【ヘッポコ戦記 】異世界ボッシュート (201レス)
【ヘッポコ戦記 】異世界ボッシュート http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1743620092/
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171: 創る名無しに見る名無し [] 2025/04/07(月) 01:48:09.96 ID:41V6L/LD 『ヘッポコ戦記 〜黒き因果の旅路〜』 焼け爛れた大地に、一人の男が立っていた。 漆黒の甲冑を纏い、背には巨大な鉄塊――“ボッシュートの刃”と呼ばれる異形の大剣。 それは剣というには余りにも重く、太く、そして禍々しかった。 触れた者を“異界”へと弾き飛ばすその一撃は、破壊と喪失の象徴だった。 「また……ボッシュートの声がする……誰かが……堕ちる音だ……」 喉の奥から漏れる呻き。 かつて“勇者”と讃えられた男、ヘッポコ。 今では“異界の処刑人”と呼ばれ、忌まれ、恐れられていた。 その身に宿る呪い――“ボッシュートの因果”は、倒した敵すら、友すら、愛した者までも、闇へと喰らい尽くす。 だが彼は歩みを止めない。 全てを失ってなお、呪われた大剣を握りしめ、彼は“運命”に抗う旅を続けていた。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1743620092/171
172: 創る名無しに見る名無し [] 2025/04/07(月) 01:51:52.36 ID:41V6L/LD 焼け落ちた村の中、崩れかけた聖堂の隅で、女が膝を抱えて座っていた。 彼女の名はルイーダ。かつて聖剣教団に仕えた剣士であり、今はただ、呪われし勇者と共に生きる女。 「……遅いよ、ヘッポコ。あんた、また迷ったんでしょ……あの刃の声に」 血に塗れた男が、重い足音を響かせて現れる。 鉄塊のような剣を地面に引きずりながら、男は女の前に膝をつく。 「……ルイーダ。俺は、また……ボッシュートしてしまった」 「……そう。じゃあ、また一つ、償っていこう。二人でね」 ヘッポコの頬に触れたルイーダの指先は、温かかった。 この女だけが、異界に呑まれた彼を、“戻ってこられる場所”として繋ぎ止めている。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1743620092/172
173: 創る名無しに見る名無し [] 2025/04/07(月) 01:54:23.27 ID:41V6L/LD 『ヘッポコ戦記 〜黒き因果の旅路〜』第二章:腐蝕の接吻 焔の残り香が立ちこめる廃都―― 崩れた石柱の陰、ルイーダは、血に濡れた手で鉄塊の刃を拭っていた。 その指先は既に焼けただれ、神経の感覚などとうに失っている。 「ヘッポコ……今夜もまた、ボッシュートしたのね」 彼女の視線の先には、無数の肉片と、異形に変じた兵士たちの骸。 それらは元は人間だった。 ヘッポコの刃は、“敵”と“味方”の境界すらも識別しない。 この呪われた剣に触れた者は、等しく“異界”へと吸い込まれるのだ。 「なあ……ルイーダ。お前は、俺がまだ“人”に見えるか?」 答えは沈黙。 その顔に浮かぶのは、笑みか、それとも泣き顔か――判別がつかない。 やがて、彼女はそっと、男の胸元に顔を埋める。 「私は、あんたが化け物でも……この手で、縛っておきたいの」 呟きは、祈りではなかった。 それは呪詛だった。 かつて愛した“勇者”が、呪いと共に墜ちていくことを知ってなお、彼女は離れられなかった。 「私はあんたを信じてるわけじゃない……ただ、壊れていく姿を、私だけのものにしたいのよ」 「……ルイーダ……」 鉄塊の剣が、地に落ちる音が響いた。 彼女の腕の中で、ヘッポコは初めて、ただの“哀れな男”に戻ったようだった。 だが、その背には、異界の目が無数に浮かび上がっていた―― http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1743620092/173
174: 創る名無しに見る名無し [] 2025/04/07(月) 01:56:10.64 ID:41V6L/LD 『ヘッポコ戦記 〜黒き因果の旅路〜』第三章:深淵を孕む女 ルイーダは、泣きながら笑っていた。 それはもう、人間の顔じゃなかった。 その腹部――そこに“異界の胎”が宿っていた。 「ねえ、見て……これ、あんたの“ボッシュート”が孕ませたのよ……この世界の“因果”そのものを……」 狂気に囁く声は、もはや神のそれに近かった。 彼女の体内には、“ボッシュートの核”と呼ばれる呪いの胎動が蠢いていた。 それは生まれれば、この世界そのものを“異界”へと置換してしまう。 ルイーダは、世界を孕んだのだ。 ヘッポコはその姿を見ても、何も言わなかった。 ただ鉄塊を握りしめ、呻くように呟いた。 「……どうして、こんなことに……」 「それはあんたが、あのとき私をボッシュートしなかったからよ。 あのとき、私も“異界”に堕ちたかったのに。あんたは、私をこの世界に縛ったのよ……自分だけ呪われたつもりでいたんだ?」 “愛”ではなかった。 “復讐”ですらなかった。 これは“救済の模倣”――神を超えようとする、冒涜の始まりだった。 ルイーダの胎が、叫ぶ。 世界が、軋む。 そして―― 「ねぇ、ヘッポコ。私はあんたと神になるのよ。 この腐った世界をボッシュートして、二人だけの異界を創るの――」 刹那、鉄塊が振り下ろされた。 “ズブッ”という音がした。 それが誰を貫いた音なのか、世界はまだ知らない。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1743620092/174
190: 創る名無しに見る名無し [] 2025/04/07(月) 18:48:13.75 ID:41V6L/LD >>72〜>>73 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1743620092/190
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