ヘッポコ戦記  因果の旅路 (32レス)
前次1-
抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) 自ID レス栞 あぼーん

リロード規制です。10分ほどで解除するので、他のブラウザへ避難してください。
1: 04/07(月)12:34 ID:svPeG3sg(1/4) AAS
『ヘッポコ戦記 〜黒き因果の旅路〜』

焼け爛れた大地に、一人の男が立っていた。
漆黒の甲冑を纏い、背には巨大な鉄塊――“ボッシュートの刃”と呼ばれる異形の大剣。
それは剣というには余りにも重く、太く、そして禍々しかった。
触れた者を“異界”へと弾き飛ばすその一撃は、破壊と喪失の象徴だった。

「また……ボッシュートの声がする……誰かが……堕ちる音だ……」

喉の奥から漏れる呻き。
省5
2: 04/07(月)12:35 ID:svPeG3sg(2/4) AAS
焼け落ちた村の中、崩れかけた聖堂の隅で、女が膝を抱えて座っていた。
彼女の名はルイーダ。かつて聖剣教団に仕えた剣士であり、今はただ、呪われし勇者と共に生きる女。

「……遅いよ、ヘッポコ。あんた、また迷ったんでしょ……あの刃の声に」

血に塗れた男が、重い足音を響かせて現れる。
鉄塊のような剣を地面に引きずりながら、男は女の前に膝をつく。

「……ルイーダ。俺は、また……ボッシュートしてしまった」

「……そう。じゃあ、また一つ、償っていこう。二人でね」
省2
3: 04/07(月)12:35 ID:svPeG3sg(3/4) AAS
『ヘッポコ戦記 〜黒き因果の旅路〜』第二章:腐蝕の接吻

焔の残り香が立ちこめる廃都――
崩れた石柱の陰、ルイーダは、血に濡れた手で鉄塊の刃を拭っていた。
その指先は既に焼けただれ、神経の感覚などとうに失っている。

「ヘッポコ……今夜もまた、ボッシュートしたのね」

彼女の視線の先には、無数の肉片と、異形に変じた兵士たちの骸。
それらは元は人間だった。
省15
4: 04/07(月)12:36 ID:svPeG3sg(4/4) AAS
『ヘッポコ戦記 〜黒き因果の旅路〜』第三章:深淵を孕む女

ルイーダは、泣きながら笑っていた。
それはもう、人間の顔じゃなかった。
その腹部――そこに“異界の胎”が宿っていた。

「ねえ、見て……これ、あんたの“ボッシュート”が孕ませたのよ……この世界の“因果”そのものを……」

狂気に囁く声は、もはや神のそれに近かった。
彼女の体内には、“ボッシュートの核”と呼ばれる呪いの胎動が蠢いていた。
省18
前次1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.006s