ガールズ・トーク&ストライカー!! [無断転載禁止]©2ch.net (36レス)
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1: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 16:53:11.57 ID:9oLzksyo 手加減するのにゃもう飽きた。 とにかく誰かを殴りたい。 恨みっこなしよの大勝負。 いま花開け! 私の<異・常・性>! プロローグ 第1章 平凡と退屈のあいだ 第2章 私にその手を汚せと言うのか 第3章 我が逃走 だってわたしのせいじゃない 第4章 孤独の女王 第5章 世界を変えたいと願うなら 第6章 相手の心をへし折りなさいと、美しい母はそう言って笑った 第7章 怪物が目覚めるとき 第8章 私はゆきみ。私はここを歩く。 私が歩いた後に道はできる。 エピローグ http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/1
2: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 16:54:24.07 ID:9oLzksyo 第1章 平凡と退屈のあいだ http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/2
3: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 16:59:41.75 ID:9oLzksyo (あ、のっけから間違えた……)>>2はとりあえず無しって事で プロローグ http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/3
4: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 17:08:17.52 ID:9oLzksyo 近距離での打ち合いになれば、私は弱い。 装甲が紙でできている軽戦闘機のような頼りなさで…… 被弾した私はリングにあっさりと膝を突いた。 ボディィィィッ!? ぐ、ぐはっ!! な、なんぞこれっ!? いってえんですけどっ! マジ、いってえぇぇんですけどっ! 本当に、ほんの一瞬だけだけれど、対戦相手の桐谷さんの顔に、 ためらいと気遣いの色が浮かんだ気がした。 それなりの闘争心をもって、臨んだはずの試合だった。 でも私の心は、重い一発の衝撃に早くも折れたがっている。 いやもうそれはもう、今すぐにでも折れたがっている。 っていうか、むしろ、早く折れろ。 げふぅっ…… 朝食どころか昨日の夜ご飯まで逆流してくるような、 強烈な、吐き気。 なんぞっ、これ!? http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/4
5: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 17:13:20.99 ID:9oLzksyo レフェリーのおじさんのポマードのニオイが鼻についたから、 それで、私はレフェリーから距離を取りたくて、ふらふらと、 なんとか、立ちあがった。 折れてんだか、折れてないんだか、 なんとも中途半端な私の心。 どうすんの? 闘争するの? それとも、逃走するの? 早く決めてよ、マイ副交感神経! http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/5
6: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 17:19:14.60 ID:9oLzksyo ためらいの色を捨てて桐谷さんが再び襲いかかってきたのは、 私がファイティングポーズを取ったからだ。 義務のように。 ここに立っている以上、私はボクサーを演じなければならないと思った。 また、負け戦だったな……。(勝ったのは百姓です!) 自分なりに気合いを入れて臨んだはずの試合直後には、私の中にいたはずのサムライセブン。 残り機数はいったい何マリオなんだろうか? (1UPは、もうしません!) http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/6
7: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 17:24:44.76 ID:9oLzksyo ぼっこぼこに、された。 それはもう、ぼっこぼこにされた。 やだもうなにこれこわい。 やだもうなにこれチョーいたい。 ほとんど反撃らしい反撃もできないまま、 心優しいと良くいわれる私だけれど、結局は、仏の顔もサンドバッグだった。 四角いリングの中は、優しいだけでは生きられない非情の世界だった。 もうさー、折れて良いよね? わたし。 折れちゃうよー。 折れちゃうってばー。 だからもう、折れちゃうからねー。 あ。 折れた。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/7
8: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 17:37:43.29 ID:9oLzksyo 自分の心が折れる音を聞くというのは、滅多にできる経験ではない。 あー、あの音が頭蓋骨の外から聞こえてくるように感じたら、 それが幻聴ってやつなんだろーなー、なんてことを脈絡無く思った私。 ロッカールームを出て、キミちゃんとミキちゃん(彼女たちは別に双子ではない)と、 敗北の衝撃にうち沈んでいるであろう、私の心を気づかってくれる。 打ち抜かれたボディは、えげつなく陰湿なイジメを受けた中学生のおなかみたいに、 痛々しいあざになっていた。 いやー、いいのもらっちゃいましたねー、あざーす。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/8
9: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 18:03:25.14 ID:9oLzksyo 廊下で桐谷さんとすれ違った。 「あー」 と、旧友にでも街で偶然出くわしたかのような気さくさで、彼女はつかつかと近づいてきて 「だいじょぶ? おなかのとこ、あざになってたでしょ?」 「あ、はい。だいぶ」 「あははは。だいぶ、か。我ながら、けっこういいのが決まったと思ったもん!」 「そうですねえ。かなり痛かったです。っていうか、今まさに痛いです」 対戦相手との、なんとなく調子外れな会話。ミキちゃんとキミちゃんが、それとなく距離をおいてくれた。 それから、ずっと後方からもう一つの視線。白いマスクとサングラスをかけた不審な女が、こちらを見つめているはずだった。 「まあ、ごめんとは言わないよ。ルールにのっとったうえでの殴りっこだからさ! お互い恨みっこなしってことで、よろしく!」 「なるほど。たしかに、そうですよね」 彼女の言葉の理にちょっと感銘を受けて、私は素直に、こくりとうなづいた。 なにが悪かったのか、暗雲の兆し。空気が少し、変わった気がした。 「……あんた、なんだかちょっと、変わった子だよね」 ちょっとだけ、無理矢理作ったような笑いを浮かべて、彼女は立ち去ろうとして…… それから、おもむろに私の胸ぐらに嵐の勢いで掴みかかり、 それから、吠えた。 「ふざっけんなっ!!! てめえっ!」 はい? http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/9
