【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】 (292レス)
1-

1
(3): 名前が無い程度の能力 2008/11/26(水)00:23 ID:qDu.RquQ0(1/15) AAS
安価の人のお題で自分の好きなキャラの妄想をするスレ。

【例】

お題:煙草 キャラ:パチェ

「ここじゃ吸っちゃダメだよな…?」

「図書館の中は禁煙よ」
省9
212: 慧龍 2011/07/10(日)14:00 ID:svlBAROY0(1) AAS
名前はあえてつけさせてもらいます。
あと話を作るのは得意です。
じゃあ、「妖夢」と「料理」で。

幽「よーむー今日のゴハンはなーに?」
妖「ええっと、今日は、刺身と大根の味噌汁です。」
幽「・・・」
妖「どうしました?幽々子様」
省5
213
(1): 名前が無い程度の能力 2011/11/06(日)18:33 ID:hAj0piaM0(1/3) AAS
久々にSSを投下 >>205の『業者』

それは、そろそろ冬の訪れを感じさせる霜月の事だった。
倉庫から引っ張り出してきたストーブを試運転させていた香霖堂に、勢いよく白黒の魔法使い…霧雨 魔理沙が飛び込んできた。

―――カランカラン!

「香霖、香霖! 大変な事になったぜ!」
「…何だい魔理沙、朝から騒々しいな…」
手にこびり付いた黒ずんだ石油の残滓をボロ布で拭いながら、香霖堂の店主…森近 霖之助が辟易した表情で少女の方を振り向く。
省27
214: 名前が無い程度の能力 2011/11/06(日)18:34 ID:hAj0piaM0(2/3) AAS
AA省
215
(1): 名前が無い程度の能力 2011/11/06(日)20:42 ID:hAj0piaM0(3/3) AAS
>>202
「味噌」と「しじみ」で秋姉妹の朝ごはん

幻想郷の山にひっそりと佇む秋屋敷。そこには秋を象徴する2柱の神様が住んでいる。
晩秋の朝、台所ではコトコトと湯が沸き、新米の香ばしい匂いが立ち昇っていた。
秋屋敷の台所を与かるのは、姉の秋 静葉だ。赤いワンピースの上から若草色のエプロンを羽織って、軽やかに朝食の支度を進めていく。

「〜〜〜♪」
鼻歌も高らかに、コンロで熱したフライパンへ卵を落とす。ジュゥと小気味の良い音を立てて焼ける卵。
省24
216
(1): 名前が無い程度の能力 2011/11/07(月)12:01 ID:OstEM9tk0(1) AAS
>>213
魔理沙かわいい
きゃーってなった
>>215
……食後でよかった
危ないところだった

お題「大人バージョン・子供バージョン」
217: 名前が無い程度の能力 2011/11/13(日)19:56 ID:0CdrDZIU0(1/2) AAS
>>202
「本+リリカ」

皆さんこんにちは、プリズムリバー三姉妹の末っ子リリカです。
今日は私が抱える悩みを皆さんにお話ししようと思います。

それは、ある雨の日の事でした。
私はひとり、住処である湖の廃洋館で寛いでいました。
2人の姉は所用で出掛けています。この雨音が寂しげに響く気だるい午後が一番好きです。
省24
218: 名前が無い程度の能力 2011/11/13(日)20:25 ID:0CdrDZIU0(2/2) AAS
>>196
「妖精の日常」チルノ編

11がつ11にち(きん) はれ

あさ7じ おきろ さむくてきもちいいあさだ。

あさ8じ あさごはん おにぎりをたべた。おいしかった。

あさ10じ だいちゃんとあそぶ かくれんぼした。たのしかった。
省6
219: 名前が無い程度の能力 2011/11/20(日)10:43 ID:fU9SqcWI0(1/2) AAS
>>196
「スポーツ」

幻想郷に冬が訪れた。
荘厳な里山は一面の銀世界となり、空は高らかに青く澄み渡っている。
昨今、幻想郷ではスキーやスノーボードが流行っていた。
妖怪の山の一角にスキー場が開設されたのも、ウインタースポーツが流行するきっかけとなった。
スキー場は妖怪だけでなく人間にも開放され、連日多くのスキー客で賑わっている。
省26
220: 名前が無い程度の能力 2011/11/20(日)11:51 ID:fU9SqcWI0(2/2) AAS
>>202
「清涼飲料」

小春日和。晩秋の空は静謐に晴れ渡っている。
そんな麗らかな日の午後、紅魔館では門番の紅 美鈴が冬囲いをしていた。
紅魔館の中庭にある花壇を休耕させ、梔子や銀木犀などの庭木は雪吊を施す。
雪吊の技術は、白玉楼の庭師である魂魄 妖夢から教わったものだ。
「よいしょ……これで良し」
省20
221
(2): 名前が無い程度の能力 2011/11/20(日)12:55 ID:YZ1wzVxUO携(1) AAS
こんなスレがあったんだ。
お題:ぬえ+寺子屋
222
(1): 名前が無い程度の能力 2011/11/20(日)14:36 ID:zpNLi.zYO携(1) AAS
ファイトスレみたい。
お題『晴天の霹靂』
223: 名前が無い程度の能力 2011/11/20(日)14:58 ID:M.S2BpXI0(1) AAS
>>222
『晴天の霹靂』

