姫「もう半年か・・・」 (64レス)
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22: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/08/26(日) 10:40:34.16 ID:3+pJNtRZ 老人に別れを告げ、荒野を進むと やがて城壁に囲まれた町へと辿り着いた。 町の入口にある朽ち果てた看板にはルイダの街と 書かれていた。 勇者「…大丈夫か?」 姫様「これぐらい、なんともありませんわ」 身重の姫には旅は辛いだろうが、一人だけ 老人の家に置き去りにする訳にもいかない。 だからと言って、町まで歩かせる訳にもいかず 老人から借りた馬に乗せてなんとか町まで来た。 勇者「どこか、休める所があれば良いんだが」 辺りを見回すが、寂れた町の中には人の姿は一人もいない。 勇者「おい!誰か!誰もいないのか?」 町の中に声を投げかけてみるが、返答は無い、 しかし、完全に破棄された廃墟言う訳でもなく、そこかしこの 家の中から勇者達を警戒するような視線を感じる。 姫様「様子がおかしいですわね」 勇者「…だな」 とりあえず、いつでも剣を抜けるように 警戒しながら、村の奥へと進む。 ガタン…。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1340425628/22
23: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/08/26(日) 10:55:02.29 ID:3+pJNtRZ 姫様「っ!」 勇者「…!!」 何かが倒れる物音に振り替えると、そこには人の姿があった ───だが、ボロボロの服を纏い、全身から異臭を放ち、 皮膚は腐って半ば溶け落ちた人間だったが。 そんな人間達が大体20人ぐらいは居ただろうか、 辺りはすっかり囲まれてしまっていた。 姫様「腐った死体!?」 勇者「下がってろ!」 普段ではこの程度は物の数ではないが、 今は身重の姫を庇いながら戦わなければいけない。 腐った死体「うっぽー」 勇者「この町の住人…って所か 悪いけど、速攻で倒させてもらう」 言いざまに剣を抜き放ち、手近な腐った死体に斬り付ける、 そのまま振り向きざまに剣を返して、2体………さらに、 勢いに乗って3体の腐った死体を斬り捨てる。 腐った死体「うっぽー」 これで勇者と姫を完全に敵とみなしたのか、腐った死体達は 勇者に灰色の液のようなものを吐きかけてくる。 勇者「くっ…」 勇者はマントを翻して吐きかけて来た液から身を守る、 液が勇者のマントに掛ると、ジュッと音を立ててマントに大きな 穴を空ける。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1340425628/23
24: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/08/26(日) 11:14:43.63 ID:3+pJNtRZ 姫様「ベギラマ!」 後ろに隠れていた姫が呪文を放ち、姫の手のひらから 炎の帯が荒れ狂い、腐った死体達を巻き込んでゆく。 腐った死体「ギャァァァァァ!!」 炎が苦手なのか、炎に巻き込まれなかった腐った死体達の 動きも止まる。 勇者「ウォオオオオオォオォオォッ!!」 勇者相手に動きを止めたのは致命的であり、残りの腐った死体達を 勇者の剣が次々と斬り伏せてゆく。 20体程居た腐った死体達は、勇者と姫の連携の前に なす術もなく、倒されてゆく。 勇者の剣が最後の腐った死体を斬り倒し、死体が倒れた瞬間─。 背後から…鈍い音がした。 勇者「姫!!」 振り向くとそこには魔物の剣に貫かれ、倒れた姫の姿があった。 体長は3メートル程だろうか、服を着た人骨の剣士─しりょうの騎士─が 音もなく背後から忍び寄っていた。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1340425628/24
25: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/08/26(日) 11:24:23.29 ID:3+pJNtRZ 勇者「野郎!!」 さらに姫に止めを刺そうとしたしりょうの騎士の剣を 勇者の剣が受け止め、その胴体に回し蹴りを放つ。 強烈な蹴りをその身の受けて、吹っ飛んだ死霊の騎士は 全身の骨がバラバラに飛び散る…。 勇者「姫!死ぬなよ!…ベホイ─────」 姫の傷を癒そうと勇者が呪文を唱えるが、 まるで時間を逆回ししたように、全身の骨が再び人の形に 組みあがり、死霊の騎士は復活し、呪文を唱えて居た 勇者の背中を蹴り飛ばす。 勇者「ぐっ!」 直撃を受けて苦痛に顔が歪むが、今はそれどころではない 早く傷を癒さなくては姫も、そして腹の中の子も命が 危ない。 勇者「ベホイミ!」 死霊の騎士の攻撃に耐えながらもなんとか、呪文を唱えきる 勇者、光が姫の体を包むが意識を取り戻さない。 ベホイミ一回分では、癒しきれないような深い傷だ。 さらに、戦いの音を聞きつけて腐った死体や死霊の騎士、 ゴーストや骸骨剣士など、町中に隠れていた魔物達が 集まってきた。 勇者「くそったれが!!」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1340425628/25
