夏の終わりの肉団子 - 巨大オオスズメバチ - (106レス)
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92(1): 04/09(水)06:45 ID:tV0iSH20(1/2) AAS
ある夏の夕暮れ。
山奥の小さな集落に、その“影”は現れた。
「見ろッ…空が…割れてる…!」
雲を引き裂いて舞い降りたのは、全長3メートルを超える、異様に肥大化した巨大スズメバチだった。
黄金色の腹部が脈打つたび、あたりに甘く腐敗した臭気が満ちる。
「やべえぞ…ヤツは…『排泄の儀式』を始める気だ…!」
そう、かつてから語り継がれていた――
省15
93(1): 04/09(水)19:58 ID:tV0iSH20(2/2) AAS
巨大スズメバチが消え去った後、静寂が訪れたわけではなかった。
焦げ付いた大地からは、絶えず微かな煙が立ち上り、鼻腔を刺す異臭が風に乗って遠くまで運ばれる。かつて人々の営みがあった場所は、黒と灰色に塗りつぶされ、生命の息吹は完全に途絶えていた。
川は、粘りつくような黒い液体となって淀み、時折、溶解した魚の残骸が不気味な光を反射させる。木々は根元から炭化し、無残な姿を晒していた。
生き残った者は、ほとんどいなかった。
わずかに息のある者たちも、全身の皮膚がただれ、焼け付くような痛みに悶え苦しんでいた。目は潰れ、声帯は毒に侵され、呻き声すらまともに上げられない。
老婆は、焼け残った家の壁にもたれ、虚ろな瞳で変わり果てた村を見つめていた。その顔には、恐怖や絶望の色はなく、ただ諦念と、遠い記憶を辿るような静けさがあった。
やがて、遠くの山々から、夜の帳がゆっくりと降りてくる。焦土と化した集落は、闇に包まれ、昼間の異様な光景をさらに陰惨なものに変えていく。
省12
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