今日は良く晴れていた。
とても良く晴れていた。
まさに晴天。天晴れだ。

……四季様の気分とは、裏腹に。

「小町ぃッ!」
省28
224
(2): 鵺+寺子屋 1/2 2011/11/21(月)00:31 ID:TddhQ57o0(1/2) AAS
>>221
やってみたら鵺+寺子屋と言うより ぬえ×けーね という異色カプになってしまった

 子ども達のいない寺子屋は、静かだった。普段騒がしい彼らがいてこその寺子屋故に、その静けさは一層際立つ。蒼い月の光に浮かび上がる教室。昼間の喧騒が現実ならば、夜の教室はまさに幻想。窓から差し込む幻想の灯りは枠に切り取られ、青一色のステンドグラスを室内に投げかける。机や本立てに遮られればそこは漆黒。立体に遮られる平面の複雑な造形。その蒼と闇のコントラストが、切り絵のようで美しかった。闇の渚、静寂の空間。少女が一人。
 別に残業に追われていた訳ではない。ただ、今日は帰りたくないだけ。
 憂鬱そうに窓の外を眺める彼女の顔を照らす蒼い光。窓の格子に切り取られ、少女の姿を十字に分かつ。
 ふと、少女は夜の香りを感じ、そして額を撫ぜる柔らかい風に窓の方を振り向いた。闇に慣れた目が一瞬遅延して月光になじみ、夜風に泳ぐカーテンレースが目に付いた。
 窓があいている。いつの間にだろうか。誰かは、大体予想がついた。
省13
225
(2): 鵺+寺子屋 2/2 2011/11/21(月)00:32 ID:TddhQ57o0(2/2) AAS
「また、自分が誰だか分からなくなった……かな?」
中りだろうか。星と月の優しい光に照らされた先生の顔にやや当惑した表情が浮かんだ。迷いを湛えるその瞳の色は、鵺のものと同じ深紅。半妖だ。満月の夜が近くなると、月の妖力に感応して段々と体が変化していくタイプの。それが故の、戸惑いだろうか。鵺から見ると少しばかり大人びてはいるものの、それでもその顔は迷い恥じらう少女。
「……あぁ、そうだな。あるときは人間、またあるときは妖怪。はたして私は何者なのか……」
月明かりと窓の格子に裂かれた半妖の少女は目を細め、物憂げにつぶやく。小さなため息が思わず口をついて出た。
「何者かである必要はないんじゃない?」
そんな彼女を見、鵺はそう答えた。答えになっていないが、しかし多少なれど気が休まったように感じた。
「おまえは気楽でいいな、鵺」
省18
226
(3): 名前が無い程度の能力 2011/11/21(月)07:52 ID:ae/6Jux.0(1) AAS
AA省
227: 名前が無い程度の能力 2011/11/21(月)16:06 ID:xZaxKryUO携(1) AAS
>>224-225
>>221です。ありがとうございます。

お題:無礼講
228
(1): (1/2) 2011/11/21(月)16:33 ID:6KJUkdYoO携(1/2) AAS
>>216
お題:大人バージョン・子供バージョン
お題からズレてるかも。ごめん。

迫る年の瀬。
弱々しいながらも太陽が顔をのぞかせた今日は、命蓮寺一同各々作務衣に着替えて大掃除ということになった。
手加減無しのぬえとの箒チャンバラから逃げた響子は、はたきに持ち替えると勝手気ままに部屋を渡り歩いていた。
ある部屋に足を踏み入れた時、それまでは襖を開けるなり無造作にはたきを振り回していた響子の動きが止まった。
省26
229
(1): (2/2) 2011/11/21(月)16:41 ID:6KJUkdYoO携(2/2) AAS
そこに立っていたのはいつもの響子と同じくらいの背格好の少女だった。響子の普段着とまったく同じ桜色の服を着ている。
柔和な顔立ちと柔らかく広がった長い髪。知っているはずのないこの少女を、響子はよく知っていた。
「白蓮様、その姿は」
はっきりそう思えるほど、少女は白蓮その人を感じさせた。
私が白蓮様を見下ろしてるなんて、やっぱり何かおかしい。響子はようやく事態の異常さに気付きはじめていた。
そんな響子の言葉に少女はくすりと笑った。
「私に様だなんて、からかってらっしゃるんですね」
省27
230
(1): 名前が無い程度の能力 2011/11/21(月)21:13 ID:dcu/iLDM0(1) AAS
このスレすげーな…
俺もこんなSS書けるようになりたいなと思いつつ
お題を投下してみる
お題:スクランブルエッグ
231
(1): 名前が無い程度の能力 2011/11/22(火)01:10 ID:Zh3XBtxk0(1/2) AAS
>>230
スクランブルエッグ
やってみた。天子好きの皆さん、天子をメシマズ嫁扱いしてごめんなさい。けど料理が出来ない女の子って可愛いと思うんd

