【リレー小説】逆襲の殺人鬼スネ夫 Part135 (803レス)
【リレー小説】逆襲の殺人鬼スネ夫 Part135 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1731350591/
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740: 創る名無しに見る名無し [] 2025/04/02(水) 18:12:11.57 ID:WybClJZ0 『やんごとなき駄目ドラゴン』#9 ヴォルケッタ子爵(笑)は、砕けた地面の中からゆっくりと身を起こした。骨がきしみ、体のあちこちから血が滲んでいる。「ぐっ……まだ……終わっちゃいねぇ……!」 ハッケヨイは変わらず仁王立ちしていた。その巨体には**一筋の傷もない。**まるで戦いという概念すら受け付けない鉄壁の壁。 「ふむ……しぶといでゴワスな」 「……お前……トロールだろうがなんだろうが……ここで倒す……」ヴォルケッタ子爵(笑)は歯を食いしばり、血の混じった唾を地面に吐き捨てた。そして、限界を超えて魔力を練り上げる。 ――もう、後がない。 彼の全魔力を燃やし尽くしての一撃。これで決まらなければ、死ぬ。それは、ヴォルケッタ自身が一番理解していた。 「いくぞおおおおおおおお!!!!」 彼の拳が、猛烈な勢いで突き出される。魔力が集中し、拳が紫電を帯び、地面が抉れ、空間がひしゃげる。 「秘奥義――竜殺し(ドラゴンスレイヤー)!!!」 観客たちの悲鳴が上がる。 その一撃が、ハッケヨイの腹部に突き込まれた――かに見えた。 しかし。 バギャッ!!! ヴォルケッタ子爵(笑)の拳が粉々に砕けた。 「……ッ!? ぐ、ああああああああああああああ!!!!!」 骨が砕け、肉が裂け、腕全体が**赤黒い肉片となって飛び散る。**観客の何人かが吐き、何人かはその場に崩れ落ちた。「うっ……」「気持ち悪い……」「ま、魔法拳なのに、こんな……!」 ハッケヨイは、ただ黙ってそれを見下ろしていた。彼の腹には、ほんのわずかな凹みすらない。 「……その程度でゴワスか。」 冷酷な言葉だった。 ヴォルケッタ子爵(笑)は、折れた腕の断面から血を噴き出しながら、なおも立ち上がろうとした。「ま、まだ……俺は……!!」 ハッケヨイは無言で、巨大な腕を持ち上げた。 ドゴォッ!!!! ヴォルケッタ子爵(笑)の胸を張り手が貫いた。 「っ……が……!?」 観客たちは、一瞬何が起こったのか理解できなかった。しかし次の瞬間、ヴォルケッタの背中が爆ぜ、血と肉が弧を描いた。 「ぉ……ぁ……」 口から血泡を吹きながら、ヴォルケッタ子爵(笑)はその場に崩れ落ちる。 ――心臓が砕けていた。 「ふむ……粘り強いとは思ったでゴワスが……」ハッケヨイは、つまらなそうに手についた血を払った。 誰もが、言葉を失っていた。 「さ、さすがに……死んだ……?」誰かが小声で呟く。 リューコは唇を噛みしめた。戦いを見守っていたが、ここまでの圧倒的な力の差を見せつけられると、もはや何も言えなかった。 「……いや」 血溜まりの中で、ヴォルケッタ子爵(笑)が、わずかに指を動かした。 「お、おお……!?」「まだ、生きてる……!?」「うそ……こんなの、人間じゃ……」 ヴォルケッタ子爵(笑)は、震える手で地面を掴み、ズルズルと体を引きずりながら立ち上がろうとしていた。 「……はは……は……やっぱり……俺が、倒れるわけには……いかねぇ……!」 ボロボロになった体を引きずり、ヴォルケッタ子爵(笑)は再び立ち上がる。 「俺は……! まだ……戦える……!!!」 しかし、その瞬間ーー。 ハッケヨイは、静かにその巨大な足を振り上げた。 「……終わりでゴワス。」 ドグシャッ!!!! ヴォルケッタ子爵(笑)の頭が潰れた。 脳漿と血が飛び散り、骨の砕ける鈍い音が響く。 体がビクリと痙攣し、そのまま力なく倒れ込む。 ――もう、二度と立ち上がることはなかった。 「お、おおおおおおおおおおおおおお!!!!」 観客が絶叫する。誰もが顔を青ざめ、悲鳴を上げ、逃げ出した。「化け物だ……!」「こんなの……!」「竜人なんて次元じゃない……!」 ハッケヨイは、それらの声を気にすることもなく、ただ淡々と呟いた。 「……やはり、トロール相撲に人間は勝てぬでゴワスな。」 こうして、ヴォルケッタ子爵(笑)は完全にこの世から消え去った。 そして、それは恐怖の始まりでもあった。 続く http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1731350591/740
741: 創る名無しに見る名無し [] 2025/04/02(水) 18:22:02.52 ID:WybClJZ0 『やんごとなき駄目ドラゴン』#10 ヴォルケッタ子爵(笑)の死に、場の空気は張り詰めていた。誰もが恐怖し、逃げ惑い、絶望し、地獄を目の当たりにしたような顔をしていた。しかし、ハッケヨイはまるで何事もなかったかのようにその巨体を動かし、ゆっくりと辺りを見回した。 「ふむ……次なる力士はおらぬでゴワスか?」 その問いに、誰も応じなかった。誰もが心の底から理解していた。 だが、その時だった。 ズルッ……バリバリッ…… 何かが、肉を引き裂く音がした。 「な、なんだ……?」 誰かが呟いた瞬間―― ヴォルケッタ子爵(笑)の死体が、動いた。 「……は?」 誰もが目を疑った。確かに、彼の頭はハッケヨイによって粉砕され、脳漿と血があたりに飛び散っていた。それでも、彼の体は痙攣しながら、ゆっくりと立ち上がったのだ。 ズルンッ!!! ヴォルケッタ子爵(笑)の背中の皮膚が、突如として内側から裏返った。