ジャンク・ストーリー [転載禁止]©2ch.net (60レス)
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あぼーん
2: 1 [] 2015/07/29(水) 03:55:50.95 ID:lSMvt+GH 第1章 怪物が目覚める夜 僕の中でそれが産声をあげたのは、たぶん六歳のあの日のことだったと思う。 それは名状しがたい名前のない何かで、低くうなり声を上げながら僕の中に今でも深く息づいている。 暗闇の中で、それはしばしば怯えていて、あるいは静かに怒り、あるいは手負いになって咆哮する。 この痛みに、果たしてどんな理由があるというのだろう。 それは何かの罰なのだろうか? だとしたら、それはどのような罪状によるものだというのだろう? 誰か、教えて欲しい――。 このような痛みを背負って生きろというなら、せめてそこには理由が欲しいのだと、僕の中のそれは叫んでいる。 悪い夢にうなされて目覚めたある夜中に、僕は自分が25歳を迎えたことに気がついた。 たんじょうび、という言葉にまつわる心温まる思い出は記憶にあまり無い。人並みに誕生日を祝って貰った記憶もない。 テレビで見たのだったか人づてに聞いたのだったか、誕生日というのは子供にとって楽しくも待ち遠しいものだということを知ったのは、多分六歳より後のことだったと思う。 カルチャーショックのようなものは、たぶん無かった。 「やっぱりな」 という、いうなれば、今まで騙されていたことに薄々は気づいていたが――という諦念のような理解を覚えたのだと思う。 例えば誰かに誕生日を祝って貰うとか、プレゼントを貰うとか、丸くて大きなケーキにロウソクを立てて、その火を吹き消したら拍手してもらえるだとか。 そんな優しさや暖かさに満ちた世界は僕にとって縁遠いものだった。今だってそうだ。まるで超能力や幽霊の話みたいに、眉唾の絵空事みたいに思えることもある。 大丈夫、孤独や苦痛には慣れている。 明け方まではまだ遠い、暗い天井を見上げながら僕はつぶやいてみたのだったが、その夜の孤独感と痛みは、さすがの僕にもひときわ堪えた。 色々な出来事がぐるぐると頭に浮かんで、その夜僕は再び眠りにつくことが出来なかった。 そして、唐突に「書こう」と思った。 誰に聞かせるでもない愚痴を心の中で繰り返していても仕方ない。一歩も進めないしどこにも行けない。 いっそ、全てを吐き出してしまおうと思った。 これから書く文章は、その夜につれづれのままに書き連ねた断片的な記憶を、改めて書き直してまとめたものになる。 うまく書けるかどうかは分からない。苦痛と怨嗟と、あるいは自己憐憫に満ちた独りよがりの文章になってしまうかもしれない。 それでも、もしかしたら誰かが読んでくれるのではないか。何かを感じてくれるかもしれないと思って、書いてみることにする。 このままでは僕は爆発してしまう。 何か決定的な間違いを犯してしまうその前に、僕は自分の人生を変えたいと切実に願っている。 そのためには自分自身のことを、改めて振り返ることが必要なのだと、その夜に僕は唐突に思った。 これから書き綴るのは僕の物語だ。 愛を知りたいと願いつつ、それを知ることが適わなかった、そんな僕の物語だ。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1437605078/2
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