「何か料理が作れるようになりたい」
天人の少女は呟いた。彼女は美しかった。天界の晴れ渡った空にあってなお蒼いサファイア色の髪を腰まで蓄え、天を駆け抜ける風を捉えてキラキラと舞う。世界を映すその瞳は対となる宝玉、ルビーの深紅。澄んだ紅の瞳の中に優しさと意思の強さと、そして少しばかりのいたずら心が溶けあっている。透き通るような白、真珠の輝きと滑らかさを持った肌。その真珠の肌に差す仄かな赤みは、人がどれほど苦労して頬紅を取り繕っても決して及ぶことはない桃色。この世のどんな宝石よりも美しく、そして得難い。そんな少女。
 少女の名、比那名居天子。彼女は何百年も生きていながら、未だに未婚であった。その美貌とは裏腹に、致命的な弱点を抱えていたから。
 ひとつは我儘。これはまだいい。尻に敷かれるのが好きな男性も少なからずいるだろう。
省25
232: 名前が無い程度の能力 2011/11/22(火)01:16 ID:Zh3XBtxk0(2/2) AAS
あ、普通に1レスに収まった。
そして次のお題を出すのを忘れたんでお題出させて頂きますね〜

お題:中二病
233: 名前が無い程度の能力 2011/11/22(火)22:04 ID:4knGgPQ20(1/2) AAS
>>226
「やらないか」

や…やっぱり
ら…藍は
な…何と言っても
い…一番
か…可愛い
省19
234
(2): 名前が無い程度の能力 2011/11/22(火)22:31 ID:4knGgPQ20(2/2) AAS
>>231
>>料理が出来ない女の子って可愛いと思う
激しく同意です。今のご時世、男が料理作っても全く無問題ですし。
食事・料理系のSSは書いていて楽しそうなのでお題投下します。

お題:【餅】【レトルトご飯】【団子】【そば】【米粉】【ラーメン】
235: 名前が無い程度の能力 2011/11/23(水)01:10 ID:ym/Mi.z.0(1) AAS
輝夜「どうお? 今日のご飯は私が用意させてもらったわ」
永琳「ひ……姫様が……っ」
優曇華(これはあれね、胃薬の準備をしておくべきね……)
てゐ(それじゃ優曇華のために胃薬と下剤を入れ替えておくかな……)
輝夜「どうしたの? なんでそんな険しそうな顔を……」
永琳「いえいえ、姫様がせっかく作って下さったんですもの、有難く食べさせていただきます」

ぱくっ……
省10
236
(3): 名前が無い程度の能力 2011/11/23(水)01:52 ID:OO5lxjsgO携(1) AAS
なんだひさびさに来てみたら盛り上がり始めてるやん!イケるで!
隙が出来たら今度からちょくちょく書こう

お題
「時計」「夜」「朝露」
237: 名前が無い程度の能力 2011/11/23(水)18:12 ID:QvbFoelYO携(1) AAS
>>228-229
まさに寸劇、不思議な気持ちを纏わせる可愛らしいSS良かったです。
238: 名前が無い程度の能力 2011/11/23(水)21:28 ID:9w57DlgEO携(1) AAS
時期ネタを投下。
【衣替え】【暖の取り方】
239
(1): 名前が無い程度の能力 2011/11/24(木)02:11 ID:azqw0TI.0(1/2) AAS
【雪融け】
「隣、いいかしら」
 忽然と現れた気配に声をかけられ、ナズーリンは動揺を押し隠しながら視線を巡らせた。
いつの間にか自分の傍らに、人当たりの良い笑みを浮かべた清楚な雰囲気の少女がいる。
「好きにするといいさ、大体私の家じゃないんだし」
 突き放したような物言いにも彼女は気分を害した様子はなく、では失礼、と愛想よく
腰を下ろした。周囲に気は配っていたはずだが、とナズーリンは心中いぶかしむが、
省34
240
(1): 名前が無い程度の能力 2011/11/24(木)02:15 ID:azqw0TI.0(2/2) AAS
「布都も屠自古も熱しやすいタチだから」
 貴方のところもそうでしょう、と言外に含ませているようだった。ナズーリンとしては苦笑する他にない。
「このまま引っ込みが付かなくなって全面戦争、というのは今は避けたいわね。対外イメージも
あるし、私たちはまだこの地に確固たる地盤を築けていない」
「問題ないさ。そのための霊夢だし、あの二人も本当は分かっているはずだ」
 白蓮と神子も落としどころは弁えているし、なんとなれば霊夢が全員ボコボコに
してくれるだろう、と言うナズーリンに青娥は目を見開き、続いてわずかに残念そうな表情を浮かべた。
省38
241
(3): 名前が無い程度の能力 2011/11/24(木)02:23 ID:IoRF1Zpw0(1) AAS
【団子】

「珍しいな、こんなところで」
紅魔館からの帰り、買出しに立ち寄った人里の西商店区。
立ち並ぶ店の一つ、広い道に面した甘味屋で、見慣れない女性が長いすに座っているのを見かけたのだ。
たいていの物が和様な人里で、鮮やかな赤いドレスと絹のような輝く緑髪のシルエットはかなり目立って、周囲から切り離されているように強調されて見えた。
そんな姿になんとなく興味を惹かれて、声を掛けてみたのである。

その女性――"鍵山雛"という名前だと、にとりに以前聞いた――はわたしを見上げて、口に運んでいた団子の串を皿に戻した。隣いいか、と聞くと薄く微笑んでゆるりとうなずきをくれる。箒を足元に置いて厄神を見ると、その膝には三毛猫が心地よさそうに丸まっていた。
省29
242
(2): 名前が無い程度の能力 2011/11/24(木)19:31 ID:3Pt1zmagO携(1) AAS
>>226から、お題:靴

