【TRPG】反帝国レジスタンス軍【中世ファンタジー】 [無断転載禁止]©2ch.net

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23: モナー ◆7N40RVTnT6  [sage] 2016/10/24(月) 01:57:37.51 ID:Gb56UKBK

「うわーだめだー！」

ある者は叫びある者は恐怖のあまり硬直する。
しかし結論から言うと――ケルベロスの破壊のブレスは誰にも当たらなかった。
と言っても華麗に避けた……のではない。最初から当たる軌道ではなかったのだ。

「どういうことだ……？」

「こら！　ちゃんと当てなさい！！」

アンジェリカが命令するも、ケルベロスは飽きたのか、座って毛繕いをはじめた。
つまるところ、コボルト程度は扱えてもこのレベルの魔獣を扱うには絶対的なレベル不足であった。
帝国軍遊撃隊――と言えば恰好いいが、その真相は――
他では使いようがないどうしようもない雑魚やイロモノを寄せ集めて放り込んだ集団であった。

「折角だからこの姉ちゃん捕虜にしようず！」

「うわなにするやめなさ――――いッ！！」

アンジェリカ（とペットのケルベロス）はあっという間にレジスタンス軍に取り囲まれ、簀巻きになって捉えられた。

数十分後――レジスタンスの基地にて……
帝国軍の劣悪な労働条件を涙ながらに語るアンジェリカがいた。

「うっ……うぅ……失敗したらどうなるか分かってるだろうなっていつも脅されて……
この変態みたいな服装も上層部に無理矢理……くそっ、あのエロ親父め！」

帝国軍の内情はハラスメントまみれのようだ。
どうやらドＳの悪の女幹部っぽいキャラ付けはヤケクソでやっていた模様である。
軍なのに徒党すら組ませてもらえずにたった一人で襲撃を行っていたのは
強いからではなく単に雑魚の捨て駒扱いだったからのようだ。

「流石は悪の帝国！　身内にも容赦ないぜ！」

「お前さんも大変だったな……ほら、暖かいうちに食いな」

マスターがアンジェリカの前にカツドンを置く。

「お……いしい……」

「レジスタンスに入れば毎日食えるぜ！」

「でも……私……私……」

「いいんだ、昨日の敵は今日の友さ！」

モナーはアンジェリカに無駄に爽やかな笑顔で手を差し伸べ、アンジェリカはその手を掴む。
完璧に――――落ちた。
帝国軍遊撃隊所属の魔物使いは、この瞬間をもってレジスタンスの生き物係となったのであった。

「つーかすっかり古参みたいな顔してやがるがお前もまだ会員登録してないよな！？　
まあいいや、二人ともこの紙に名前とか書いて！」

こうして、ひょんなことから最下層の下っ端とはいえ帝国軍の内情を知る味方を得た――
この時を境に、帝国への反撃が始まるのである――きっと多分！！

http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1473694164/23

25: モナー ◆7N40RVTnT6  [sage] 2016/11/13(日) 18:07:45.49 ID:aCwck4i3

出発の前の日の夜、マスターがモナーとアンジェリカに語る。

「実は――お前達をすんなりとうちのレジスタンスに入れたのには理由がある」

「マジで！？　誰でもウェルカムじゃなかったの！？」

「そりゃあただの雑魚を入れても無駄死にするだけだからな。
お前達の共通点……それは『フラグメント』と契約していることだ。
それは失われた技《ロストアーツ》を宿した存在。
古代の人間は神にも等しい力を持っていた――その力のほんの断片だ」

「何その中二設定！　そんなかっこよさそうなものと契約とかしてないぜ！？」

「いや、何か持っているはずだ。例えば親から貰ったペンダントとか……」

「あ、そういや持ってるわ」「私も……でもなんかすごい特技みたいなんあったっけ？」「さあ」
「もしかして魔法剣！？」「あ、魔物使いの能力……？」「ちょっと珍しい特技ぐらいにしか考えてなかった」

「お前ら物事深く考えなさすぎだろ！　なんだろう、このＬＶ１の主人公にチュートリアルしてる感じ……」

ヽ(´ー｀)ノ（ノ´ー｀）ノ（ノ´ー）ノ（ノ´）ヽ（　　　）ノヽ（ー｀ヽ）ヽ（´ー｀ヽ）ヽ（´ー｀）ノ

次の日、作戦に参加する面々が集まっていた。
――といっても、モナーとアンジェリカのマスターの3人だけである。

「えっと……これは帝国への反乱の狼煙となる重要な作戦……だよな！？
何で参加者３人！？　ってか3人と見せかけて実質１人だよね！？」

「いや、3人だから！　そういうメタな発言はやめなさい！
深夜ドラマの予算の少ない冒険活劇じゃないんだから！」

「勇者ヨ○ヒコっしょ！？　あれおもろいよね！」

「コラ―――――――――！！」

アンジェリカもメタ発言に便乗し、マスターの怒声が響いた。

――さて、気を取り直して。
前日に地図を囲んで話し合った結果、帝国軍の警備を掻い潜りミスリル採掘場に辿り着くには、ケワシィ渓谷を抜けていくルートが最善だという結論に至った。
行程は順調に進み、いよいよ渓谷に差し掛かった頃。

「おーっと、ここは通さん！　今日がお前らの命日だ！」

いきなり一輪車にまたがった甲冑の騎士が現れた。

http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1473694164/25

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