まるでシャツを脱ぐように、肉と筋肉ごと剥がれ、裏返しになっていく。 「う、うわあああああああああ!!!!!」 誰かが悲鳴を上げる。 しかし、それはほんの始まりに過ぎなかった。 ミチミチミチミチミチミチ!!!!!! ヴォルケッタ子爵(笑)の両足の付け根、そして肩、さらに背中の中心部から―― 新たな四本の足が生えた。 ぐにゃりとした奇怪な関節が蠢き、皮膚の下から生え出た骨がねじれ、肉を突き破って形を成していく。 そして、気づけばそこにいたのは―― 6本足の、異形の怪物だった。 「な、なんだよこれ……」「嘘だろ……こんなの、人間じゃねえ……!」 かつてヴォルケッタ子爵(笑)だったそれは、ガクガクと奇妙な動きで立ち上がった。口は裂け、歯茎が剥き出しになり、どこにあるはずのない関節がボキボキと音を立てながら軋んでいる。 「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!」 地獄の底から響くような叫び声を上げた。 観客の何人かはショックで腰を抜かし、何人かはその場で失禁し、何人かは泣き叫びながら逃げ出した。 「ふむ……面妖な」 ハッケヨイは動じることなく、6本足の怪物を見つめていた。 「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!」 6本足のヴォルケッタ子爵(笑)は、その身を震わせながら、次の瞬間―― 地を這うような異様な速さでハッケヨイへと襲いかかった。 その速度は尋常ではなかった。6本の足が不規則に動きながらも、まるで虫のように器用に地面を蹴り、あっという間にハッケヨイの懐へと潜り込む。 「ほう……」 ハッケヨイは冷静に身構える。しかし―― 「ギャリィィィィッ!!!!!!」 6本足が、ハッケヨイの肩に食らいついた。 「……!?」 刹那、ハッケヨイの肩の肉が削がれた。 「ふむ……なかなかの噛みつきでゴワスな」 しかし、ハッケヨイは表情一つ変えない。 「……でゴワスが」 ズブッ!!! 彼は、怪物となったヴォルケッタ子爵(笑)の首元を鷲掴みにし、そのまま地面に叩きつけた。 ドゴォォォォォォォォォン!!!!!! 地面が陥没し、無数の瓦礫が宙に舞う。 6本足は一瞬痙攣したが―― 「ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」 再び跳ね起きる。 「……フム」 ハッケヨイは、自身の肩から流れる血を舐め取った。 「久しぶりに、相撲以外の技を使うでゴワスか」 次の瞬間、彼の背中の肉が盛り上がった。 ズルンッ!!!! ハッケヨイの背中から、新たな2本の腕が生えた。 「――フン。ならば、四本腕相撲といこうでゴワス。」 続く http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1731350591/741
744: 創る名無しに見る名無し [] 2025/04/02(水) 18:40:22.29 ID:WybClJZ0 『やんごとなき駄目ドラゴン』#12 六本足の怪物を倒し、ハッケヨイは静かに立ち上がった。 「……フム。なかなかの相手でゴワスな」 四本の腕からべっとりと付着した血と肉片を払い、悠然と鼻を鳴らす。観客たちはようやく動揺を抑え、ホッと胸を撫で下ろした。 しかし、その安堵は長くは続かなかった。 ガコンッ……ギュイイイイイイイイイイン!!!! 突如、空き地のような決闘場に巨大な影が差し込んだ。 「ハッ……ハッケヨイ……!!!」 観客の一人が、震える指で上空を指差した。 そこには―― 巨大な鋼鉄の怪物が降り立っていた。 「待っていたぞ、ハッケヨイ!!!」 メカジャイ子、推参!!! 高さ5メートルはあろうかという金属のボディ。鋼鉄の腕には油が滴り、目は赤く鋭く光る。背中にはロケットブースターを搭載し、右腕には超電磁カタパルトが装備されていた。 「お、おいおい……なんだよアレ……」「王国はいつからロボを量産するようになったんだよ……」 群衆がざわつく中、ハッケヨイは目を細め、わずかに首を傾げた。 「……フム。見慣れぬ相手でゴワスな」 「フン!そんな呑気なことを言っていられるのも今のうちよ、ハッケヨイ!!!」 メカジャイ子の目がギラリと輝く。 「このメカジャイ子、貴様を倒すために生まれたのだ!!!」 「ほう……?」 「聞いて驚け!私のボディは超高密度オリハルコン合金で作られている!!普通の剣や槍では傷一つつかない!!」 「フム……」 「さらに、この右腕の超電磁カタパルトの出力はマッハ3!!その拳に耐えられるものなど存在しない!!」 「フムフム……」 「そして極めつけは、この背中のブースター!!!超音速で飛行し、急降下からの必殺——」 「フム」 バキィィィィィィン!!!! 次の瞬間、ハッケヨイは己の拳を振り上げ、メカジャイ子の顔面に正拳突きを叩き込んだ。 「ゴワァァァァッ!!!!!」 鋼鉄の顔面がへこんだ。 「……あれ?」 メカジャイ子は自分の顔を触った。ボコボコに凹んでいる。 「ちょ、ちょっと!?私、オリハルコン合金……なのに……?」 「フム、ワシの拳は万象にして最強の土俵拳(どひょうけん)でゴワス」 「そ、そんなバカなあああああああああ!!!!!!」 メカジャイ子の叫びが空に響いた。 続く http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1731350591/744
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