「お、なんか面白いことかい?」
旧都の居酒屋でちくわぶをつついていたヤマメは、後ろから声をかけられた。
「あ、勇儀姐さん」
熱いの一本ね、と言いながら勇儀は当たり前のようにヤマメの隣に座った。
「なんとも曰くありげじゃないか。そりゃ何だい?」
勇儀の言う「それ」とは、ヤマメが卓に乗せて眺めていた木箱だ。
省23
243: 名前が無い程度の能力 2011/11/25(金)00:42 ID:arq5Fo7o0(1) AAS
>>239-240
賢将対策士と言ったところでしょうか。
このままスレで流れてしまうのが惜しいと思いました。
公式の続きみたいな感じで非常に良かったです。争いの後に宴会っていうのも幻想郷っぽくてグー

>>242
この短さでオチがちゃんと付いているのがすごいと思いました。
起承転結がしっかりしているし、結の部分での逆転の発想もうまいと思いますw
省5
244: 名前が無い程度の能力 2011/11/25(金)02:00 ID:Zc3/iDtg0(1) AAS
>>242 オチがうまい!
245: 1/2 2011/11/25(金)23:13 ID:zS91v5bQ0(1/2) AAS
>>241
「試験」

霜月も半ば、迷いの竹林にも肌寒い風が吹いている。
そんな日の午前十時五分前。永遠亭の一室では緊張した雰囲気が漂っていた。
ホワイトボードを背に、厳めしい表情で教壇に立つ八意永琳。手にはストップウォッチを握っている。
その傍らには蓬莱山輝夜が椅子に座って火鉢に手を翳しながらにこにこと不敵な笑みを浮かべている。
そして、永琳と対峙するかのようにフローリングの床に机が三つ、縦に並べられている。
省17
246: 2/2 2011/11/25(金)23:15 ID:zS91v5bQ0(2/2) AAS
『問.ウイルスに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a ウイルスは、細菌に感染しない。
 b RNAウイルスが有するマイナス鎖RNAは、直接mRNAとして使われるRNAである。
 c レトロウイルスは、逆転写酵素をウイルス粒子内に保持する。
 d 重症急性呼吸器症候群 (SARS) ウイルスは、コロナウイルス科に属する。
  1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(b、d) 6(c、d)』
『問.細菌の毒素に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
省25
247: 名前が無い程度の能力 2011/11/27(日)12:10 ID:yZIB2EdU0(1) AAS
>>236より、お題「時計」

丁度、太陽が沈もうとしていた時だった。
西日を受け、普段よりもさらに紅い姿を晒す紅魔館。

――ねえ、咲夜
――はい、なんでしょう?

その主、レミリア・スカーレットは戯れに問う。

――貴女は何故、この私に仕えているの?
省10
248: 名前が無い程度の能力 2011/12/04(日)06:34 ID:lyCbitqU0(1) AAS
>>226 >>234
萃×マミ『種』『イワナ』『餅』

神霊の騒ぎが収まり、春の陽気に桜が舞う曇天の午後。
幻想郷の東端に位置する博麗神社の境内で、鬼と狸が酒を酌み交わしていた。
鬼の名前は伊吹萃香。かつて酒吞童子として京の都を牛耳った大鬼である。
狸の名前は二つ岩マミゾウ。佐渡島からやってきた辣腕の化け狸である。
鬼の生まれは燕市にある国上寺、狸の根城は佐渡市。どちらも越後の出身だ。
省39
249
(1): 名前が無い程度の能力 2011/12/06(火)21:39 ID:aZTFKISkO携(1) AAS
>>241『お暇をいただきます』

「−ということは、私めはもう必要でないと」
主人の座の前に立ち、唇を噛み締めながら十六夜咲夜は、そのかすれかけた声で口にした。
「いや、そういうわけではないのよ」
領主は苦笑いしながら応えるものの、潤んだ瞳の主にはほとんど耳には入っていなかった。
「私が人々の間でどういう立ち位置であるか、お嬢様には分からないわけではないはずです」
咲夜はあたかも歯ですり潰したような言葉を領主にかける。
省13
250: 名前が無い程度の能力 2011/12/08(木)00:52 ID:46BM6U0.0(1) AAS
お題【賃金】

「そう言えば美鈴。貴女今まで門番として働いた分の賃金貰った事あるの?」

 ある日の夕食後、唐突に思い出した様に十六夜咲夜はそんな疑問を口にした。
 屋敷内の妖精メイド達への給与の管理は当然のことながらメイド長たる彼女の役目なのだが、それでは同様に屋敷の門の番や庭の手入れを担当している紅美鈴には一体誰が賃金を支払っているのだろうか、と。
 問いを向けられた当の本人はえ、と一瞬だけ硬直し、それから少しだけ困った様な表情を浮かべる。

「いやあ、それが賃金を貰っても今一つ使い途が思いつかなくて……」
「もしかして、貰った事無いの?」
省19
251: 名前が無い程度の能力 2011/12/11(日)09:38 ID:yy3FGHag0(1/2) AAS
>>236 >>241
「夜」「雪」
※既に消化済みだけど「雪融け」の要素も含んでます

