ひびき高等学園(元戸畑中央高校) (569レス)
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117: 2017/02/21(火)06:11 ID:BY7DAcLx0(10/12) AAS
だが少しでも、あんた達の意思を汲みたかった。戦場へ行き孤児はみんな拾った。
さすがに、育てられはしなかったが。でもそれでも、たりないのだろう。当たり前だ。
剣を交える。一つ一つ、鎧をはいでいく。良く見れば、すぐに分かった。鎧は脆い。つるぎも、脆い。俺が英雄だと呼ばれていた。
そのことは知っていたのだろう。だが、何か理由があった。……ッ。壁際。
オマエ……ミテル。
油断だった。剣が、俺の胸から足にかけてすべり下ろされる。
「ぐっあああ!」
絶叫。周りの人々も気付き始めた。
良く考えてみれば、最初に剣を交えてから、数分しか経っていない。それでも冷徹なくらいに時間が過ぎるのは早い。
決着はつこうとしていた。横凪の剣を上に弾き、甲冑の胴へと剣を叩き込む。
甲冑も剣を振り降ろすのが肌を打つ、風で分かる。出血を意に介さず、身を捩って、もう一撃。鎧の一枚が、また砕け散った。
俺は今まで逃げていた。ミアに会う事で分かった。俺はもう逃げない。俺が逃げる事なんて、俺は許さない。もう、後ろへは逃げない!
「ぐっ……ッ!」
コレデ……オワリダ!
全身から血が迸る。だが構わない。次の一撃で終わらせる。体を反転させての斬り、そして――
視界が赤く染まった。俺の血だ。倒れそうになる。まだ、倒れない。
甲冑は崩れていた。声が聞こえる。
スマナイ。
先に言われてしまった。謝らなければならないのは、俺のほうだ。
ミアヲ……タノム。
手にはロケット。あの日の、ものだった。
「当たり前だ」
そう、言う。甲冑は、笑ったように見えた。救われたのだろうか。
俺は、救われたのだろうか。体が、熱い。だが、自然と心は落ち着いていた。安堵していた。解放、されるようだった、
世界が暗く沈む。
「アイジャッ!」
高い、声だ。ミ……ア……?
アイジャは、倒れた。死んだ。死んだ? ある意味、死んだにも似ていた。
そう言おう。
*
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