◆cedHmDsvEg [sage] ――― 一方その頃、永遠亭の中でも輝夜の私室に次いで重要とされる、永琳の作った薬品の保管庫。 ここにある物は全て取り扱いに細心の注意を払わねばならないものである。 永琳が暇つぶしで作ったものから、実際に治療に使われるまで、薬品という薬品が全てここに貯蔵されている。 ある種聖域とも呼べるこの場所に、ひとつの影が立ち入ろうとしていた。 (……さて。注意は全て向こうに向かっているようでおじゃるな。それにしても彼奴も麿に盗人紛いの事をさせるとは。 麿は貴族であり、盗人では無いわ。ここに迷わず来れる者が麿以外に居ればよかったがの) 薬と毒は紙一重であるが故、ここは永遠亭の中でも特に厳重な封印が施されている。 使われているのは南京錠と厳重とは程遠いが、永琳が自前の知識でこしらえた、特注品でもある。 影は当然その鍵を持っているはずもない。 (この程度は既に予測済みよ。しかし麿の炎、決して死なぬ鳥の持つ炎と同じ故な。鍵など無意味でおじゃるよ) 南京錠に手をかざすと南京錠は一瞬で燃え上がり、灰になってしまう。 この時点で、この影の主は人間ではないことになる。最も、幻想郷の場合ただの人間のほうが珍しいのだが。 その一部始終を、一羽の妖怪兎が目撃していたことに影はまだ、気づいてはいないようである。 チチチチチチ・・・チッ・・・チッ・・・チッ・・・ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/341
342: ◆cedHmDsvEg [sage] 次回予告 ラビットイマジンによる永遠亭の乗っ取りは失敗に終わった。 しかし、記憶を奪われた妖怪兎はまだ治らない。 彼らを治すためには、良太郎が持つ電王のパスが必要だ。 「野上良太郎、という人物を探して欲しいのです」 「……本来ならば、貴方の望みなど聞く耳持ちません。 ですが、貴方は姫様の恩人。今回は、私も力になりましょう」 永琳の協力を仰ぎ、人里で良太郎を探すウラタロス。 『うーん、やっぱり女の子は口説くに限るなぁ。憑くのは何か違うよ』 (わ、私の身体で女の子口説くとかそんな真似絶対しないでくださいよ!? 明日から人里来られなくなるじゃないですか!!) 永遠亭に入り込んだ、第二の賊の目的は? そして、てゐと契約したシャークイマジンは、幸せを見つけられるのだろうか? 「おまえ、みんな消そうとしてる。だから、おれ、おまえ、倒す」 「こ、これ……この薬使うと……その肌、治るから……だから……!!」 東方俺参上 第十話 鮫亀「セイム・ゲイム」 「さて。貴方に私の難題は解けるかしら?」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/342
343: ◆cedHmDsvEg [] 以上、第九話後編でした。 今回は盛大にナンバリング間違えてます、ごめんなさい。 今回のセルフQ&A ところで、東方の怨霊って口授見る限りじゃ結構イマジンに近いような…… Q:妖怪兎がラビットイマジンに従っていた理由 A:相当数のラビットイマジンが永遠亭に潜り込んだうち、憑依して活動している連中です。 ウラタロスのチョンボっぷりがちと目立ちますね……てゐって前例があるってのに。 ちなみに、妖怪兎の皆さんの絵面はうどんげっしょーのあのウサちゃんをイメージして頂ければ。 Q:えーりんがウラを目の敵にしすぎな件 A:「最初ムッコロそうと思ってた奴がいつの間にか神様じゃなくて得体の知れない亀の妖怪になってました」 じゃ、いくら永琳でも面食らうと思うんですよ。実際はご存知のとおり赤の他人ですが。 Q:最後に出てきた麻呂は何者? A:文面から妹紅意識してますけど少なくとも妹紅本人じゃないです。 Q:モグライマジンいないの? A:ここ(永遠亭)にはいないよ!(ぶっちゃけ兎軍団で間に合ってるよ!) http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/41116/1267337169/343
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