肌寒い冬の夜。私は妹と二人で銀色の雪原を歩いていた。
空には赤銅色に染まった満月。遠くでは百鬼夜行の騒擾する気配を感じる。
凍みた雪は世界を覆い、遥か遠くの地平線まで白く塗り潰している。
私たち姉妹はその果てしない銀世界を、ただ黙って歩いていた。
省23
252: 名前が無い程度の能力 2011/12/11(日)17:33 ID:yy3FGHag0(2/2) AAS
>>236 >>249
「散歩」 「妖怪の山」 秋姉妹

「ねぇ、散歩に出掛けない?」
姉に誘われたのは、師走の気だるい午後の事だった。
炬燵に入り、今まさに剥いたばかりのみかんを口に運ぼうとしていた私は、ぽかんとした表情で姉の方を向いた。
姉はいつもの赤いワンピースの上にクリーム色のダッフルコートを着込み、浅黄色のマフラーと手袋を装備している。
「散歩って……こんな寒い日に?」
省50
253
(3): 名前が無い程度の能力 2012/01/03(火)20:54 ID:rXgjSejI0(1) AAS
お題まとめ
香水・ぬこ・眼鏡+しみじみ・無礼講・中二病・米粉・そば・ラーメン
朝露・衣替え・暖の取り方・談話・遅咲きの花・聖夜
254: 名前が無い程度の能力 2012/02/08(水)19:23 ID:ODJkUShI0(1) AAS
過疎るからな。お題は前の投稿者が出すようにするといい。
255: 名前が無い程度の能力 2012/02/11(土)22:26 ID:YnQuYmIY0(1) AAS
>>253
お題『ぬこ』

ぬえちゃんが仔猫を拾ってきました。
ある小春日和の午後の事です。
わたくし、幽谷響子は命蓮寺の門前を雪かきしていました。
「ねぇ、響子。ちょっと来て…」
スノーダンプで雪の塊と奮闘していると、ぬえちゃんが私を呼んで手招きしています。
省39
256: 名前が無い程度の能力 2012/02/14(火)21:38 ID:NLU6nj3Q0(1) AAS
別人ですがちょっと付け足します。

白蓮「寅と猫とは動物形態学上、似てるというだけで遺伝学的
には全く別の種ですからね。それに嫌いな動物を急に出されたら
誰だって吃驚しますよ」

白蓮「そもそも幻想郷の猫はお燐や橙たちの情報を元に
データベース化されていて、野良猫など居るはずがありません」

白蓮「話を聞くと小傘が事情を知ってたみたいですが、
省2
257: 名前が無い程度の能力 2012/02/16(木)01:03 ID:EMd8e7p60(1) AAS
お題『明晰夢』

霊夢は人間の里でばったり阿求と会った。
お呼ばれして夕飯をご馳走になる事に。
阿求「これから作りますのでしばらく休んでいてください」
霊夢「手伝おうか?」
阿求「いいえ、あまり手のかかるものではないので30分もあれば
できますから」
省37
258
(1): 名前が無い程度の能力 2012/02/26(日)10:27 ID:KuKqcfwc0(1/2) AAS
>>253
『眼鏡+しみじみ』

如月。立春が過ぎて暦の上では春だが、幻想郷はいまだ雪深い。
それでも、久方ぶりの晴れ間は清々しく、澄んだ青空が広がる。
暖かな日差しによって、木々に被さる雪がどさっと崩れ落ちた。
その音を耳にしながら、森の古道具屋の店主は朝から雪掻きに勤しんでいた。
「ふぅ、今年も豪雪だったな……」
省44
259: 258 2012/02/26(日)10:31 ID:KuKqcfwc0(2/2) AAS
よくよく考えれば「眼鏡=香霖」って安直だったかしら…?
マミゾウさんと絡ませればよかったかな?

お題:風船
260: 名前が無い程度の能力 2012/03/07(水)05:40 ID:yK/wuR7M0(1) AAS
お題:風船

少し前、幻想郷で宝船が出るという異変が起こった。
今ではその騒動も収まり宝船は妖怪の寺となっている。
これもまた...ある「船」のお話。

長い白銀の冬が終わり幻想郷に春風が吹き始めた。
まだ、肌寒く感じるがすっきりとしていて気持ちのいい朝だ。
そんな事を思いつつ、布団から這い出して着替えを済ませた。
省46
261: 名前が無い程度の能力 2012/03/17(土)02:40 ID:7D91.lng0(1) AAS
お題:星

「見て小悪魔、輝く星々の中でいっとう煌めくあの星を」
「パチュリー様、お身体に障ります。夜なんだからさっさと寝てください」
「そして尚大きく光を放つ、あの月を見て」
「パチュリー様、窓から身を乗り出すと危ないです。昼間は窓に近づこうともしない癖に」
「当たり前じゃない、髪が傷むわ。見てこの艶を、努力の賜物を」
「パチュリー様、引きこもりが過ぎて埃まみれです。目元のクマも酷いので寝たほうが良いですよ」
省4
262: 名前が無い程度の能力 2012/03/24(土)10:24 ID:rbb5KJ260(1/2) AAS
>>253
『ラーメン』

