ガールズ・トーク&ストライカー!! [無断転載禁止]©2ch.net (36レス)
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1: 読み物ニキ 2016/06/28(火)16:53 ID:9oLzksyo(1/18) AAS
手加減するのにゃもう飽きた。
とにかく誰かを殴りたい。
恨みっこなしよの大勝負。
いま花開け! 私の<異・常・性>!

    プロローグ
第1章 平凡と退屈のあいだ
第2章 私にその手を汚せと言うのか
省7
2
(1): 読み物ニキ 2016/06/28(火)16:54 ID:9oLzksyo(2/18) AAS
第1章 平凡と退屈のあいだ
3: 読み物ニキ 2016/06/28(火)16:59 ID:9oLzksyo(3/18) AAS
(あ、のっけから間違えた……)>>2はとりあえず無しって事で

プロローグ
4: 読み物ニキ 2016/06/28(火)17:08 ID:9oLzksyo(4/18) AAS
近距離での打ち合いになれば、私は弱い。
装甲が紙でできている軽戦闘機のような頼りなさで……
被弾した私はリングにあっさりと膝を突いた。

ボディィィィッ!? ぐ、ぐはっ!!
な、なんぞこれっ!?
いってえんですけどっ! マジ、いってえぇぇんですけどっ!

本当に、ほんの一瞬だけだけれど、対戦相手の桐谷さんの顔に、
省9
5: 読み物ニキ 2016/06/28(火)17:13 ID:9oLzksyo(5/18) AAS
レフェリーのおじさんのポマードのニオイが鼻についたから、
それで、私はレフェリーから距離を取りたくて、ふらふらと、
なんとか、立ちあがった。

折れてんだか、折れてないんだか、
なんとも中途半端な私の心。

どうすんの? 闘争するの?
それとも、逃走するの?
省1
6: 読み物ニキ 2016/06/28(火)17:19 ID:9oLzksyo(6/18) AAS
ためらいの色を捨てて桐谷さんが再び襲いかかってきたのは、
私がファイティングポーズを取ったからだ。
義務のように。

ここに立っている以上、私はボクサーを演じなければならないと思った。
また、負け戦だったな……。(勝ったのは百姓です!)
自分なりに気合いを入れて臨んだはずの試合直後には、私の中にいたはずのサムライセブン。
残り機数はいったい何マリオなんだろうか? (1UPは、もうしません!)
7: 読み物ニキ 2016/06/28(火)17:24 ID:9oLzksyo(7/18) AAS
ぼっこぼこに、された。
それはもう、ぼっこぼこにされた。

やだもうなにこれこわい。
やだもうなにこれチョーいたい。

ほとんど反撃らしい反撃もできないまま、
心優しいと良くいわれる私だけれど、結局は、仏の顔もサンドバッグだった。
四角いリングの中は、優しいだけでは生きられない非情の世界だった。
省6
8: 読み物ニキ 2016/06/28(火)17:37 ID:9oLzksyo(8/18) AAS
自分の心が折れる音を聞くというのは、滅多にできる経験ではない。
あー、あの音が頭蓋骨の外から聞こえてくるように感じたら、
それが幻聴ってやつなんだろーなー、なんてことを脈絡無く思った私。

ロッカールームを出て、キミちゃんとミキちゃん(彼女たちは別に双子ではない)と、
敗北の衝撃にうち沈んでいるであろう、私の心を気づかってくれる。
打ち抜かれたボディは、えげつなく陰湿なイジメを受けた中学生のおなかみたいに、
痛々しいあざになっていた。
省1
9: 読み物ニキ 2016/06/28(火)18:03 ID:9oLzksyo(9/18) AAS
廊下で桐谷さんとすれ違った。
「あー」
と、旧友にでも街で偶然出くわしたかのような気さくさで、彼女はつかつかと近づいてきて
「だいじょぶ? おなかのとこ、あざになってたでしょ?」
「あ、はい。だいぶ」
「あははは。だいぶ、か。我ながら、けっこういいのが決まったと思ったもん!」
「そうですねえ。かなり痛かったです。っていうか、今まさに痛いです」
省12
10: 読み物ニキ 2016/06/28(火)18:08 ID:9oLzksyo(10/18) AAS
「てめえにとって、ボクシングは、お遊びかっ!? ああんっ!?」
え?