26: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/08/26(日) 12:27:59.22 ID:3+pJNtRZ バシャ!! 次の瞬間、勇者達に水が降りかかった、 水瓶をぶちまけたかのような大量の水を頭から被り、 全身が濡れ鼠になってしまう。 勇者「???」 ??「何をぼーっとしているんだい!今のうちに 逃げるんだよ!」 見ると、飛び散った水をその身の受けた魔物達が 苦しんでいる。 勇者「こいつは…聖水か!?」 気を失ったままの姫を抱えて、逃げ出す勇者、 魔物達も勇者を追いかける。 ??「こっち!」 声のする先へと逃げ出し、扉が開いている家の中に 飛び込む。 勇者が家に飛び込むと同時に、聖水を被せた本人だろうか 骨付き肉を扉から外に投げ込むと同時にドアを閉めて、 閂をかける。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1340425628/26
27: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/08/26(日) 12:45:22.32 ID:3+pJNtRZ 勇者「済まない、助かった」 ??「静かにおし!」 礼を言う勇者の口を押えたのはややキツイ目付きをした 青い長髪の女だった、歳にして大体20後半か 30前半ぐらいだろうか? 扉に耳を当てて魔物達が収まるのを確認して、ため息を付く。 ??「全く、そんな妊婦を抱えて外を出歩くなんて 何を考えているんだい」 勇者「…アンタは?」 ルイーダ「アタシかい?アタシはルイーダ この酒場の店主さね…もっとも、今となっては誰も 客なんていないけどね」 ルイーダ「そんな事より、 その娘をソファーに寝かしてやんな」 ルイーダがソファーの埃を軽く払い、シーツを ソファーにかけ、勇者は姫をソファーに寝かせる。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1340425628/27
28: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/08/26(日) 13:01:30.97 ID:3+pJNtRZ 勇者が何度か回復呪文を唱えると、姫の様子は 落ち着いたようだ。 勇者「…ここがルイーダの酒場…」 勇者が店の中を見回すが、店として使われていないのか 随分とボロボロになっているようだった。 ルイーダ「この世界じゃ、魔王に逆らおうなんて奴ぁ そうそう居ないからね、客も居ないんじゃ 商売あがったりだよ……飲む?」 ルイーダは棚から酒の入っているであろうビンを取り出し、 勇者に見せるが、勇者は首を横に振った。 勇者「とにかく助かった」 勇者は装備を外してカウンターの椅子に腰を下ろす、 老人の家から長旅でルイダの街まで歩き、そのうえ魔物の群れ と戦ったのだ、勇者の体力はすでに限界だった。 そして…それ故に勇者らしからぬ隙が生まれた。 ルイーダ「ザラキ!!」 突如ルイーダの放った死の呪文を受け、勇者はなす術もなく 死の言葉を受けて、命が絶たれてしまった。 勇者の体が力なく、酒場の床に倒れこんだ。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1340425628/28
29: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/08/26(日) 13:28:04.43 ID:3+pJNtRZ ルイーダは倒れた勇者の首筋に手を当て、脈が動いていない 事を確認する。 次に瞳を開き瞳孔が開いている事を確認する。 ルイーダ「………死んだ…わね。」 ルイーダは勇者の首筋を掴み、酒場の扉から外に放り出すと ややあって、魔物達が勇者の体に群がり、勇者の 亡骸を始末して行く。 勇者は何度殺しても、蘇ると聞いた事がある、 しかし確実に亡骸を始末してしまえば、二度と蘇る事は 無いだろう。 ルイーダ「あっけないものね、勇者と言うのも」 ルイーダは冷たい目で骨も残さず、地面のシミと成り果てた 勇者を見据えると、再び扉を閉めてソファーで寝ている姫に 向き直る。 ルイーダはおもむろに姫の衣服を引き裂くと、 姫の大きなお腹が露わになった。 ルイーダ「少し、時期が早すぎたかしら 仕方ないわね」 ルイーダは姫の下腹部に手を当てて、怪しげな呪文を唱えると 姫の腹が急激に二回りほど大きくなる。 姫様「アァァァアアアアアアアアァァァァァ!!」 突如の激痛に姫は苦悶の声を上げ、ややあって赤子の頭が 見えてくる。 ルイーダ「………煩いわね…」 ルイーダは姫の叫び声に顔を歪ませながらも、呪文を唱え続け やがて、臍の緒が付いた赤子が姿を現す…最初の男の子、 そして次に女の子が…。 ルイーダ「二人も居たとはね、魔王様もお喜びになるわ」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1340425628/29
30: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/08/26(日) 13:42:28.70 ID:3+pJNtRZ 姫様「……うぅ……!」 ルイーダ「…お前も…もう要らないわ お前の夫が地獄で待っているわよ 死ねっ!ザラキ!」 死の呪文が勇者の時と同じく襲い掛かり、姫の命を あっさりと奪った。 同じく姫の亡骸を外に投げ出し、魔物達の群れが 亡骸を始末する。 魔物「……上手く、行ったようですな…側近様。」 魔物の一人がルイーダの前で首を垂れると、 ルイーダは服を脱ぎすて ルイーダの体を白い煙が包み込む。 煙が晴れると、煙の中から魔物の姿が現れた。 側近「…ふん、勇者とて人間、いくら強くとも 油断さえしなければ、他愛もないものよ」 魔物「これで勇者と王族の血を引く者が 二人も手に入った訳ですな」 側近「予想以上の収穫よ。 アタシはこの子達を魔王様の元に届けに行くわ 後のことは任せたわ」 魔物「─────ハッ!」 ───そして、15年後─── http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1340425628/30
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