【進撃の巨人】二次小説・SSスレ [転載禁止]©2ch.net

6: 終回嘘バレ ◆lJ/O6pVj32  [sage] 2015/02/11(水) 09:03:37.58 ID:UnE8PK++

※カップリング  コニサシャ
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巨人が全滅し平和な世の中がやって来た。

一台の車が海の見える堤防の前でブレーキをかけた。
降りて来たのはすっかり大人びたコニーとサシャだった。

車のキーをジーンズのポケットに押し込んだコニーはサラサラの前髪をサングラスでヘアバンドのように押さえつけ、奇声をあげながら浜辺に走り去るサシャの後ろ姿を目で追った。

「コニー！おいしそうなカニがいますよ！捕まえて皆さんで食べましょう！」

青い海と空をバックによく映える白いワンピースの裾を軽くつまんだサシャが楽しそうに声を上げ手を振っている。

「何だよ《かに》って、食えるのか？」

「おいしいですっ！」

コニーはサシャが脱ぎ散らかしたサンダルを拾い集めて砂浜の方へ降りてゆく。

凄惨な過去を経て生き残ったかつての少年と少女は身長差も逆転し、ようやく壁の無い開放感と安寧に遅まきながらの青春を謳歌していた。

波打ち際まで歩いてきたコニーがサンダルを手渡すと、それを受け取ったサシャは不意にうつむいて今にも泣きそうな声でつぶやいた。

「エレンとアルミンとミカサは…これを…海を…見たかったんですよね…」

白い砂浜にポタリポタリと大粒の涙が落ち、小さなグレーの砂の塊が出来た。コニーは水平線を眺めながら「ああ、そうだな」と抑揚の無い声で答えた。

壁や山に遮られない広い広い空間の中で、コニーとサシャはしっかり砂地を踏みしめて脈動のように一定のリズムで寄せては返す波を見つめる。

「結局生き残ったのは俺たちだけで、成績優秀なあいつらは全員大人になれなかったな…」

「私たちが優秀だったんじゃないですか？」

泣いたままおどけて笑顔になったサシャが顔を上げる。

(綺麗だ……)

照れたコニーが思わず顔をそむけるが、気にする様子もないサシャは足元の小さなオレンジ色の生き物と戯れていた。

「カーニッ♪カーニッ♪」

「サシャ、お前はあの頃からちっとも変わんねぇな」

潮風に乱れる髪を押さえつつサシャが不満気な顔でコニーを見上げた。

「変わりましたよー、あの日から今日のために必死で料理の腕前上げて来たんですから！」

「そうだな。お前が料理ができるなんて忘れてたぜ。」

コニーは目を細めて水平線の彼方に目を遣り、ほんの少し頬を緩めた。サシャは眩しそうにコニーの仕草を見つめて微笑んだ。

「あの最終戦の後、長らく行方不明だった上司三人から、一月前 突然レストランを開業するから手伝えと手紙が来た時は、慌てて芋の皮剥きや皿洗いの練習をしたもんだが。…いやぁ驚かされたもんだ！」

「全くです！最終戦の英雄達を迎えようとどれだけ探したと思ってるんですか！死体さえ出て来なくて泣き続けたあの日々を返してください！」

「ホント団長ももう一人の団長も兵長も人が悪りぃよな、生きてるなら生きてるともっと早く連絡くれたらジャンと合流して馳せ参じたのによぉ」

コニーとサシャは顔を見合わせて思わず吹き出した。

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