ぼぉーん、ぼぉ−ん、ぼぉーん………

執務室の壁に掛けられた振り子時計が重厚な鐘を鳴らす。時刻は午後7時を指していた。
窓の外はすっかり夜の帳が下りている。私はひとつ伸びをすると、上司の閻魔様が申し訳なさそうに言った。
「ごめんなさいね、こんな時間まで残業に付き合わせちゃって……」
「あぁ、いえ……これがお仕事ですから」
省35
263
(1): 名前が無い程度の能力 2012/03/24(土)12:48 ID:rbb5KJ260(2/2) AAS
お題まとめ
香水・無礼講・中二病・米粉・そば・朝露・衣替え
暖の取り方・談話・遅咲きの花・聖夜・穴・石油
264
(1): 名前が無い程度の能力 2012/11/11(日)20:52 ID:W3UNPllA0(1) AAS
『そば』

蕎麦の旬は晩秋から初冬にかけてである。凩吹く霜月、幻想郷の田んぼでは二毛作の蕎麦が収穫の時季を迎えていた。
収穫した蕎麦の実を天日で干し、石臼で引けば香ばしい風味が漂う蕎麦粉が出来上がる。
あとは新鮮な蕎麦粉を麺にして新蕎麦を頂くだけだ。食事としても酒肴としても価値の高い一品になるだろう。
しかし、そんな新蕎麦を巡って里の外れにある命蓮寺では、ある種の冷戦と称すべき対立が生じていた。
「……………」
「……………」
省29
265: 名前が無い程度の能力 2012/11/12(月)00:33 ID:tKvm3.160(1) AAS
『衣替え』

「衣替えです、総領娘様」
「……はぁ?」
唐突に言われ、私室のベッドで寝転がりながら雑誌を読んでいた天人の比那名居天子は怪訝な表情を浮かべた。
視線の先には、飄然とした涼しげな表情で微笑む竜宮の使い・永江衣玖が豪奢な綾羅の羽衣を靡かせ正座している。
「……一体全体、何を言い出すのよ衣玖」
「ですから、世間的には衣替えのシーズンなのです」
省34
266: 名前が無い程度の能力 2012/11/14(水)06:06 ID:ZroGS9XAo(1) AAS
いいスレを見つけた。こういうお題があった方が、遊べて面白いぜ。
それでは思いつきで『香水』を。微グロ注意かも?

 ──良い香りだ。ツンときつく感じるが、ほのかな甘さも混じった香り。願わくば全身に浴びてみたい、と思いつつも、さすがにそれは異臭になるか、と思い直す。
 私は鼻歌を奏でながら、手のひらに液体を乗せた。両手を合わせて満遍なく広げる。クシュクシュと摺りあう音。広がる香りが鼻孔をくすぐる。
 香りを楽しみながら入れ物を見る。
 床に転がったそれは、閉じられていない口から液体を溢れさせていた。ついさっき、私が手を勢いよく振った時に倒したのである。
 もったいない。だが、大体いつもこんな感じ。
省23
267: 名前が無い程度の能力 2012/11/17(土)18:56 ID:RtzoFuik0(1) AAS
>>264マジレスするとひじりんが封印される前の時代で蕎麦と言えばそば粥とか蕎麦がきで
現代の切り蕎麦は無かったかも
だから蕎麦でマミゾウさんと対立してるところまで読んでてっきり切り蕎麦を期待したマミゾウさんに
蕎麦がきでも出したのかと思ったw
268
(1): 1/4 2012/11/19(月)00:30 ID:KtuKTfFMO携(1/4) AAS
>>263から『談話』

してやられた。
はたては今さら流れてきた汗を拭うと、大きく息を吐いた。
暑いわけではない。木枯らし舞う季節、いかに気候の安定した地底と言えどもこの地霊殿という建物の空気は当然それなりには冷えている。
よもやつい頭に浮かんだ「文には負けない」という思考を読まれ、付け込まれるとは予想していなかった。
以前文に見せられた写真――月のお姫様が繰り出したとかいう弾幕が、目の前で再現されたのだ。
撮影には成功したが、それでも全く勝った気がしない。
省13
269
(1): 2/4 2012/11/19(月)00:33 ID:KtuKTfFMO携(2/4) AAS
通されたのはこじんまりした応接室だった。
多めのランプと暖炉の光で、ホールとはうって変わって明るい。
はたてが所在なく重厚な雰囲気の調度品を眺めていると、お茶の用意をしたさとりが戻ってきた。
使用人の類は置いていないらしい。さとりは洋菓子が盛られた皿を並べ、二人分のカップにコーヒーを注いだ。
「どうぞ。さて、」
はたての向かいの席に着くと、さとりは薄く笑ってカップを手に取る。それと同時に膝元に赤黒い毛並みの猫が飛び乗ってきた。
さとりと一緒に入室したであろうその猫は、膝の上で盛大に伸びをすると、くるりと身を丸めた。
省12
270
(1): 3/4 2012/11/19(月)00:38 ID:KtuKTfFMO携(3/4) AAS
#はたての取材ノート(はたてにしか読めない速記文字が並んでいる。極最近まで出番の無かったものだ)
―今般話題の間欠泉センターについて、ご存知のことがあればお聞かせください。
「間欠泉センター、ね。あの施設にそんな呼称を与えるなんて、山の神様はおふざけがお好きなのね」
―やはりあれの建造には旧都も絡んでいる?
「そりゃあねぇ。底面は灼熱地獄跡にまで到達する大深度建造物です。私達に話を通さずにやられたら困っちゃいますから」
―どういった経緯で?
「基本構造は先に山の神様、洩矢様でしたっけ? が作ったらしいのです。事後承諾ですね」
省16
271
(1): 4/4 2012/11/19(月)00:44 ID:KtuKTfFMO携(4/4) AAS
―地上の人妖の生活に大きな変化をもたらすような計画が密かに進行しているわけですね。
「地上の? 私達地底の者にとっても、ですよ。ですからあのまま座視はできなかった」
―実用化に際しては恩恵に与ると?
「それはもう当然に。立地や建造以前に、炉心そのものが古明地家の物ですから」
―核融合の力は守矢二柱の物だと伝え聞いていますが。
「いいえ。お空はうちの地獄鴉、古明地家の人工太陽ですわ。断じて守矢の実験炉ではありません」