10: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 18:08:27.58 ID:9oLzksyo 「てめえにとって、ボクシングは、お遊びかっ!? ああんっ!?」 え? がくがくがくがく 胸ぐらを捕まれたまま、私は激しく揺すぶられて、誰かに激しく感情をぶつけられるという これまでの人生にあまり体験したことのなかった…… 「こんどリングの上で会ったときにはなあっ! ホ・ン・キで、かかってこいやぁ!!!!」 (――!!!!) はしった! 電撃が、 いま、わたしは、 なにかを分かっていなかったことが、 わかった気がした。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/10
11: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 18:14:09.29 ID:9oLzksyo 興奮冷めやらぬ! という様子で、 略奪の機会をうかがう蒙古騎兵みたいに凶暴な、 そんな彼女の背中を目で追うだけの、 ちっぽけな、私。 私は―― 今まで何かに、本気になったことがあっただろうか? 私の中には、熱というものが、決定的に欠けている……。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/11
12: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 18:14:37.69 ID:9oLzksyo 第1章 平凡と退屈のあいだ http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/12
13: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 19:29:32.74 ID:9oLzksyo <ゆ・き・みっ! それっ! ゆ・き・みっ!> あー、うーるさーい。母うーるさーい。 アラームクロックから聞こえてくる若かりし頃の母上のエール。 それと連動して襲いかかってくるのは、録音者本人の十年後の肉声である。 「ゆ・き・みっ! それっ! ゆ・き・みっ!」 なんでこの人ってば、朝っぱらからこんなにハイテンションなんですかね〜? http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/13
14: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 22:52:33.31 ID:9oLzksyo 「もうちょっとだけ、寝かせて……」 「二度寝に回復効果は無いという話よ、ゆきみ」 気分的にはあるよ〜……。 「あなたときたら、昭和中後期の藤子アニメに出てくる女の子みたいなのね、ゆきみ」 しらんがな……。Z。 「食パンを口にくわえたまま走って角を曲がるその時、あなたは運命の相手とぶつかるのよ」 (うるさいなー……ZZ) 「そして、あなたと彼の心と体は入れ替わるの」 (――……ZZZ) 「それから、世界最終戦争。つまり、ハッピーエンド」 (Z……ど、どこがやねん!?) http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/14
15: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 22:54:14.43 ID:9oLzksyo くっ、不覚にも、母の与太話に耳を傾けて覚醒してしまった……。 「……あいかわらず、朝っぱらから意味不明〜」 私はのそのそとベッドから這い出した。 「違うわ、ゆきみ! 人生の意味って、きっと自分が見つけるものなのよ!(にっこり)」 ハーレクインロマンスか何かにでも感化されたのか? 私は寝起きは少しだけ機嫌が悪い。母の「なりきり遊び」につきあってあげる気力無し。 ずしゃーっとカーテンを開けてから、ガラグル〜っとサッシ窓を開け放ったうちのおかん。 さ、さむいっすよ……。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/15
16: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 22:55:02.93 ID:9oLzksyo 朝の日の光を浴びる母がまぶしく見えたのは、単に逆光だったからだろうけれど、 キミちゃんとミキちゃんの言うところでは、うちの母親には「オーラ」がある。 美人、なのである。ざっくり言うと、かなりの美人なのである。 その話すると本人がすぐ調子に乗るから、あんまり言いたくはないんだけど、 「父兄参観」の日に仕事でどうしても来られなかった父の代わりに、母がやってきた。 教室中の父兄達がいっせいに注目して、ざわっ! とした瞬間を、今でもハッキリ覚えている。 ちょっとしたカリスマレベルの美貌である。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/16
17: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 22:57:27.26 ID:9oLzksyo (演技が大好きなんだし、いっそ、女優にでもなれば良かったんじゃないのー?) まあ、容姿も性格も父に似ていると言われる私には、さっぱり受け継がれていないんだけどさー。 (だって、お母さんがハリウッド・スターになっていたら、お父さんと出会えなかったかもしれないじゃない?) 上機嫌の母にかまいつけると際限なく面倒くさいことになることは、 もうじゅうじゅう身にしみて分かっていることだったので、これを全力スルー。 (あ。でも運命の相手なんだから、いつかは結局出会っていたかもしれないわねっ!) パジャマを脱いだらきちんとたたみ、 (ちなみに、母は脱いだものを脱ぎ散らかす) それから学校指定のブレザーに身を包んだ。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/17
18: 読み物ニキ [sage] 2016/06/28(火) 23:57:59.47 ID:9oLzksyo 「敵襲ーっ! 敵襲ーっ! キキミミ襲来っ! キキミミしゅうらーいっ!」 (キキミミってなんだよ。キキララかよっ) 窓から身を乗り出し、玄関の方に向かって大きく手を振っている……ようだ。 いちおう誤解の無いように言っておくと、ミキちゃんとキミちゃんである。 (あるいはキミちゃんとミキちゃんでも可) http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1467100391/18
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