がくがくがくがく

胸ぐらを捕まれたまま、私は激しく揺すぶられて、誰かに激しく感情をぶつけられるという
これまでの人生にあまり体験したことのなかった……

「こんどリングの上で会ったときにはなあっ! ホ・ン・キで、かかってこいやぁ!!!!」
(――!!!!)
省5
11: 読み物ニキ 2016/06/28(火)18:14 ID:9oLzksyo(11/18) AAS
興奮冷めやらぬ!

という様子で、
略奪の機会をうかがう蒙古騎兵みたいに凶暴な、
そんな彼女の背中を目で追うだけの、
ちっぽけな、私。

私は――
今まで何かに、本気になったことがあっただろうか?
省1
12: 読み物ニキ 2016/06/28(火)18:14 ID:9oLzksyo(12/18) AAS
第1章 平凡と退屈のあいだ
13: 読み物ニキ 2016/06/28(火)19:29 ID:9oLzksyo(13/18) AAS
<ゆ・き・みっ! それっ! ゆ・き・みっ!>
あー、うーるさーい。母うーるさーい。
アラームクロックから聞こえてくる若かりし頃の母上のエール。
それと連動して襲いかかってくるのは、録音者本人の十年後の肉声である。
「ゆ・き・みっ! それっ! ゆ・き・みっ!」
なんでこの人ってば、朝っぱらからこんなにハイテンションなんですかね〜?
14: 読み物ニキ 2016/06/28(火)22:52 ID:9oLzksyo(14/18) AAS
「もうちょっとだけ、寝かせて……」
「二度寝に回復効果は無いという話よ、ゆきみ」
気分的にはあるよ〜……。

「あなたときたら、昭和中後期の藤子アニメに出てくる女の子みたいなのね、ゆきみ」
しらんがな……。Z。

「食パンを口にくわえたまま走って角を曲がるその時、あなたは運命の相手とぶつかるのよ」
(うるさいなー……ZZ)
省4
15: 読み物ニキ 2016/06/28(火)22:54 ID:9oLzksyo(15/18) AAS
くっ、不覚にも、母の与太話に耳を傾けて覚醒してしまった……。
「……あいかわらず、朝っぱらから意味不明〜」
私はのそのそとベッドから這い出した。

「違うわ、ゆきみ! 人生の意味って、きっと自分が見つけるものなのよ!(にっこり)」
ハーレクインロマンスか何かにでも感化されたのか?
私は寝起きは少しだけ機嫌が悪い。母の「なりきり遊び」につきあってあげる気力無し。

ずしゃーっとカーテンを開けてから、ガラグル〜っとサッシ窓を開け放ったうちのおかん。
省1
16: 読み物ニキ 2016/06/28(火)22:55 ID:9oLzksyo(16/18) AAS
朝の日の光を浴びる母がまぶしく見えたのは、単に逆光だったからだろうけれど、
キミちゃんとミキちゃんの言うところでは、うちの母親には「オーラ」がある。
美人、なのである。ざっくり言うと、かなりの美人なのである。

その話すると本人がすぐ調子に乗るから、あんまり言いたくはないんだけど、
「父兄参観」の日に仕事でどうしても来られなかった父の代わりに、母がやってきた。
教室中の父兄達がいっせいに注目して、ざわっ! とした瞬間を、今でもハッキリ覚えている。
ちょっとしたカリスマレベルの美貌である。
17: 読み物ニキ 2016/06/28(火)22:57 ID:9oLzksyo(17/18) AAS
(演技が大好きなんだし、いっそ、女優にでもなれば良かったんじゃないのー?)
まあ、容姿も性格も父に似ていると言われる私には、さっぱり受け継がれていないんだけどさー。
(だって、お母さんがハリウッド・スターになっていたら、お父さんと出会えなかったかもしれないじゃない?)

上機嫌の母にかまいつけると際限なく面倒くさいことになることは、
もうじゅうじゅう身にしみて分かっていることだったので、これを全力スルー。
(あ。でも運命の相手なんだから、いつかは結局出会っていたかもしれないわねっ!)

パジャマを脱いだらきちんとたたみ、
省2
18: 読み物ニキ 2016/06/28(火)23:57 ID:9oLzksyo(18/18) AAS
「敵襲ーっ! 敵襲ーっ! キキミミ襲来っ! キキミミしゅうらーいっ!」
(キキミミってなんだよ。キキララかよっ)
窓から身を乗り出し、玄関の方に向かって大きく手を振っている……ようだ。
いちおう誤解の無いように言っておくと、ミキちゃんとキミちゃんである。
(あるいはキミちゃんとミキちゃんでも可)
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