地上に戻る頃には陽は沈み、彼方の山の端を赤く染めるのみとなっていた。
省14
272: 名前が無い程度の能力 2012/11/24(土)06:32 ID:iR2xfLME0(1) AAS
>>268-271 great!

『暖の取り方』

その日、森近霖之助はすこぶる不機嫌だった。霜月も半ばの、凩吹き荒れる肌寒い曇天の昼下がりである。
普段からあまり愛想の宜しくない容貌をさらに顰め、憮然とした表情で頬杖を突いている。
「……なぁ香霖、いつまでそうやって拗ねてるんだよ」
そう話し掛けたのは、彼の顔馴染みの魔法使い・霧雨魔理沙である。
彼女は霖之助とは反対に愉快そうな笑みを浮かべ、声色にも喜悦の調子が混じっていた。
省39
273
(2): 名前が無い程度の能力 2013/01/01(火)17:21 ID:F/F5j4Hc0(1/2) AAS
>>202より、コイン+さとり+賭け+白蓮+眼鏡+しみじみ+お茶+シリアス。
一年越しだとかその間にお題が既に消化されているだとか一部お題を曲解しているとか、
いろいろ問題はありますが、一つよしなに。

「alternative」

 池にいつかの巫女の姿は無かった。その代わり、真白い蓮の花が咲いていた。
 僕は池のほとりに座って、金貨をポケットから取り出した。それを、宙めがけて思い切り親指ではじき上げた。
(表が出たら実行する、裏が出たらやめておく)
省23
274
(2): 名前が無い程度の能力 2013/01/01(火)17:30 ID:F/F5j4Hc0(2/2) AAS
連投失礼。>>202より和歌+ネタ。
不比等は俺のy(ry……嘘です。本当はもう少し輝夜を前面に出そうとして失敗しました。

「pleasure」

「私と恋をしませんか?」
「およそ自分が袖にした男に対して言う科白ではありませんね。今度は一体何を企んでいるのです?」
 招かれざる客が浮かべる天女の如き微笑みを、私は能う限りの渋面で出迎えた。突如私の私室に現れたのは、姿形だけ見れば完全無欠なる麗しの姫君。かつての私の求婚相手だ。ちなみに、彼女を邸に招じ入れた覚えなど、私には一切無い。まったく、我が家の警衛共は何をしているのか。
「ご挨拶ね。最近、歌に凝っているの。だから、その題材作りのためにね」
省25
275
(3): 名前が無い程度の能力 2013/01/04(金)07:50 ID:0/8oYg3A0(1) AAS
>>273-274 寂寞とした雰囲気が素晴らしい

お題まとめ
無礼講・中二病・米粉・朝露・硬貨
遅咲きの花・聖夜・穴・石油 ・カウントダウン
276: 名前が無い程度の能力 2013/01/20(日)03:46 ID:0gyoUVHA0(1/2) AAS
お久しぶりに場所をお借りします。
リハビリな上、旧作であり、少々自己設定込ですがご了承頂ければ。

お題:硬貨

「銭をばらまくなんて、随分と豪勢なのね」
 振り返ると、金髪の少女が木にもたれ掛かっていた。
「なんだい、死神エリーが、死神に何か用でも? 」
「元死神、が正しいわ。もう、だいぶ前にやめちゃったからね」
省27
277: 名前が無い程度の能力 2013/01/20(日)03:47 ID:0gyoUVHA0(2/2) AAS
(承前)
「どうだい、あんたも、戻ってくるつもりはないのかい? こっちに」
「ないわね」
 即答である。当然だろう。
「なぜだい? 戻ってくれば、あんたはエースになれる。あの比那名居だって、壊滅させられるだろうさ」
「それを、あなたが言うのね」
 エリーの目線は、普段の温和な彼女とは思えないほどに、厳しい色を帯びていた。まさに、死神。
省29
278
(1): 名前が無い程度の能力 2013/02/05(火)17:48 ID:Lbz/oE5o0(1) AAS
お題:けねもこ ※しかし、妹紅は受け。其処は何が合っても譲れない。
お願いします。
279: 名前が無い程度の能力 2013/02/06(水)00:56 ID:GF7igMvE0(1) AAS
>>275
>>273-274の者だけど、遅ればせながら、感想ありがとう
そしてまとめ乙です
280: 名前が無い程度の能力 2013/04/29(月)14:06 ID:KMlUlD2k0(1) AAS
保守
281
(1): 1/2 2013/06/23(日)23:31 ID:VcR/E8FY0(1/2) AAS
お題【穴】【けねもこ】

