[過去ﾛｸﾞ] 羽生きゅんマジ天使♪2 (1001ﾚｽ)
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955: 2014/09/30(火)05:38 AAS
「呪い歌───コトホギノウタ───」
文：ホムサ
コトホギ…それは呪い歌であると共に祝福の歌。
それは、クラウドが生まれるずっと以前のこと…。
春うららかなある日───まだ、変化できるようになったばかり の二匹の子狐たちは、神社の境内で互いの尻尾を追いかけて遊んで いた。
結界を張られたお社の中からは、ガブリエルのコトホギの歌が不 思議な旋律を奏でている。
暫くして、遊び疲れた右狐と左狐は、陽だまりの中で丸くなっ た。ガブリエルの歌はまだ続いている。ぴくぴくと耳を震わせてい た右狐は、顔を上げて左狐を見た。
「左狐、左狐」
「なに？右狐」
「がぶりえる様の歌、僕達にも歌えないかな」
「この歌を？なんだか、難しそうだよ？」
「やってみれば、歌えるかもしれないよ？上手にできたらきっ と、がぶりえる様も喜んでくださる」
「そうだね、やってみよう」
右狐と左狐は左右対称となって立ち上がり、遠吠えのような姿勢 をとって幼い喉を震わせ、ガブリエルの歌を真似し始めた。
まだまだ拙いものではあったが、互いの歌が共鳴しあい、ガブリ エルのそれにも似た歌が紡がれていく。
二匹の共鳴が最高潮となった時、ふいに二匹の体は二つの手によ って持ち上げられた。
驚いて歌うのをやめた二匹が眼を開けると、困った顔をしたガブ リエルの顔が映った。
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