竹書房文庫 (296レス)
前次1-
抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) 自ID レス栞 あぼーん

リロード規制です。10分ほどで解除するので、他のブラウザへ避難してください。
255: 2024/08/11(日)08:12 ID:sTBjSTgt(1) AAS
アメリカのSFファンタジー作家ルーシャス・シェパードによるダークファンタジーシリーズ「竜のグリオール」は、6篇の中短編と1篇の長編で構成され、作者の逝去により完結を迎えた。日本ではこれまで、中短編を収録した『竜のグリオールに絵を描いた男』と『タポリンの鱗』が刊行されていたが、シリーズ完結編となる長編『美しき血』がついに刊行された。

本作の主人公は、リヒャルト・ロザッハーという名の没落した医師である。彼は、グリオールの血液から抽出した麻薬によって莫大な富を得る。しかし、その富は権力者や宗教勢力の嫉妬を買い、ロザッハーは陰謀渦巻く世界へと引き込まれていく。彼は、この陰謀の背後にグリオールの謎めいた存在を感じ始める。愛と裏切り、陰謀と抗争、そして国家間の戦争へと発展する、グリオールの「美しき血」をめぐる物語が展開される。

物語は、一人の男の栄枯盛衰と彷徨を描き出す。シリーズに登場する人物は、皆、暗い情念と非道な企みを秘めている。ロザッハーも例外ではなく、冷酷で計算高い男として描かれる。しかし、彼は同時に脆く弱い一面も持ち合わせており、数々の陰謀に巻き込まれ、心の傷を深くしていく。敵が味方になり、味方が敵になる。愛することすらできなくなったロザッハーの汚れた魂の遍歴が、克明に描かれる。

「竜のグリオール」は、物語の背景として存在する。グリオールは、世界の基調を彩る存在であり、登場人物たちの歪んだ精神を象徴する。グリオールが直接的に物語に介入することはない。むしろ、登場人物たちはグリオールという名の強迫観念に囚われているかのようだ。

この物語は、人間の持つ暗い情念を「竜のグリオール」という存在に投影することで、人間の運命を描いている。人は、たとえグリオールのような架空の存在が実在しなくても、歪んだ強迫観念や不明確な感情に突き動かされ、自らを破滅へと導いてしまう。
省1
前次1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.009s