「……ぅ、…こう、妹紅!」
「!? わぁ、なんだよ慧音」
藤原妹紅は耳元に響いた大声に慌てて振り返った。
振り返った先には上白沢慧音が不機嫌そうに腕を組んで妹紅を見詰めている。
「なんだよじゃない。人が何度も呼んでるのに無視するなんて……」
「えっ……? そ、そうか悪い。聞こえなかったよ……」
省13
282
(1): 2/2 2013/06/23(日)23:33 ID:VcR/E8FY0(2/2) AAS
灯りを手元に寄せて妹紅の耳の穴を見た慧音はあまりの惨状に思わず叫んだ。
妹紅も慧音の言葉に目を丸くした。まさか自分の耳がそこまで非道い状況だとは思っていなかった。
と同時に、妹紅はいくら信頼する慧音の手とは言え他人に耳をいじられるのが少し怖くなった。
「け、慧音! やっぱり今回は勘弁して……」
「いや駄目だ。これは大仕事だな……いくぞ妹紅!」
臆病風に吹かれた妹紅の言葉など耳を貸さず、慧音はもう母性全開で耳掃除に熱中していた。
毛玉が付いた竹製の耳掻き棒を慧音は慎重に妹紅の耳の穴に挿入していく。
省16
283: 名前が無い程度の能力 2013/08/11(日)14:28 ID:o81nE0Vs0(1/2) AAS
>>275 遅咲きの花

彼女の身体で一番好きな部位を挙げるとするならば、私は迷わず彼女の手を選ぶ。
雪のように色白な手。しなやかな指はとても器用に動いて、得物のナイフを演武のように扱っていた。
そして、銀色のナイフよりも目を惹く薄紅色の爪。私が彼女に「しっかり磨きなさい」と躾けた身だしなみの一つだ。
彼女はその言い付けを遵守し、いつもヤスリで丁寧に磨いていたのを私は知っている。
だから、こうして横たわっている彼女の生気を失いつつある手を握っていると、その儚さに胸が痛んだ。
オパールのように輝いていた薄紅色の爪も今は乳白色に濁り、指先は逆剥けと罅割れてが生じていた。
省13
284: 名前が無い程度の能力 2013/08/11(日)14:28 ID:o81nE0Vs0(2/2) AAS
「咲夜、私の手に爪を立てて。私が咲夜と一緒に生きているって証を見せて……」
一瞬咲夜は困ったような哀しい表情を浮かべたが、すぐに私の要求に応えた。
小刻みに震える手。崩れてしまいそうなほど弱い握力で、それでも綺麗に磨かれていた爪が私の皮膚の表面を切り裂いた。
紅い血が一筋、私の手の甲を伝ってシーツに滴り落ちる。それは雪原に咲く薔薇のように鮮やかだった。
『私は一生死ぬ人間ですよ。大丈夫、生きている間は一緒にいますから』
かつて不老不死の人間と対峙した時、不老不死になってみないかと言った私に咲夜が答えた言葉が頭の中に響き渡る。
あの時、私の言葉は冗談半分だった。まだ咲夜の背後に「死」の影なんて視えていなかったから。
省11
285: 名前が無い程度の能力 2013/08/23(金)22:38 ID:IO5HaAKk0(1) AAS
>>275 石油

開け放った窓から風が吹き込み、手元の灯りが明滅した。見上げると、ランプの炎が静かに揺らいでいる。
私は薬のデータを書き留めていた手を休め、愛用の万年筆を机の上へ置いた。時刻はもう午前二時を回っている。
この薬品臭い診療室が私の仕事場であり、個室でもある。窓の外は淡い月明かりに照らされて青竹が神経質に震えていた。
凝り固まった腰をほぐすように私は立ち上がり、窓辺まで歩いて行った。風は涼やかで、秋の気配がすぐ近くまで感じる。
この夏は熱中症の患者が多かった。幻想郷は42℃という最高気温を記録し、人間はもとより妖怪や妖精までへばっていた。
屋敷に住む妖怪兎たちも過半数がダウンし、弟子の鈴仙まで目を回した。あの子もまだまだ修行が足りないようだ。
省23
286: 名前が無い程度の能力 2013/10/15(火)15:09 ID:P0rOaYUQ0(1) AAS
ageついでにお題投下
「台風」「不作」「おみくじ」「ベッド」「買い物」「衣替え」「勝負」「風物詩」「流行り」「天気予報」
「来年やってみたいこと」「少女の嗜み」「好み」「劇場」「下剋上」「片付け」

とりあえず話題だけ投げておきます
287: 名前が無い程度の能力 2013/10/15(火)16:34 ID:uZjHBbjM0(1) AAS
>>278ですが、>>281-282さん
ありがとうございます!!
情景描写が詳しくて素晴らしかったです。感想が遅れてすみませんでした。
288: <激写されました> [<激写されました>] <激写されました> AAS
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292: 名前が無い程度の能力 2014/04/13(日)00:20 ID:1xY9johI0(1) AAS
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