あなたの文章真面目に酷評します Part108 (608レス)
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抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) 自ID レス栞 あぼーん

532: 1/3 2020/06/18(木)09:42 ID:R7nTZO4l(1/3) AAS
おはようございます
ワイスレにも貼りましたが、批評お願いします

 戦時中、七つボタンの兵隊は、あらゆる男子のあこがれだった。一五も例に漏れず、予科練の採用試験に応募したが落ちてしまった。しかし、昭和19年に召集を受けて、徴兵検査に合格。一五は20歳で中国へ出征した。
「寒いのう…」
 蒸気機関車で戦地へ向かう最中、一五はぎゅうと小柄な体を縮こませて、カチカチと歯を鳴らしていた。
 春先とはいえ、どこまでいっても黒い山と大地が地平線に伸び、灰色の雲がたちこめ、雪がちらついていた。さらに一五たち下級兵は、客室ではなく、貨車にすしづめにされていた。おまけに日本を出立して丸一日を過ぎていたが、みんなろくなものを食べていなかった。
 寒さとひもじさに震えが止まらず、かすみそうな一五の意識の中で、はっきりとした声が聞こえた。「食え」
省6
533: 2/3 2020/06/18(木)09:47 ID:R7nTZO4l(2/3) AAS
 鉢植えの植物はすべて枯れ、ゴミ袋の山にハエがブンブン飛び回っているベランダに、しとしとと雨が降りそぼる。
 男は、古アパートの6畳の和室にいた。畳にはいつ取り込んだか脱ぎ捨てたかもわからない衣類が散らかり、その上にコンビニ弁当やパンの包袋、チューハイの缶などのゴミが乱雑に入ったゴミ袋がいくつも置かれ、さらに無数のコバエが浮遊を楽しんでいる。
 男は、50代の坂をいくつか越えたくらいの年代で、偏った食生活のせいで醜く肥え太っていた。いくら6月中旬で蒸し暑いとはいえ、年季の入ったタンクトップにゴムのゆるみきったトランクスだけを身にまとっていて、余計にむさ苦しさを増していた。
 ゴミに埋もれていないタンスの上には、一枚の写真が飾られている。20年以上前の、誰かの結婚式の時の写真だ。男の、たったひとりの弟の結婚式の写真だった。
 年老いてはいるがまだ健在だった頃の両親、丸顔がかわいらしいお嫁さんをもらった、眼鏡をかけた精悍な顔立ちをした弟。そしてその弟の横で、遠慮がちに写っている、まだ30歳前の太ってはいないが冴えない外見の男の姿。
 男は、家族には長年会えていなかった。否、もう会えないのだ。30代半ばにしてリストラに遭い、ギャンブル依存症に陥って、実家の金目になりそうなものを漁ろうとした罪で一族から縁を切られたのだ。
 両親は他界したが、母だけは我が子可愛さに、男にいくばくかの遺産を与えてくれた。でも、それが尽きる日はもう近い。男名義で作られた預金通帳に記された残高金額はあとわずかしか残っていない。
省22
534: 3/3 2020/06/18(木)09:50 ID:R7nTZO4l(3/3) AAS
普段書いている文章は一人称ではなく三人称なのですが、「地の文に登場人物のセリフが入っているせいで、視点がぶれている」旨指摘されました
こちらでも批評お願いします
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